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人事評価の不満要因、圧倒的1位は「基準の不明確さ」48.3%「納得感ある人事評価実現の要は “基準”と“待遇”の仕組み化にあり」

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目次

人事評価の”モヤモヤ”は明確な制度構築で解決できる!

「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2021年8月26日、「人事評価の“モヤモヤ”に関する調査」を行いました。

その結果、自社の人事評価に不満を感じる要因は「評価の基準が不明確」が圧倒的多数であること、また人事評価に不満を感じる方の約6割が「人事評価の結果が給与や待遇にどのように反映されるか知らない」など、人事評価制度そのものが不明確、もしくは明示されていないために不満が生まれていることがわかりました。

調査背景

社員の業績や貢献度を評価し、報酬や待遇に反映する「人事評価」。人が人を評価することもあり、全員が納得・満足できる人事評価を実現するのはなかなか難しいものです。

評価の公平性や精度について“モヤモヤ”することも多いのではないでしょうか。そこで今回、自社の人事評価について不満や不安を感じることなどをお聞きし、どのようなことが“モヤモヤ”につながるのか調査しました。

“モヤモヤ”しない人事評価のあり方について、識学が重要と考えることもお伝えします。
報道の一資料として、是非ご活用ください。

調査概要

調査対象:全国の従業員数10人以上300人未満の企業に勤める20歳~59歳の男女で、自社に人事評価の仕組みがあり、ご自身が被評価者である方
有効回答数:400サンプル
(男性233人・女性167人、20代101人・30代104人・40代115人・50代80人)
調査期間:2021年8月26日(木)
調査方法:インターネット調査

調査結果トピック

  • 自社の人事評価の満足度は、「満足」:「不満」=5.5:4.5
  • 人事評価制度に不満の理由:1位「評価の基準が不明確」48.3%:2位「評価結果が報酬に反映されない」30.9%:3位「評価する人によって厳しさに差がある」28.1
  • 評価結果の給与や待遇への反映方法を「知らない」44.5%。人事評価に「不満」層では6割近くに。
  • 評価者の評価能力は、全体平均「5.6点」
  • 人事評価に「不満」層は「満足」層に比べ、評価者の評価能力が2ポイント低い結果に。
  • 全体の6割以上が「人が介在しない評価方法を導入してほしい」と回答。
Q1. あなたがお勤めの会社ではどのように人事評価を行っていますか。(複数回答、n=400)

自社で行われている人事評価の方法は、回答の多い順にTOP3は「業績評価」65.0%、「評価シート」53.5%、「事前に設定した目標達成度の評価」47.8%となりました。

複数の評価方法の組み合わせで人事評価が行われているようです。「どのように人事評価を行っているかわからない」の回答が14.5%にのぼり、社員に評価方法が開示されていない企業が1割以上であることも明らかになりました。

Q2. あなたは自社の人事評価について満足していますか。(単数回答、n=400)

自社の人事評価について満足しているか聞くと、「満足」11.5%・「やや満足」44.0%と満足の計が55.5%、「やや不満」30.3%・「不満」14.3%と不満の計が44.6%となりました。

「満足」が過半という結果になりました。

Q3. あなたが自社の人事評価について不満に思うことをお答えください。(複数回答、n=178)

Q2で自社の人事評価に「やや不満」・「不満」と回答した方に、不満に思うことを聞きました。

その結果「評価の基準が不明確」48.3%が圧倒的1位で、評価基準が明確に設定されていないことが不満につながりやすいことが明らかになりました。2位は「評価結果が報酬に反映されない」30.9%、3位は「評価する人によって厳しさに差がある」28.1%となりました。

Q4. あなたは人事評価の結果が給与や待遇にどのように反映されるか知っていますか。(単数回答、n=400)

報酬決定や昇級・昇進などの処遇・待遇に活用されるはずの人事評価。自社の人事評価の制度において、評価結果が給与や待遇にどのように反映されるか知っているかを聞いたところ、全体では「知っている」55.5%、「知らない」44.5%となりました。

Q2の人事評価に対する満足別でみると、「不満」と回答した方(「不満」+「やや不満」)は人事評価結果が給与や待遇にどのように反映されるか「知らない」の割合が59.6%と6割近くにのぼることが判明しました。

Q5. あなたの人事評価を行う評価者の評価能力について、1~10点でお答えください。(単数回答、n=400)※評価者が複数名いる場合は一次評価者について回答。

ご自身の人事評価を行う評価者について、その評価能力を被評価者に“逆評価”してもらいました。評価者の評価能力を10点満点で採点してもらったところ、全体平均は「5.6点」となりました。

Q2の自社の人事評価に対する満足別でみると、人事評価に「満足」(「満足」+「やや満足」)の方は、評価者の評価能力が平均「6.5点」、「不満」(「不満」+「やや不満」)の方は、平均「4.5点」と、2ポイントの差がつく結果に。

