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経営不振や金融機関からの借入返済でお悩みはありませんか?
特に中小企業の経営者の中には、「返済のリスケジュールについて相談したいのに、相談する相手がいない」とお困りの方が少なくありません。
本記事では、金融・財務の無料相談所である中小企業再生支援協議会を活用するメリット、費用、手続きまでを徹底解説します。
- 中小企業なら中小企業再生支援協議会を利用できる!
- 専門家に相談できるのが強み
- 調整に半年ほどかかることもある!
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中小企業再生支援協議会って何?
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事業再生における専門家たち(金融機関経験者、公認会計士、税理士、中小企業診断士など)から、事業再生に係るアドバイスをもらえる公的機関が中小企業再生支援協議会です。
中小企業再生支援協議会では、資金繰りや再生計画の作成で悩まれている経営者の方や、自社の企業健康について知りたい社長まで幅広く相談ができます。
事態が深刻な場合は相談だけではなく、実際に再生計画を策定し、金融機関との調整を行ってくれるのも中小企業再生支援協議会の特徴です。
一方で、事業再生計画策定の相談の場合、一定の事業の収益性が見込まれることが前提となりますので気をつけておきましょう。
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中小企業再生支援協議会からは金銭面のアドバイスを受けることができます。中小企業の場合、社長が創業してワンマンで経営を進めている場合も多く、金繰りの専門家が足りていないケースがよくあります。
リーマンショック後に発生した「貸し剥がし」の経緯を踏まえ、会社の業績不振が続く場合には会社と金融機関が打ち合わせを行い、借入の返済期間を猶予する「リスケ」がしやすくなりました。
しかし、リスケの打ち合わせには各種資料が必要になる場合が多く、正確な資料を作れないケースが目立ちます。
中小企業の場合、リスケのタイミングで以下の3点が問題になるケースが多いです。
- 債務超過の程度が大きい
- 会社の再生計画と実態に大きな乖離がある
- 資金繰り表・収支計画が正しく算定できていない
①債務超過の程度が大きい
債務超過の程度が大きすぎて、再生計画を正しく作成できないケースが少なくありません。自社での解決案を金融機関に対して提案できないため、そもそもリスケがうまくいかない可能性があります。
②会社の再生計画と実態に大きな乖離がある
会社の再生計画を作ったとしても、実態の売上等との乖離が大きく、計画達成が不可能になってしまっているケースも見られます。こうした場合、金融機関に再度計画を作り直すように指示をされてしまうことがあるため、リスケが長引いてしまうばかりか、最悪の場合、リスケに失敗する危険性があります。
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③資金繰り表・収支計画が正しく算定できていない
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リスケで問題となる3つ目のケースは、実際の資金繰り表と収支計画が正しく算定されていないケースです。金融機関でも、企業が提出した資金繰りが正しいかどうかのチェックをしています。
そのため万が一、資金繰りや収支計画が正しく作られていないと、「粉飾をしようとしているのではないか」という疑いの目を向けられてしまう可能性があります。
リスケの際に発生するこのようなリスクに対し、第三者として正しくアドバイスをしてくれるのが、中小企業再生支援協議会です。
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中小企業再生支援協議会は全国47都道府県にありますが、それぞれの地域で以下の3原則が徹底されていますので確認しておきましょう。
中立的立場の第三者機関
中小企業再生支援協議会では、「第三者機関として債務者にもよらず、金融機関にもよらない」という大原則があります。
守秘義務を厳守
中小企業再生支援協議会は、必ず守秘義務を厳守します。公的機関ということもあり、守秘義務を徹底する立場は信頼できます。
事業の見直しを支援
事業と財務の両面から、該当企業に対して適切なアドバイスを行います。
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中小企業再生支援協議会の対象となる企業
事業を営んでいる中小企業であれば相談ができます。
本社所在地が各地域になくても、それぞれ営業所や他部門があれば相談にはのってくれます。
経営者にとってコンタクトが取りやすい地域の中小企業再生支援協議会を利用するのが良いでしょう。なお、東京都では東京都では東京商工会議所が受託・運営しています。
中小企業再生支援協議会を活用するメリットとは?
