経営者
専門家
半導体とは、導体と絶縁体の丁度中間(半分)の機能を備えた物質のことです。
半導体は、私たちの社会に大きな影響を与えています。トランジスタはもちろん、マイクロプロセッサチップの心臓部にも半導体が使われています。コンピュータや電波を使うものはすべて半導体に依存しています。
昨今の半導体不足の影響の通り、あらゆる産業が半導体の影響を受けます。直接的に関係のない産業であっても、半導体は間接的な影響を与えます。
IT機器はもちろん、物流、製造、メンテナンスなど、多くの産業が半導体無しには成り立たちません。
本記事では半導体について、できるだけわかりやすく解説していきます。
>>マネジメントTips「上司編」ダウンロード 無料プレゼント中
<<あわせて読みたい>>
TSMCとは?設備投資額は1兆円!?日本に新工場を建設する理由や強みを解説!
目次
半導体とはどんなもの?
半導体は、導体(電気を通す物質)と絶縁体(電気を通さない物質)の中間の性質を持っていて、電流を制御することが主な機能です。
現在、半導体チップやトランジスタのほとんどはシリコンで作られています。
専門家
経営者
多数の半導体メーカーが集まっていたエリアを指す「シリコンバレー」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、それはシリコンが電子機器の心臓部だからです。
電流は、電子がある方向に流れることによって発生します。電子が動くということは、ある点から別の点へ電荷が流れているということで、これを一般に電流と呼んでいます。
電流を流すためには、物質の中で電子が自由に動くことが必要です。
ある物質では、電子が格子の中を自由に動き回っていますが、電子の数と空きスペースのバランスがとれているので、物質自体に電荷はありません。
このような物質では、電子は自由に、そしてランダムに動いているということがわかります。
そこで、導体に電位差を与えると電子が一方向に移動して、これが電流となります。電気を流すことができる物質は数多くありますが、代表的なものは金属です。
金属以外の物質では、すべての電子が親分子にしっかりと結合しており、自由に動くことができません。このような物質を「不導体」または「絶縁体」と呼びます。
このような物質は、プラスチック、セラミック、そして木材のような自然界に存在する多くの物質のことです。
半導体は、導体と非導体のどちらにも属しません。その中間に位置するものです。半導体には、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素など、さまざまな物質が含まれます。
半導体の種類
ダイオードやトランジスタのような単一の機能を有する素子は、ディスクリート半導体と呼ばれます。
これに対し、複数のトランジスタを組み合わせるようにして構成し、複雑な機能性を持たせたものはIC(集積回路)と呼ばれます。
ただし、IC内部に収容される素子の集積度は製品によって様々です。そこで素子の集積度に着目し「大規模集積回路LSI」、「超大規模集積回路VLSI」などに分類することができます。
整流機能を有するダイオード、増幅機能を有するトランジスタ、スイッチング機能を有するサイリスタが基本的な半導体素子の種類です。
関連記事:ムーアの法則は限界を超えた?トランジスタ数が倍増し続ける秘密とデバイスの動向
半導体の作り方、電子構造
専門家
電子構造に特徴があり、外側の軌道に4つの電子を持っています。これにより、きれいな結晶を形成することができます。この4つの電子は、隣り合う4つの原子と完全な共有結合を形成し、格子を作っています。
炭素でのそういった結晶形態がダイヤモンドとして知られていますが、シリコンの場合は、銀色の金属のような形をしています。
金属は、原子間を移動しやすい「自由電子」を持っているため、電気をよく通す性質があり、電気には電子の流れが関係しています。
シリコン結晶は金属のように見えますが、実際は金属ではありません。純粋なシリコン結晶はほぼ絶縁体で、ほとんど電気は流れません。
しかし、ドーピングと呼ばれるプロセスによって、これらを変えることができます。
すでに説明したように、シリコンは純粋な状態では、結晶格子に自由電子が存在しない絶縁体です。しかし、半導体としての働きを理解するためには、まず純粋な状態のシリコンの原子構造を確認しなければなりません。
結晶格子の各分子は、原子核と、電子を含む3つの環状の軌道から構成されており、各電子は負の電荷を持っています。原子核は、中性で電荷を持たない中性子と、正の電荷を持つ陽子で構成されています。
