最近よく耳にする『KPI』という言葉。
さらに、それに似た『KGI』という言葉も存在しますが、『KPI』と『KGI』、それぞれの意味、違いを説明できるでしょうか。
ビジネスにおいて、必ず求められる目標の達成。
しかし、チームや自分の役割をしっかりと理解できていなければ、成果を上げることができず、目標を達成することができません。
目標未達が常態化してしまうと、チームや自分の評価が上がらないのはもちろん、会社の存続も危ぶまれてしまいます。
KPI、そしてKGIを正しく理解することで、ビジネスで成果を出せるようになります。
なぜなら、KPI、KGIは目標達成までの適切な経路を設定するための考え方だからです。
この記事を読めば、KPIの意味やKGIとの違いに加え、目標必達の秘訣も分かります。
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目次
KPIとは?
KPIとは、目標を達成するために必要な各プロセスにおける達成度合いを測る指標のことです。
KPIは、Key Performance Indicatorを略したもので、日本語に訳すと「重要業績評価指標」となります。
KPIが無ければ、どこに向かって、何をいつまでに達成すれば良いのかが分かりません。
対して、KPIがあれば部門やメンバーが一丸となって前に進むことができるようになるのです。
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KPIの具体例
KPIの具体例をご紹介します。
KPIは各プロセスにおける達成度合いを計るための目標になるので、関係する部門の誰が見てもわかりやすい明確な目標を設定しましょう。
KPIの具体例
- 来月の来店者数を500名増やす
- 今期中に営業1人当たりの注文数を40件増やす
- 今年度の顧客満足度90%以上達成
- 年内に在庫数を50%減らす
- 3か月以内にキャンセル率を2%に下げる
- 今年度中に間接部門のコストを2億円削減する
などが例として挙げられます。
各部門やチーム、個人において、具体的な数値目標と期限を設定し、その達成度合いを測るための指標がKPIと覚えておきましょう。
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KGIとは?
KGIとは最終的な目標が達成されたかどうかを測るための指標のことです。
KGIは、Key Goal Indicatorを略したもので、翻訳すると「重要目標達成指標」となります。
KGIがなければ、ビジネスがどこに向かえば良いのかがわからなくなります。
売上高が増えたとしても、KGIが設定されていなければ結果的にそれが良かったのかどうかが判断できません。
KGIがあることで、ビジネスが成功しているのかどうかを判断することができます。
KGIの具体例
KGIの具体例をご紹介します。
KGIは会社や組織全体の最終的に達成すべき目標ですから、所属するメンバー全員が認識できるシンプルかつ明快な目標にしましょう。
KGIの具体例
- 今年度の売上高を10%アップする
- 今期の最終利益として10億円を確保する
- 1年以内に有料会員を10万人にする
などが挙げられます。
ビジネスにおいては、達成しなければならない最終的な目標があります。
売上高や最終利益など、ビジネスを発展的に営むための理想とするゴールがKGIです。
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KPIとKGIの違いは?
KPIとKGI、似たような言葉なので、違いが分かりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか?
ここでは、KPIとKGIの違いをしっかりと認識しておきましょう。
一言で言えば、小さなKPIの上に、大きなKGIがあるイメージです。
KGIは最終ゴールです。その最終ゴールを達成するために必要なプロセスの集合体がKPIです。
KPIを達成することによって、最終ゴールであるKGIも達成することができるのです。
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KPI、KGIを設定する際の3つのコツ
KPIやKGIを設定する際の注意点を3つにまとめました。
- 達成可能な少し高めの目標にする
- 数値化した目標にする
- 期限を設ける
それぞれを詳しく解説していきます。
達成可能な少し高めの目標にする
KPIやKGIを設定する際には、現実的に達成可能な目標にする必要があります。
なぜなら、現実離れした目標を掲げても、社内がそれを達成しようという前向きな意欲にならないからです。
例えば、年商1億円の会社のKGIが『来年の年商を100億にする』というものだったらどうでしょうか?
