ビジネススタイル、生活スタイルがどんどん変化していく現代社会では、採用手法も多様化の一途をたどっています。
特にSNSの普及が、採用手法を大きく変えるひとつの要因と言えるでしょう。
本記事では、合計16種類の採用手法を紹介していきます。
それぞれの採用手法の特性も解説しているので、どんな採用活動を行うか悩んでいる人事担当者の方におすすめです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
採用手法が多様化している要因3選
採用手法が多様化している要因は以下の3つです。
- 転職が前提となっているから
- 優秀な人材が不足しているから
- 採用関連ツールが多様化したから
それぞれ解説していきます。
転職が前提となっているから
採用手法が多様化している要因として、転職が前提になっている点が挙げられます。
変化の激しい現代社会において、終身雇用は幻想に過ぎず、何度も転職を繰り返しながらキャリアアップするのが当たり前になっているのです。
中途採用は企業が求める人材も、また転職を希望する応募者も、キャリアや年齢もバラバラです。
そのため新卒採用に比べて、採用手法にバリエーションがある傾向があります。
優秀な人材が不足しているから
現代社会では、労働市場もグローバル化されており、優秀な人材が海外に流出するようになりました。
また、企業間の資金格差も大きくなり、利益を確保しているテック企業が優秀な人材を囲い込んでいます。
つまり、中小企業や伝統的な製造業企業が、優秀な人材を獲得しづらくなっているのです。
このような背景から、少しでも優秀かつ個性的な人材を獲得できるように、多種多様な採用手法が登場していると考えられます。
採用関連ツールが多様化したから
インターネットが普及してから約20年、実にさまざまなITツールが登場しました。
特に採用関連ツールに関しては、大々的なものだけでなく、非常にニッチなツールも活用されるようになっています。
つまり、採用関連ツールが多様化しているため、それに伴って採用手段も多様化したというわけです。
特にSNSの登場は、採用手段の幅を一気に広げたと言えます。
新卒採用の代表的な採用手法4選
新卒採用の代表的な採用手法は以下の4つです。
- 就職サイト
- 新卒採用サービス
- インターンシップ
- 大学のキャリアサポート課
それぞれ解説していきます。
就職サイト
新卒採用で最も典型的な採用手法は、就職サイトを利用したものでしょう。
特に「リクナビ」と「マイナビ」は、就活生なら誰もが知る就活サイトです。
実際に筆者も学生時代、就活説明会でリクナビ・マイナビを登録させられました。
そして学生はもちろんのこと、企業も就活サイトを軸に採用活動を進めていることは言うまでもありません。
多くの就活生が目を通すので、リクナビやマイナビに登録せざるを得ない状況となっています。
新卒採用サービス
中途採用だけでなく、新卒採用でも人材紹介サービスが存在します。
リクナビやマイナビに比べてニッチであるが故に、勤労意欲の高い人材を獲得しやすい特徴があります。
そして、自社が求める人物像に合った人材を紹介してくれるのもメリットです。
ただし、就職サイトに比べると1人あたりの採用単価が高い点、大きな母集団を形成できない点がデメリットだと言えます。
インターンシップ
近年流行しているのが、インターンシップを通じた採用です。
就活に意欲的な学生の間でも「長期インターンに参加できれば内定をもらいやすい」とされているため、優秀な人材を獲得しやすい採用手法だと言えます。
インターンシップを通じて、求職者も企業との相性を推し量れるので、ミスマッチが起こりにくい点は双方にとってメリットです。
ただし、他の採用手法に比べると、現場の負担が増えてしまう点がデメリットだと言えます。
大学のキャリアサポート課
大学のキャリアセンターを通じて、学生を斡旋してもらうこともできます。
基本的にコストはほとんど発生せず、多くの学生にアプローチすることが可能です。
特に、社内にその大学のOBが多数いるのであれば、非常に有効な選択肢になるでしょう。
その一方で、大学とのコネクションをゼロから構築するのは、労力の観点で大変です。
中途採用の代表的な採用手法7選
中途採用の代表的な採用手法は以下の7つです。
- 転職サイト
- 人材紹介
- Indeed
- ヘッドハンティング
