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居酒屋のITイノベーション!AIやIOTを導入するメリットや事例を徹底解説!

AI(人口知能)やIoT(モノのインターネット)など、テクノロジーの発達が著しい現在、居酒屋業界はIT化が遅れており、「労働集約型産業」の典型ともいるのではないでしょうか。小規模な居酒屋であれば、売上や利益の計算、シフト管理や確定申告を手作業で行っているところも少なくないでしょう。

しかし居酒屋業界も「このままでいい」と考えている人ばかりではありません。状況を打破するためにIT化を進めている人たちも存在します。

ここでは居酒屋業界におけるIT化の現状を紹介するとともに、マネジメントの視点から居酒屋が生産性を上げる方法を解説します。

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居酒屋業界の課題を解決するイノベーション

店長が夜遅くまで残って売上を計算し、シフトを管理、正規雇用の従業員が「やりがいがあるから大丈夫」とアルバイトを帰らせてサービス残業、無断キャンセルに見舞われ、廃棄ロスに頭を悩ませるなど、IT化が遅れる居酒屋業界ではこうした課題を抱える店舗も少なくありません。しかし、こうした課題を解決するイノベーションは進んでいます。まずは2018年7月現在ですでに実現しているイノベーションについて紹介しましょう。

低コストで導入できる管理システム「K1くん」

APPLILAB(アプリラボ)の「K1くん」は、タイムカードや商品仕入、売上、シフトの管理、POS(Point of sale=販売時点情報管理)システム、経営分析など、居酒屋を含む飲食店経営にまつわる情報を一括して管理できる、飲食店向けの総合経営管理システムです。専用の端末の使い方を覚える必要もなく、スマートフォンやタブレットなどを専用端末化できる機能も備えています。

同社は、古くて使いにくく、しかも高い飲食店向けシステムを目にし、使いやすさと低コストを備えた代わりのシステムを作ろうと「K1くん」を開発したのだそうです。同社ホームページによると、地域密着型の小規模店舗が多く導入しています。「K1くん」は、自前でシステムを発注できない飲食店経営者にとって有力な選択肢となっています。

参照:http://www.applilab.co.jp/

「無断キャンセル」への対応力を高めるイノベーション

居酒屋業界にとって予約のキャンセルは深刻な問題です。キャンセルが発生すると用意していた食材の大量廃棄にもつながります。予約が手軽になっている一方で「無断キャンセル」も増えており、飲食業界全体で年間2,000億円もの被害を負っていると言われています。

参照:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32721290W8A700C1000000/

この「無断キャンセル」を直接的な方法で予防するのが「予約キャンセルデータベース」です。このサービスは、無断キャンセルした電話番号をブラックリスト化するというもの。

店舗側は予約を受けたときにこのサービス利用し電話番号検索をかければリスクを軽減することができます。このサービスの普及が進めば、予約キャンセルデータベースの存在が無断キャンセルへの抑止力になる可能性もあるでしょう。

ダイナースクラブカードを発行する三井住友トラストクラブは、2017年に「ダイナースクラブ ごひいき予約」というサービスをスタートさせました。

参照:https://www.diners.co.jp/ja/gourmet/gohiiki.html

このサービスはキャンセル問題の解決策として、キャンセルで生じた空席をダイナーズクラブが買い取り、会員向けのLINEアカウントで空席状況をリアルタイムで告知し、席の予約を募っています。無断、直前のキャンセルを減らすという切り口ではないところに、本サービスの新しさがあると言えるでしょう。

「ごひいき予約」の対象店舗まだごく一部ですが、こうしたサービスが居酒屋を含む飲食業界に広まれば、業界全体を巻き込むイノベーションになる可能性もあります。

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テクノロジーが描く「居酒屋の未来」

ここまで見てきたものはすでに実現しているイノベーションですが、まだ実現してはいないものの「居酒屋の未来」を想像させてくれるようなイノベーションのアイディアもあちこちで生まれています。以下ではその一部を紹介しましょう。

教育コスト・採用コストをカットできる「PITARI」

KDDI研究所は2016年に「PITARI (PIctureless Transmissive Augmented Reality Interface)」というソフトを開発したと発表しました。このソフトは透過型のスマートグラスを利用して、装着者の視線の先に文字や記号などのメッセージを表示することを可能にしました。一度表示したメッセージはとどまり続けるので、言ってみればAR(拡張現実)上にメモを残せるのです。

この技術を居酒屋に応用すると、例えば店長が新人アルバイトと視界を共有しながらホールやキッチンで指示を出すことができます。また翻訳システムと連動させれば、メニューを視界上で翻訳し、外国人向けの接客に役立てることもできます。まだまだ実用レベルにはないものの、今後教育コストや採用コストを大幅にカットする製品になる可能性は十分あります。

参照:http://www.kddi-research.jp/newsrelease/2016/032901.html

「養老乃瀧居酒屋ハッカソン」で生まれるアイディア

老舗居酒屋チェーン「養老乃瀧」はIoTベンチャー企業の「dotstudio」と共同で、2017年から「居酒屋×IoT」をテーマにした「養老乃瀧居酒屋ハッカソン」を開催しています。ここでもさまざまなイノベーションのアイデアが生まれています。

参照:https://www.yoronotaki.co.jp/news/201805/20180509_258.html

2017年のハッカソンで生まれた「光゜(ぴか)るんです」は、ジョッキに入った飲み物に応じてジョッキ本体がさまざまな色に発光するというアイデアです。ホールの従業員が客のジョッキの中身が減っていることに気づかない、注文する客の声や視線に気づかないなどの機会損失をなくすためのユニークな解決策です。

