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戦略経営をわかりやすく解説!経営戦略・経営計画との違いや成功事例を紹介

戦略経営とは

戦略経営とは、戦略に基づいて行われる経営手法の1つです。

経営戦略や経営計画と混同されがちな言葉ですが、それぞれの意味は異なります。

この記事では、戦略経営の意味や定義、似た言葉との違いについてわかりやすく解説するとともに、戦略経営の流れや成功事例についても紹介していきます。

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「戦略経営」とは経営に関するフレームワークの1つ

戦略経営とは、一言でいうと戦略に基づいて行われる経営のフレームワークです。

まずは、戦略経営の概要を理解しましょう。

経営戦略を中心にした経営手法

戦略経営とは、自社の目標達成のために経営戦略を作成して、経営プロセスのなかで戦略を実現していくマネジメントフレームワークを意味します。

戦略経営に必要な戦略は、企業の一部の人間だけでなく、企業に属しているさまざまな人々が行う意思決定の指針とされるべきものと考えられています。

アメリカの経営学者、H・イゴール・アンゾフによる戦略経営の定義

アメリカの応用数学者・経営学者であり、 「戦略的経営の父」とも呼ばれるH・イゴール・アンゾフは、戦略経営を「将来の環境変化を見据えて企業の経営ビジョンに向かって不断の経営変革を行うこと」と定義しました。

アンゾフは企業の成長戦略を考えるためのさまざまなフレームワークを提唱していて、なかでも最も多く使われているのは「アンゾフの成長マトリクス」です。

ここでは、アンゾフの成長マトリクスについて詳しく解説します。

アンゾフの成長マトリクス

アンゾフは、成長戦略をまず「製品」と「市場」の2軸に分け、さらに対象となる顧客を「既存」と「新規」に分けました。

そして「製品」と「市場」、「既存」と「新規」の組み合わせによって、「市場浸透」「市場開拓」「製品開発」「多角化」の4つの方向性で成長戦略を分類しています。

市場浸透戦略

市場浸透戦略は、既存の市場における既存製品の売上を伸ばすことを目的としています。

既存製品・サービスを既存の市場に投入し、売上高や市場シェアの拡大を目指します。

製品の認知度を上げたり、購入意欲を高めたりする戦略です。

市場開拓戦略

市場開拓戦略の目的は、既存製品の新たな市場を開拓して、売上を伸ばすことです。

新規の市場に既存の製品やサービスを投入して、売上の拡大を目指します。

既存の製品やサービスを新たな市場に投入するため、商品力はもちろん、営業力や販売ネットワークなど販売力が勝負を左右することも多い戦略です。

既存製品の海外進出や海外展開がその一例です。

製品開発戦略

製品開発戦略では、既存の市場向けに新たな製品を開発します。

既存市場のニーズに対応した、競合と差別化を図れる製品やサービスの開発が重要なポイントです。

多角化戦略

多角化戦略は、新しい市場に新しい製品やサービスを投入する戦略です。

新たな製品で新たな市場分野を切り拓くため、簡単にいうと新規事業の展開です。

マーケティングのコストや製品開発コストがかかる上、ほとんど未知の市場で新製品を投入するため、ハイリスク・ハイリターンの戦略といえます。

多角化戦略はさらに「水平型」「垂直型」「集中型」「集成型」の4つに分けられます。

水平型多角化 

水平型多角化とは、既存の技術と関連した新製品を既存と類似した市場に投入することです。

同じ分野で事業拡大を狙う場合に用いられ、これまで培った技術や設備、ノウハウを活かせるのがメリットで、相乗効果も期待できます。

例えば、自動車メーカーがオートバイを製造・販売する場合などが挙げられます。

垂直型多角化

同じ事業分野で、多角化する場合を垂直型多角化と呼びます。

既存の技術と関連性が低い新製品を、既存市場と関連する川上または川下の事業を展開する戦略です。

垂直型の場合、新しい技術やノウハウが求められるため、水平型より高リスクであるといえるでしょう。

例えば、食品メーカーが自社製品を活用したレストランを経営する場合などです。

集中型多角化

既存製品と関係した新製品を、異なる市場に投入して多角化を図ることが集中型です。

自社の強みである技術やノウハウを軸にして事業を拡大できますが、市場開拓の必要があります。

テレビメーカーがカーナビを製造・販売する場合がその一例です。

 集成型多角化

集成型多角化は、既存の技術や市場とは全く異なる新たな製品を新たな市場に向けて打ち出します。

リスクが高く相乗効果やシナジー効果が低い手法ですが、既存事業の業績が悪化しても影響を受けにくいメリットがあります。

例えば、食品メーカーがアパレルブランドを立ち上げる場合などです。

戦略経営と似た用語の意味

戦略経営には、似ている言葉がたくさんあります。

混同されがちですが意味が異なるため、正しく理解して使い分けましょう。

経営戦略とは

戦略経営とよく似ていて間違われやすいのが、経営戦略です。

英語では「management strategy」です。

経営戦略とは、企業において経営目的を達成できるようにするための施策全般を指します。

これには企業活動の基軸となる指針や指標、また施策を実現するための体制づくりを含んでいます。

なお、経営戦略は企画部や経営企画室などの戦略策定部門が策定するのが一般的です。

戦略経営は、この経営戦略を中心に行われると認識しておきましょう。

経営戦術とは

経営戦術とは、経営戦略に基づいた経営目的を実現するための具体的な施策や実践的な方法のことです。

経営戦略と経営戦術は、場合によって同義と捉えられることもあります。

経営計画とは

経営計画は、経営戦略の構成要素の1つです。

1つの企業のなかの、複数事業の計画を指します。

戦略経営の必要性や求められる背景

AIの普及や労働力の流動化、社会情勢の変化などにより、現代の市場は日々目まぐるしく変化しています。

顧客ニーズも多様化していて、企業はタイムリーにそのニーズに対応することが求められます。

今後、企業が持続的な経営をしていくためには、他社と差別化できる自社の強みや特性を活かした、成長できる経営戦略が必須です。

そして経営戦略を基に組織運営を行う戦略経営が必要不可欠であるといえます。

戦略経営の4STEP

戦略経営を行うための流れは、4つの段階があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.経営理念や目標の策定

