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ジェンダーフリーとは?ジェンダーレスとの違いや課題、注意点を解説

ジェンダーフリーとは

昨今さまざまなシーンで見聞きすることが増えた「ジェンダーフリー」という言葉。

しかし、その意味を詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。

ジェンダーフリーは性差別をなくす取り組みであり、推進することで自社のみならず、社外からも魅力的な企業のイメージを持たれると期待できます。

この記事ではジェンダーフリーの意味やメリット、進める際の注意点、企業の導入事例を紹介します。

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ジェンダーフリーとは簡単にいうと性差別をなくす取り組みのこと

ジェンダーフリーとは、誰もが性による社会的・文化的差別を受けず、能力を自由に発揮できることです。

あくまでも「社会的な性」が生み出した固定概念や差別をなくすことを土台に、性別にとらわれず、個々が能力を発揮する点に重きが置かれています。

そもそもジェンダーとは「社会的性別」を指し、生物学的な区別ではなく、男性らしさや女性らしさという考え方や役割をいいます。

「男性は昇進を目指すものだ」「女性は家事をおこなうべき」というような、性別で立場や役割を決めつけてしまうような考え方が「ジェンダー」の一例です。

ジェンダーギャップ指数とはジェンダーフリーの指標のこと

ジェンダーフリーの指標として、「ジェンダーギャップ指数」という数値があります。

これは世界各国における男女の格差を数値化したもので、2006年から毎年調査されている指標です。

数値は0〜1の間で表され、1に近いほどジェンダーギャップが小さく、0に近づくほど大きいため是正が必要とされています。

なお、ジェンダーギャップ指数は「経済・教育・健康・政治」の4分野で集計されます。

2022年7月に発表されたジェンダーギャップ指数ランキングについて、日本の総合スコアは0.647で146ヵ国中125位という結果になりました。

世界1位はスコア0.912のアイスランドであり、日本のスコアと比べて大きく差が開いていることがわかります。

なお、日本のジェンダーギャップ指数における分野ごとの数値は以下のとおりです。

  • 経済……0.561
  • 教育……0.997
  • 健康……0.973
  • 政治……0.057

この結果から日本はジェンダーフリーの推進が進んではおらず、今後、経済・政治の分野で数字を改善する取り組みをおこなう必要があるといえます。

参考:ジェンダー・ギャップ指数(GGI) 2023年|内閣府男女共同参画局

ジェンダーフリーに関するその他関連用語

ここからはジェンダーフリーに関する、その他関連用語を紹介します。

ジェンダーレス

ジェンダーフリーと似た言葉に、ジェンダーレスという言葉があります。

ジェンダーレスとは、社会に存在する社会的・文化的な性差をなくそうという考え方です。

例えば、学校や企業で女性の制服をスカートだけでなくスラックスを選択できるようにしたり、保母・看護婦という呼び名を保育士、看護士に訂正したりするという例が挙げられます。

ジェンダーフリーが「性別による社会的“差別”をなくそう」という考えに対し、ジェンダーレスは「男女の“区別”がない状態を目指す」という点で異なっています。

ジェンダーニュートラル

ジェンダーニュートラルとは性やジェンダーにしばられず、すべての人に平等に機会を与えるための考え方です。

例えば履歴書の性別欄の廃止や「Ladies and gentleman.(淑女・紳士)」という機内アナウンスの廃止、ユニセックスの服の販売などがこれに当たります。

男女およびそれ以外の性を自認する人にとって、違和感を覚えなくてすむようなカルチャーが目指されています。

LGBT

LGBTとはセクシャルマイノリティ(性的少数者)を指す言葉で、以下の頭文字をとっています。

  • Lesbian(レズビアン)
  • Gay(ゲイ)
  • Bisexual(バイセクシュアル)
  • Transgender(トランスジェンダー)

なお、ジェンダーフリーには、LGBTへの配慮や尊厳を守る取り組みも含まれています。

関連記事:LGBTQ の Q とは簡単にいうと?用語の意味や当事者が抱える悩み課題などをわかりやすく解説!

