経営者
専門家
ウェルカムランチは、在宅ワークが広がる中での貴重なコミュニケーション手段のひとつとして活用されています。
そのため「自社で導入してみよう」と考えたことのある経営者は少なくないでしょう。
ただし、以下のような点で導入が進まない企業もあるのではないでしょうか。
- ウェルカムランチのメリットはコミュニケーションだけなのか
- デメリットもあるのではないのか
- ウェルカムランチをどう設計したらよいかわからない
本記事では上記の内容をわかりやすく解説しています。
「今後ウェルカムランチの導入を検討している」「ウェルカムランチをより効果的に実施するための方法を知りたい」という方におすすめの記事となっています。ぜひご一読ください。
<<あわせて読みたい>>
【流行】スーパーフレックスとは?特徴やメリットなどを徹底解説目次
ウェルカムランチは貴重な交流の機会
ウェルカムランチは、昼食時の機会を利用して、新入社員と既存社員が交流する機会のことです。
新入社員が気軽に会社の理解を深めることのできる場として活用されています。
ウェルカムランチを適切に実施することで、新入社員の会社への理解が深まり、その後のキャリアビジョンを描く良いきっかけになります。
ウェルカムランチが広まった背景
ウェルカムランチが広まった理由に、以下3つの背景があります。
- コロナ影響
- 在宅ワークの広まったから
- 飲み会がなくなったから
それぞれについて詳しく解説します。
コロナ影響
コロナ影響により、人と人との交流が少なくなりました。その反動か「人との繋がり」に価値を見出すビジネスパーソンが増えつつあります。
HRproの調査によれば、コロナ影響により6割以上のビジネスパーソンが人との出会いが減少したと回答しており、7割以上が新たな出会いや人との繋がりに価値を見出したと答えています。
専門家
在宅ワークの広まったから
コロナの影響が端を発した在宅ワークですが、少しずつ移行が進んでいます。そして在宅ワークをするのは既存の社員だけではありません。
中には、オリエンテーション終了後すぐにテレワークに移行する新入社員や、入社当日もリモートワークといった社員も少なくありません。
マイナビニュースによると「新卒で会社に入社したのに初日からテレワークなのは辛い」という新卒社員は増えており、その辛さの理由としてコミュニケーション不足を挙げています。
中には、コミュニケーションの取りづらさから、一度も出社することなく最終的にやめてしまったという事例もあります。
こうした背景を踏まえ、気軽にコミュニケーションができる場としてオンラインのウェルカムランチや定期的なシャッフルランチの導入を検討する企業も増えています。
飲み会がなくなったから
「飲み会は悪しき文化」だと言われることもありますが、一概にそうとは言えないかもしれません。
かつてはよくあった上司との飲み会ですが、現在では従業員を拘束する悪しき習慣として自粛する企業や上司が増えています。
しかし、上司にとって飲み会は、部下の相談にのれる貴重な機会でもありました。
もちろん、飲み会でしか上手なコミュニケーションを取れない上司に問題はありますが、会社としてはこうした「コミュニケーション」問題に対処する必要があります。
専門家
参考:飲み会”自粛”のいま、部下との距離が遠くなったと感じる方へ | マイナビニュース
<<あわせて読みたい>>
【重要】特別休暇について徹底解説!特別休暇の概要や導入方法とは?ウェルカムランチのメリット
ウェルカムランチを実施するメリットは以下の通りです。
- 互いを知るきっかけになる
- 早期離職を防げる
- 福利厚生にもなる
それぞれについてわかりやすく解説します。
互いを知るきっかけになる
ウェルカムランチは、お互いのフランクな側面を知る貴重な機会です。
特に業務が忙しい現場では、雑談の機会や時間を取ることが難しく、初対面の挨拶からまともにできないこともあります。
上記の状況では、新入社員が「わからない」ことが発生した際に、上司や先輩社員に話しかけることすらできない恐れがあります。
こうした際に、事前にウェルカムランチを実施しておくことで、新人社員でも「上司や先輩社員に相談する」ハードルが下がりますし、先輩社員も後輩社員を気に掛けるようになります。
早期離職を防げる
近年では、若者の早期退職が問題です。手間隙をかけて採用した人材にすぐに退職されてしまっては、企業として大きな損失です。
ウェルカムランチを実施することで、互いの理解が深まり、新人社員の中には将来のキャリアビジョンを見つめる良いきっかけになるかもしれません。
キャリアビジョンが描けたり、先輩社員や上司と交流を持つことで、新入社員が会社に居づらくなることが少なくなり、早期退職を防ぐことができるかもしれません。
会社のビジョンを知るきっかけになる
ウェルカムランチでは先輩社員だけではなく上司や、時には会社の社長も参加する機会があります。
そうしたウェルカムランチで、新入社員は社長や役員の考えるビジョンを聞くことができるかもしれません。
会社のビジョンは従業員の働く意義と直結することもありますが、会社のビジョンを共有するために、時間をとって学ぶという機会は多くはありません。
専門家
<<あわせて読みたい>>
企業主導型保育所とは?設置するメリット・デメリットをわかりやすく解説ウェルカムランチのデメリット
ウェルカムランチには「コミュニケーション」面で多くのメリットがありますが、一方でそのデメリットとなるケースもあります。
ここからはウェルカムランチのデメリットを以下3つ説明します。
- ランチが目的になる
- 苦痛を感じる人もいる
- ランチ後のフォローが必須
ランチが目的になる