中小企業再生支援協議会を利用するメリットは以下6点です。
- 信憑性の高い資料を作成できる
- 費用が安い
- 秘密保持性が高い
- 専門家の協力を得られる
- 事業を継続できる
- 地元の金融機関出身者が多い
①信憑性の高い資料を作成できる
中小企業のみで事業再案や事業計画などを作成した場合には、事業に対する主観が入ってしまうため、正しい計画を作れない場合があります。
中小企業再生支援協議会を利用すると、公認会計士などの専門家からなるチームが案を策定するため、「第三者視点での正しい評価がなされている」と金融機関から評価されます。
また、重度な再生支援が必要とされるケースにおいては、財務デューデリジェンスと税務デューデリジェンスなどが必要です。このようなときにも中小企業再生支援協議会が支援をしてくれるため、円滑に交渉を進めることができます。
②費用が安い
中小企業再生支援協議会では窓口相談が無料となっており、その後の再生計画策定支援においても、コンサル会社を入れるより安く済ませることができます。ただでさえコストが圧迫されている段階にある企業にとっては、費用が安いため、利用しやすいといえるでしょう。
③秘密保持性が高い
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特に、私的整理を行うケースですが、自社が窮地に陥っていることを取引先に知られてしまえば、支払サイトを短くする要請やそもそもの仕入れを断られてしまう危険性があります。また、倒産の可能性がある会社からは離れてしまう顧客も多く、事業継続が困難になります。
中小企業再生支援協議会を活用すれば、こうしたリスクを最小限に抑えられるのは大きなメリットです。
④専門家の協力を得られる
中小企業再生支援協議会を利用すると、専門家からなるチームの支援を受けることができます。財務面や事業面からのアドバイスを受けられるため、スキームについても自社だけではたどり着けない高度なものの利用が可能です。
また、借入のリスケのみならず、劣後ローンの導入など当該企業にとって最もプラスになるであろう対策を練ってくれるため、解決策の幅が広がるというメリットがあります。
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⑤事業を継続できる
中小企業において、保証協会を利用した融資の債務免除が受けられなければ、事業の継続が難しいケースもあります。
中小企業再生支援協議会は信用保証協会各所との連携があるため、信用保証協会からの理解を得やすい傾向があります(信用保証協会では各所で中小企業再生支援協議会の専門部署を置いています)。
また、信用保証協会の定めるガイドラインに基づいて手続きを行なうと、今ある借入に対して信用保証協会が代位弁済を実施してくれる可能性もあります。このため、信用保証協会を利用した借入がある企業にとっては大きなメリットとなるのです。
⑥地元の金融機関出身者が多い
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中小企業再生支援協議会には地元の金融機関出身者が多いため、金融機関とのリスケのやりとりがしやすくなります。特に、銀行内部の人しか知らないようなポイントを、経営改善計画などに盛り込むようにアドバイスをしてくれるため、円滑にリスケを済ませられるのです。
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【事例つき】問題解決に使える5つのフレームワーク中小企業再生支援協議会を活用するデメリットとは?
中小企業再生支援協議会を利用した際に生じるデメリットは以下2点です。
- 債権者の全ての同意を要すること
- 財務の再生が中心となってしまうこと
それぞれわかりやすく説明します。
①債権者の全ての同意を要すること
中小企業再生支援協議会を活用したスキームを履行して事業再生を行う場合には、全ての債権者の同意が必要です。したがって、借入銀行が多い場合、交渉が難航する場合があります。
特に、過去に粉飾決算などを行なってしまっている場合、金融機関からは「また繰り返すのではないか」という疑いの目を向けられてしまうこともあります。
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②財務の再生が中心となってしまうこと
中小企業再生支援協議会を活用すると、財務面でのアドバイスは専門性が高い専門家によるアドバイスを受けることが可能です。しかし、重要となる事業の今後の戦略については、事業戦略に特化したコンサルファームなどと比較すると頼りない場合があります。
銀行員や士業の専門家たちは、財務の面については高い専門性を持っていますが、経営やマーケティングなどの知識には疎いケースが目立ちます。
中小企業再生支援協議会は、このような経営面でのサポートが充実しているとはいえません。したがって、せっかく事業再生案を策定しても、達成できないケースがあるので留意しておきましょう。
中小企業再生支援協議会への相談の流れとは?