勇ましい目標ではありますが、そのKGIを達成するためのKPIを各部門や業務プロセスにブレイクダウンしたら、現場のやる気を一気にそいでしまうことでしょう。
全社がベストを尽くせば達成できるような目標を設定する必要があります。
塩梅としては、『頑張って手を伸ばしても、届きそうで届かない』そんな目標設定が理想的です。
数値化した目標にする
KPIとKGIは必ず数値化した目標にする必要があります。
『売上をアップする』『受注単価を増やす』『来店者数を増やす』『顧客満足度をアップする』というだけでは、あいまいで達成度合いも計測できません。
数値化することで目標が明確になり、達成度合いも測ることができます。
進捗状況を把握できるようになり、期の途中で目標達成が危ういと判断できれば対策を打てるようになります。
『売上を10%アップする』『受注単価を2000円増やす』『来店者数を500名増やす』『顧客満足度を10%アップする』など、数値化された目標を設定しましょう。
期限を設ける
KPIやKGIを設定する場合、必ず期限を設けましょう。
例えば、『売上を10%アップする』という目標は、人によっては『今月中に』と思ったり、『5年後に』と思ったりするかもしれません。
期限を設定しないと、目標に対する危機感や熱量がバラバラになってしまいます。
『今月中に』と思った人は、無理な要求を顧客や社内にしてしまうかもしれません。あるいは、達成が絶望的と考えて明日から仕事に来なくなるかもしれません。
また、『5年後に』と考えた人は、今期中に具体的な対策を取らないかもしれません。
期限を設けることで、目標達成に向かって意識を統一して進むことができるようになるのです。
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KPIとKGI設定の注意点
KGIは最終ゴールです。そのため、基本的には最上位にひとつあるイメージです。
一方、KPIは各プロセスにおける目標なので、KGIの下層にたくさんあるイメージです。
最終ゴールであるKGIを達成するために各KPIがあり、各KPIが達成されればKGIも達成されるという因果関係にあります。
各KPIが達成されたのにKGIが達成されない場合は、KGIの設定に無理があったか、KPIの設定が甘かったか、ということになります。
また、各KPIが達成されていないのにKGIが達成された場合は、KGIの設定が甘かったか、各KPIの設定に問題があったということになります。
KPIとKGIは相関しなければ意味が無い
例えば、KGIが『今年度の売上10%アップ』だったとします。
KPIとして『テレアポ営業の件数を2倍にする』だったとしましょう。
しかし、テレアポ営業のそもそもの成約率が限りなく0%に近いのであれば、いくらテレアポ営業の件数を増やしたところで売上にはつながりません。
そのため、テレアポ営業の件数が増えたとしても、KGIが達成されることはありません。
これは、テレアポ件数がKSF(Key Success Factor)になっていないためです。
この場合、テレアポ営業の件数を増やすのではなく、テレアポ営業の成約率をアップさせるか、まったく別の営業アプローチで成約数アップに貢献するような施策をKPIに設定する必要があります。
KGIなくしてKPIは存在しえない
近頃はKPIという言葉をビジネスの現場でよく耳にするようになりました。
『それはどのようにKPIを測るのですか?』
『そのKPIは何にしているのですか?』
という具合で日常的に使うキーワードとして定着しつつあります。
まるでKPIが単体で機能しているかのようですが、実際にはKPIを単体として考えることはありません。
必ず最上位にKGIがあり、KPIはKGIを達成するための達成基準のひとつに過ぎないのです。
KGIなくしてKPIは存在しえない、そう覚えておきましょう。
KPIを達成してもKGIが達成できなければ意味が無い
KPIを達成することは喜ばしいことではありますが、KGIの達成が最終ゴールであることを忘れてはいけませんし、KGIがおざなりになってはいけません。
つまり、KGIが達成できないKPIは存在してはいけないということになります。
なぜなら、KGIを達成するためにKPIがあるからです。
各KPIを達成することは大切なことですが、KPIを達成することは本質的なゴールではありません。
あくまでもビジネスにおける最終目標はKGIの達成です。
KPIはKGIを達成するために必要なプロセスの集合体
KGIはビジネスにおける最終ゴールです。
ですから基本的には、大きなKGIがトップに君臨していて、それを達成するために小さなKPIがたくさんあるイメージとなります。
つまり、KPIはKGIを達成するために必要なプロセスの集合体です
各部門や業務プロセス、個人ごとに大きなKPIがあり、それを達成するための小さなKPIがたくさんあることも考えらえます。
