2023年7月にInstagramの運営会社Meta社が、テキストベースのSNS「Threads」をリリースしました。
2023年の6月下旬ごろに発生した「Twitter」の閲覧制限問題にともない、Threadsの利用者は右肩上がりに急増加しています。
Twitterをビジネスに活用している企業では、代替手段としてThreadsの利用を検討している担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、インスタの「Threads」が持つ特徴やビジネスでの活用方法を詳しく解説します。
Threadsを早めに運用して経営やマネジメント、集客につなげるためにもぜひ参考にしてください。
関連記事:ちょっと待って それで大丈夫? SNSで会社を炎上させないためのマネジメントを識学で解説!
目次
インスタ版のTwitter「Threads」とは?
Threadsとは、Meta社がリリースしたインスタのテキストベース版SNSです。
インスタアカウントを持っていれば、誰でも気軽に利用できます。
インスタは主に、画像と動画で情報発信するアプリで、キャプションと呼ばれるテキストは、あくまで投稿の補助的な役割でした。
新たに登場したThreadsは、Twitterに似たUIデザインで設計されており、テキストでリアルタイムな情報を発信するのに長けています。
また、Threadsで投稿した内容は、インスタでフィードやストーリーズにて再投稿が可能です。
Threadsは発表から1ヶ月立たず、すでに登録者数が1億人を超えており、これまでリリースされてきたSNSのなかでも最速のペースです。
機能面やセキュリティ面が充実されれば、さらに利用者が拡大していくと予想されています。
インスタのThreadsとTwitterとの違い
ここでは、インスタの「Threads」と「Twitter」の違いを6つ紹介します。
- 文字数
- 動画の長さ
- 画像の枚数
- リアクション機能
- 匿名性
- Threadsにない機能
ビジネスにおける活用方法も理解できる内容なので、あらかじめ確認してみてください。
文字数
Threads・Twitterで入力できる文字数は、下記の通りです。
- Threads:500文字
- Twitter:140文字(有料プランTwitter Blueの場合は2,000文字)
Threadsは、Twitterより文字数の上限が増えており、より細かな情報を一度に発信できます。
一方Twitterでは、文字数が多くなってしまう場合、複数のスレッドに分けて投稿するか有料プランに登録しなければなりません。
動画の長さ
Threads・Twitterで投稿できる動画の長さは、下記の通りです。
- Threads:5分
- Twitter:2分20秒
Threadsは長尺動画の発信が可能なため、ユーザー側からするとテキストによる能動的な情報受信だけでなく、視覚情報で受動的にも情報を受け取れるSNSだといえます。
画像の枚数
Threads・Twitterで添付可能な画像の枚数は、下記の通りです。
- Threads:10枚
- Twitter:4枚
Threadsは、インスタの特徴をそのまま反映させています。
テキストベース・ビジュアルベースのどちらでもコミュニケーションを楽しめる工夫が施されています。
一方でTwitterにおける画像は、テキストで伝えきれない情報を伝えるための補助的な役割にすぎません。
リアクション機能
ThreadsではTwitterと似た機能として「いいね」「再投稿」「引用投稿」「シェア」を利用可能です。
使い勝手はTwitterとほぼ同じで「シェア」ではほかのSNSへの投稿を簡単にできます。
ただし、インスタにある「保存」機能は現時点で実装されていません。
匿名性
Threadsには、Twitterほどの匿名性がありません。
Twitterは誰でも簡単にアカウントを開設でき、入力必須の個人情報も限られているため、匿名性が高い特徴があります。
Threadsは、インスタアカウントとの連携が必須なため、登録されている個人情報が引き継がれます。
すでにインスタアカウントで個人情報を登録している場合は、そのままプロフィールに反映されてしまうため、匿名性が低くなるでしょう。
また、インスタアカウントとFacebookアカウントを連携させている場合は、「実名・年齢・性別」が紐づけられているため、注意が必要です。
Threadsにない機能
現状のThreadsには、ハッシュタグ機能やキーワード検索機能が実装されていません。
また、すでに投稿した内容は編集できないため、修正したい場合は削除してから再投稿する必要があります。
さらに、Web版は用意されておらず、スマホのみで使用可能です。
今後実装される可能性はあるため、Meta社からの続報を待ちましょう。
インスタのThreads運用におけるメリット
Threads運用のメリットは、主に3つあります。
- アカウント開設が簡単
- インスタより高い拡散力が期待できる
- Twitterにおける閲覧制限の代替手段になる
自社の環境にフィットするかの判断材料としてご覧ください。
アカウント開設が簡単
Threadsは、インスタアカウントの情報をそのまま引き継ぐため、個人情報を入力する必要がなくアカウント開設に手間がかかりません。
インスタより高い拡散力が期待できる
インスタでは、「発見タブ」「リールタブ」でおすすめの投稿が表示されていますが、アルゴリズム対策をしなければ掲載されません。
一方でThreadsのタイムラインは、Twitterの「おすすめ」と同じ仕様のため拡散力に優れているといえます。
Twitterにおける閲覧制限の代替手段になる
2023年7月現在、Twitterでは1日に閲覧できる投稿数がTwitter blueユーザーは6,000件、一般ユーザーは600件と制限されています。
今後も続けば、Twitterをビジネス活用している企業アカウントへの多大な影響は免れないでしょう。
しかし、Threadsには閲覧制限がないため、Twitterの代替手段として活用できると予想されています。
インスタのThreads運用におけるデメリット