中小企業再生支援協議会は47都道府県に設置されていますので、相談する県や都道府県によって、その相談方法は異なります。今回は東京中小企業再生支援協議会を例に挙げて相談の流れを説明します。
※基本的にはどの都道府県でも相談の流れは同じです。
また、窓口相談(第一次対応)は無料で、再生計画策定支援(第二次対応)は有料となりますので注意が必要です。
窓口相談(一次対応)
窓口相談の相談は以下の順序で行います。
Step1 FAXや電話で予約をとる
中小企業再生支援協議会が置かれている商工会議所では、まずは事前相談前に電話やFAXで事前予約をとるのが一般的です。
急いでいるからと直接予約もなしに飛びこんでしまうと、結局待たされるだけ待たされて相談ができない可能性もありますし、何よりも悪い印象を与えてしまいます。
今後、相談をする機会が増える可能性があるので、必ず事前に予約をとるようにしましょう。
また、商工会議所によっては窓口相談用の申し込み用紙が準備されているケースが多いので事前に確認し、用紙に記入しておきましょう。
東京中小企業再生支援協議会用の窓口相談用の申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。
Step2 事前ヒアリング
中小企業再生支援協議会(場合によっては商工会議所)から電話がかかってきます。そして、このタイミングで事前ヒアリングが行われます。当日に必要な資料についても説明があるので、必ず確認し、当日に持っていきましょう。
※一般的には、会社概要がわかるもの、直近3期分の決算書と確定申告書類、金融機関別借り入れ表、担保物件明細、試算表、資金繰り表の持参が求められます。
Step3 窓口相談
予約の日時に、該当の中小企業再生支援協議会へ向かいます。
当日は事前ヒアリングに基づいてアドバイスが実施され、所要時間は2時間程度で済むことが多いです。このタイミングで、より専門的な知識が必要とされる事案については、専門家を紹介してもらえるケースがあります。この際、外部専門家への報酬は別途必要になるので注意しましょう。
再生計画策定支援(二次対応)
窓口相談の結果を踏まえて、中小企業再生支援協議会の支援が必要だと認定され、相談企業からも要望があった場合には、専門家による支援チームが作成されて支援が行われます。
Step1 キックオフミーティングの開催
中小企業再生支援協議会からの開催の案内が金融機関に通知され、再生支援プロジェクトのキックオフミーティングが開催されます。
金融機関に対しては、再生支援計画中は元金返済を原則として、一時中断するような依頼が中小企業再生支援協議会からかけられます。
※取引金融機関の数が少ない場合は、ミーティング自体が省略されるケースも見られます。
Step2 デューデリジェンスの実施
支援チームの専門家たちが、中立の立場から財務デューデリジェンスと事業デューデリジェンスを行います。ここでは、「今まで提出された決算書に粉飾はないか」や「簿外債務のリスクはないか」などが専門家により確認されます。
簿外債務・偶発債務については『 M&Aをする際に欠かせない偶発債務の基本と対策まで徹底解説』でも詳しく説明していますので、よくわからないという方は確認してみてください。
M&Aをする際に欠かせない偶発債務の基本と対策までを徹底解説専門家による確認後、調査結果がレポートとしてまとめられ、金融機関に提出されます。
Step3 再生計画の作成
該当の会社は、事業の再生に向けた再生計画を策定します。この際、専門家チームによるアドバイスも期待できますが、基本的には自社努力での再生計画作成となりますので注意が必要です。
再生計画策定後は、金融機関などの債権者とミーティングを行い、金融機関の意見を聞きながら再生計画をブラッシュアップします。
Step4 再生計画案の承認
最終的に、再生計画に問題がなく、全ての金融機関から承認が得られれば再生計画策定支援は終了となります。
Step5 モニタリング
全行の合意が決定した後は、再生計画に基づき返済が始まります。この際、メインバンクと中小企業再生支援協議会が中心となり、定期的にモニタリングが実施されます。
軌道に乗るまでは、引き続き中小企業再生支援協議会に相談をすることが可能です。
中小企業再生支援協議会の申請手続きにかかる時間と費用
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手続きにかかる時間
デューデリジェンスや金融機関との交渉に時間がかかるため、再生支援には少なくとも半年ほどの時間がかかると言われています。
一方で、事前に再生計画等の用意がある程度できている場合は、期間の短縮が見込まれます。
手続きにかかる費用
手続きにかかる費用は、前もって明確にすることはできません。再生計画の策定にかかる専門家への費用は発生しますが、窓口相談のみの場合には費用はかかりません。
そのため、窓口相談を積極的に利用することをおすすめします。
また、一定の補助がでることもありますので、対象の中小企業再生支援協議会に問い合わせてみましょう。
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まとめ
本記事では、中小企業再生支援協議会とその活用のメリットと費用、手続きまでを徹底解説しました。
窓口相談の段階では費用はかかりませんので、中小企業の経営者の方は積極的に中小企業再生支援協議会を利用してみてはいかがでしょうか?
また、金融機関からの借入の返済をリスケ以外の選択肢として、M&Aでの不採算事業の売却なども検討ができます。また、選択肢が多いほど適切な対応を取れるようになります。
中小企業を経営する際は、今後ますますM&Aリテラシーが必要になってくるといえるでしょう。
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