原子の中には陽子と電子が同じ数だけあるので、原子全体には電荷がありません。
シリコンに含まれる電子は、他の元素と同様に、各軌道に厳密な数の電子を持つリング状に配置されています。第1リングには2個、第2リングには8個の電子が入ります。
シリコンの3つ目の外側のリングには4つの電子があります。外殻の電子は、隣接する原子の電子と共有して結晶格子を構成しています。このとき、格子の中には自由電子がないため、シリコンは良好な絶縁体となります。
ゲルマニウムもシリコンと似たような構造を持っています。
最も内側の軌道に2個、次の軌道に8個、3番目の軌道に18個、そして外側の軌道に4個の電子を持っています。この場合も、隣接する原子の電子と共有することで、自由電子のない結晶格子を作っています。
専門家
シリコンなどの半導体を部分的に導電性にするためには、ごく少量の不純物を入れる必要があります。これによってシリコンの特性が大きく変わることになります。
ドーピングは、半導体が搭載される部品の特定のニーズを満たすために行われるものです。 不純物をほとんど含まない状態の半導体は、ほとんど電気を通しません。
しかし、ある種の元素などを含ませることで電気を通しやすくなります。こうした性質が、多くの電化製品の制御を行なう上でとても役立つのです。
シリコンの結晶に少量の不純物を混ぜることで挙動を変え、導体にすることをドーピングと呼びます。
原子の外輪に5個の電子を持つ物質の不純物を微量添加すれば、結晶格子の中に入り込み、シリコンと電子を共有するようになります。しかし、外環に電子が1個増えているので、電子が1個自由に動き回ることになります。
これにより、材料に電位をかけると電流が流れるようになります。
このように、格子内に電子が余っている状態のことをN型半導体と言い、N型半導体によく使われる不純物としては、リンやヒ素などがあります。
また、外殻に3つの電子しか持たない元素を結晶格子に入れることも可能です。
この場合、シリコンは4つの電子を別の原子と共有しようとしますが、不純物は電子を3つしか持たないので、もう1つの電子を入れるためのスペース(穴)が空いてしまいます。
このように電子が欠落した材料はP型材料と呼ばれます。P型材料に使用される代表的な不純物は、ホウ素とアルミニウムです。
半導体の歴史
ここ数十年の間に、電子機器は私たちの生活の中心になってきました。昔は、家にあった電子機器と言えばラジオとテレビだけで、どちらも真空管が使われていました。
それを覆す2つの大きな出来事こそが、トランジスタの発明と集積回路の発明です。現在の集積回路(チップ)は、10億個以上のトランジスタを搭載していますが、販売価格はわずか数ドルに過ぎません。
専門家
- トランジスタの誕生
- IC時代の始まり
- 集積回路の大規模化・多機能化
それぞれわかりやすく解説します。
トランジスタの誕生
1947年に米国・ベル研究所でバーディーンとブラッテンによって点接触型トランジスタ、1948年にはショックレーによる接合型トランジスタが発明されたことで、トランジスタ時代が到来しました。
トランジスタは、アンプとスイッチという2つの異なる役割を持つ小型の電子部品です。
増幅器(アンプ)として働く場合は、一方に小さな電流(入力電流)を取り込み、もう一方にはるかに大きな電流(出力電流)を作り出します。
つまり、トランジスタは電流のブースターのようなものです。
これは、トランジスタが最初に使われたものの1つである補聴器などに非常に有効なものでした。
補聴器には小さなマイクが内蔵されていて、周囲の音を拾い、それを変動する電流に変え、トランジスタで増幅して小さなスピーカーに流すことで、周囲の音をより大きく聞こえるようにしています。
一方で、トランジスタはスイッチとしても機能します。トランジスタのある部分に小さな電流が流れれば、別の部分にはもっと大きな電流が流れる。
つまり、小さな電流が大きな電流に切り替わるのです。
コンピュータに搭載されている半導体は、基本的にこの仕組みでできています。
たとえば、メモリーチップには何億個、何十億個ものトランジスタが使われており、それぞれのトランジスタは個別にスイッチを入れたり切ったりすることが可能です。
それぞれのトランジスタは2つの異なる状態になることができるので、0と1という2つの異なる数字を記憶することができます。
数十億個のトランジスタがあれば、1つのチップに数十億個の0と1、そしてほぼ同じ数の普通の数字と文字(私たちは文字と呼んでいます)を記憶することが可能なのです。
IC時代の始まり
集積回路(Integrated Circuit)は、ひとつのシリコン半導体基板の上に、トランジスタ、抵抗(電気抵抗)、コンデンサなどの機能を持つ素子を多数作り、まとめた電子部品です。