Threads運用におけるデメリットは、主に3つです。
- インスタアカウントが必須
- プラットフォームの仕様が定まっていない
- 運用ノウハウがない
アカウント開設の線引きとしてチェックしてみてください。
インスタアカウントが必須
現状インスタアカウントを所持していなければ、Threadsアカウントは開設できません。
また、Threadsアカウントを削除した場合、インスタアカウントも同時に削除されてしまうので、アカウントの管理には注意が必要です。
プラットフォームの仕様が定まっていない
Threadsはリリースされてまだ日が浅いため、プラットフォーム上におけるスパムアカウント判定や危険なコンテンツなどを排除する仕組みが整っていません。
そのため、プラットフォームの仕様が定まるまでは、詐欺や迷惑投稿などを懸念してフォロワー数が増えず認知が増えない可能性があります。
運用ノウハウがない
Threadsのアルゴリズムは現状公開されておらず、ビジネス運用に必要な運用ノウハウがありません。
広告機能もまだ実装されていないため、最初は手探りで運用しなければならず、リストの獲得や成約など、成果が出るまでに時間がかかってしまうでしょう。
また、Threadsを継続して利用するユーザーが未知数なため、現在の流行が終わってしまえば努力が水の泡になってしまう可能性を否定できません。
Threadsをビジネスで効果的に活用する方法
ここでは、Threadsをビジネスで効果的に活用する方法を3つ紹介します。
- 先行者利益を見据えたマーケティング
- ほかのSNSとの併用による効果検証
- 自社音頭メディアへの導線設計
運用ノウハウが少ないなかで効果を出すための必要な考え方を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
先行者利益を見据えたマーケティング
新たなSNSでは、運用ノウハウやアルゴリズムが明確になっていないため、企業アカウントの参入が遅い傾向にあります。
そのため、早めに始めればマーケティング戦略において先行者利益を獲得できるでしょう。
現状ではThreads自体に広告配信機能が未実装の状態です。
まずは、インスタ・SEO対策などのノウハウを応用したコンテンツマーケティングや、Twitter・インスタのインフルエンサーに協力を仰ぐマーケティングを実施すると良いでしょう。
関連記事:インフルエンサーマーケティングとは?やり方、事例、効果を解説
ほかのSNSとの併用による効果検証
Threadsがビジネス運用において、高い効果を得られるかは未知数なうえに、どの業種に向いているSNSなのかがはっきりしていません。
Threadsを運用する際には、Twitter・インスタ・TikTokなど、ほかのSNSと併用しながら効果検証をするのがおすすめです。
テストを行ないながら、ほかのSNSと同等もしくはより高い効果を得られる場合は、Threadsへの切り替えを含めて、運用に力を入れてみてください。
自社オウンドメディアへの導線設計
Threadsでは投稿にURLを貼り付けられる仕様になっています。
一方でインスタは、フィード・リール投稿ではURLを載せられません。
ストーリーズ・プロフィールでは貼り付けられますが、フォロワーが多くないと閲覧される機会は少なくなってしまいます。
ThreadsではURLを貼れないインスタのデメリットが解消されているため、自社オウンドメディアのリンクを貼っておきましょう。
不特定多数のユーザーに対して自社サービスを訴求する機会の増加が期待できます。
関連記事:【顧客を離さない】「ファンベースマーケティング」とは?「パレートの法則」との関係も徹底解説!
Threadsを導入した企業事例3選
ここでは、Threadsを導入した企業の事例を3つ紹介します。
- 日本経済新聞
- 株式会社スチームシップ
- 株式会社アイズ
Threadsの導入事例は数少ないので、運用の際にぜひ参考にしてみてください。
日本経済新聞
日本経済新聞では、Twitterの投稿をThreadsに再活用しています。
新たにSNSを始める際の課題にコンテンツ企画に手間がかかることが挙げられます。
しかし、Threadsは、Twitterとほぼ同じ仕様かつインスタのユーザーにも訴求できる点で、再投稿が有効な手段といえるでしょう。
株式会社スチームシップ
株式会社スチームシップは、Threadsを使って、長崎県波佐見町のふるさと納税情報を発信しています。
週3回の投稿で、画像・動画・テキストを交えながら波佐見町のPRをしています。
キャンペーンやプレゼント情報など発信されている投稿は参考になるので、これからThreadsに参入する企業はロールモデルとしてチェックしてみてください。
株式会社アイズ
株式会社アイズは、口コミマーケティングのプラットフォーム「トラミー」を運営しています。
「トラミー」では、認知拡大・体験者レビューのコンテンツ獲得強化のためのSNS施策の一環として、Threadsへの対応が可能となりました。
SNSにおける口コミは、マーケティング戦略として高い効果が期待できます。
テキストベースのThreadsは、一般消費者に商品・サービスを提供している企業にとって、多くの口コミを獲得する機会を増やせるでしょう。
まとめ
インスタの新SNS「Threads」は、過去最速ペースで登録者を増やしており、今後ビジネス活用で高い効果を期待されているプラットフォームです。
Threadsには「Twitterの再投稿」や「インスタのビジュアルベースの仕組み」に類似した拡散力や集客につなげやすい機能が実装されています。
Twitter・インスタと使い方は変わらないため、これまでSNSを使っていた企業の担当者の方であれば、使いこなすのに時間はかからないでしょう。
インスタよりも高い拡散力が期待でき、早めに始めれば先行者利益を得られ競合他社に差をつけられるチャンスです。
ただし、プラットフォームが整備されておらず、運用ノウハウも明確ではないため、ほかのSNSと併用しながら効果検証するのをおすすめします。
導入事例はまだまだ少ないので、この記事を参考にしながら運用を始めてみてください。