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人に「直接会う」回数を最小限にする働き方へ。

人に「直接会う」回数を最小限にする働き方へ。

コロナの件ですが。
この状況、どうやら長引きそうです。

仮に、4/7の緊急事態宣言が功を奏して、感染者数が減少に転じたとしても、
緊急事態宣言が解除されるまでにウイルスがさっぱり消えてなくなるわけではありません。

仮に日本が収束したとしても、日本よりさらにひどい状況にある諸外国は、収束までに更に時間がかかります。
世界経済がストップしているのに、日本だけ復活することはないでしょう。

コロナウイルスの比較対象として、世界中で4000万人の死者を出した1918年のパンデミック「スペインかぜ」があります。

この「スペインかぜ」、どの程度継続したのか。
実は、1919年まで、3回の波が断続的に発生し、収束まで1年以上を要しています。

スペインフルの第一波は1918年の3月に米国とヨーロッパにて始まりますが、この(北半球の)春と夏に発生した第一波は感染性は高かったものの、特に致死性ではなかったとされています。

しかしながら、(北半球の)晩秋からフランス、シエラレオネ、米国で同時に始まった第二波は10倍の致死率となり、しかも15~35歳の健康な若年者層においてもっとも多くの死がみられ、死亡例の99%が65歳以下の若い年齢層に発生したという、過去にも、またそれ以降にも例のみられない現象が確認されています。

また、これに引き続いて、(北半球の)冬である1919年の始めに第三波が起こっており、一年のタイムスパンで3回の流行がみられたことになります。

(国立感染症研究所 
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QA02.html

また、「スペインかぜ」の教訓から言えば、感染者数や死者数が少し改善したからと言って早々に「外出制限をゆるめる」のも悪手です。

ナショナル・ジオグラフィックは「介入を緩和する時期が早すぎると、状況が逆戻りする」としています。

介入を緩和する時期が早すぎると、状況が逆戻りするということだ。例えばセントルイス市では、死亡率が低下したことを受けて大胆にも集会の制限を解除した結果、2カ月も経たないうちに集団発生が始まり、新たな症例が相次いだ。介入を継続した市は、セントルイス市などで見られたような2回目の死亡率のピークが見られなかった。

(ナショナル・ジオグラフィック 
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/033100207/

以上のことから、このコロナウイルスとの戦いは、かなり長引きそうです。

もしワクチンができたとしても、臨床試験などを経て、実用化されるのは年末から来年にかけてという予測を見ると、行き渡るまでの時間を考えると、やはりコロナウイルス禍の収束は1年以上かかり、その間は手を緩めてはいけない、と見るのが、妥当なのではないかと思います。

ところで、疫病との戦いにおいては、人命が最優先ではありますが、「1年間手を緩めないで自粛」をすることで犠牲になるのは、様々な経済活動です。

仮に「生活必需品以外のすべての産業」を1年間、止めたとすると、そのダメージは計り知れません。
政府に「休業補償を」という声がありますが、1年もの休業補償を全産業に行うのは、どう考えても不可能です。

すると、どうなるか。
結局の所、代案として「コロナウイルスとともに働く」を実現していかなければならなくなりそうです。

 

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初期〜中期はコロナウイルスに対応する「人間の能力」が追いつかないが、しばらくすると慣れる。

私は専門家ではないので、コロナウイルスに対して、どのような施策が必要なのかはよくわかりませんし、「どうなるのか」という予想も、ほとんど意味がないと考えています。

ただ「自分たちがどうしようと思うか」については、明らかです。

感染症である以上、それに対抗するには結局
「人に「直接会う」回数を最小限にする働き方」
を模索し、それを実践しなければならないことは、素人の私でもわかります。

結果として「テレワーク」をすべての会社に適用していくことが、「コロナウイルスとともに働く」ことの、当面の解になりそうです。

ところがこの「テレワーク導入」なんですが。
気軽に言うほど簡単ではありません。

現在、政府がテレワークを推奨しているのは、周知のとおりですが、実際どの程度の会社が導入しているのかといえば、東京圏ですら、その割合は20%弱程度にとどまっています。

(出典:東洋経済 https://toyokeizai.net/articles/-/342092 パーソル総合研究所調査)

一体なぜ、多くの企業がテレワーク導入を実施できていないのでしょう。

実は明らかです。

テレワークは「環境」と「スキル」の両方が合わさって、初めて可能であり、「環境」はお金で揃えることができても、肝心のそれを使う人間の能力が追いついていないからです。

