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CS(カスタマーサティスファクション)とは?向上させる目的や方法を解説

CS(カスタマーサティスファクション)は顧客満足度とも呼ばれ、マーケティング活動に欠かせない指標の一つです。CSを向上させることで、リピーターの増加やブランディングの強化、新規顧客獲得などの効果が期待できます。

また、カスタマーサクセスとは共通した部分もあり混同されやすいですが、概念が異なるため、注意が必要です。本記事ではCSの概要をはじめ、企業のマーケティング担当者向けに、CSを向上させるメリットや方法まで、分かりやすく解説します。

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CS(カスタマーサティスファクション)とは?

CS(カスタマーサティスファクション)とは、日本語で顧客満足度といい、企業が販売する商品や提供するサービスを通じて、顧客がどの程度の満足感を得たかを表す指標です。主に営業部門やマーケティング部門で使われています。

CSの概念を理解する上で大切なのが、事前期待と呼ばれる考え方です。事前期待とは、商品やサービスに対し顧客が事前に抱く、購入後や体験後の前向きなイメージを表す言葉です。

例えば、旅館やホテルを利用する場合、顧客はキレイな旅館に泊まりたい、地元産の新鮮な食材を楽しみたいといった期待を抱きます。

CSとは、こうした事前期待の大きさと商品やサービスを実際に利用したときの満足感の差によって決定される指標です。

事前期待と評価 顧客満足度
事前期待<商品やサービスの満足感 顧客満足度が高い
事前期待>商品やサービスの満足感 顧客満足度が低い

例えば、商品やサービスの満足感よりも事前期待が高すぎる場合、顧客は期待が裏切られたと感じ、CSが低下します。

旅館の例でいえば、期待していたよりも部屋がキレイではなかった、食事のメニューがありきたりでご当地の食材を食べられなかったといったケースです。

一方、事前期待を上回る満足感を得られた場合は、CSが向上します。CSを向上させるには、事前期待をコントロールしつつ、顧客の期待をいい意味で裏切るようなサービス提供を行っていくのが大切です。

カスタマーサクセスとの違い

カスタマーサクセス(Customer Success)とカスタマーサティスファクションは混同されやすいですが、全く別の概念です。カスタマーサクセスも、カスタマーサティスファクションと同様に、CSという略称が使われます。

カスタマーサクセスは、顧客のサービス利用をサポートし、成功体験を得られるように導く活動を意味します。顧客は成功体験を得ると、もっとサービスを利用したい、今のプランやより高価なプランを利用してみたいと感じることでしょう。

カスタマーサクセスを強化するほど顧客が継続してサービスを利用するようになり、ビジネスの収益を高められます。

カスタマーサティスファクションとカスタマーサクセスには、共通した部分もありますが、基本的には異なる概念だと理解しておきましょう。

CS(カスタマーサティスファクション)を向上させる目的

CS(カスタマーサティスファクション)を向上させる目的は以下の4つです。

  • リピーターを増やすため
  • ブランディング強化のため
  • 新規顧客獲得のため
  • 商材・サービスをブラッシュアップさせるため

CSを高めれば、リピーターの増加やブランディングの強化、新規顧客獲得などビジネスチャンスが拡大し、売上アップにつながります。

1. リピーターを増やすため

CSを向上させることで、自社の商品のリピート率が高まります。リピーターを増やすには、顧客の期待を上回る商品やサービスを提供し、満足してもらう必要があります。

逆に商品やサービスの満足度が顧客の期待を下回ると、次回以降購入してもらえなくなるため、顧客の事前期待を分析して期待以上の商品やサービスを提供するのが大切です。

商品のリピート率が増加すると、顧客1人当たりの売上(顧客単価)や、顧客のライフサイクル全体で期待できる収益(顧客生涯価値)も上がります。企業の利益を拡大する上で、CSは重要な要素の一つです。

2. ブランディング強化のため

CSは、商品やサービスのブランディングの強化にも大きな影響を与えます。近年は、SNSの口コミを通じて、消費者のリアルな声がインターネット上に拡散されるようになりました。

CSが高い状態を維持すると、自社にとって好意的な口コミが広がり、ブランドイメージに良い影響をもたらします。

また、CSが高い企業を表彰し、世間に公表する仕組みもあります。CSを向上させることで自社のブランドイメージを強化し、競合他社との差別化が可能です。

3. 新規顧客獲得のため

CSを向上させれば、リピーターの増加だけでなく新規顧客の獲得にもつながります。CSが高い商材やサービスは、SNSなどを通じて情報が拡散され、興味を持つ顧客が自然と増えていきます。

商品やサービスへの満足度が高いレビューや口コミを既存顧客(リピーター)が書くことで、新規顧客を呼び込むサイクルが生まれて、より効率的に集客することが可能です。

4. 商材・サービスをブラッシュアップさせるため

CSは、商材・サービスをブラッシュアップさせる目的もあります。例えば、他の商材に比べてある特定の商材やサービスのCSが低い場合、商材の品質やサービスの提供方法に問題があるかもしれません。

CSの測定を通じて、一つの商材・サービスをさらに魅力的にブラッシュアップすることで、自社全体の品質向上・課題解決につながっていくでしょう。

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CS(カスタマーサティスファクション)向上のためにできること

CS(カスタマーサティスファクション)を向上させるため、以下の5つの施策を取り入れましょう。順序立ててCS向上に的確に取り組むことで、自社の品質向上や売上アップに期待が持てます。

  • CS(カスタマーサティスファクション)の指標を測定する
  • 顧客の満足とは何かを定義づけする
  • 顧客との接点の強化
  • 商材・サービスのPDCAサイクルを回す
  • ES(従業員満足度)を向上させる

