近年、人材育成において、従業員の「内省する力」が重要視されています。
しかし、そもそも内省とは何なのでしょうか?また、何故重要視されているのでしょうか?
本記事では、
- 内省の概要
- ビジネスにおける内省の重要性
- 内省のメリット
- 従業員に内省を促す方法
などを解説していきます。
目次
内省とは
内省とは、「自身の思考や行動について振り返ってみてよく考えること」です。
内省ができる人や内省をよく行う人は、
- 自分が行ったことがどのような結果を招いたのか
- なぜ自分がそのような行動をとったのか
- なぜ自分がそのように考えたのか
といったことについてよく考えているため、物事を客観的に捉える能力や、物事を多面的に捉える能力が高い傾向があります。
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内省と混同されがちな言葉との違いとは
内省と混同されがちな言葉との違いを見ていきましょう。
言葉 | 意味 |
内省 | 自分の思考や行動について深く考えること |
反省 | 自分の思考や行動について、その善悪や可否について考えること |
内観 | 自分の思考や精神状態について観察すること |
このように、それぞれ似ているようで異なる意味を持っているため、混同しないように注意しなければなりません。
ビジネスにおける内省の重要性とは
ビジネスにおいては、自身が招いたネガティブな結果や、あげた功績について「なぜそうなったのか?」を考えることが重要です。
なぜなら、結果に対する原因がわからなければ、失敗した際に同じ失敗を繰り返さないために、そして成功した際は次も同じかそれ以上の成果をあげるために、次回からどのようにすればよいのかわからないためです。
内省を行うことで、「自身が何を考え、何をしたことによって、どのような結果になったか」を把握しやすくなるのです。
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従業員に内省を促すメリットとは
従業員が内省を頻繁に行うようになれば、企業は大きなメリットを期待できるでしょう。
ここでは、従業員に内省を促すメリットを解説していきます。
生産性アップ
従業員に内省を促す最も大きなメリットは、生産性が上がることです。
なぜなら、従業員が日々行っている業務についてよく考えるようになれば、
- 「この作業は本当に必要だろうか?」
- 「もっと良いやり方はないだろうか?」
といった疑問を持ちながら働くようになるためです。
この結果、効率的な方法を思いついたり、不要な作業を減らしたりすることで、生産性向上につながります。
自分で考え自分で行動できる人材が増える
内省を行う従業員は自分で考え、自分で考えてから自主的な行動につなげられるようになります。
何も考えず上司に言われたことだけを行う従業員の場合、上司に言われていないことはやらず、その業務の目的もあまり考えないため自立的に行動できません。
一方で、内省の習慣がある従業員は、常に自分の思考や行動について考えており、業務の意味や目的について深く理解しているため、自主的な行動がとれるようになります。
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内省を行う方法とは
内省を行うには「コルブの経験学習モデル」を参考にするとよいでしょう。
経験学習とは
- 具体的経験
- 内省的反省
- 概念化・抽象化
- 能動的実験
上記4つのステップからなるサイクルを繰り返すことです。それでは1つずつ解説していきます。
具体的経験
まずは自分で考えて行動してみることです。
ここで得た経験によって多くの「気づき」が生まれるでしょう。
このとき、意識するべきポイントは「予想外の失敗や成功」についてよく考えることです。
内省的反省
続いて、経験から得た「予想外の失敗や成功」について深く考えてみましょう。
- なぜ、そうなったのか?
- なぜ、予想したとおりにならなかったのか?
- どうすればもっとうまくできたか?
など、多面的に考えてみることが重要です。
概念化・抽象化
内省によって得た学びや気づきを、異なる局面においても活かせるように概念化・抽象化して、今後自分だけではなく他の人でも活かせるように落とし込みます。
失敗や成功について振り返る人は多いかもしれませんが、概念化・抽象化にまで至らないケースがあるため、将来的に応用するためにも概念化・抽象化までをしっかりと行いましょう。
能動的実験
そして最後に、経験から得て、学んで概念化した理論を実際に検証してみましょう。
頭の中では「こうすればうまくいくはず」という理論でも、実際に試してみなければそれがうまく機能するかはわかりません。
効果的な内省をする際のポイントとは
効果的な内省をする際に意識するべきポイントは下記の通りです。
- 思考や感じたことを書き出してみる
- 広い視野を持って行う
- 完璧主義に陥らない
内省に慣れていない場合、自分の脳内だけで思考しても集中力がもたず、いろいろなことを考えてしまうケースがあります。
この場合、考えながらノートに思考を書き出してみることが効果的です。
また、狭い視野で内省を行うと、深い学びや気づきが得られないこともあります。
この場合は、頼りになる人や信頼できる人に話しながら内省を行うことで、自分だけでは得られない視点からの思考ができるようになるでしょう。
そして、最後のポイントは完璧主義に陥らないことです。
完璧主義に陥ると、より良い方法を考える際に「絶対に成功する方法」を求めてしまうため、延々と考えてしまい実践することができなくなってしまいます。
まとめ:内省を組織運営に活かすポイント
内省は従業員の成長を活かす上で欠かすことができません。
しかし、誰しもが内省を正しく実施し、改善点を組織運営に活かせるわけではありません。
仮にそうできたなら、組織はきっと強い組織になります。
それでは内省を促すためにはどうすればいいんでしょうか?
そのヒントとなるのが上司が答えを教えないことです。
週次会議を自身の不足を考えさせ、今後どう変えていくのかを約束する場にする。
上司は、部下の約束が目標達成に十分な場だと思えば承認する。
こうすれば、自走ができる部下が増え、組織全体の生産性向上へとつながります。
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