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CXOの意味とは?執行役員との違いや15の役職を解説

CXOの意味

組織を効率よく運営するために、CXO(部門責任者)の設置を検討している経営者もいるのではないでしょうか。

経営判断と執行の分離は運用のスピード感を出し、業務効率を上げるために有用です。

この記事ではCXOの意味や役職例、設置のメリット、人材の探し方を紹介します。

自社の体制を修正して効率を上げたいと考える経営者は、ぜひ最後までお読みください。

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CXOとは各部門の責任者のこと

CXOとは「Chief X Officer」を略した言葉です。

日本語では「最高〇〇責任者」という意味で、企業においての業務や機能の責任者を指します。

なお、それぞれの単語には以下のような意味があります。

  • Chief……組織で最高の権限を持つ者
  • X……業務・機能
  • Officer……役員、執行役

Xに代入される言葉によって職務は変わりますが、各機能のなかで最も高い地位に当たるのはいずれの職務も共通です。

例としては、CEOもCXOのひとつです。

CXOを導入して経営の監視役である取締役(Director)と執行役(Officer)を分けることで、健全な企業運営と迅速な経営判断が実現します。

もともとは欧米で使われていた言葉ですが、東京証券取引所がコーポレートガバナンスの一環としてCXOを用いた運営を推奨していることもあり、日本でもCXOの概念が広まりました。

日本で先がけとなったのは、1997年に取締役会の機能性を上げるために執行役員制度を導入した、ソニーです。

現在では日産自動車や日本マクドナルド、セブン&アイホールディングスなどで導入されています。

CXOと取締役、執行役員との違いとは

取締役は端的に言えば会社運営の意思決定・監督をする人物・役割であり、会社法において株式会社では必ず設置しなければならないと定められています。

一方、CXOには法律上の裏付けがなく、責任範囲や業務内容は会社によって異なるのが相違している点です。

これは執行役員や社長、会長や事業部長も同様であり、CXOが代表取締役や取締役を兼任しているケースもあります。

またCXOと執行役員とでは、以下のような違いがあります。

  • CXO……会社経営視点と事業統括視点を持つ
  • 執行役員……事業統括、運営に絞った視点を持つ

このようにCXOは経営の視点も併せ持った、非常に重要なポストです。

CXOの役職一覧

ここからはCXOの役職を15個紹介します。

CEO(最高経営責任者)

CEOとは「Chief Executive Officer」の略で、最高経営責任者を指します。

経営に関する責任を持ち、最終的な判断を下すことが主な役割です。

代表取締役社長や会長がCEOも兼任するケースが、多々あります。

COO(最高執行責者)

COOとは「Chief Operating Officer」の略で、最高執行責任者を指します。

CEOが作成した経営戦略の執行について責任を持ち、具体的な業務オペレーションを構築します。

その役割の範囲より、CEOに次ぐナンバー2として見られるケースが多いでしょう。

CTO(最高技術責任者)

CTOとは「Chief Technical Officer」の略で、最高技術責任者を指し、技術面での戦略を立て、執行する責任を持ちます。

技術戦略の決定や技術の開発、エンジニアの採用、技術を活用するための体制整備などの責任を負います。

CIO(最高情報責任者)

CIOとは「Chief Information Officer」の略で、最高情報責任者を指し、情報運用面で戦略を立て、実行に移す責任を持ちます。

具体的には情報管理システムを構築・最適化し、スムーズに運用できるような体制を整える責任を持っています。

CISO(最高情報セキュリティ責任者)

CISOとは「Chief Information Security Officer」の略で、最高情報セキュリティ責任者を指します。

企業によってはCIOと兼任しているケースもあり、情報セキュリティを統括する役職です。

サイバーセキュリティの状況を監視し、インフラのアップデートや新たな脅威を阻止するためのセキュリティツール導入を計画します。

CFO(最高財務責任者)

CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、最高財務責任者を指し、企業の経営における財政面の戦略を立て、実行する役職です。

予算やコスト管理などの財務戦略の立案や、資金調達において責任を持ちます。

その役割の重要度から、COOと同程度の地位を確立しています。

CSO(最高戦略責任者)