ジェンダーフリーを推進する3つの意義

ここからは、ジェンダーフリーを推進する3つの意義を紹介します。

1.優秀な人材を確保できる

企業がジェンダーフリーを進めると女性の管理職登用率が上がり、企業全体として女性の働きやすさ向上が期待できます。

その結果、優秀な人材を確保することにつながるでしょう。

OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development )が発表したデータによると、25〜64歳の女性人口に占める大卒者は世界第4位と、世界的に見ても高くなっています。

一方で、令和4年に厚生労働省が発表した「働く女性の状況」によると、15歳以上人口に占める労働力人口の割合は54.2%となっています。

前年に比べて0.7ポイント上昇したとはいえ、男性の71.4%と比べて依然として低い状況にあることは否めません。

この主な原因は家事・育児・介護が最も多く、その他は働かなくても生活できる、仕事をする自信がない、などがあります。

このデータから、能力のある女性を活用しきれていない社会構造がうかがえるでしょう。

逆にいうと、働きたくても働けない状態にいる優秀な女性を採用できると、企業にとって成長するきっかけになります。

外部から見た企業価値も向上すると期待できるでしょう。

2.ダイバーシティの推進につながる

ダイバーシティとは「多様性」を意味し、性別や年齢、人種、趣味趣向などあらゆる違いを持った人が組織や集団で共存している状態をいいます。

ダイバーシティが推進されると、多様な考えや価値観を持った人材が組織に集まります。

すると今まで思いつかなかったアイデアが創出されたり、多様なニーズへ対応できたりするでしょう。

関連記事:ダイバーシティとは?ビジネスに取り入れるメリットや意味、注目の理由を解説

3.投資先としての価値が向上する

現代は変化の激しい時代に突入しており、投資家にとって「持続可能な企業であるか」という視点は見逃せない点です。

現に投資判断に女性活躍情報を活用する機関投資家は約3分の2もおり、なかでも活用の割合がもっとも高い情報は「女性役員比率」といわれています。

ジェンダーフリーを進めると、女性の企業での活躍状況が上がります。

その結果、今後も発展するような動きをしている企業としてイメージがよくなり、海外投資家からの評価も高くなるでしょう。

ジェンダーフリーを進める注意点

ここからは、ジェンダーフリーを進める際の注意点を紹介します。

行き過ぎに注意が必要

ジェンダーフリーは性による差別をなくして能力を自由に発揮する考え方や取り組みですが、行き過ぎには注意が必要です。

なぜなら、男女ともに過度に負担になってしまい、離職せざるを得ない状況に追い込んでしまう可能性があるからです。

例えば女性に昇進を促し、責任のある仕事をして残業や休日出勤が増えると、妊娠・出産の機会が減少することになりかねません。

本来であれば「ジェンダーによる差別・社会からの押し付け」をなくすのがジェンダーフリーの目的です。

あくまでも手段ではなく目的にスポットを当て、最適な方法を模索し続けるようにしましょう。

推進に反対の人もいる

ジェンダーフリーを推進することは、必ずしも社内の従業員全員の同意が得られるとは限りません。

ジェンダーフリーを進める際には、従業員間で定義に対する認識の相違が広がらないように、きちんと研修や講義をおこなう必要があります。

しっかりと目的を理解する機会を設けると、推進にあたって生産性のある話し合いができます。

その結果、本来の目的を果たすような手段を検討できるでしょう。

企業でジェンダーフリーを進める事例

ここからは、企業でジェンダーフリーを進めている事例を3つ紹介します。

株式会社資生堂

国内の大手化粧品会社である資生堂は、「LOVE THE DIFFERENCES(違いを愛そう)」をスローガンに掲げ、ジェンダー平等を推進しています。

取り組み例は、以下のとおりです。

  • 事業所内保育所や保育料の補助
  • 有給が認められる子どもの看護休暇制度の整備
  • リモートワークとオフィスワークを組み合わせた働き方

こうした取り組みが「DE&I」(ダイバーシティ、エクイティ(公平性)、インクルージョン)を推進する世界的機関の「The Global Parity Alliance」の目にも留まりました。