同じく2017年の参加チームが考案した「KANPAI」は、アプリを使って予約すると同時にファーストドリンクを注文できるというアイデアです。客からすれば入店直後に飲み物が運ばれてくるというメリットがありますし、居酒屋側からしても大人数の予約客のファーストオーダーに迅速に対応できるメリットがあります。

2018年のハッカソンで生まれたアイディアの1つが「ドリーム・オブ・バクハイ」です。「バクハイ」とは養老乃瀧名物のウイスキーを生ビールで割るカクテルです。同サービスを使うとこれをボタン1つで注文でき、テーブル上のモニターなどで全国のバクハイ注文状況をリアルタイムで見られるという仕組みを提案しています。エンターテインメント性があるだけでなく、顧客、居酒屋双方とって、利便性が上がる実現するアイディアと言えるでしょう。

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「テクノロジーの導入」はこんなときに失敗する

ただ、テクノロジーを単純に導入しただけで生産性が向上するわけではありません。どんなに便利な道具でも使いこなせなければ役に立たないのと同じで、どんなにイノベーティブなテクノロジーでも実際に運用できなければ役に立たないからです。

テクノロジーの導入が失敗する大きな原因は「目標があいまいなまま導入した」「全体最適を実現できていない」の2つ。以下ではなぜこの2つが原因になりうるのかを解説します。

▼ 目標があいまいなまま導入している

何のために導入するのか、どんな結果が出たら成功とするのかがあいまいなままでは、いざテクノロジーを導入してもどうなったら成功と言えるのかが判断できません。そうすると、導入したテクノロジーを導入した成果を評価できず、本来はメリットのあるものでも使わなくなります。本来はデメリットの大きなものでも「せっかく導入したのだから」という理由で使い続けてしまうでしょう。

▼ 全体最適を実現できていない

テクノロジーを導入するときは、店長や社長などからトップダウンで行われる場合と、アルバイトなどの現場の声をもとにボトムアップで行われる場合が考えられます。しかしこの際に重要なのは導入しようとした人の地位ではなく、全体を最適化させる観点から導入したかという点です。

例えば現場の都合を考えずにトップダウンで導入しても、「今のやり方のほうが効率が良い」「新しいものは使いづらい」と現場がメリットを感じなければ導入は失敗に終わります。逆に現場が「こういうものがあったら助かる」と言ってきた話を鵜呑みにして導入すると、マネジメント側からすれば管理がしづらいということもあり得ます。テクノロジーの導入時は、一方のメリットだけを考慮する部分最適ではなく、全体最適を意識する必要があるのです。

「テクノロジーの導入」を成功に導く前提条件

この2つの原因を取り除き、テクノロジーの導入を成功に導くためには、前提条件として「目標の明確化」「上司と部下の仕事の区別」が必要です。以下ではマネジメントの観点から、この2つについて解説します。

▼ 目標の明確化

目標を明確にするには、常に「期限」と「数字」をセットにする必要があります。いつまでに、どれだけの数字を達成するのかを決め、それを現場に実行させるのがマネジメントの役割です。例えば「K1くんを導入して月次決算業務にかかる時間を40%短縮する」「ドリーム・オブ・バクハイを導入して3ヵ月以内にバクハイの月あたりの発注数を20%増やす」といった具合です。

こうして目標を明確化しておけば、その月の決算業務を20%しか短縮できなかった場合に「なぜ20%しか短縮できなかったのか?原因は担当者にあるのか、それともK1くんが自店舗に合っていないのか?」などと検討できるようになります。こうした検討ができれば、問題点の洗い出すことができ「次月はこうしてみよう」と改善策を考えることができます。このような手順を踏んで、テクノロジーの導入は軌道に乗っていくのです。

▼ 上司と部下の仕事の区別

上司の最も重要な仕事は「決断すること」です。しかし小規模な居酒屋のように、店長やオーナーなどの上司と、従業員やアルバイトなどの部下の距離が近いケースでは、何かを決める際に「店のことは、店のみんなで決める」というやり方が正しいかのように錯覚しがちです。

確かに現場で情報収集することは重要です。前述したように現場のメリットを考慮せずにテクノロジーを導入すると失敗に終わるからです。しかし現場からの情報に基づいて全体最適になる選択肢を模索し、最終的な決断を下すのは店長やオーナーの仕事です。情報収集と決断とを混同してはいけません。

ここを間違えると部分最適になるのはもちろん、テクノロジーの導入に失敗した際に誰が「何が悪かったか」を考え、誰が解決策を出すべきなのかもあいまいになります。そうなれば生産性アップの議論までうやむやになり、またもとの低生産性の労働集約型産業に戻るかもしれません。責任の所在を明らかにするためにも、上司と部下の仕事は明確に区別しておくべきなのです。

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マネジメントは「自店舗のためのイノベーション」を見極めよう

居酒屋業界のIT化が始まったのはごく最近のことです。業界が抱える課題を解決するイノベーションは今後も続々と登場するでしょう。しかし重要なのは、そうしたイノベーションが自店舗の課題を解決するかどうかです。マネジメントをする立場にある店長やオーナーは、「自店舗のためのイノベーションになっているかどうか」を考え、どんなテクノロジーをどう導入するかを考える必要があるでしょう。

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