CSOとは「Chief Strategy Officer」の略で、最高戦略責任者を指し、企業の戦略を立案するとともに、実行のためのプロセスを構築する役職です。

企業が掲げる最終目標に近づくよう、部署をまたぐ全社的な中長期の戦略に加え、部署単位の戦略も立案します。

変化の著しい時代での競争力を上げるような判断が必要であるため、豊富な経験やスキル、知識が求められます。

CMO(最高マーケティング責任者)

CMOとは「Chief Marketing Officer」の略で、最高マーケティング責任者を指します。

マーケティングに関する業務を統括し、戦略を立案・実行するだけでなく、市場や顧客調査もおこなう役職です。

インターネットの普及によるマーケティングの変化にともない、今後導入する企業はますます増えると予測されています。

CAO(最高分析責任者)

CAOは「Chief Analytics Officer」の略で、最高分析責任者を指します。

主な役割は企業が持つデータを分析し、より効果を生む戦略や施策を立案することです。

社内の各部門に分散されていた分析部門を統合し、IT部門と連携してデータが今後の会社運営に活きるように計画します。

CPO(最高プライバシー管理責任者)

CPOは「Chief Privacy Officer」の略で、最高プライバシー管理責任者のことです。

個人情報の管理に関して責任を負い、個人情報保護体制の徹底やプライバシーポリシーの構築、従業員への教育、システム管理などあらゆる業務をおこないます。

近年はデジタル化が進んでいるため、経済産業省が企業に対してCPOの設置と個人情報の漏えいの防止を求めています。

参考:「DX 時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.2」総務省 経済産業省

CCO(最高コミュニケーション責任者)

CCOは「Chief Communication Officer」の略で、最高コミュニケーション責任者を指します。

CCOは事業活動報告や事業方針発表などによって組織をPRし、自社の認知度向上を図ることが主な役割です。

他の責任者と連携して外部のメディアと良好な関係を保ちながら、適切な時期にPRをおこない、自社と社会の人々との関係性を作ることが求められます。

CBO(最高ブランディング責任者)

CBOとは「Chief Branding Officer」の略で、最高ブランディング責任者を指します。

企業のブランドイメージだけでなく、商品・サービスに関する戦略も立案するのが職務です。

具体的には、ブランドの企画や開発、運用やイメージにおける世界観の醸成を実行します。

CDO(最高デザイン責任者)

CDOとは「Chief Design Officer」の略で、最高デザイン責任者を指します。

デザインを武器に、他社と差別化するためのブランディングや、イノベーションを推進する責任者です。

CEOの立てた経営戦略をもとに、クリエイティブな要素を足した視点で製品デザインやサービスを考え、企業価値の向上を目指す役割を担います。

CHRO(最高人事責任者)

CHROとは「Chief Human Resource Officer」の略で最高人事責任者を指し、人事部門について採用から退社までの管理や、人材の育成などをおこないます。

人材面と経営戦略とをリンクさせて戦略を立案するという、重要な役割を担います。

CLO(最高法務責任者)

