今、グローバル化や少子高齢化が進むことで、どの業界も有効求人倍率は上がり、人材の獲得競争は熾烈を極めています。
そんな中、何とか入口の段階で優秀な人材を獲得したいと採用活動に力を入れている企業は多いかと思います。
もちろん、何をもって「優秀」とするかは、求める要素が各企業で異なるかとは思いますが、少なくとも企業にとって「こういう経験やスキルそして考え方を持った人が欲しい」というポイントは存在し、そこにマッチすることが優秀であると定義するなら、入口の段階で優秀な人材を確保できることは企業にとっては当然プラスのはずです。
しかしながら、特に中途採用においてこの採用という入口の段階に全てを賭けてはいませんでしょうか?
つまり優秀な人材は入社後もずっと優秀であり続け、逆に優秀でない人材は入社後も優秀にはならないという概念になってはいないでしょうか?
今回は採用活動において陥り易い錯覚と、採用後の組織マネジメントに繋げる必要性についてご紹介します。
目次
採用時に全てが決まることはない
昨今、採用関係のTVCMは盛んで、いかに企業のニーズとマッチした人材を見つけるかにフォーカスした内容が展開されています。
もちろんマッチングというものは大事な要素です。
しかし、新卒ではあまりないかもしれませんが、中途採用となるとこの採用で全てが決まると錯覚してしまう経営者そして人事担当者がいらっしゃいます。
この錯覚に陥っている会社は、部下を育成するマネジメントが正しく出来ていないことがほとんどです。
つまり入社時の能力が100%という定義の下、それに合わせた役割設定をしてしまい、放任状態にしてしまっているのです。
なので、感覚的には採用という博打になっていますよね。
当たりが出るかそれともハズレか、そんな採用に全ての望みを賭けていては、真に重要とされる「部下を成長させるマネジメント」がなされることは永遠にありません。
そもそも採用段階でその人の全てが分かることは絶対にあり得ないということから考えても、採用時に人材の優劣が決着するという考え方はやはりナンセンスです。
人は変わる、変えるのが会社の役割です
世の中が常に変わるように、時間が永遠に流れていくという前提であれば変わらないものはありません。なので、絶対に人も変わります。
もちろんその人のそれまでの経験や能力で変わるまでに個人差はあるものの、会社が正しく個人を成長させるマネジメントをしていればいつか必ず変わるタイミングが訪れます。
よって、人を成長させていくことが会社の真の役割であり、入社時の見た目の能力で決めつけてはいけません。
「あいつはいつまで経っても変わらないからダメです」と匙を投げる管理職がいたならば、その部下の能力ではなく、管理職が正しく成長させる正しいマネジメントに取り組んでいるかを疑う必要があります。
人を変える為のマネジメント術
では、優秀かどうかではなく、人が変わる可能性を最大化させる為にはどういったマネジメントが必要か、その一部をご紹介します。
まず求める結果を認識がズレないよう明確に設定し、そこに向けて上司は経過に介入せず、部下自身で考えて走らせます。
そうすると結果に辿り着いた時に、正しい評価がなされ、もし出来なかった場合は、足りなかったことが明確に認識できるので、次の改善に向けて行動を変えていくことになります。
このサイクルを繰り返していけばその人の不足は必ず埋まっていく、つまり成長しないわけがないのです。
まとめ
今回は、採用活動におけるそもそもの錯覚から、真に必要とされる人を成長させるマネジメントについて、その一部をご紹介しました。
- 採用時に優秀かどうかは表面上のジャッジにしか過ぎず、それで今後の全てが決着することはあり得ない。
- 人は必ず変わるものであり、変えることが経営者・管理者つまり会社の役割である。
- 正しく不足を認識し、それを埋める行動改善のサイクルを繰り返していくことが成長のステップであり、マネジメントです。
採用はあくまで入口にすぎないことを正しく認識し、所属する個人をどう成長させるかに重きを置いてください。