2022年度には、DE&Iを推進する模範企業と評価された企業の証である「DEI Lighthouse」に、唯一の日本企業として選定された好事例です。

参考記事:ダイバーシティ&インクルージョン | 人財 | サステナビリティ | 資生堂

ソフトバンク株式会社

携帯電話の無線通信サービスや国際通信を提供するソフトバンクは、日本の大手電気通信事業者です。

女性管理職比率を2025年度までに20%以上とする目標を掲げ、社長を委員長として「女性活躍推進委員会」を設置しています。

同委員会では、女性活躍に対する施策の議論や推進確認、成功事例を共有する会議を運営しています。

また、性別による賃金格差の解消も目指しており、社内の正規・非正規従業員を対象として「給与」または「給与と賞与」の金額の比較を、年に1回実施していることも特徴です。

さらには、性別問わずワーク・ライフ・バランスのとれた働き方ができる職場づくりを目指し、男性社員の育児休業取得をうながしました。

その結果、2022年度の男性育児休暇取得率は65%と、政府目標である30%(2025年度)をはるかに上回る数値を叩き出しています。

参考:ソフトバンク株式会社 統合報告書2023

東京海上日動火災保険株式会社

損害保険業界のリーディングカンパニーである東京海上日動では、グループCEOをトップとしてダイバーシティを推進する委員会を2021年4月に設立しました。

社外取締役が参加するとともに、性別や国籍、年齢、キャリアを問わず多様なグループ社員が参加し、あらゆる視点から議論しています。

すでにあらゆるポジションで女性が活躍している東京海上日動では、より一層の比率引き上げを目指し、定性・定量の目標を定めて取り組みを推進しています。

具体的に掲げている目標は、以下のとおりです。

  • 女性取締役・監査役……2027年度までに30%に引き上げ
  • 女性管理職……2030年度までに30%に引き上げ
  • 女性準リーダー(主任以上)……50%超をキープ

その他、男女問わず意識改革を促す研修プログラムの拡充や、人材制度を中心としたハード面の整備にも取り組んでいます。

参考:パーパスストーリーを支える戦略と経営基盤 | 人的・知的資本の強化 | 人的資本経営|東京海上日動

ジェンダーフリーを進めるためにできること

ここからは、ジェンダーフリーを進めるためにできることを紹介します。

従業員の理解を統一させる

社内でいきなりジェンダーフリーの取り組みをおこなおうとすると、理解不足から思わぬ反発が起きたり、マイナスな意見が出てしまう可能性があります。

そのような事態を避けるために、ジェンダーフリーに関する研修や意見交換をおこなうことで、社内の意識を統一させる必要があります。

なぜ必要なのかを説明し、企業をよりよくするための取り組みであることを共有しましょう。

すると、社内のメンバーで同じ方向を向き、ジェンダーフリーを推進できます。

また、ジェンダーフリーの推進に対して、アイデア創出の場所や新しい発見というポジティブなアクションとなるように、社員同士で対話する機会を設けましょう。

結論を出すための議論というよりも、対話として多様な価値観を受け入れられる「ワールドカフェ」の開催がよいでしょう。

自分だけでは気付かなかったような意見を知れるため、多様な考え方を受け入れる器ができます。

働き方の選択肢を広げる

女性には妊娠や出産などのイベントにより、仕事をするのが難しい期間があります。

そのため、ライフイベントによって働くことを諦めなくてもよいように、働き方の選択肢を広げましょう。

例えば、以下のような取り組みが挙げられます。

  • テレワークの推進
  • 時短勤務の選択
  • 時差出勤の導入

体制を整え、使いやすい雰囲気をつくると、女性がキャリアを諦めなくてすむでしょう。

ジェンダーフリーを推進して企業価値を向上させよう

ジェンダーフリーを推進すると従業員の満足度が高まるだけでなく、投資家からの評価も期待できるでしょう。

推進するとメリットがたくさんある一方で、程度や方法を間違ってしまうと従業員から反発が起こってしまうことになりかねません。

ジェンダーフリーを推進するメリットや本質をきちんと理解し、労働者や投資家にとっても魅力的な企業になるよう、適切に推進しましょう。

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