【デザイン思考とは?】もはやビジネスでは必須!?デザイン思考の意味や定義導入事例、使い方を解説!

デザイン思考

ビジネストレンドとして存在感を強めているデザイン思考。定義や活用範囲が幅広く、いまいち本質が分からないというビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?

この記事では、デザイン思考の意味や、実践事例、具体的な取り入れ方を紹介しています。デザイン思考がビジネスにどう活かせるのか気になっている方は是非参考にしてみてください。

<<あわせて読みたい>>

デザイン思考によるマーケティングと経営戦略について徹底解説!

デザイン思考とは

経済産業省の「デザイン政策ハンドブック」によると、デザイン思考とは、「人間中心を旨とした、新しい価値を創造するためのプロセス」と記されています。

これまでは、テクノロジーや、政治・経済などの外部環境を起点に、商品やサービスを開発することが主流でした。

一方、デザイン思考では、ユーザーが本質的に求めていることを探り、その本質的なニーズを起点にあらゆるものを設計していく点が特徴です。

簡単に言い換えると、デザイン思考とは、”ユーザーのニーズを第一に考えるマインドセット”とも言えるでしょう。

商品やサービスだけでなく、制度、組織、システムなど広い範囲でのデザイニングに活用することができます。

[参考:デザイン政策ハンドブック2020経済産業省]

デザイン思考の提唱者

デザイン思考の提唱者は今でも明確なことは分かっていません。

”デザイン思考”という言葉は、1965年にブルース・アーチャー氏が書籍『デザイナーのためのシステム的方法』の中で語ったのが最初ではないかと言われています。

その後、1987年にハーバード大学のピーター・ロウ「Design Thinking」を出版、1991年には世界的なデザインコンサルティング会社IDEOを創設したデビット・ケリーによってビジネス領域への応用が始まりました。

2005年にはスタンフォード大学のd.schoolでデザイン思考が形式的な方法として授業になるなど重要度を高めています。

<<あわせて読みたい>>

【デザイン経営とは?】 デザイン経営を実現するデザイン思考の考え方

デザイン思考が生まれた背景注目を集める理由

デザイン思考が注目を集める理由は大きく3つあります。

  • 環境問題への懸念
  • 「モノ」消費から「コト消費へ」
  • 加速度的に変化するニーズ

1つずつ確認しましょう。

環境問題への懸念

昨今、地球温暖化や資源枯渇への懸念が高まる中、これまでの⼤量⽣産・⼤量消費型による事業活動はユーザーに受け入れられなくなっています

「モノ」消費から「コト消費へ」

「モノ」が溢れる現代において、ユーザーは「モノ」それ自体ではなく「コト」、つまりどれだけ良い経験ができるかを重要視するようになりました

加速度的に変化するニーズ

テクノロジーが急速に発展し、ユーザーのニーズも急速に変化しています。従来の仮説検証型のアプローチでは、解決策の用意が間に合わなくなりました。

以上の変化から、デザイン思考は今注目を集めています。

<<あわせて読みたい>>

サスティナビリティの意味や定義、企業の取り組み事例を知ろう!

デザイン思考を導入している企業

デザイン思考

既にデザイン思考を取り入れている企業は多く、成果を上げています。

どの企業も、ユーザーの行動をじっくり観察すること、アジャイル型で開発し問題点があればすぐに改善することを前提としています。そして、デザイン思考をより企業活動の中に取り入れるために、リードする人や組織を設置しています。

AppleのiPadやAirbnbはデザイン思考を取り入れて開発した事例として有名ですが、ここではより身近な日系企業で、デザイン思考を取り入れている事例を紹介したいと思います。

  • ①良品計画
  • ②TOTO
  • ③株式会社ヤフー

それぞれわかりやすく解説します。

 ①良品計画

無印良品を運営している(株)良品計画は、商品開発にデザイン思考を取り入れています。

無印良品の想定ユーザーは、”普通に暮らしている人”です。

普通の人たちが気付いていない「普段の生活の中にある不快さ・不便さ」を探るため、「くらしの良品研究所」を設立しました。

ユーザーとの交流サイトであるIDEA PARKでニーズの拾い上げや進捗報告を行うだけでなく、社員家族の生活観察、インタビューなども行なっています。

また、企画・デザイン・開発といった全ての工程にデザイナーが参画し、一気通貫でユーザーファーストの目線を取り入れています。

海外でも店舗を順調に増やしており、成長を続けています。

②TOTO

(株)TOTOもデザイン思考を活用している企業の一つです。

2006年にUD(ユニバーサルデザイン)研究所を設立し、さまざまなな身体状況や文化を持つユーザーの観察・分析を一層推し進めています。

グループインタビューやアンケートにとどまらず、ユーザーの自宅訪問調査や、生活シーン検証(試作品をユーザーに試してもらう)なども行ない、そこから得られた気づきから潜在的なニーズを探し出しているのです。