集積回路の起源は、1947年にアメリカの電話・電信会社ベル研究所のウィリアム・B・ショックレーらが発明したトランジスタにあります。
ショックレーのチーム(ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンら)は、ある特定の結晶の表面に電子が障壁を形成することを発見し、この障壁を操作することで結晶中の電気の流れを制御できることを発見しました。
結晶中の電子の流れを制御することで、それまで真空管で行っていた信号の増幅などの電気的操作を行うことができるデバイスを作ることができたのです。
この素子は、Transfer(転送)とResistor(抵抗)を組み合わせて、Transistorと名付けられました。
1958年、テキサス・インスツルメンツ社のジャック・キルビーとフェアチャイルド・セミコンダクター社のロバート・ノイスは、回路のサイズをさらに小さくする方法を独自に考えることに成功しました。
彼らは、デバイスと同じ素材の上に、非常に細い金属(通常はアルミニウムか銅)のパスを直接敷いたのです。
これが配線の役割を果たし、この技術により、回路全体を1枚の固体材料に「集積」した集積回路(IC)が誕生したのです。
ICは、豆粒ほどの大きさの材料の中に、何十万個ものトランジスタを内蔵しています。集積回路の発明は、情報化時代の技術を可能にした。
今やICは、自動車、トースター、遊園地の乗り物など、生活のあらゆる場面で使われています。
集積回路の大規模化・多機能化
その後、ICの集積度は一段と進み、LSI(大規模集積回路)へと飛躍を遂げ、さらに80年代はVLSI(素子集積度が10万~1000万個)、90年代のULSI(素子集積度が1000万個超)へと技術革新が進みました。
さらに2000年代に入ると、システムLSI(多数の機能を1個のチップ上に集積した超多機能LSI)の生産が本格化していきました。
ICの高機能、多機能化が進むことで、応用の分野は多岐にわたり、半導体は社会のすみずみで使われ、私たちの生活を支えています。
関連記事:フィンテック(FinTech)とは?関連する日本企業や気になる今後、活用分野について解説
半導体を支えるシリコンウエハーとは?
シリコンウエハーは、集積回路(IC)を構成する重要な部品です。集積回路とは、簡単に言えば、特定の機能を果たすために配置されたさまざまな電子部品の複合体のことを言います。
半導体デバイスの原理的な基盤となるのがシリコンです。ウエハーとは、この半導体材料を薄くスライスしたもので、その上にマイクロエレクトロニクスデバイスを作り込むための基板となります。
半導体の製造においては、印刷技術や撮影技術を活用し、シリコンウエハー内部に回路を書き込んでいくことが初期段階の主な作業となります。
電子機器の性能向上には、このシリコンウエハーの内部にできるだけ多くの回路を書き込むことが重要です。そのため、シリコンウエハー自体の性能の向上は、あらゆる電子機器の性能の向上に繋がると言えるでしょう。
シリコンウエハーは半導体製造の代表的な材料であるため、私たちの身の回りの電子機器には、必ずと言っていいほど使われています。
シリコンウエハーは、表面が鏡のように磨かれた平らな円盤のような形をしており、その表面には凹凸がないため純度が高く、半導体デバイスに最適な素材です。
シリコンウエハーの主な用途は集積回路で、コンピュータやスマートフォン、タイヤの空気圧センサーシステムなどのセンサーや、太陽電池などにも集積回路は使われています。
関連記事:ペロブスカイト太陽電池とは?メリット・デメリットや参入企業『実用化はいつ?』
シリコンウエハーの大口径化
製品に使用される半導体は、シリコンウエハー上にそのもととなる回路を書き込み、それを分離させることで製造されます。そのため、1枚のシリコンウエハーから数十個もの半導体を製造することができます。
このことから、1枚のシリコンウエハーから製造できる半導体の個数が多くなるほど、その製造コストは削減できるといえます。
そのことから、半導体メーカー側にとって大きな利益があるだけでなく、半導体自体の価格を下げることができるので、より幅広い分野で半導体が使用されるようになるという業界全体としての利益も生み出すようになります。
このことにより、この業界ではシリコンウエハーの直径を大きくする「大口径化」が常に図られてきました。
シリコンウエハーが登場した1960年ごろは0.75インチ程度だった直径も、1980年ごろには6インチ、1990年ごろには8インチにまで大きくなり、2018年現在では12インチを超えるものも誕生しています。
