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アップルのブランディング戦略とは?強いブランディングの要因を徹底解説

皆さんは「アップル(Apple)」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

  • おしゃれ
  • スタイリッシュ
  • 洗練されている

実は、上記のようなイメージを持っている方は既に、アップルのブランディング戦略が頭の中に刻まれていると言えます。

このように、顧客が想起するイメージを戦略的に作り上げることを「ブランディング戦略」と呼びますが、日本企業はアメリカと比較するとブランディングが軽視される傾向があります。

本記事では、アップルのブランディング戦略について詳しく紹介します。

「アップルのブランディング戦略を知りたい」「今後自社でもブランディングを設定していきたい」とお考えの方はぜひご一読ください。

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アップルのブランディングは強い

アップルのブランディングは非常に強いと言われています。

例えば、日本リサーチが実施している2021年の企業ブランド調査では、アップルは第1位を獲得しています。

 同調査では2位がGoogle、3位がソニーグループと続きますが、こうした顔ぶれの中でアップルが堂々たる1位を3年連続で獲得していることは偶然ではありません。

アップルのブランディングの強さは決してつい最近のものではなく、InformationWeekの調査によれば、2005年の時点で既にアップルはGoogleよりも上位となっています。

つまり、アップルのブランディングは設立以来育てられてきたことを示しています。

参考:日本経済新聞 | 企業ブランド調査、アップル3年連続首位

参考:InformationWeek | zApple Edges Google In Branding Survey

ブランディングとは

アップルのブランディングについて説明をする前に、一度「ブランディング」の意味を確認しておきましょう。

ブランディングとは、独自の役割と感情移入を与える物やサービスを多くの人に届ける取り組みのことです。

ブランディングを明確にすることで、以下の効果があります。

  • 知名度が向上する
  • リピート率が向上する
  • 広告の宣伝費が削減できる

例えば、皆さんが携帯を買うときに「iPhone」を選ぶのは、衝動的な買い物ではなく計画した買い物だということが多いのではないでしょうか。

また、iPhoneを一度買ってその良さに気づいた方は、新しいiPhoneが発売されるたびに新しいものを買いたいと思います。

企業目線から上記の状態を考えてみると、宣伝や広告をしなくても勝手に顧客が商品を購入してくれる仕組みが整っていることになります。

つまり、意図的にブランディングを明確にすることで、自社の商品販売に大きなメリットをもたらすのがブランディング戦略です。

このため、ブランディング戦略はマーケティング戦略の上位観念として捉えられることも多く、特にアメリカなどではブランディング戦略を決定してから、マーケティングの施策を検討するのが一般的です。

企業がどれほど的確なデジタル広告を打って出たとしても、CPAが下がるどころか上がってしまうことがあるのは、ブランディングが明確になっていないからかもしれません。

アップルの戦略とは

アップルが成果を出すことができたのは、デザイン性と機能性に長けたデザインのコンピューターを作り出そうとしたからだといわれます。

商品企画の方法には、マーケットインとプロダクトアウトという2種類があります。このうち一般的なのはマーケットインの商品の企画・販売方法です。

マーケットインの商品の企画・販売を実施する際は、市場調査を厳密に行い顧客の声を分析をすることで、顧客の求めている商品のニーズや機能を洗い出します。

しかし、アップルの創業者「スティーブ・ジョブズ」はマーケットインの方法ではなくプロダクトアウトの戦略を取りました。プロダクトアウトとは、会社の作りたい物や理念を基準に商品を開発することです。

後述する、Think differentの通り、スティーブ・ジョブズが考えたのは顧客がまだ気づいていない本質をつく商品を開発することでした。

Some people say, give the customers what they want, but that’s not my approach. Our job is to figure out what they’re going to want before they do

(Steven Paul Jobs)

「あるひとは顧客が欲しいものを与えよというが、私は顧客が欲しいものを彼らがそれに気づく前に理解する」

上記はスティーブ・ジョブズが残した言葉ですが、まさにその言葉通り、スティーブ・ジョブズはプロダクトインという形で商品の開発をしたのです。

スティーブ・ジョブズが拘ったのは、開発するプロダクトのデザイン性でした。

デザインを訴求するためには、何よりも自社製品をブランディングする必要があったため、アップルはブランディングに特化した戦略を打ち出したのです。

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アップルのブランディング戦略の特徴

アップルのブランディング戦略には以下のような特徴があります。

  • ストーリー性
  • 独自性
  • UIデザイン

それぞれ詳しく解説します。

ストーリー性

アップルが当初より大切にしていた考え方に、ストーリー性があります。

スティーブ・ジョブズが自身の役割をマネージャーではなく、Keeper of the Vision(ビジョンを持ち続けるもの)として理解していたように、アップルには独特のストーリー性があります。

 アップルの有名なCM(ThinkDifferent)はまさにそのようなストーリー性を重視したCMです。

iPhoneが顧客の声をただ聞くだけの商品を販売しないことを裏付けるようなCMとして、1997年に放映したCM「Think Diffrerent」では、アインシュタインなどのかつてクレージーと呼ばれた偉人を紹介し、「世界は変えられる」という趣旨をCMで流しました。

当時、アップルはマイクロソフトとの戦いに敗れて赤字決算が続いている頃だったのにも関わらず、テレビCMのみならず新聞などでも大々的にこのビジョンをアピールしたのです。

このCMにはアップルの商品や会社についての説明はありません。

「クレイジーと呼ばれ、ときには反対され、貶され、称賛されてきた偉人たちが注目されたのは世界を変えたからだ。世界を変えられると本気で信じているものにだけ世界は変えられる。」という非常に強いメッセージを伝えただけです。

