新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってリモートワークが普及したことで、人事評価の項目を見直す企業が増えつつあります。
なぜなら、従来の評価項目では対応できない可能性が高いからです。
そこで本記事では、評価項目を設定するポイントや注意点、作成手順などを解説していきます。
なお、本記事で解説するのは一般的な内容であり、弊社のマネジメントロジック「識学式」ではございません。
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目次
評価項目とは?
評価項目とは、部下を適切に評価する基準を指しています。
一般的には3種類あるため、それぞれについて見ていきましょう。
成果評価
今後、日本企業において重要視されていくと考えられるのが、成果評価です。
部下があげた利益や業務のスピード、品質などの成果によって評価を下すため、平等な評価ができるでしょう。
しかし、景気の善し悪しや災害など、外部要因による影響を度外視して評価しなければなりません。
能力評価
能力評価では、業務を的確にこなすために求められる資格や知識、能力などを評価します。
具体的には下記のようなものが挙げられます。
項目 | 内容 |
企画力 | 新しく効果的な企画を立ち上げるスキル |
実行力 | 立ち上げた企画を実際に行い、運営する技術 |
知識 | 業務をこなすために必要な知識や技術で、学歴とは関係ない |
改善力 | 業務やチームをより良い方向に導く力 |
関連記事:能力評価とは?評価項目やメリット、導入・運用時の注意点などを解説
情意評価
情意評価とは、業務に対する態度や姿勢、会社のビジョンに適った行動ができているかを評価します。
成果評価では測定することが難しい性質などを評価することに向いていますが、上記2つの評価と比べて最も評価者の主観が入りやすく、曖昧になりがちなため、注意しなければなりません。
具体的には下記のようなものが挙げられます。
項目 | 内容 |
責任感 | 困難な状態に陥っても目的のために努力し続けられる |
協調性 | チームと協力して目的の達成に向かって業務に取り組める |
積極性 | 指示を待つだけではなく、自分で考えて動ける |
規律性 | 社内の規則や社会規範を守ることができる |
部下との評価面談で意識するべきポイントとは?
部下を適切に評価するためには、評価面談は重要な意味を持ちます。
また評価するだけではなく、今後の課題や目標を鮮明にすることで人材育成としての役割も担っています。
ここでは、部下との評価面談を効果的に行うために意識するべきポイントを見ていきましょう。
面談前の準備
まず評価面談を行う前に、どのような話をするかをまとめておきます。
例えば、
- 評価の理由
- 部下が疑問に感じることへの回答の準備
- 面談で伝えるメッセージ
などをまとめておくと良いでしょう。
また、面談前は部下に関する資料を読むことも重要です。
部下は、上司が自身の具体的な成果や取り組みを把握した上で評価しているとわかれば、納得しやすくなり、上司への信頼感が高まるでしょう。
部下も自分もリラックスできるように意識する
評価面談は上司にとっても部下にとっても緊張するシーンです。
したがって、面談に臨む際は部下も自分もリラックスできるように意識しましょう。
具体的には、本題に入る前に自身の趣味の話や世間話などから始めることで、アイスブレイクとなります。
部下が緊張したまま面談を進めると、部下が聞きたいことや伝えたい事がうまく言い出せなくなり、不満が残る可能性があります。
傾聴を意識する
評価面談においては傾聴の実践が欠かせません。
部下には自分の言い分や疑問があるため、これらを消化できずに面談を終えてしまうと、部下は評価に納得できなくなくなってしまいます。
だからこそ、面談の際は部下の話にしっかりと耳を傾けて、適切なフィードバックをすることが重要です。
関連記事:フィードバックとは?人材育成で失敗しない4つのポイントを解説!
評価コメントはどのように書くべきか?
評価コメントを書く際は下記のようなポイントを意識すると良いでしょう。
具体的に書く
評価コメントは具体的に書くことが重要です。
例えば、
- 評価の根拠
- 評価した行動
- 改善点
などについて、明確でわかりやすく記述しましょう。
最後はポジティブな評価で終える
問題点や課題ばかりを挙げるコメントでは、部下のやる気が落ちてしまいます。
そこで、ネガティブな評価を記した後は、必ず部下の良かった点について触れ、ポジティブな評価をしてコメントを締めましょう。
こうすることで、部下のモチベーションの向上につながります。
関連記事:中小企業が導入するべき人事評価制度とは?活用ポイントを解説
人事評価の目的とは
そもそも、人事評価はどのような目的で行われるのでしょうか? ここではその目的について解説していきます。
目標や価値観を共有する
企業が達成を目指す目標と、従業員が目指す目標が一致していなければ、企業は力強い成長が望めません。
したがって、企業が掲げる価値観や行動規範を従業員に浸透させるためにも、それに適した行動を評価する必要があるのです。
処遇を決める
給与や賞与額を公正に決めることも、人事評価の目的の1つです。
評価基準が曖昧で評価者の主観が入り込んだまま給与額が決められている場合、従業員は納得できずモチベーションが下がってしまうでしょう。
しかし適切に処遇を決めていれば、自身の処遇に納得がいかない従業員に対して、根拠をもとに説得できます。
まとめ:適切な人事評価項目を設定しよう
評価項目のうち、今後日本でも取り入れられていくのは「成果評価」です。
というのも、リモートワークなどが一般化している現在、既に「情意評価」などの指標で人事評価をするのは難しくなっているという背景があります。
ただし、成果評価を取り入れようと思っても、定量的な評価項目を設定しなければ不平等な評価となってしまうことがあります。
例えば「ひたむきに仕事に取り組んでいる」などの定性的な指標は、評価者によって評価が変わります。
上記のような評価項目が、優秀な社員を離職へと追いやってしまう根本原因となるのです。
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