- 合同企業説明会
- ハローワーク
- アルムナイ採用
それぞれ解説していきます。
転職サイト
中途採用で最も一般的な採用手法が転職サイトです。
新卒採用におけるリクナビやマイナビと同様に、企業が求人情報を出稿し、それに対して求職者がエントリーする流れとなっています。
また、医療職専門やエンジニア職専門など、一定の職種を対象とした専門的な転職サイトが増えている印象です。
そのうえ、近年は成果報酬型の費用体系が増えているため、無駄なコストが発生しづらいというメリットもあります。
人材紹介
人材紹介は、言わば転職エージェントです。企業はエージェントを通す形で、自社が求める人材を確実に獲得できます。
基本的には採用活動の工数の大半をエージェントに外注するため、手間がかからないのがメリットです。
一方で、エージェントに大部分を外注するため、エージェントの質次第で採用活動の質そのものが変動する可能性があります。
また、1人あたりの採用コストも高いです。
Indeed
Indeedは、求人情報に特化した検索エンジンで、無料掲載が可能です。
そのため「ひとまずIndeedで求人場を掲載しておく」という使い方ができます。
また、転職市場でもかなり有名なサービスになっているため、母集団も大きいです。
一方で、無料掲載よりも有料掲載の方が検索順位上位になりやすい点に注意しましょう。
なお、有料掲載はクリックの度にコストが発生する費用方式です。
ヘッドハンティング
幹部候補などの優秀な人材を最も確実に獲得できる採用手法がヘッドハンティングです。
場合によっては、人事担当者ではなく、執行役員や経営者自らがヘッドハンティングに動くことも珍しくありません。
ヘッドハンティングで直接的な費用は発生しませんが、接待・交際などで多額の出費が発生する可能性はあります。
そして何よりも、多くの手間が発生するのがデメリットです。
だからこそ、本当に優秀な人材を獲得するためにのみ用いられる採用手法となっています。
合同企業説明会
大規模開催される合同企業説明会は、求職者を目で見て判断できる数少ない機会です。
また、新卒採用向けの合同企業説明会とは異なり、その場で採用プロセスを進めやすいのも特徴となっています。
もし合同企業説明会を活用して採用活動を進めるのであれば、あらかじめ、会場現地の従業員に対して裁量権を持たせておくといいでしょう。
そうすれば、従業員が自らの判断で優れた人材の獲得に動くことができます。
くわえて、合同企業説明会は自社のアピールにも繋げられるのもメリットです。
人事部の中でもエース級の人材を配置するのがいいでしょう。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、安定した雇用機会を確保するために国が運営している行政機関です。
そのため、企業が費用を負担することはほとんどなく、安定して人材を獲得できます。
また、一般的に各都道府県の労働局が運営しているため、地域に特化した採用活動を進めることも可能です。
ただし、他の採用手法に比べて、高度なスキルを有する人材を獲得できないのがデメリットです。
単純作業を必要とする場合にハローワークを活用するのが良さそうです。
アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、既に自社を退職済みの従業員を再び採用することを指します。
一度所属していた従業員を採用するため、お互いのことを深く理解している可能性が高いのが特徴です。
また、自社特有のルールをわかっていることが多いため、再教育の必要性が薄いというメリットもあります。
一方で、もしアルムナイ採用を効果的に進めるとなると、ベテラン社員の存在が必要不可欠である点には要注意です。
また、一度退職したということは、何かしらの事情があった可能性があります。
その点にも十分注意しながら、アルムナイ採用を実施した方がいいでしょう。
近年注目されている新しい採用手法5選
近年注目されている新しい採用手法は以下の5つです。
- SNS(ソーシャルリクルーティング)
- ダイレクトリクルーティング
- 自社メディアを活用した採用
- ミートアップ採用
- リファラル採用
それぞれ解説していきます。
SNS(ソーシャルリクルーティング)
近年の採用活動における最も大きなインパクトがSNSです。