評価者の評価能力が、人事評価に対する不満につながっている可能性が明らかになりました。

Q6. あなたの人事評価を行う評価者の評価能力について不安や不満に思うことをお答えください。(自由回答、n=400)

  • 評価者によってバイアスがかかってないかが不安になる。(26歳男性)
  • 評価者が人によって甘い評価をしたりしていることに不満がある。(36歳男性)
  • 評価基準が不透明であり、面談も行っていないので、評価者の独りよがりな評価になっているような気がして不安になっている。(25歳女性)
  • 主観が入ってしまうのではないかというところ。また人によって多少評価の仕方が異なる。(41歳女性)
  • 人間なので仕方ないが、評価に感情が混ざる場合がある。(46歳女性)
  • 数字で表せない部分の評価には限界がある。定量でわかる部分で公平に判断してほしい。(29歳男性)
  • 指示やアドバイスがないので、どうしたら評価されるのかわからない。(46歳女性)
  • やっている内容は前年度とほぼ同様であるのに、指摘の内容が全く異なること。(41歳女性)
  • 会社として評価基準が統一されていない。(29歳女性)

評価者の評価能力について不安や不満に思うことを自由回答で聞いたところ、評価者の主観が入ることや、評価者によって評価基準や評点の甘辛にバラつきがあること、どうしたら評価が上がるか教えてもらえないことなど、“評価基準の不明確さ”による不安や不満が多く回答されました。

また、やっていることは同じなのに指摘の内容が前年度と異なる、会社で評価基準が統一されていないなど、評価基準の一貫性のなさも不安・不満の要因となることがわかりました。

Q7. あなたは自社の人事評価に、人が介在しない評価方法(例:自動計算システム、AI評価など)を導入してほしいと思いますか。(単数回答、n=400)

これまでの設問で、評価者の評価能力に影響されるなど属人的な評価の仕組みが不安や不満につながる可能性が明らかになりました。

人が介在しない評価方法を導入してほしいか聞くと、全体では「導入してほしい」19.5%、「やや導入してほしい」40.3%となりました。評価者の評価能力点数別でみると、全体平均より低い「1点~4点」の層では「導入してほしい」29.8%の割合が全体と比べ10ポイント以上多くなっており、「やや導入してほしい」34.5%とあわせると導入を希望する割合の計が64.3%となりました。

また評価者の評価能力点数が全体平均より高い「7点~10点」の層においても「導入してほしい」19.0%、「やや導入してほしい」42.9%で導入を希望する割合の計が61.9%となりました。

現状の評価者の評価能力に関わらず、属人的でない評価方法を望む方が多いことがわかりました。

Q8. あなたはリモートワークをする中で、現在の人事評価のされ方に不安を抱いたことがありますか。(単数回答、n=73)※直近半年間で平均週3日以上リモートワークをしている方

直近半年間(2021年3月~2021年8月)に週3日以上リモートワークした方に、リモートワークをする中で人事評価のされ方に不安を抱いたことがあるか聞きました。

その結果「ある」50.7%、「ない」49.3%と、半数以上がリモートワークでの人事評価に不安を感じたことがわかりました。

Q9. あなたがリモートワークをする中で、現在の人事評価のされ方にどのような不安を抱いたかお答えください。(自由回答、n=37)

  • 評価の判断が難しそう。(30歳男性)
  • 何をもとに実績をはかっているのか、全くわからない。(57歳男性)
  • 経営陣が昭和脳で、出社・残業している方が頑張っているという見方をされる。 リモートでもちゃんと働いてるのに、リモート=サボりと思われかねない。出社していても雑談ばかりで仕事しない人もいるので不公平。(31歳女性)
  • 互いに状況を見ることが困難なので、信頼関係が築けているかわからない。(29歳男性)

リモートワークをする中で、現在の人事評価のされ方に不安を抱いたことが「ある」と回答した方に、どのような不安を抱いたか聞きました。

評価の判断基準や実績の根拠など、評価指標が不明であることから不安を感じたとの回答が多くなりました。また出社していないことがマイナス評価になるのではないかという不安や、勤務状況が見えないことが不利に働くのではないかと感じる方もいるようです。

Q10. あなたが現在の自社の人事評価で、リモートワークに適応できていないと思うことをお答えください。(複数回答、n=73)

直近半年間で週3日以上リモートワークした方に、現在の人事評価制度でリモートワークに適応できていないと思うことを聞きました。

最も多い回答は「成果の基準が不明確であること」42.5%となりました。勤務状況が見えにくいリモートワークだからこそ、何をもって評価されるのか、その基準を明確にしてほしいと感じる方が多いのかもしれません。

「リモートワークに適応できていないと思うことはない」は24.7%と、リモートワークを行っている企業の7割以上で人事評価の対応に遅れが生じていることも明らかになりました。

Q11. あなたは欧米型のジョブ型雇用や成果主義で働きたいと思いますか。現在の職場に関わらず、あなたのお気持ちをお答えください。(単数回答、n=400)

日本国内でも注目されているジョブ型の雇用制度や成果主義の評価方法について、現在の職場に関わらずそのような働き方をしたいと回答した方は「そう思う」15.3%、「ややそう思う」44.8%で約6割でした。

リモートワークなどの働き方の多様化に伴い、業務内容とその成果のみによるシンプルな評価を望む声が今後も増えていくのかもしれません。

■引用・転載時のクレジット記載のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「株式会社識学が実施した調査結果によると……」

調査結果まとめ

人事評価の“モヤモヤ”を晴らし、納得感を高めるには不明確さを排除せよ!「識学」で解説!