CLOとは「Chief Legal Officer」の略で、最高法務責任者のことです。

企業の法律面におけるアクシデントを未然に防ぐ役割に加え、法律の観点から企業のガバナンスをCEOへ助言する役割を担っています。

内部統制システムの構築やコンプライアンスの強化、契約書の作成やチェックもおこないます。

企業にCXOを置く3つのメリット

ここからは、企業にCXOを置くメリットを3つ紹介します。

1.責任の所在を明確にできる

CXOには、対象の業務範囲が明確に与えられています。

そのため、何かエラーが起きた際に責任の所在を明確にできるため、健全な組織となるでしょう。

そういった組織は、投資家や取引先、顧客からの信頼を得やすくなります。

また社内で誰に指示を仰ぐかが明確になるため、業務の効率やスピードが上がり、PDCAを回しやすくなるのがメリットです。

2.経営と執行の業務を分けられる

経営者は必ずしも現場に精通しているとはいえません。

多くの場合は第一線でどのような実務がおこなわれているか、詳しくは知らないケースが多いでしょう。

そのため経営と執行の業務を分け、経営者は経営判断を下し、執行役にその監督を任せるといった運営ができると、目標達成への確度が高まります。

3.経営側と実行側とのパイプになる

企業経営の失敗としてよくあるのが、経営者の立てた計画が実現不可能だと思われてしまい、現場との温度差が生まれて理想どおりに運用されないパターンです。

一方でCXOは担当する業務のプロフェッショナルであるため、より現場に即した戦略を立てられます。

その結果、現場の状況と経営者が掲げる目標とをうまくリンクできるようになり、中長期の経営計画を達成へと導きます。

CXOの導入が適する企業

ここからはCXOの導入が特に適している企業を紹介します。

組織運営を効率化したい企業

企業によっては、部署ごとにプロフェッショナルが分散されているケースもあるでしょう。

そのような場合、同じ分野でもそれぞれの部署で意志判断がされたり、指示が異なったりして効率性を欠いてしまう事態になりかねません。

一方でCXOが導入されていると部署を横断し、かつ経営目標を噛み砕き、現場に即したレベルでの戦略を実行しやすくなります。

結果として、運営が効率化されることにつながります。

海外進出を目論んでいる企業

海外の企業では、CXOの制度を取り入れている企業が数多くあります。

海外の企業から見た時に組織体制がわかりやすいと、何に責任を持っている人物なのかが把握しやすくなり、取引も進みやすくなります。

先方のCXOと商談する際は、やはり日本の企業からも同等の役職が応じるほうが、スムーズに話が進むでしょう。

新しく事業を始める企業

新規事業をスタートする際、経営戦略として強みを持たせたい分野にプロフェッショナルを置く方法もあります。

例えば2017年に、三菱UFJフィナンシャルグループがDX推進のためにCDTO(Chief Digital Transformation Officer)を配置し、話題を集めました。

このように、独自のCXOを置いて差別化を図ったり、対外的な強みをアピールすることもできます。

CXO人材の探し方

企業にCXO制度を導入したい場合は、どのようにすればよいのでしょうか。

ここからはCXO人材の探し方を3パターン紹介します。

人材紹介

CXO人材の探し方のひとつに、転職エージェントからの紹介があります。

こちらは紹介された人材を採用した場合に、成功報酬として対象人材の想定年収における35%前後のエージェントフィーを、エージェントに支払う方法です。

転職エージェント登録という大きな集団のなかから候補者を紹介してもらえる点は、大きなメリットです。

また、求職者はエージェントに所属するキャリアアドバイザーから、企業に関する客観的な情報を得ることができ、企業側も同様に求職者の情報を得ることができるため、より安心して採用を進められます。

ダイレクト・リクルーティング

ダイレクト・リクルーティングは、企業が求職者のデータベースを保有するプラットフォーム事業者と契約し、求職者へ直接アプローチする採用方法です。

掲載にあたり初期費用や月額費用が発生しますが、採用決定時の支払いは発生しないか、発生しても15%程度です。

人材プールのなかから直接求める人物へアプローチできるため、企業が求める集団のなかから候補者を探せる点で、採用の確率やスピードが高まります。

リファラル採用

リファラル採用とはアメリカで広く取り入れられている方法で、社員を介し、紹介を受けて採用する方式です。

縁故採用とは異なり、候補者のスキルや組織・業務への適正、企業理念に関する理解を判断して採用を決定します。

企業としての出費は、紹介者へのインセンティブや採用活動の諸費用のみであるため、コストが抑えられます。

また社内の人物からの紹介となるため、マッチングする可能性が高まる点もメリットです。

関連記事:リファラル採用の目的と重要なポイントとは?費用や実施方法も解説

課題解決のためにCXOの導入も検討しよう

グローバル化の進展やAIの進化、競争の激化が進む現代では組織の体制によって成長スピード感や売上が変わるといっても、過言ではありません。

経営者が現場を知らないまま目標を立てて共有しても、従業員にとっては現実的に捉えられず、モチベーションが下がってしまうときもあるでしょう。

経営判断がうまく現場に浸透せず悩みを抱えている経営者は、強めたい分野でのCXOの導入を視野に入れて、競争力を強化させましょう。

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