シリコンウエハーの世界シェア
シリコンウエハー市場はシェア争いが加速しています。かつては信越化学工業、SUMCOの日本勢が世界シェアの6割弱を占めていましたが、2021年3月には、3位の台湾の環球晶円(グローバルウェハーズ)による4位の独シルトロニックのTOB(株式公開買い付け)が成立しました。
これによって、グローバルウエハーズは、シリコンウェハー市場で世界シェア3割を確保することになり、3割強の信越化学工業に次いで世界2位となっています。
この3社に、韓国LGシルトロンを17年1月に同SKグループが買収したSKシルトロンが続いています。
関連記事:「シリコンバレー」に学ぶイノベーションを生むためのマネジメントのあり方
半導体は何に使う?実際の使用例
パソコンを動かすCPU、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、LED電球など、身近なデジタル家電にも半導体が使われています。
エアコンの温度センサーには半導体が使われていますし、炊飯器でご飯がおいしく炊けるのは、半導体が温度を正確にコントロールしているからです。
また、家電製品だけでなく、銀行のATM、鉄道、インターネット、通信などのほか、高齢者介護のための医療ネットワークなど、社会インフラの運営にも半導体は中心的な役割を果たしています。
そして、車載用半導体デバイスは、着実に増加しています。一口に車載用半導体といっても、その種類はさまざまです。特に今後のADAS(先進運転支援システム)では、より多くの半導体が使われることが予想されます。
専門家
- 高精細映像
- 超高速データ通信
- 自動車先進運転技術
それぞれわかりやすく解説します。
高精細映像
映像分野の新技術として、現在では8K映像技術があります。
ハイビジョン映像をはるかに超えた高精細映像を撮影、記録、再生できるようになり、大画面でも臨場感と美しさにあふれる映像を撮影・記録し、感動をそのまま伝えられるように映像情報を処理したり再生したりしています。
近年、映像の高精細化が進み、データ量の大きなファイルを処理する必要が出ています。
効率化、小型化された半導体によって、この高精細映像の情報処理が可能となっているのです。
超高速データ通信
情報をデータとして発信したり、それを受け取って処理したりするのも半導体の用途の一つです。
近年の急激に高速化が進んだデータ通信技術においては、メタル回線や光ファイバーの先にある通信用機器がスピードを決めていますが、この機器性能・機能を左右するのはやはり半導体です。
今や電気や水道などに並ぶほどの社会インフラとみなされるデータ通信技術も、半導体技術の進歩に支えられています。
自動車先進運転技術
「MaaS」や「CASE」という言葉が自動車業界の中で一般的になってきました。
その技術を支えるのが「半導体」です。
- 自動車の自動化
- 安全性と運転支援
- コネクティビティ
それぞれ詳しく解説します。
関連記事:自動運転レベル3とは?意味と定義、対応車種を徹底解説
自動車の電動化
半導体によって、手動システムを電動システムに置き換えることが可能になりました。主要システムの電気化は、車両効率の向上、二酸化炭素排出量の削減、石油依存度の最小化などのメリットをもたらします。
安全性と運転支援
自動車の安全性と運転支援システムの向上に対するニーズの高まりは、半導体のニッチを提供しています。
バックアップカメラ、死角検知、アダプティブ・クルーズ・コントロール、レーン・チェンジ・アシスト、エアバッグ展開、緊急ブレーキシステムなどのインテリジェント機能は、すべて半導体技術の統合によって実現されています。
コネクティビティ
自動車は、コネクティビティを向上させる技術をますます取り入れています。新型車には、より高度なテレマティクス(長距離データ通信)やインフォテイメント機能が搭載され、道路閉鎖や衝突回避、さらには目的地の無料駐車場などの情報をドライバーに提供しています。
これらの情報を扱う車載コンピュータは、毎秒数百万行のコードを処理しなければならず、半導体は自動車がリアルタイムで接続されていることを可能にします。
半導体は、パワートレインやバッテリーの制御に役立つため、電気自動車(EV)業界の将来にとって重要な役割を果たしています。
また、運転席のダッシュボードや助手席の後部に設置されているさまざまなタッチスクリーンにも半導体が使われています。
経営者
関連記事:【EVの超新星】リビアンが注目される理由とは?テスラとの違いや株価、今後について解説
半導体がなかったらどうなる?
