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「宿題や課題をやらない大人」に初めて出会ったときの話

子供の頃はほとんど毎日、学校から「宿題」が出た。
そして、宿題をきちんとやらないと先生から怒られたことを覚えている。
宿題をやることはとても重要なことだった。

その「宿題をやること」は、中学校になっても、高校生になっても、大学生になったときも課された。

もちろん「宿題や課題をやらない人」は、必ずどの場所にもいた。
だが、彼らは少なくとも「宿題、やってないんだよね」という罪悪感は持っていた。

 

 

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「宿題をやらない先輩」との出会い

「宿題をやらない先輩」との出会い

ところが、私が社会人になってまもなく。
上司や先輩からの依頼事項、つまり社会人にとっての「宿題」で溺れていたときのこと。

先輩の一人に
「社会人て、やらなきゃなんないこと多すぎて、きっついすね。」と愚痴をこぼしてしまったところ、
その人はこういった。

「安達さん、振られた仕事って、全部やる必要ないんですよ

「え?何の話ですか?」

「いや、あまり仕事頑張ると、途中で息切れしちゃいますから。サラリーマンは細く長くです。」

「それと、仕事やらなくていいことと、どういう関係があるのですか?」

「いや、だから。仕事ってのは、振られてすぐにやる必要はないんです。」

「先輩、お言葉ですが、やんないとダメでしょう。頼まれているんだし。」

先輩は、手を振った。

「いやいや、いいですか安達さん、本当に大事な仕事だったら、依頼者がもう一度言ってきます。そしたら、そのときにやればいいんです。」

「言われなかったら?」

「そのままやらなくていいんです。ね、全部やらなくていいでしょう?」

彼は「宿題は基本的にやらなくていい」と言ったのだ。

だが、あまりの荒唐無稽さに、私は反論する気も起きなかったし、彼の言っていることについてまともに取り合う必要はないとも思った。

 

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「宿題をやらない大人」は大勢いた

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ところが、私がコンサルタントとして独り立ちしてまもなく、件の先輩の話が、思ったよりも現実を反映していることに気づいた。

単純に言えば、「宿題をやらないでも平気な人」が結構多いのだ。

例えばクライアントのメンバー、あるいは先輩の中にも、同僚の中にも、後輩にも、一定数かならず、「宿題をやらない人」が存在した。

このように言うと、読者諸兄は
「さぞかし、安達が無茶振りしたのではないか」と思うかもしれない。

だが、そんなことはない。

宿題を出すときは、きちんと意義を説明し、ディスカッションを経て、基本的にこちらから
「いつまでにできますか?」と聞いて、その日程で締め切りを守るように要請するし、
能力的に無茶なことはお願いしない。(当たり前だ)

私の立場は低く、威圧的にやることは不可能だ。
そして何より、依頼する前に「もし間に合いそうになかったら、教えて下さい」と言う。

ある意味「小学生」と同様のことをお願いしているだけなのだ。

にもかかわらず、当日になって
「できてません」と、朝にやっつけでやったようなプアな成果物を出してくる人、
「そもそも、ここは決めてましたっけ?」と、議論を蒸し返す人、
挙句の果てには、
当日になって「忙しかったのでできませんでした」という人。

そんな人達がたくさんいた。

私は「小学校だったら、絶対に怒られるやつだぞ」と思いながら、冷静に彼らの言い訳を聞く。聞くしかない。

そしてある時、気づいた。
「あ、彼らはあの先輩と同じ発想だ。「言われなかったら、やらなくていい」と思っている。」と。

これは、新しい発見だった。
つまり、世の中は「宿題」を罪悪感なし(あるいは積極的)に、無視する人がいるのだ。

私はそれ以後、社会人としてのレベルは「宿題の遂行率」で測定することができる、と考えるようになった。

 

「宿題をやらない人」は悪人ではないが、信用できない

「宿題をやらない人」は悪人ではないが、信用できない

当たり前だが「宿題」とは一種の「約束」である。
「約束」を守らない人は信用できない。
つまりレベルが低い仕事しかまかせられないということである。

もちろん彼らは悪人ではない。
善良なる、一般市民である。

ただ「宿題をやる」というスキル、もしくは責任感に少し欠けているだけだ。
だから、それについてとやかく言うつもりは毛頭ない。

だが宿題をやらなくてもクビにはならないかもしれないが、「成果」を上げるためには、宿題を必ずやらなければならない。

ユニクロの柳井会長が敬愛する、コングロマリットの総帥であったハロルド・ジェニーンは
著書の中で、このように述べている。

そんなに時間と努力を注ぎこむのはばかげてはいないか、自分はやりすぎをしているのではないかと疑ったこともしばしばだった。

しかし、ほかにやりようはない、というのが私の不変の結論だった。

真のリーダーで、どれほど高価につこうとも自分に課された宿題をやらない人間には、私は会ったことがない。本当に、ほかに道はないのだ。

(出典:ハロルド・ジェニーン プロフェッショナル・マネジャー )

ハロルド・ジェニーンは、選択を迫る。
 きみは夜遅くまで宿題をやろうと思うか?それとも仕事じまいをして家へ帰り、残った仕事は他人任せにするか?

そしてもちろん「宿題をやらない人」を排除するのも、リーダーの責務だ。
気は進まないだろうが、必ずやらねばならない。

 ただもう働きたがらない人間はどこの会社にもいる。

 怠惰なのか、気がふさいでいるのか、気に入らないことがあるのか、
 それともほかのことに気をとられているのか、理由はともあれ自分のなすべき仕事をせず、したがりもしない。

 (中略)そうした人物の周囲の人びとはだれでも、彼(または彼女)がいかがわしい人間、
 あるいは食わせもの──ほかにも呼び方はいろいろあるだろうが──であることに気づいている。

 それでもたいてい、他の人びとはそのことを〝ボス〟には告げない。

 しかし、心の中ではその人物を監視し、審判している。
 そして、そういった種類の人物を見分け、なんとかするのはリーダーの責任である。

宿題は子供でもきちんとやる子は多い。
でもそれは「当たり前」だと思われている。

そういう「当たり前」がきちんと報われる世の中になってほしいものだ。

 

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