例えば、会社としてのKGIが売上高10%アップであれば、以下のようなKPIが設定されることが考えられます。
- 営業部門全体のKPIが売上高10%アップ
- 各営業チームごとのKPIが売上高10%アップ
- 各個人営業ごとのKPIが売上高10%アップ
KPIとKGIはバランスが大切
KGIが達成されることは大切ですが、そのために本質を見失ったKPIが達成されては意味がありません。
例えば、売上アップのために、営業部門の人員数が増えて人件費が大幅に増えてしまったり、間接部門のコストが大幅に増えている場合、売上高10%アップというKGIは達成できていても、利益が大幅に減少することが考えられます。
KGIを達成するためには、バランスがとても大切です。
さもないと、大きなKGIが達成できたのにも関わらず、会社そのものが最終赤字に終わることも考えられます。
全社的にバランスの良いKPIを抜け漏れがないように設定し、本質的なKGIを達成する必要があります。
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関連用語のKSF・OKR
KPIやKGIとともに使われることの多い用語として、KSFやOKRもあります。
KPIやKGIと混同されがちですが、正しく意味を理解しておきましょう。それぞれの用語の意味について解説します。
KSFとは
KSFとは、「Key Success Factor」を略したもので、日本語に訳すと「重要成功要因」という意味です。
KGIやKPIは定量的な数値で示されますが、KSFはKGIやKPIを達成するための活動や要因を定性的に示す点が特徴です。
例えば、製品Xの売上高を前年比120%とするのがKGIなら、販売チャネルを見直したり、ポップアップストアの開催を企画したりなどがKSFになります。
OKRとは
OKRは「Objectives and Key Results」の略した言葉です。「達成目標と主要な成果」などと訳されます。
OKRは、会社全体の目標管理に適しているものです。
Google社やMeta社などの大企業が活用したことでも注目を集めました。
OKRは「Objectives」とObjectivesを達成するための指標「Key Results」で構成されます。
Objectives
Objectivesは、達成目標のことです。
OKRの目標は、組織全体のビジョンや戦略、長期目標と一致するものを選定します。
定量的な目標である必要はありません。
なりたい姿や理想の状態を言葉にしたもので良く、例えば社員のスキルアップを図るなど、結果的に組織のパフォーマンス全体を高められるようなものを設定します。
また、組織としてどの方向に進むべきかを明確に示しているかも、意識しましょう。
目標は簡単に達成可能なものは避け、努力をしてギリギリ達成できるレベルのものを設定することが重要です。
目指す達成割合は、60~70%程度で成功と見なされます。もしこれよりも高い数値の達成率が出ている場合、目標設定の仕方が適切でないということです。
Objectivesは次に解説するKey Resultsで測定可能なものでなければなりません。
Key Resultsが作成できない場合は、Objetivesを再度検討してみましょう。
Key Results
Key Resultsは、Objectives達成の要素となる成果や成果指標を意味します。
Key ResultsによってObjectives達成率を計測するため、定量的な数値などで示せる指標である必要があります。
また、Key Resultsには明確な期限の設定も必要です。
ただし、Key Resultsをあまり多く設定するのはおすすめできません。
あまりにも数を増やしてしまうと、チーム内のコミュニケーションが煩雑化してしまうリスクがあります。
1つのObjectiveに対して、Key Resultsは2~6つ程度が適切といわれています。
少ないKey Resultsを設けることで、達成目標の軸がぶれずにシンプルで分かりやすい評価目標が可能になります。
まとめ KPI・KGIを設定して、目標必達の会社・チームを目指しましょう!
KPI、KGIそれぞれの意味と両者の違いについて解説しました。
KGIというビジネスの最終目標があり、それを達成するためのプロセスごとの評価指標がKPIです。
KPIやKGIを設定することで、ビジネスが目指すべき方向に進んでいるのかどうかを判断できます。
また、途中経過の段階で目標達成が難しいと判断できれば、早期に対策を実行できるでしょう。
数値化された目標と期限をあわせて設定することで、全社が同じ方向に向かって一丸となり、達成感ややりがいを感じながら、日々の仕事ができるようになります。
KPIとKGIをしっかりと設定して、目標必達の会社やチームにしていきましょう!
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