半導体がないと、私たちの生活は一変することになります。
- 携帯が使えなくなる
- 家電製品の多くが使えなくなる
- 今後のテクノロジーの進歩が止まる
上記のような懸念が予測されます。
経営者
世界の半導体メーカーを紹介
インテル コーポレーション (INTC)
- 売上高 (TTM): 757億ドル
- 純利益(TTM):227億ドル
- 時価総額:2,561億ドル
インテルは、マザーボード・チップセット、ネットワーク・インターフェース・コントローラー、集積回路などを設計・製造する総合デバイスメーカーです。
同社の初期の製品は、世界初の金属酸化物半導体を含むメモリーチップでした。現在、インテルはさまざまなコンピュータおよびテクノロジー企業向けにプロセッサを製造しています。
2020年6月、アナリストはApple Inc. (AAPL)がインテルとの長期的なパートナーシップを解消する計画を発表し、アップルは独自のチップを自社で生産する準備を進めていると予想されています。
関連記事:AMDがintelに勝った理由とは?両者の特徴や強み、歴史を解説
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.(TSM)
- 売上高(TTM):379億ドル
- 純利益(TTM):131億ドル
- 時価総額:2,935億ドル
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co, Ltd.は、世界最大級の独立した半導体ファウンドリーです。集積回路の製造のみを行い、自社での設計機能は持っていません。
多くの半導体企業は、この台湾セミコンダクター社に部品の製造を委託しています。
クアルコム社(Qualcomm Inc. (QCOM)
- 売上高(TTM):247億ドル
- 純利益(TTM):40億ドル
- 時価総額:1,012億ドル
クアルコムは、ワイヤレス通信製品およびサービスの設計・販売を行う世界的な半導体・通信企業です。
世界中の通信会社がクアルコムの特許技術であるCDMA(符号分割多重アクセス)技術を使用しており、この技術はワイヤレス通信の発展に不可欠な役割を果たしています。
同社のSnapdragonチップセットは多くのモバイル機器に搭載されています。
Broadcom Inc. (AVGO)
- 売上高(TTM):229億ドル
- 純利益(TTM):25億ドル(約2,000億円)
- 時価総額:1,261億ドル
Broadcom は、デジタルおよびアナログ半導体を製造し、コンピュータの Bluetooth 接続、ルーター、スイッチ、プロセッサ、および光ファイバー用のインターフェースを提供しています。
Micron Technology Inc. (MU)
- 売上高(TTM):196億ドル
- 純利益(TTM):23億ドル
- 時価総額:567億ドル
マイクロンテクノロジーは、半導体製品を国際的に販売しています。
フラッシュRAM製品や書き換え可能なディスクストレージソリューションを提供しており、同社の製品は、コンピュータ、家電製品、自動車、通信、サーバーなどに使用されています。
関連記事:NVIDIAは何が凄い?株価15倍の強さの秘密や自動運転システムの開発を行う理由を解説
半導体不足は今後どうなる?
ロシアのウクライナ危機、新型コロナウイルスにより半導体不足は2022年も継続すると考えられています。
このため、短期的な目線では半導体不足はしばらくの間続くと考えて良いでしょう。
しかし、その一方で、半導体不足を解決するため、各企業、各国が対策に向けて動き出しています。
例えば日本では、半導体の製造を手がける会社「TSMC」の新工場が、2024年末までに熊本県に建てられる予定です。
このため、長期的な目線では半導体不足は解消されるものと考えられます。
関連記事:【2022/3月更新】半導体不足はなぜ起きた?半導体不足の理由、影響、解消はいつかをわかりやすく解説
関連記事:【やさしく解説】TSMCとは?設備投資額は1兆円!?熊本に新工場を建設する理由や強みを解説!
まとめ 半導体は私たちに欠かすことのできないもの
私たちが日常的に利用しているPCやスマートフォンには、半導体の技術が活用されており、直接目に触れる機会はなくとも、現代に生きる私たちにとって半導体は欠かすことのできないものです。
半導体の発展によって、私たちを取り巻く電子機器もどんどん発展していくことでしょう。