大ヒットビジネス書【リーダーの仮面】【数値化の鬼】を生み出した識学理論によるコンサルティングとは?

ユニクロ創業者柳井正の組織マネジメント

では日本を代表するアパレルブランドの「ユニクロ」も、最初は地方の零細企業に過ぎませんでした。

そんなユニクロはいかにして世界でも指折りの企業に成長を遂げたのでしょうか。

答えは、創業者の柳井正氏が行った改善の繰り返しにあります。

今回は、柳井氏の言葉からその思考やマネジメント手法を学んでいきます。

ヒット商品だからこそ改善

「失敗を生かすも殺すも経営姿勢しだいである。失敗には次の成功に繋がる成功の芽が潜んでいるものだ。実行しながら考えて修正していけば良い。分析ばかりしてグズグズしているより良い」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

柳井正氏は、経営と組織マネジメントのバランス感覚が非常に優れている人物です。

ユニクロ1号店が開店した1984年から、初のヒット商品ともいえる1900円のフリースが発売された1998年までの約14年間、出店と閉店を繰り返し、収支が悪いものはどんどん切り捨てるというような「選択と集中」に取り組んできました。

これは、現代の経営では当たり前の考え方ですが、かつてはそこまで一般的ではなかったのです。

しかし、柳井氏は当初から1店舗あたりの標準損益を設定。

商品の失敗を直視し、その原因を研究して改善するという仕組みを当たり前のように行っていました。

それがフリースという大ヒット商品に繋がったのです。そして、そのヒット商品のフリースですら改善の対象であったことは言うまでもありません。

「失敗を失敗と認めるのは、自分の行動結果を客観的に分析、評価することができないと難しい」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

フリースは、ヒット商品だからこそより多くの消費者から様々な要望が寄せられました。

フリースのヒットに満足して消費者の声を客観的に捉える分析ができなかったならば、ユニクロは一発屋で終わっていたかもしれないのです。

「1勝9敗で良いが再起不能の失敗をしない。キャッシュが尽きれば全てが終わり」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

会社組織という単位において、改善というチャレンジは無限にできるわけではありません。

改善を考えている間も、家賃や人件費は増えていきますので、柳井氏がこの改善活動におけるスピード感を重要視している点も、ユニクロの成長を支える思考の1つです。

個人の尊重とチームワーク重視の両立

「社員一人ひとりが自活し、自省し、柔軟な組織の中で個人の尊重とチームワークを最重視する経営」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

個人の自立とチームワークの重視は、一見矛盾するように思えてしまう方もいるでしょうが、個人の役割や責任が明確になっている状態、もしくはそれらを満たしていく過程において、チームワークは大切なものです。

個々がチームにとって必要なスタンドプレーを全うすれば、それはチーム全体に貢献することになるのです。

組織内における位置を意識する

「全社最適・全社員一致協力・全部門連動体制の経営」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

柳井氏のこの言葉の一部だけを切り取ってしまうと「全員が経営者目線でモノを考える」という組織内の位置を意識していないと勘違いしてしまうかもしれませんが、そうではありません。

「必要な業務、機能を整理し、社員の役割、目標を明確に定め、組織図を書く」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

ここで、「機能」という言葉を遣っていることから、組織内における位置を柳井氏が意識していることがわかります。

これはつまり、ユニクロの商品やサービスに関し、ユニクロの代表として問題意識を持ち、組織全体で改善していくことが最終的な目的でありながら、各人が現在のポジションにおいて改善する範囲や領域などを機能に従って進めていくという極めて合理的なやり方です。

ここをよく理解していないと、組織の目的に向かう過程で衝突や傍観が発生するのは必然的だともいえます。

公明正大、信賞必罰、完全実力主義の経営

柳井氏が組織に正しい競争を起こすために、従業員の評価についても多くのこだわりが見えます。

「評価そのものが最上の教育手段となる」

評価は差をつけるためにもある」

「制度の運用に問題がなく、フィードバックに透明性があれば、実力主義は機能する」

「完全実力主義で評価することが本人のモチベーションの向上につながる」

「評価には公開性と透明性が必要」

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

平たくいうと、人は分かりやすいものには分かりやすく反応し、公平なものには納得しやすいということです。

原因と結果がわからないものに対して、人は次の行動にスムーズに移ることができません。

「なぜだろう」、「どうしたらよいのだろう」と考えてしまいます。

柳井氏はこの停止時間が組織の成長の妨げになると考えているのでしょう。

もちろん試行錯誤したり考えたりすること自体は重要ですが、それをいたずらに長く続けることは成果にはつながりません。

企業努力の結果が業績に表れるように、従業員の評価にもそうした明確さを持たせることが重要であると考えているのです。

まずはできるところから真似してみよう

ユニクロの親会社であるファーストリテイリングは、ユニクロ1号店のオープンから40年弱が経った今、年間2兆円を売り上げ、2000億円以上の利益を生み出す大企業へと成長しました。

ITバブルの流れに乗れたわけでも、新しいマーケットを開拓したわけでもありません。戦前から存在する小売りという業界で、この成績を残しているのです。

前述の通り、個人の力とチームワークの質を高めることこそが組織力を最大化させる秘訣です。

個人の成長なくして組織の成長はありません。

個を成長させるために、今の組織にどのような仕組みがあるのか。その仕組みは機能しているか。その仕組みは常に改善されているか。

それをチェックし、改善の号令を出せるのは経営者しかいません。

ユニクロの経営に共感される方はまず自分たちでできることから真似してみてはいかがでしょうか。

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