コロナ禍の中では、zoomやスカイプによるwebミーティングが主流になりつつあります。対面でミーティングするよりも、ずっとハードルが低くなって打ち合わせが増やせるーーそんなふうに思うビジネスパーソンもいるかもしれません。
ところが、それが逆に顧客からの評価を下げる原因になっている可能性があります。
なぜなら、目的やゴールが明確ではないWebミーティングは相手にとって迷惑だからです。
有効なWebミーティングをするには、質問力が高い人になる必要があるのです。
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目次
「フワッとしたミーティング」が迷惑になる理由
外部の人に話を聞くことは、ほとんどのビジネスにおいて重要です。例えば、営業マンなら、相手に聞かないと営業先の顧客が何を求めているのか、業界の動向がどうなっているのかが分かりません。
ところが、「面会や会議などのミーティングそのものが迷惑である」という意見があります。
Windows95の開発に関わったソフトウェアエンジニアの中島聡さんは、多くの場合、特に初対面の相手と対するときに「ミーティング自体が迷惑である」と話しています。
他の人から「Zoomでミーティングがしたい」というリクエストを受け、参加することも週に1、2度ありますが、それも実はとても迷惑だと感じています。
(中略)
Zoomのような実時間を奪うツールは、「それ以外の方法ではどうしても不可能なこと」を行う場合だけに使うべきで、「初対面の挨拶」のために使うなど、もっての外です。[1]
ではどうしたら、相手の時間を奪わずに情報を得ることができるのでしょうか。
中島さんは、できるだけ「非同期のコミュニケーション」を使うことを推奨しています。
例えば、チャットやメール、GithubやGoogle Driveなど、テキストベースのコミュニケーションなら、相手は都合の良い時間に読んで、考えて返信できます。これなら、相手の時間を無駄に奪いません。
会議では、同時に発言できる人は常に1人。しかしSlackなどのチャットツールなら、全員に発言機会があり、複数の会話が同時進行できるメリットもあるのです。
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相手の時間を奪わずにミーティングするには?
そうはいっても、チャットやメールではなく、対面でどうしても会って話したい、相手の本音を聞き出したいーーというビジネスパーソンもいるでしょう。または、古い体質の会社で「会ってこい」と圧力があるかもしれません。
その場合は、会話の方法を上達させる手があります。
独立研究者・著作家・パブリックスピーカーの山口周さんは、
「外資系コンサルの知的生産術〜プロだけが知る「99の心得」〜」
で、情報収集に最も時間がかかるのが外部関係者へのインタビューだと明かします。
そして「質問」を工夫することが重要だとも言っています。
訪問を受ける側の不満は、
「御社のお話を聞かせて欲しいんです」
「ゲーム業界について教えてください」
などと言われること。何を話していいのかわからないーーのです。
×=「ゲーム市場の競争状況は、どうなっていますか?」
という質問は、受け手によってどう捉えることもできる非常に悪い質問の典型例といえます。このような質問をされても、受け手側は何を答えたらいいのかよくわからず、戸惑ってしまうでしょう。[2]
この「ゆるふわ会話」から抜けるのが一つです。
ビジネス音声の会話と普段の会話の1番の違い、それはビジネスには特定の目的があることです。エグゼクティブになればなるほど、時間にはシビアな考え方をしています。まさに「時は金なり」なのです。
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「目的のない」会話はビジネスでは時間の無駄になる
ではどうしたらいいでしょうか。現役のインタビュー専門ライターの方法を見てみます。
インタビューを中心にライティングを続ける丘村奈央子さんの『「話す」は1割、「聞く」は9割 どんな人とでも会話が途切れない究極の方法』にはこんな一説が出てきます。
「仕事の会話」にはインタビューやヒアリング、カウンセリング、コンサルティング、面談、商談などがあります(ここでは表記を「インタビュー」に統一します)。
(中略)
初対面の人や日常で会う人たちの「自由な会話」は、特定のゴールを定めずにどこへ漂着しても構わないものです。
(中略)
しかし、インタビューは違います。
相手の都合に合わせた制限時間があり、その中で必要な情報をもらって帰らなければいけません。相手の回答だけに頼って進めてしまうと、求めるゴールにたどりつかない可能性が大です。ここは聞き手が制御しなければいけない部分です。[3]
明確な目的があることが、仕事の会話の特徴です。
「どこに向かっているのかよくわからない会話」は相手を不安にさせます。
「ゆるい、ふわっとした情報交換」は、とくにグローバルでは時間の無駄と捉えられます。
日本でサラリーマンをやっていると、「まずは情報交換でも」のようなゆるい目的で仕事のミーティングを設定しがちです。漠然と「お話ししましょう」と言われても何を話していいのかわからなくて困ってしまうことが多いのです。
例えばぼんやりと「最近の日本はどうですか」と聞かれた事態を想定すればわかるのではないでしょうか。漠然とした質問で時間を無駄にするのは非効率なのです。
おそらく逆の立場を想像すると「ざっくりとしたインタビュー」がどれだけ話しても困惑させるのかわかるのではないでしょうか。
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まとめ 「ゆるふわ会話」から脱却することで、生産性が上がっていく
営業、部下との面談や、上司との話し合い、得意先とのミーティングでも全く同じです。
何がゴールになっているのかを明確にしないまま行われるミーティングは下手をすると時間の無駄になってしまいます。
もちろん中には、雑談が有効に働くシーンや、営業相手も時間を余らせていて、「話し相手」を求めているケースもあるかもしれません。
しかしとくにグローバルな世界では、仕事をできるだけ効率的に終えてしまいたいと考えている人の方が多いでしょう。そのことを忘れてはいけないのです。
先の山口さんは、インタビューにおいて、
この際、最も重要なポイントになるのが、事前に「これだけははっきりさせたい」という問いを明確化しておく、ということです。これは言われてみれば当たり前に思われるかもしれませんが、多くの場合、インタビュアーはその場に臨むまで問いを明確化すると言う知的努力を怠ってしまいがちなのです。[4]と書いています。
良い質問が、よいインプットになるのです。
ぜひ、質問力を上げて実際のビジネスシーンに生かしてください。
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[1]「初対面でWeb会議申し込む人」が迷惑すぎる訳
https://toyokeizai.net/articles/-/421854
[2][4]
山口周「外資系コンサルの知的生産術〜プロだけが知る「99の心得」〜」
[3]丘村奈央子『「話す」は1割、「聞く」は9割 どんな人とでも会話が途切れない究極の方法』