昨今のビジネス環境は、IT化が進み、組織内で活用するツールも効率化が求められています。
変化の激しい環境下で迅速に情報共有したりプロジェクトを遅延なく進めるには「グループウェア」の導入が不可欠です。
今回は、グループウェアの定義や特徴、そして基本的な機能を備えた2024年おすすめのグループウェアツールをいくつかご紹介します。
目次
グループウェアとは「情報共有やタスク管理ができるITツール」のこと
グループウェアとは、チームや組織内での情報共有、コミュニケーション・タスク管理を効率化するためのITツールです。
最近は、働き方改革も進み、リモートワークを導入する企業も増えてきました。
「情報共有に時間がかかる」「締め切りがあるタスクを迅速に共有したい」といった悩みを抱える管理者も多いのではないでしょうか。
グループウェアには、スケジュール共有機能やメッセージ機能、ファイル共有やプロジェクト管理などの機能があります。
勤務場所にとらわれることなく、いつでもスピーディーな情報共有とタスク管理が可能です。
グループウェアに必要な3つの基本機能
グループウェアを選ぶ際には、次の3つの基本機能を備えたツールを選ぶといいでしょう。
それぞれの機能について簡単に解説します。
【グループウェアに必要な3つの基本機能】
- ミーティングやチャット機能
- スケジュール管理機能
- タスクやプロジェクト管理機能
ミーティングやチャット機能
グループウェアには、リアルタイムでコミュニケーションがとれるチャットやミーティング機能が不可欠です。
グループウェアがないと、相手の状況がわからないまま忙しいときに電話をかけてしまったり、会議開催まで意思決定ができなかったりというケースが多々発生します。
チャット機能やミーティング機能があれば、急ぎでない用事なら電話ではなくチャットでやり取りできますし、短時間のハドルミーティングなども簡単におこなえます。
特にスピード感が求められる業界では、これらの機能は欠かせません。
ちなみに、ミーティング機能を使って会議をする場合、部下への指示や会議進行の面でいくつか注意すべきポイントがあります。
下記の識学関連記事も参考にしてください。
関連記事:成果の上がる会議にする為の押さえるべきポイント活用術
スケジュール管理
グループウェアのスケジュール管理機能を使い、チーム全体のスケジュールを一元管理できれば、予定の調整や会議の設定も簡単です。
また、自分のスケジュールも簡単に管理できるため、「うっかり締め切りを忘れていた」といったトラブルも防げます。
チームメンバーのスケジュールを一元管理できないと、会議設定をする場合でも、都度確認が必要になりますし「予定があるのに会議を入れてしまった」などのミスも起こります。
チーム全体で進めるプロジェクトも、全員がスケジュールを把握しておけば一体感も増し、遅れをとっているメンバーのサポートもやりやすいでしょう。
タスクやプロジェクト管理
プロジェクトの進捗を可視化し、タスクの割り当てや期限管理を行う機能も重要です。
これにより、プロジェクトの進行状況が明確になり、作業効率もアップします。タスクやプロジェクトの期限は、頭ではわかっているつもりでも、可視化できていなければ忘れてしまいがちです。
グループウェアの機能を使って可視化すれば、「誰が何を、いつまでに完了させるべきか」が明確になり、タスクの重複やうっかりミスも防げます。
タスクやプロジェクト管理は、品質向上やエンゲージメント向上まで、さまざまな部分に影響します。
誰が見ても、一目瞭然でわかるようなグループウェアの導入がオススメです。
グループウェアおすすめ一覧|2024年最新版ツール
今回は最新のグループウェアツールのなかから、特にオススメのツールを7つピックアップし、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。
「どのグループウェアが良いのかわからない」など迷っているなら、ぜひ参考にしてください。
サイボウズ Garoon|簡単で使いやすいUIが特徴
サイボウズのグループウェア「Garoon」は、簡単で使いやすいUIが特徴のグループウェアです。
ITツールに慣れない社員でも使いやすいように設計されているため、「アナログ管理から脱却できない」と悩む組織にもオススメです。
また、サイボウズのカスタマーセンターはHDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催のモニタリングで、最高評価の3つ星を獲得。
非常にサポート力が高いツールといえるので、はじめてグループウェアを導入する企業でも安心して利用できるのが特徴です。
kintoneやMicrosoft 365など、他ツールとの連携も簡単ですので、組織内のスケジュール共有やタスク管理も簡単にできます。
Google Workspace|Googleツールと組み合わせた利用が可能
普段からGoogleカレンダーやドキュメントなど、Googleツールを使い慣れているなら、Google Workspaceがオススメです。