多くの人々にとってSNSはプライベートなものかもしれませんが、企業の情報発信にも大いに役立ちます。
代表的なSNSとしては以下が挙げられるでしょう。
実施の際には、それぞれのSNSで特性が異なる点には考慮しましょう。
例えばTwitterやInstagramは匿名性の高いSNSなので、その人材が信用できるかどうかが曖昧となっています。
一方で、実名性の高いSNSであるFacebookやLinkedinは、採用活動で活用しやすいSNSです。
特にLinkedinはビジネス版SNSということで、海外で広く普及しています。
ハイクラス人材であればあるほどLinkedinに登録している傾向にあるので、ひとまずLinkedinを利用してみることをおすすめします。
ただし母集団の大きさでは、やはりTwitterやInstagramの方が強いです。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、就職サイトや人材紹介サービスを通さずに、自らの手で採用活動を進める手法を指します。
そのため、金銭的なコストが発生することはありません。
また、就職サイトに求人情報を載せて求職者からの応募を待つ手法とは異なり、こちらから動く「攻めの採用手法」です。
そのため、転職顕在層にアプローチできるのもメリットです。
一方、デメリットとしては、人材を複数人採用したい場合に、あまりにも手間がかかりすぎる点が挙げられるでしょう。
そのためダイレクトリクルーティングは、中小企業やスタートアップに向いている採用手法だと言えます。
自社メディアを活用した採用
現代社会は、ほとんどの企業が自社のホームページを保有している時代です。
しかし、自社でメディアを保有している企業は、未だにそう多くありません。
自社メディアで情報を発信し続けることでインターネット上の露出を増やし、それに関連する形で採用活動を進めるのも、トレンドの一つです。
最近は、Wordpressやnoteを利用すれば、無料で記事メディアを立ち上げられます。
そこで専門的な情報、ビジョン、社内の雰囲気などを発信していけば、少なからず興味を抱いてくれる求職者が出てくるかもしれません。
実際にスタートアップでは、noteで求人情報を掲載する事例が増えています。
メディアとして大きく成長させるには膨大な時間と手間が必要ですが、自社のペースで情報発信しても全く問題はありません。
まずは自社メディアを立ち上げてみるのもいいでしょう。
ミートアップ採用
ミートアップとは、共通の専門分野をベースに参加者が集まるイベントを指します。
堅い雰囲気がほとんどなく、あくまでも親睦会という形で開催されるのが特徴です。
必ずしも採用に繋がるわけではありませんが、人脈を広げるという点でも有効な採用手法でしょう。
特に、まだ世の中の多くの人が認知していない領域でミートアップを開催すると効果的です。
具体例を挙げるなら「ゲノム医療」や「プライバシー強化コンピュテーション」など、ポテンシャルがありながらも認知度が低い領域が好ましいです。
このような領域には強いパッションを持つ人材が多いため、人脈を繋げておくだけでも大きな効果が見込めます。
リファラル採用
リファラル採用は、自社の従業員から知り合いや友人を紹介してもらう採用手法を指します。
従業員がよく知る人物のみ紹介されるため、離職率が低いのがメリットです。
また、求職者としても、従業員を通じて社内の雰囲気をイメージしやすくなっているので、勤労意欲が高い傾向にあります。
ただし、当たり前の話ですが、従業員が「この会社なら友人に紹介できる!」というマインドであることが大前提です。
丁寧な職場環境作りを徹底していなければできない採用方式だと言えます。
まとめ
それでは本記事をまとめていきます。
- 転職が増えているため、それに伴い採用手法が多様化している
- SNSの登場で採用手法のバリエーションの幅が広がった
- 採用手法が多様化している今、自社に合った採用手法を選択する必要がある
インターネットが普及しきった現代社会では、本当に数多くの採用手法が登場しています。
どれも基本的には、インターネットを活用した採用手法です。
そのため、適切な採用手法を選択するためには、インターネットやサービスの特性について深く理解する必要があるでしょう。
本記事を参考に「このサービスにはどのような特徴があるか」理解を深めてみてください。