当時はスティーブ・ジョブズ以外はわからなかったこのCMの趣旨ですが、結果としてCMを見た人たちに、強いメッセージ性と共感を与えました。

これこそがアップルが重視してきた「ストーリー性」です。

独自性

アップルの携帯はそのシンプルなデザインが特徴的です。

今でこそボタンは消えてしまいましたが、iPhone8までは画面にただボタンがひとつあるだけで、その他には何もないシンプルな姿がアップルのデザインでした。

また、創業者のスティーブ・ジョブズは人を引きつけるプレゼンテーションが強みであり、そのプレゼンテーションと、異常にシンプルなiPhoneのデザインを見てiPhoneを買いたくなった方も少なくないでしょう。

つまり、アップルは「シンプル」路線で他社との差別化をはかり、ブランディングを確立したということです。

UIデザイン

アップルの卓越したデザイン性もブランディングに一役買っています。具体的にはアップルのiPhoneには以下のような特徴があります。

  • 滑らかなジェスチャーデザイン
  • ラバーハンドスクロール
  • アプリの起動方法

まず、滑らかなジェスチャーデザインとは、スマートフォンを誤って触った際にすぐに元のページに戻れることです。

例えば、誤って違うアプリを開いてしまった際に、従来のスマートフォンはいちいち削除をする手間がありました。

しかし、ジェスチャーデザインを向上させたことで、すぐに元の画面に戻れるようになりました。

次に、ラバーハンドスクロールですが、画面の一番下までスクロールした際には、画面がゴムのように戻る仕組みになっています。

したがって、ユーザーは画面の端に到達したことがすぐにわかり、画面がそれ以上下に行かないのは携帯がフリーズしたからではないと気付けます。

さらに、アプリを起動させる際にはタップしたアプリアイコンを始点にアプリが起動することで、どのアプリが開いたのかを視覚的にわかるようにしました。

このように、アップルは今までユーザーが考えたことのなかったUIデザインが各所に散りばめられており、ユーザーに優しいスマートフォンになりました。

こうしたユーザー目線の優れたUIデザインもまた、アップルのブランディングの向上に寄与しています。

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ティム・クック以降のアップルブランディング

アップルの優れたブランディングはついスティーブ・ジョブズのみにスポットが当てられがちですが、現在のCEO、ティム・クックに変わってからもアップルの躍進は続いています。

Appleの2020年の売上は2745億ドルと10年前に比べ約700億ドル上回っており、ティム・クックもまた最高の経営者であることを数字が示しています。

ティム・クックとは?

スティーブ・ジョブズがアップルの表舞台に立っていたことで目立ちませんでしたが、ティム・クックはアップルの最高責任者として当時から経営を仕切っていました。

アップルの生産の仕組み、物流機能を整えたのはティム・クックだったといわれており、実際にCEOに就任してからは中国など新市場へのマーケティングを実施、結果として売上も伸び続けています。

スティーブ・ジョブズの頃と比べればiPhoneの売上は伸び悩んでいますが、iMacやApple Watchは比較的好調に伸びている他、Apple税とも呼ばれるApp Storeのプラットフォーム収益も順調に伸びています。

製品ラインナップの拡充

ティム・クックの功績としてよくいわれるのが、商品ラインナップの拡充による売上アップです。

例えば、2種類のApple Watch、4種類のiPad、3種類のAirPodsはティム・クックの功績によるものですし、そもそもスマートウォッチをAppleに導入したのも同氏でした。

また、ティム・クックは自身が同性愛者ということもカミングアウトしており、スティーブ・ジョブスの「カリスマ性」とはまた違った形で、アップルのブランディングに「多様性」を付加しています。

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アップルにおけるブランディングの実例:アップルストア

アップルのブランディングの実例として、アップルストアが挙げられます。アップルストアのブランディングの特徴は以下の3つです。

  • 立体系のストア
  • ロケーションのポイント
  • 内装

立体系のストア

アップルストアの外観は、一度見れば次からそれがアップルストアとわかるほど特徴的な立体形です。

実はアップルはこうした立体形のストア構造の特許をとっているほど、ストアの形には拘って店舗作りに努めています。

ロケーションのポイント

次に、ロケーションにも特徴があります。アップルストアは人口密度が高く、顧客集客が見込める好立地の場所に点在しています。

したがって、田舎にアップルストアがあるということはありません。

あくまでもアップルの洗練されたデザインに適した都市部を中心に配されています。

内装

そして最後に内装です。アップルストアの内装は開放的で天井が高いイメージがありますが、これも全てアップルのブランディングを際立たせるものです。

できるだけ自然光を取り入れ、天井を高くすることで高級感を演出しています。アップル商品は高級だというイメージを顧客に知らず知らずのうちに浸透させているのです。

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アップルのブランディングは決して再現不能なものではない

ここまでアップルのブランディングを解説しましたが、アップルのブランディングは再現性があります。

例えば、スティーブ・ジョブズのようなカリスマ性がなくとも、ブランディングにストーリ性を組み込むことで、「感情」をブランドに付与し、リピーターを増やすことができます。

また、アップルを含む有名企業のブランディングは各所で分析されており、既にブランディングの本が出ているくらいです。

したがって、アップルに追随し、自社のブランディングを向上させることは不可能ではありません。

まとめ

本記事では、アップルのブランディング戦略について解説しました。

アップルのブランディング戦略は、顧客の感情に訴えかけることでファンとリピーターを増やす戦略でした。

こうしたブランディング戦略は、マーケティング分野よりも上位観念として扱われます。

自社でデジタルマーケティングがうまくいっていないのであれば、まずはアップルを見習い、自社のブランディング戦略を立て直すのもよいかもしれません。

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