「会社の外からメールが見れないのでテレワークなんかとても無理です」という会社がありました。

ところが、取引先に感染者が出たことで、急に風向きが変わります。
経営陣は、慌てて情シス部門に「テレワークの環境を整える」ように指示をしました。

そして1ヶ月後、大至急で取り組んだ結果、遅まきながら、セキュリティの高い端末をが行き渡り、ようやくメールやビデオ会議の環境が整いました。

ところが、
「ではテレワークを開始します」
と、始めた瞬間に、問題が起きました。

例えばこんな具合です。

———

今日は初めて、お昼すぎからwebミーティングです。

ところが、会議が始まっても、数人が接続できません。
通信環境が悪いのか、端末の設定ができていないのか、本人しかわかりませんが、
とにかく悪戦苦闘している人が結構います。

「先に始めてしまおう」ということで、
接続できていない数名を置いて、やっとこさ会議が始まりました。

ところが、今度はブチブチ音声が途切れます。
マイクの設定かな、接続が悪いのかな、とアレヤコレヤしているうちに、30分経ってしまいました。

そして40分後。
ようやく本題に入れたのはいいのですが、今度は配布資料の画面共有ができないと、
発表者が困っています。

次第に「どうなってんの?」という質問も出てきています。
中には「次の会議があるので……」と退出してしまった人もいる。

結局会議は、50分オーバーで終わりました。
(そしてついに、機器の設定不具合で参加できないメンバーもいました)

ただ「慣れ」は偉大です。

2週間ほどが過ぎそんなトラブルも徐々に少なくなり、
みんなどうにか、webミーティングになれてきました。

ところが今度は別の問題です。

「社員の勤怠が把握しづらい」との声が上がりました。
曰く、「きちんと勤務時間通りに働いているのかまったくわからない」と。

勤務開始と終了の記録はあるのですが、
上司が部下に質問しようとしところ、「返信が遅い」と課長クラスの人間が一人、怒っている。

結局その件は「スピーディーに返信を」という通達で済みましたが、
社員たちは「いつもメールを見ているわけではなく、仕事が進まない」と不満そうです。

さらに、別の部門からは
「日報をきちんとあげてこない社員がいる」との管理職の声。

聞くと「勤務の様子がわからないので詳しく書いてほしいが、今まで通りの日報では
大雑把すぎる」とのこと。

社員たちと相談した結果、「勤務態度をすべて日報に落とすのは不可能」という結論になり
「どのタスクを完了したのかは詳細に記述する」ことで、ひとまず合意したとのことです。

しかし人事評価に含まれる「勤務態度」をどうやって評価するのか、多くの管理職は疑問に感じています。

さらにまた別の部門からは、
「1日のタスクを明確にするために、webミーティング朝礼をやっているが、作業予定をきちんと言えない社員が多く、指導にかなりの時間がかかる」と声が上がりました。

社員側からは「タスクを明確にするためには、作業指示が明確じゃないとダメでしょう」との不満の声も。管理職と対立しています。

1ヶ月がすぎる頃には、皆のフラストレーションも最高潮に達し、
「やっぱり、テレワークって無理なんじゃ……」
という雰囲気が出てきました。

「テレワークはウチでは無理なんじゃない?」と公然と不満を述べる若手やベテランもちらほら。

現実的には「テレワーク」はまるでうまくいきませんでした。
適応するだけで精一杯で、とても新しいことに手が回らず、業務は滞ります。

 

後期は本腰を入れた企業が「人を介さない制度設計」にリソースを投入する

 

そんな状況を見かねて、緊急事態宣言から半年を経てついに、経営陣の一人が「テレワーク推進委員会」を立ち上げました。

この委員会の使命は4つです。

・テレワークにフィットする営業活動、マーケティング活動の構築
・テレワークに即したワークフローの設計
・テレワークに適した評価制度の運用
・テレワークに適応するための社員の教育訓練

もちろん、現場はこれに適応するために、多大なコストとリソースを掛け、
少しずつ業務をカスタマイズしました。

2年後……

そうした社員の継続的な努力の結果、コロナウイルスの収束がどうにか見えたときには、この会社はすっかり、「テレワーク」に馴染むことになりました。

結局、この会社は、以下のノウハウを得たのです。

・webマーケティングによる効果的な集客
・非対面営業活動
・紙媒体や、印鑑を省き、ウェブ上だけで完結するワークフロー
・成果の厳密な定義と、評価
・社員のテレワークリテラシーの向上
・オフィスの半分以上を解約
・間接部門を削減
・アウトソーシングを必要な部分だけ活用

こうなると、働き方はもとに戻ることはありませんでした。
誰が見ても、「コロナウイルス後」のほうが、柔軟で、機動力があり、そして合理的だからです。

この会社の収益性は高まりました。

もちろん、上は一つの想定ケースに過ぎません。

しかし、1年間以上、「コロナウイルスと共生していかなければならない」状況に企業が追い込まれた場合、十分に有り得る話です。

我々の企業社会は、
コンピュータ登場前/登場後
web登場前/登場後
と同じくらい本質的な意味で、別の存在に生まれ変わろうとしているのかもしれません。

それが「働く人の幸せ」にとって、良いことなのかどうかは、まだよくわからないのですが。

 

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