まず当たり前ですが、世の中“悪い”上司になりたいと願う人はおらず、誰しも“良い”上司になりたいと思っているはずです。
では、“良い”上司とはどのような上司を指すのか、「理想の上司像」という社内アンケートを取るとおそらく次のような類のことが多く挙げられるでしょう。
「部下からの相談に親身になって乗ってくれる」「部下の頑張っている姿をいつも見ていてくれる」「垣根を取って気さくに接してくれる」など、部下にとって働き易い環境を支えてモチベーションを上げてくれる、そんな部下から好かれる上司が理想の上司像となっているのです。
しかし、このような部下にとって“良い”上司が果たして本当の“良い”上司なのでしょうか?
もしかしたら上司側の自己満足に過ぎず、部下は実際不幸になっているかもしれません。
今回は本当に“良い”上司とはどのような上司のことを指すかをご紹介します。
目次
“良い”上司かどうか決めるのは誰かを正しく認識する
まず、そもそも会社において、「“良い”上司かどうかを決めるのは誰なのか」ということを考えてみて下さい。
上司というポディションを与えているのは部下ですか?違いますよね。上司の上司つまり会社側ですよね。
上司は会社の中で、上司の上司から「あなたはここのチームの上司ね」と配置されたから上司なのです。
この配置は、上司の上司が、「○○さんが上司のポジション(役割)に適任である」と決めたからであり、逆を言うと適任ではないと判断されれば、上司ではなくなってしまうのです。
つまり、これらのことから会社における“良い”上司かどうかを決めるのは、部下ではなく上司の上司ということであり、まずはこれを正しく理解する必要があります。
上司の上司にとっての“良い”という意味を知ろう
“良い”上司かどうかを決めるのは、上司の上司であることを説明しましたが、ではその上司の上司にとって“良い”上司とはどのような人でしょうか?
部下から人気が高い人でしょうか?違いますよね。
もし自分が上司の上司だった時を想像すれば、具体的な内容は異なることがあっても、次のような意味に集約されるのではないでしょうか。
上司の上司から求められる成果を上げられる、つまりチームを勝利に導くことができる上司が“良い”上司であるということです。
未来の部下にとって有益な上司であること
もちろん上司の上司だけではなく、部下にとっても“良い”上司である必要はあります。
ただ、ここで述べる“良い”とは今の部下にとってではなく、未来の部下にとっての意味です。
言い方を変えると、将来部下が成長しているマネジメントを現在出来ていることが“良い”上司なのです。
そして、その為には例えば今現在起きている部下の言い訳という名の「甘え」や、「頑張りアピール」に付き合うことではなく、部下からは厳しいと思われるかもしれませんが、結果をシビアに求め管理していくことが求められます。
今現在という時間軸で見るとおそらくほとんどの部下からは嫌われる上司になるかもしれません。でもそれが正しい姿なのです。
今しか見ず部下の甘えに付き合うことで部下は一瞬モチベーションが上がるかもしれません。
そして上司は、部下から慕われるかもしれません。
でもそれは一瞬です。
時間軸を未来に向けて下さい。そのようなマネジメントでは将来部下は成長していないでしょう。
そして連動してチームの成績も不振で、上司の評価も下がるといった全員が不幸になる結末が待っています。
そもそも何の為に上司というポディションが存在するのか、それは未来の部下を成長させる為、そしてチーム全体を成長させる為なのです。
まとめ
今回は部下の育成にあたり、“良い”上司という定義に触れ、そのマネジメント手法をご紹介しました。
- 上司の評価は更にその上の上司がすることが事実であり、部下が評価するものではない。
- 上司の上司が“良い”と評価することは、求めている成果を上げてくれること。
- 未来の部下を成長させる為に、今の部下にとっては厳しいと思わるマネジメントをすることが上司に求められている真の役割である。
本当に“良い”上司でありたいのなら、部下の人気取りではなく、部下の成長を促すマネジメントに注力しましょう。