今回は人材紹介と人材派遣の2職種について、特徴と企業が育成に関して抱える主な課題、その解決方法について見ていきます。
人材紹介企業における課題
人材紹介とは、求人企業に求職者を紹介することによって報酬を得るビジネスです。
人材紹介企業の業務は、企業側と求職者側に分かれ、企業側は求人企業の採用計画や求める人材をヒアリングして求職者をつなぎ、求職者側は求職者を集め求職者個人と面談し、求人企業を紹介していきます。
前者はリクルーティングアドバイザー(RA)、後者はキャリアアドバイザー(CA)と呼ばれています。
人材紹介企業の大きな課題の一つが属人化しやすいという点です。
ビジネスモデルの特性上、採用されることによっての成果報酬で収益を得られるため、いかに多くの求職者を求人企業に紹介できるかがポイントとなります。
RAは求人案件の確保、CAは集客とマッチングを目標としていくので、営業組織に近く、個々人の力量によって成果に差が出てしまい、結果的に属人化している傾向があるのです。
属人化しやすいという点の課題を解決するためにはどうすればよいでしょうか。
前述の通り、人材紹介のビジネスモデルの特性上営業組織に近いため、営業組織と同様に結果管理をしていくことがポイントと言えます。
つまり、求める結果を数値で設定し、必要に応じて訪問数や面談数などの行動量レベルまで目標を決め、毎週の会議で目標の達成可否を確認していくことで、属人化しない育成につなげていくのです。
人材派遣企業における課題
自社雇用の人材をクライアント先に派遣する人材派遣は、その業務に応じて人材派遣料として報酬を得るビジネスモデルです。
多くの人材派遣企業が、定着率や採用に課題を持っています。
これらの課題は他業界においても同様かもしれませんが、人材派遣においては特に自社とは別の企業で働くという点でマネジメントの難易度がさらに高いということをまずは認識する必要があります。
つまり、自社への所属意識の醸成が難しく、自社のルールと派遣先のルールが異なればどちらを優先すべきか迷ってしまい、それがストレスにつながるのです。
この点を踏まえて、育成におけるポイントは下記の通りです。
- 自社のルールを明確にしておくこと
- 派遣先のルールと自社のルールが異なる点があったときにどちらを優先すべきか明確にしておくこと
- 迷った際の確認先を明確にしておくこと
また、採用においては上記の通り、ルールを守れる人材かどうかという点が重要です。
これまでの経験のなかで自分の所属組織のルールを意識できていたかなどを面接時に確認しておくとよいでしょう。