― 評価制度に対するモヤモヤの原因は「不明確さ」

本調査において、従業員が感じる自社の評価制度に対するモヤモヤの原因は「不明確さ」に関連する回答が大半でした。

何をもって自分が評価されているのか?その評価は妥当なのか?これが不明確な状態で仕事をするのは大きなストレスがかかり、モヤモヤの原因になるのは当然の結果だと考えます。

― 評価制度における「不明確さ」とは?

では、この「不明確さ」は何に対しての不明確さでしょうか。それは一言で括れば「基準」に対するものです。

回答の結果からも「評価の基準が不明確」(48.3%)、「評価する人によって厳しさに差がある」(28.1%)と、基準に関する言及が圧倒的多数を占めています。

また、「評価結果が報酬に反映されない」(30.9%)という回答も、評価と対価の連動性の基準の不明確さによるところだと考えられます。

― なぜ不明確になってしまうのか?

基準が不明確になってしまう主な要因に、「客観的な判断ができず、主観的な感情や意見によって評価を下してしまう」ことや、「評価者自身に実務に対する知見が少ないため、何をもって評価すべきなのかがわからず、感覚的に評価をしてしまう」ことなどが挙げられます。

このように主観的な情報を評価の拠り所にしてしまうと、往々にして不明確さが生まれてしまい、自社の評価制度に対するモヤモヤの発生要因となる可能性が非常に高いです。

また、構造的な問題として、評価の現場で「プロセスも評価してほしい部下」と「部下の要求を断って嫌われたくない上司」が互いに主観の混ざった評価を求め、それを是とする環境や文化を、知らず知らず(もしくは良かれと思って)経営者自身が作ってしまっているケースもあります。

― この構造が発生してしまう原因

このような構造が発生してしまう原因は、経営者が社員のために良かれと思って発する言動です。

部下側の「プロセスを評価してほしい」という要求は、「結果が出なかった場合でも、努力や姿勢の加点により評価が下がることを免れたい」という意図が背後にあることがほとんどです。

これを、結果のみで判断して社員のモチベーションが下がってはいけないからと、努力や姿勢を評価することを良しとしてしまうと、何が起こるでしょうか。

組織内に「プロセスを評価しない上司は何もわかってくれないダメな上司」という認識が醸成され、そして部下に嫌われたくないからと、基準を可視化しにくいプロセスに対し主観的で曖昧な評価をする上司を生んでしまいます。

― 評価制度は組織文化になる

評価制度は、その組織文化を形作る非常に重要なものです。組織は評価制度の設計思想によって、強くもなり脆くもなります。

そのため評価制度は、組織運営上、非常に重要な意味を持ちます。例えば、結果オリエンテッドな思想で設計されている評価制度を運用すれば、組織文化も結果に対してフォーカスしていきます。逆にプロセスオリエンテッドであれば、プロセスにフォーカスしていきます。市場原理が働く環境下で運営される営利目的の組織は、市場に対して有益性を発揮することで存続、繁栄を許されます。

どんな組織文化を作っていきたいか?それを実現するために、評価制度の設計思想を考えるということは、経営者として非常に重要な役目なのではないでしょうか。

― 強い組織の土台となる評価制度構築の第一歩はすべての評価項目を定量化することから

では、不明確さが残らない評価項目は、どのように定義するべきでしょうか。それは「定量化」することです。とは言うものの、世の中には定量化できない業務もあるのでは?という意見もあります。しかし、定義次第ですべての業務は定量化することができます。

例えば、「積極性」を例に挙げます。
ある会社において、「積極的に業務に取り組んでいると、時間当たり生産性が向上する」といえるのであれば、「残業時間○○時間以内」や「平均タスク消化○○件/作業1時間」という定義で積極性を測ることができます。このような定義付けを行えば、評価する上司が変わることで評価が変わったり、どこを改善すれば高い評価が得られるのかわからない、ということは起こりません。

会社に求められる基準を達成するために、どうすれば時間当たり生産性の向上に繋がるのか、を部下が考えるようになります。それが、積極性の向上に繋がるということになります。

この結果が、自社の評価制度に対する“モヤモヤ”を晴らすための参考になれば良いと思っています。

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