ウォシュレットや魔法びん浴槽、カラリ床などもそのような一人一人のユーザーの生活を考える過程の中で生まれてきました。

また、デザイン本部は社長直轄組織に位置付けスピーティに経営判断できるようになっており、デザインの重要度が分かります

③株式会社ヤフー

ヤフー(株)は全社的にデザイン思考を定着させています。デザインに関するルール・ガイドラインや、KPIを設定するなどトップダウンでデザイン思考を定着させる仕組みができあがっている点が特徴です。

デザインに関する社内研修や勉強会も活発に行われており、元々デザイン思考を持ったデザイナーを登用するだけでなく、社員全体をデザイナー化しているとも言えます。

最近ではPayPayが目覚ましい成長をあげていますが、その他にも100以上のサービスを運営するヤフー。社員全体がユーザーファーストの視点を持ち、開発・改良を進めることで、企業全体の価値を押し上げている一つの事例といえるでしょう。

<<あわせて読みたい>>

行動デザインから考えるお客様に選ばれるマーケティング

デザイン思考の使い方とは?

デザイン思考

実際にデザイン思考を取り入れる場合、どんなステップで進めていけば良いのでしょうか?スタンフォード大学d.schoolが提唱している5つのステップは以下の通りです。

  1. 観察:ユーザーの生活を徹底的に観察、インタビュー
  2. 定義:ユーザーの真のニーズを定義
  3. アイデア出し:ニーズを満たし得るアイデアを発散させ、絞り込む
  4. プロトタイプ化:試作品を作成し改良
  5. テスト:ユーザーに体験してもらい、改善のヒントを得る

各プロセスの中で得られた洞察をもとに前のプロセスに戻ったり、プロセス全体を何度も繰り返したりすることで、真のニーズの理解が深まり、最高の答えへとつながっていきます。

デザイン思考の強みを発揮する場面

万能のように思えるデザイン思考ですが、強みが発揮できる場面・発揮できない場面があることも事実です。

デザイン思考が強みを発揮できるのは、「ユーザーは明確だが、問題やニーズが明確でない」場面と言えるでしょう。

既にある商品やサービスにイノベーションを起こす・飛躍させるという点では特に強みを発揮すると言われています。

一方、「ユーザーさえ明確でなくゼロベースで新しい価値を創造する」場合においては、ユーザーのニーズを起点とするデザイン思考では限界があると言われています。

また、「問題やニーズが明確」な場合も、技術的な知識を活用した方がスピーディに解決することができ、デザイン思考は適していないと言えるでしょう。

デザイン思考のフレームワーク

デザイン思考の各ステップをより効率的・効果的に進めるためのフレームワークも多数存在します。

フレームワークの具体例は以下の通りです。

  • ①共感マップ:ペルソナが実生活の中で感じていること・考えていることを明らかにする
  • ②ジョブマップ:顧客の願望や困っていることを導き出す
  • ③ビジネスモデルキャンバス:ビジネスモデルを9つの観点で分析し、新たな課題や気づきを得る
  • ④MVPキャンバス:仮説、テストで検証する項目、プロトタイプに搭載する必要最低限の機能などを整理し、仮説検証の無駄をなくす
  • ⑤事業環境マップ:変動の激しい事業環境を「市場」「業界」「トレンド」「マクロ経済」の4つの視点でまとめ、商品や価値が遅れたものになっていないか確認する

それぞれ目的が違うので、必要な状況に合わせて使い分けるようにしましょう。

<<あわせて読みたい>>

「カスタマー・ジャーニー」とは?デジタル・マーケティング時代の事例や5Aを徹底解説!

デザイン思考とアート思考との違い

デザイン思考

デザイン思考とアート思考の違いについても触れておきましょう。

デザイン思考は、ユーザーのニーズ(困っていること・困るであろうこと)を起点にしており、そのニーズを満たす方法、つまり解決策を見つけ出そうというマインドです。

一方、アート思考自分の中で湧き上がった興味・関心・疑問が起点になっており、自分なりの答えを出すことをゴールに置いています。

アート思考では実現性や、ビジネスとして成り立つかどうかなどは脇に置いて自由に発想することが求められ、独創的なアイディアを作り出すのに適していると言われています。

まとめ

デザイン思考

この記事では、デザイン思考の意味や事例、使い方を紹介してきました。

デザイン思考は、商品やサービスの開発のためだけに使われるものではありません。

会社経営にも取り入れる企業が増えており、事業戦略や組織開発、ブランド開発など、何かを作り上げたその先に対象(人・動物・自然…etc.)があるものには、有効にはたらくことが証明されてきました。

急速に変化するこの時代において価値を出し続けるために、「人のしないことに目を向け、言わないことに耳を傾ける」デザイン思考を取り入れることはおすすめです。

本記事がご参考になれば幸いです。

<<あわせて読みたい>>

コミュニケーション能力の本質とは何か ビジネス・パーソンの武器を鍛えるために本気の変革に取りかかろう!