戦略経営の基礎となる経営戦略は、企業理念や目標に基づき決定します。

まずは、経営理念や目標を策定しましょう。

経営理念は、企業の存在意義や事業の目的、行動指針などを示したものです。

経営理念を明確にしたら、それを実行していくのに必要な目標の策定を行います。

目標には具体的な数値を盛り込むことがポイントです。

2.外部環境の評価と内部環境の分析

次に行うのは、自社の強みや競合相手の能力や資源などといった内的要因と、自社や競合相手を取り巻く外的要因の分析・評価です。

その上でどの製品、どのサービスで勝負するかといった事業領域を考えましょう。

3.戦略の決定と実施

続いて、経営戦略を決定します。

経営戦略は、「企業レベルの経営戦略」「事業レベルの経営戦略」「機能レベルの経営戦略」という3つの階層に分かれています。

企業戦略 企業の長期的な目標の実現に向けた大枠の戦略
事業戦略 企業戦略を遂行するために、事業部や事業責任者が考える事業レベルの経営戦略
機能戦略 組織の目標を実現するために考える経営戦略

まずは企業戦略を基に事業戦略を決定し、さらに機能戦略へと落とし込みます。

3つの階層の戦略を決定したら、実行します。

4.戦略の再評価

戦略実施後は、定期的に再評価を行います。

SWOT分析やBSC(バランス・スコアカード)などを用いて、合理性や正当性などの観点から戦略の有効性を評価します。

もし社会情勢や市場状況が変化した場合は、必要に応じて戦略を変更したり再策定したりする必要があるでしょう。

戦略経営の成功例5選

戦略経営はさまざまな企業で取り入れられています。

こでは、戦略経営で成功している5つの企業事例を紹介します。

スターバックスコーヒージャパン株式会社

1996年にアメリカから日本に初上陸したスターバックスコーヒージャパン株式会社は、差別化戦略を行い日本国内でシェアを拡大してきました。

自宅でも職場でもない自分らしい時間をゆったりと過ごせる第3の場所「サードプレイス」をコンセプトとして、他社との差別化を図っています。

例えば、女性ユーザーをターゲットに内装をおしゃれにして全店禁煙を徹底したり、店内Wi-Fiの整備やコンセント提供を積極的に行ったりなど、競合他社とは異なる施策を打ち出し成功しました。

また、時代の流れに敏感な点も特徴といえます。

昨今ではよく見られるようになった街中でカップやタンブラーを持ち運びながらドリンクを楽しむスタイルを産み出したのは、スターバックスです。

現在は、リユーザブルカップや紙ストローへの切り替えを進めてSDGsの取り組みを行っています。

株式会社ニトリ

株式会社ニトリは、【2032年、3,000店舗・売上高3兆円】の目標を掲げ経営に取り組んでいる企業です。

国際競争の激化に備えて、海外での高速出店に力を入れ、グローバル企業として経営基盤の確立を経営戦略としています。

ニトリの強みは圧倒的な利益率の高さ。家具・インテリア業界では経常利益率5%前後が一般的ですが、ニトリはその3倍以上、18.2%の経常利益率です。

高い利益率の理由は、企画から仕入れ、生産・販売、商品搬送までをほぼ自社で手掛けているためです。

物流まで自社で賄っている点が、他の企業と大きく異なります。

高品質な商品を安定価格で供給できるブランド力の高さが自慢です。

株式会社良品計画

無印良品を手掛ける株式会社良品計画は、経営戦略として無印良品のアイテムのデザインにとことんこだわりました。

無印良品の商品は、一見するとシンプルなデザインですが、ユーザーがどの商品を見ても無印良品の商品だとわかるため、他のブランドとの差別化に成功しているといえます。

ブランド力を高めて売上を向上させた一例です。

株式会社ユニクロ

ヒートテックで知られる株式会社ユニクロは、機能性を重視した着やすい商品開発を戦略として掲げています。

ファッション性や流行より、着心地のよさや普段遣いのしやすさを重視して他のメーカーと差別化を図りました。

また、顧客の声を商品開発や改良に直接活かす「SPA化」と呼ばれるビジネスモデルの仕組みを構築しているのも特徴です。

企画から製造、物流、販売までを一貫して自社で行っているため、顧客の声に基づいた商品開発を低コストで実現できる強みがあります。

株式会社モスフードサービス

株式会社モスフードサービスが手掛ける、日本発祥のハンバーガーチェーン店・モスバーガーは、高価格で高品質というポジションを追求し、コストを抑えることよりも商品のおいしさにこだわっています。

業界最大手のハンバーガーチェーンとの差別化として、日本人好みのハンバーガーを作っているお店です。

企業理念は「人間貢献・社会貢献」で、優しさが溢れるようなお店の雰囲気を目指しています。

その結果、多くの人に「モスバーガーは価格が高くてもおいしい」と認識されています。

戦略経営とは目標達成のために実践する経営手法のこと

戦略経営は、企業の目標達成のために経営戦略に基づいて実践される経営手法です。

移り変わりの激しい現代において企業が生き残るためには、適切な経営戦略を策定しそれに基づいて戦略経営を行うことは不可欠といえます。

アンゾフの成長マトリクスも参考にしながら、自社にふさわしい戦略を決定し戦略経営に取り組みましょう。

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