ウェルカムランチでランチをすること自体が目的となってしまうと、効果が薄れてしまいます。
ウェルカムランチはあくまでもコミュニケーションの創出手段であり、ランチ自体が目的ではありません。
意味のないウェルカムランチを避けるために、上司がランチ会に出席するなどの対処も時として必要になる場合もあります。
苦痛を感じる人もいる
そもそもウェルカムランチ等の交流が、苦痛に感じる人もいることを理解する必要があります。
ウェルカムランチはコミュニケーション手段のひとつですが、他に交流の手段がないわけではありません。
専門家
ランチ後のフォローが必須
ウェルカムランチにより得るメリットは大きいのですが、実施して終了になれば効果が薄くなってしまいます。
ウェルカムランチはコミュニケーションのきっかけでしかないため、ウェルカムランチ終了後も継続的な話し合いの場を設定するなど、フォローが必要となります。
ウェルカムランチの注意点、ポイント
ウェルカムランチを実施する際は以下2つに注意するようにしましょう。
- 上司も混ぜてフラットに話せる場を作る
- 人数は調整が必要
それぞれについてわかりやすく解説します。
上司も混ぜてフラットに話せる場を作る
ウェルカムランチの目的は、入社後に社内で円滑なコミュニケーションを取れるようにすることです。そのため、ウェルカムランチには上司も参加をしてもらうことが大切です。
特にリモートワークなどが進んでいる場合には、新入社員とコミュニケーションを取るのは上司のケースが多いです。
ウェルカムランチを通じて上司と新入社員が話やすい環境を作るのが大切ですね。
人数は調整が必要
ウェルカムランチに参加する人数が多いと逆に交流が深まりません。
一般的にはウェルカムランチの人数は5名〜8名ほどですので、それ以上の人数を呼び、グループで分かれないよう留意しましょう。
<<あわせて読みたい>>
【気持ち悪い?】サンクスカードとは?オンラインが当たり前の今だからこそ引き立つツールウェルカムランチの導入事例
ウェルカムランチを導入した企業の事例としては以下が挙げられます。
- メルカリ
- 株式会社TBM
それぞれわかりやすく解説します。
メルカリ
フリマサイトで有名なメルカリではウェルカムランチを実施しています。
メルカリのウェルカムランチは、新入社員と役員の懇親会として利用されており、新入社員が高いモチベーションを持って働くきっかけとなっています。
2017年時点で既に年300件ほどランチ制度が実施されていたメルカリですが、当時はウェルカムランチ代の立替が発生する課題がありました。
メルカリではウェルカムランチだけでなく、シャッフルランチやメンターランチなどが実施されていたため、立替の発生と経費の精算にかかる事務は会社の負担になっていました。
こうした問題を解決するために、メルカリでは周辺レストランに立替払いを依頼。
結果として依頼をした3割弱の会社から許可があり、現味では立替払いによりランチ制度を利用しやすくなっています。
株式会社TBM
株式会社TBMでは、2018年からウェルカムランチを実施しています。TBMがウェルカムランチを実施する目的は、採用した社員にメンバーの一員として馴染んでもらい、高いポテンシャルを発揮してほしいという思いからです。
執行役員も参加できるTBMのウェルカムランチでは、会社について知るよい機会となっています。
ウェルカムランチと親和性の高い取組
ウェルカムランチを実施した後、そのままアクションを起こさないままではウェルカムランチの効果が時間の経過とともに薄まってしまいます。
こうした事態を避けるために、ウェルカムランチを実施した後には以下の取組をするとよいと言われています。
- 1on1ミーティング
- メンター制度
それぞれについてわかりやすく解説します。
1on1ミーティング
1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に行う定期的な面談のことです。普段仕事中には相談できない部下の悩みや、将来のビジョンを聞く場として活用されています。
在宅勤務やリモートワークなどコミュニケーションが減る中で、活用されている制度のひとつでオンラインでも実施されます。
<<あわせて読みたい>>
1on1ミーティングのポイントとは?意味ある1on1にするために大切なことメンター制度
メンター制度とは、新入社員が先輩社員に相談できる制度のことです。
上司には言えない悩みや、仕事の進め方をメンターに相談することができます。
ウェルカムランチを実施した後で活用することで、社員の離職率低下が期待されます。
<<あわせて読みたい>>
メンター制度とは?メンター制度の成功事例や意義、効果を徹底解説!ウェルカムランチをオンラインで行うケースもある:株式会社フリークアウト
在宅勤務の広がりに伴い、ウェルカムランチをオンラインで実施するケースもあります。株式会社フリークアウトでは、オンラインでウェルカムランチを実施しています。
オンラインの場合には、大人数が集まると自由な発言が難しくなるため、事前にアンケートなどで新入社員の気になることを回収し、ウェルカムランチで回答する方式をとっています。
専門家
まとめ
本記事ではウェルカムランチについてわかりやすく解説しました。ウェルカムランチを実施するためには、制度を整え、利用をしやすいようにする必要があります。
コミュニケーションの機会が漸減する中で、その対処方法として上手に活用することができれば、新入社員との距離も縮まることでしょう。
上手に活用し、社内コミュニケーションを活性化させましょう。
<<あわせて読みたい>>
コミュニケーション能力とは?高い人が意識していることや能力向上法