1. CS(カスタマーサティスファクション)の指標を測定する

まずはCSの指標を設定し、スコアを測定しましょう。CSに関わる指標は以下の3点です。

  • NPS(Net Promoter Score)
  • CSI(Customer Satisfaction Index)
  • JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)

1. NPS(Net Promoter Score)

NPSは、厳密にいうと顧客の自社に対する愛着や信頼度(顧客ロイヤルティ)を測定する指標ですが、CSを測りたいときにも使えます。

NPSの特徴は、顧客を批判者(ネガティブな意見を持つ人)、中立者(中立的な意見を持つ人)、推奨者(ポジティブな意見を持つ人)の3つのグループに分類する点です。NPSでは、各設問を0点~10点の11段階で評価し、点数の合計によって顧客を分類します。

分類 各設問の点数
批判者 0~6点
中立者 7~8点
推奨者 9~10点

推奨者の割合から批判者の割合を差し引いた点数がNPSです。自社に好意的な顧客の割合を定量的に測定できるのがNPSの強みです。

2. CSI(Customer Satisfaction Index)

CSI(顧客満足度指数)は、自社が扱う商材やサービスとの関連が強い質問を複数行うことで平均値を測定し、顧客満足度指数を図っていく指標です。

具体的には、顧客期待値、顧客不満度、顧客忠実度、知覚品質(商材やサービスを利用した顧客の主観的な評価)、知覚値(商材やサービスの価格に対する満足度)の5つの視点が挙げられます。

各設問は0~100点で設定されており、結果の平均値がCSIの値です。CSIの算出には、大規模な母集団のアンケート調査が必要であるため、主に大企業や政府機関の調査で使われています。

3. JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)

JCSIは日本語で日本版顧客満足度指数といい、経済産業省をはじめとした各企業の支援のもと、CSIの設問を日本市場に合わせて調整した指標です。

業種を横断した統一的な設問により、業種に囚われない包括的な顧客満足度の指標を図れるものとして、JCSIは注目されています。業種や企業を中長期的に評価できるため、経営目標に活用できるところも特徴です。

顧客への質問項目は6つあり、各項目に対して3~4つの質問が用意されています。それぞれ0~100点で採点を行ってもらい、「実際に顧客が感じた価値-事前の期待値」がJCSI数値となります。

2. 顧客の満足とは何かを定義づけする

CSを正確に把握するには、「そもそも自社にとって顧客の満足とは何か」といった定義づけが大切です。前述のとおり、CSは事前期待の大きさと、商材やサービスの満足度の差によって決まります。

そのため、まずは顧客が商材やサービスに対し何を期待しているか(事前期待)を理解することで、その先にある満足(顧客の期待を超える商材やサービス)の定義づけができます。

定義づけをしないと一貫性のない対応になりかねないため、顧客に不信感を与えてしまうかもしれません。

3. 顧客との接点の強化

顧客の期待やニーズを分析するには、顧客との接点を増やしてデータを収集する必要があります。

例えば、BtoBの製品の場合、顧客との商談や展示会などを通じて情報を収集しましょう。顧客に関する情報を増やすことで、隠れた期待やニーズを発掘し、顧客が自社の商品・サービスに求めるものを正確に理解できるようになります。

なお、対応する人材を不足させない、面会や電話だけでなくメールやチャットのツールを活用するなどを意識することが重要です。

4. 商材・サービスのPDCAサイクルを回す

商材・サービスのPDCAサイクル(Plan、Do、Check、Act)を意識すると、継続的な改善ができます。それぞれの用語の意味は、下記の通りです。

Plan 商品・サービスの改善策を立てる
Do 改善策を実行し、結果を記録する
Check 改善策の効果を測定し、うまくいったか評価する
Act 改善策の評価を基にして、次回に向けた対策を考える

Planを決める際は、NPSやCSI、JCSIなどの指標を用いて測定したCSを元に検討してみましょう。誰が見ても内容を理解でき、結果が比較しやすい具体性や数字を用いた計画であることが望ましいです。

課題点や改善点を設定できたら、Do、Checkに進みます。思ったような改善が見られなくても、Actでしっかり分析をすることで、次のPlanに繋げることができます。

5. ES(従業員満足度)を向上させる

ES(従業員満足度)を向上させると社員のやる気やモチベーションがアップするため、サービスや顧客対応などの品質が高まり、結果的にCSの上昇につながります。

ESとは福利厚生や職場環境、働きがいなどを定量化した指標のことで、組織を成長させる上で欠かせない要素となっています。

自分の仕事が企業や社会に貢献できていると実感できると、社員は主体性を持ってサービスの改善や提案を行うので、顧客対応や店頭接客している従業員の満足度を高めることを意識してみましょう。

ESについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事もぜひご参考にしてください。

CS(カスタマーサティスファクション)の重要性を知り、改善に向けた取り組みを

CS(カスタマーサティスファクション)とは、日本語で顧客満足度と呼ばれる概念であり、自社の商品やサービスに対する顧客の満足度を指す言葉です。

CSを高めることで、リピーターの増加やブランディングの強化、新規顧客獲得など、ビジネスチャンスの拡大につながります。

CSの改善に当たって、まずはNPSやCSI、JCSIなどの指標を測定しましょう。肌感覚ではなく、数字やデータに基づいて現状を見つめ直すことが大切です。また、CSとセットでES(従業員満足度)を向上させることで、相乗効果が得られるといったメリットがあります。

自社の製品やサービスをもっと成長させたいとお考えの際は、本記事を参考にCS向上を目指しましょう。

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