Google Workspaceは、ビジネス用の様々なアプリケーションを統合したプラットフォームです。
GmailやGoogle ドライブ(クラウドストレージ)、Google Chat(テキストチャットアプリ)、Google Meet(ビデオ会議アプリ)などのコミュニケーションツールも利用できるため、タスク管理からハドルミーティングまで、さまざまな使い道があります。
小規模の組織なら、1ユーザーあたり月額734円で利用できるため、コストも最小限に抑えられるでしょう。(価格は2024年2月現在)
Microsoft 365|「優れたスケジュール管理機能」
Microsoft 365は、特にスケジュール管理機能に優れたグループウェアです。
組織間やメンバー間で、いつでも簡単にスケジュールを共有できるため「メンバーの空き時間にミーティングを設定したい」など、急ぎで打ち合わせをしたいときに便利です。
また、Microsoft 365のストレージは、一般法人向けプランで1ユーザーあたり1TBと大容量です。
メールや大量の資料なども保管できて安心です。
PCはもちろん、スマートフォンやタブレットでも利用できるため、外出時のデータ管理やテレワークでのミーティング参加も簡単にできるツールです。
ジョブマネ|国内最安値の中小企業向けグループウェア
ジョブマネは、月額1,000円から始められるなど、国内最安値の中小企業向けグループウェアです。(最安値:ジョブマネ公式サイトより)
ジョブマネには、下記のような機能があり、SFAやCRMなどの既存ツールとの連携も簡単にできます。
【ジョブマネの機能一例】
- スケジュール管理機能
- ToDo管理機能
- 経費精算機能
- ワークフロー機能
- 掲示板機能
- 見積、顧客管理機能
初期費用も0円でサポートに必要な料金もかかりません。
1ユーザーからでも契約ができるため、小規模事業者でも導入しやすいグループウェアといえます。
参考:ジョブマネ公式サイト
desknet’s NEO|既存業務もノーコードでアプリ化可能
desknet’s NEOは、情報共有やスケジュール管理などの基本機能はもちろん、Excelなど既存のツールで行っている業務もアプリ化できるグループウェアです。
例えば、既存の表計算ソフトを使って行っている管理業務も、ノーコードでアプリ化し、desknet’s NEOで一元化できます。
直感的に使用できるUIにより、ITツールの利用に慣れていないスタッフがいても安心です。
クラウド版なら1ユーザーあたり月額400円(税抜)から利用できるため、はじめてグループウェアを導入する事業者にはオススメのツールといえます。
Knowledge Suite|ログの共有機能で情報の伝達漏れを防止
Knowledge Suiteは、ビジネス環境における効率的なコミュニケーションと情報管理を目的としたグループウェアツールです。
基本の機能は下記の通りです。
- 基本機能……スケジュール管理、設備予約、ファイル管理、メンバー管理
- コミュニケーション機能……メッセージ機能、掲示板機能、レポート提出機能、議事録、メモパッド、プロジェクト管理機能
- 業務管理機能……ワークフロー、電話メモ機能、タイムカード、アドレス帳。備品管理
なお、Knowledge Suiteにはログ管理機能やIPアドレスが制限できる機能が備わっています。
「誰がいつアクセスしたのか」が管理できるため、不正アクセスの防止や情報伝達漏れの防止に役立ちます。
iQube|社内wiki機能で社内の情報共有も簡単
iQubeは、約9,000社の企業に導入されているグループウェアツールです。
主な機能としては下記の通りです。
- スタンダード……スケジュール管理、社内wiki機能、ToDo管理、レポート管理、電話メモ、ニュース、メッセージ機能
- プレミアム……ファイル管理、ワークフロー、掲示板機能、アンケート機能、タイムカード
特に社内wiki機能は、情報共有の面ではぜひ活用したい機能のひとつです。
「社内ルールを確認したい」「テンプレートを入手したい」と思っても、情報の所在がわからないと検索に時間がかかるでしょう。
iQubeの社内wikiがあれば、カテゴリごとに分類された記事を掲載でき、いつでも誰でも簡単に情報を検索できます。
タイトルだけではなく本文も含めて横断的に検索できるため、情報共有の面で課題がある組織にはオススメしたいグループウェアといえます。
参考:iQube公式サイト
グループウェアの導入から活用までのステップ
グループウェアを導入する際には、使いやすいツールを選ぶだけではなく「いかに組織内で浸透させるか」が重要なポイントとなります。
具体的なグループウェアの導入方法から、組織内での活用方法に至るまで詳しく解説していきます。
STEP1:導入目的と予算の確認
グループウェアを導入する際には、まず導入の目的を明確にし、必要な機能と予算を確認しましょう。
必要な機能や業務の種類によって、導入を検討すべきグループウェアは違ってきます。
グループウェアの導入方法には、オンプレミス型とクラウド型があります。
簡単にいうとオンプレミス型は「ソフトそのものを購入する方法」、クラウド型は「IDを取得してクラウド上でソフトを利用する方法」です。
オンプレミス型は初期導入コストがかかるケースも多いため、導入に先立ち、社内での予算化も必要になってくるでしょう。
STEP2:セキュリティ対策や操作性の確認
セキュリティ対策や操作性の確認も、グループウェア導入の際には重要な要素となります。
セキュリティ対策については、IPアドレスを制限したり利用ログが取れるようなグループウェアがオススメです。
また、組織内ではじめてグループウェアを導入するなら、UIに優れたツールを導入するといいでしょう。
直感的に使えるツールなら、ITツールの利用に慣れないスタッフでも安心して使えますし、組織内で浸透させるのも簡単です。
STEP3:ソフトウエアの導入
準備が整ったら、いよいよソフトウェアの導入に進みます。
ソフトウェアの導入プロセスにおいては、社内でのサポート体制やベンダーのサポートを準備しておくのが重要なポイントとなります。
できれば導入に先立ち、利用予定のメンバーへの研修を実施したり、1ヵ月程度のトライアル期間を設けたりして、徐々に浸透させるようにするといいでしょう。
STEP4:組織内での活用
ソフトウェアの導入後は、組織内での定着を目指します。
定期的に利用上の問題をヒアリングしたり、場合によっては課題を抽出し、ツールのカスタマイズも必要かもしれません。
アナログ管理から抜け出せない社員がいると、グループウェアの全社的な活用は難しくなります。
サポートが必要な社員には研修を用意したり、場合によっては古い管理システムを使用停止にしたりするなど、ドラスティックな判断も必要です。
グループウェア導入でよくある質問
グループウェアの導入にあたっては、多くの疑問や懸念が生じることがあります。
最後に、いくつかの質問にもお答えしていきたいと思います。
グループウェアの平均的なコストを教えてください
グループウェアのコストは、提供される機能、ユーザー数、サポートレベルによって大きく異なります。
グループウェアの導入には「初期導入コスト」「月額利用料金」などが必要ですが、オンプレミス型なら月額費用が不要となるケースが多いです。
一方、クラウド型の場合は1ユーザーあたり月額数百円で利用できることもあります。
また、グループウェアに搭載されている機能は基本機能のみで、プレミアム機能を使うには別途料金が発生するケースもあります。
導入してから「予想以上にコストがかかった」とならないよう、契約する前に十分な打ち合わせを済ませておくようにしましょう。
オンプレミス型とクラウド型ならどちらがおすすめですか?
オンプレミス型とクラウド型には、次のような違いがあります。
- 初期費用……オンプレミス型は初期導入コストが必要で、クラウド型は無料の場合が多い
- リモートアクセス……クラウド型はスマートフォンやタブレット、またリモートワークをしている場所からもアクセスが可能。オンプレミス型はソフトウェアを導入している端末でないと作業できないケースが多い
- 接続環境……オンプレミス型はインターネット環境がなくても利用できる。クラウド型はインターネット環境が必須
- カスタマイズ……オンプレミス型は企業の状況に合わせたカスタマイズが可能
どちらを導入するかは、目的や予算によって異なります。
上記の要素を参考に、自社組織にあったグループウェアを導入するといいでしょう。
導入サポートはありますか?
ほとんどのグループウェア提供事業者は、サポート体制を整えています。
導入時のセットアップやトレーニングのサポート、利用中の問い合わせに対応するためのカスタマーサポートを用意している事業者もあります。
ただし、サポート体制には時間制限があり「いつでもサポートが受けたい」という組織は注意が必要です。
社内に専門のサポート部署を用意しておくなど、すぐに対応できる環境を整えておくといいでしょう。
無料で使えるグループウェアはありますか?
MicrosoftツールやSlackの無料版など、いくつか無料で使えるグループウェアはあります。
ただし、無料のグループウェアはミーティング時間が限られていたり、メッセージ保存期間が短かったりと、いくつかの機能制限がある点には注意が必要です。
まずはお試しで無料版を使い、本格的に利用できそうであれば有料版へアップグレードするなど、組織内で工夫して使ってみるのがオススメです。
まとめ
社内での情報共有やスケジュール管理には、グループウェアは欠かせません。
必要な情報やタスクなどを社内で共有することで、組織全体の生産性も上がるでしょう。
ただし、慣れないツールを導入する際には、社内体制の整備や予算化など、事前準備も重要です。
この記事でご紹介した導入までのステップもよく確認し、ぜひ自組織にあったグループウェアを検討してみてください。