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アドラーの心理学を学ぼう!ビジネスにも役立つ5つの基本理論と4つの思想

アドラーの心理学

2013年に出版された「嫌われる勇気」で一躍名を知られるようになった、アドラーの心理学。

人の生き方に影響をもたらす考え方として、広く注目を集めています。

この記事では、アドラーの心理学の詳しい内容とビジネスに与える効果や取り入れる際の注意点について解説します。

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アドラーの心理学とは幸せに生きるための心理学

アドラーの心理学は、オーストリア出身の精神科医であるアルフレッド・アドラーが構築した心理学理論です。

アドラーはフロイト、ユングと並び心理学の三大巨頭として知られる人物で、人間が幸せに生きるための考え方を提唱しました。

はじめにアドラーの心理学の基本概念と注目されるようになった背景、アドラーと並ぶ心理学者であるフロイトとユングについて紹介します。

アドラーの心理学の基本

アドラーの心理学は、「人は社会の在り方と強く結びついていて、一人では生きていけない存在である」という考え方がベースです。

そのため、アドラーは社会と共存することや周囲の人々は自分の仲間であるという意識を持つことが重要と説いています。

さらに、アドラーは人間の行動にはすべて目的があり、すべての人生の決定は自分が選択しているとも説いています。

自分らしさを大切にしながら対人関係を良好に保つための生き方を学問として構築するだけでなく、実践的な考えを確立しているのが特徴です。

アドラーの心理学が注目されるようになった背景

アドラーの心理学が注目されるようになったのは、その考えを分かりやすく解説した「嫌われる勇気」のヒットが理由です。

「嫌われる勇気」は日本だけでなく世界31言語で翻訳刊行されました。

日本では、ドラマ化もされ世代を超えて注目を集めた書籍です。

加えて、現代はSNSがコミュニケーションツールとして一般化し、自己承認欲求や他者への気遣い、自分らしさなどに悩む人が増えています。

このような悩みを持つ人に、アドラーの心理学が響いたというのも一因ではないでしょうか。

関連記事:「嫌われる勇気」を仕事で活かす方法を徹底解説!『他者への貢献』とは?

オーストリアの精神科医・フロイト

フロイトはオーストリアの精神科医で、精神分析学の創始者としても知られています。

アドラーはもともとフロイトの共同研究者でありましたが、意見の相違から決別しアドラー心理学を構築しました。

フロイトは、人間は過去のトラウマや無意識が原因となって今の行動という結果が生まれるという「原因論」を提唱しています。

対してアドラーは、原因と結果に関連性はなく人間は今の価値観で行動を選んでいるという考え方です。

フロイトとアドラーとは、アプローチが大きく異なります。

スイスの精神科医・ユング

ユングは分析心理学の創始者として知られる、スイスの精神科医です。

人間の性格を内向型、外向型の2種類に分類した論文でも高く評価されています。

もともとアドラーと同じようにフロイトの弟子だったのですが、フロイトとは決別し独自の理論である「分析心理学」を立ち上げました。

人間に共通する無意識の存在として「集合的無意識」を提唱した人物です。

アドラーの心理学の5つの理論

アドラーの心理学は、5つの理論を基本としています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

目的論:人の行動には目的がある

目的論とは、人間の起こす行動にはすべて目的があるという理論です。

目的論では、フロイトの原因論のような原因があって行動に結びつくという考え方ではなく、目的を達成するために自分自身が今の状況を作り出していると考えます。

アドラーによると、過去のトラウマに捉われず原因から未来の目的に目を向けることで行動を変えられる自己決定の余地が生まれます。

大切なことは原因ではなく、今後何ができるのかと考えること。

起きたことの捉え方を変えられれば、未来を明るく自分の人生に意味と価値を与えられると唱えています。

自己決定性:人は自分の行動を自分で決める

自己決定性とは、自分自身の運命や行動はすべて自分で主体的に決めなければならないという理論です。

環境やハンディキャップなど先天的な要素や、対人関係など相手があるような悩みでも、受け入れ自分が変化することで幸せになるための行動ができるようになると説いています。

自分の人生を決めるのは自分自身であり、人生を変えられるのも自分だけであると認識することで、外部環境や他人に原因や責任を求めず、主体的に生きることができるようになるでしょう。

対人関係論:人のあらゆる行動は対人関係に起因している

対人関係論とは、人間の行動はすべてにおいて他者が関連していて互いに影響しあっているという理論です。

対人関係論では、自分自身の見た目や体型についての悩みもすべて人間関係に起因しているとします。

人間の行動にはすべて相手がいて、相手の行動によって自分が影響を受け、反対に自分の行動によって相手も影響を受けていると認識します。

つまり相手を変えることはできなくても、自分が相手との接し方を変えることで、相手との関係性が変わる可能性があるというのが、対人関係論です。

全体論:人を分割できない全体の立場から捉える

全体論とは、人間は精神や肉体、意識・無意識などに分割できない統一体であるという理論。

無意識の自分と意識のある自分と分けて考え、無意識の自分は好ましくないと自分の一部を否定するような捉え方は間違いであるとし、自分自身のすべてを受け入れるよう提唱しています。

認知論:人は主観的な意味づけを通して物事を把握する

認知論とは、人は目の前のものをありのまま客観的に把握することは不可能で、自分流の主観的な意味づけをした状態で解釈しているという理論です。

同じ出来事を目にしても、人によって判断や認識が異なったり、同じ人間であっても時間や場所、感覚によって解釈が変わったりするでしょう。

そのため、起きたことをどのように解釈するかで、現実や体験を変えられるとアドラーは唱えます。

他者が自分を把握・判断する際も同じで、もし自分の意見を否定されても気にする必要はなく、多様性なのだと割り切って捉えれば、物事や人への執着が取り払われて楽な気持ちになれるとしています。

アドラーの心理学の理論に基づいた4つの思想

アドラーの心理学では、5つの理論の上にさまざまな思想が成り立っています。

ここでは、アドラーの心理学の主な4つの思想について詳しく解説します。

勇気づけ

勇気づけとは、困難を乗り越えるための内なる活力のことで、アドラー心理学の重要な思想です。

アドラー心理学では、劣等感をカバーするための勇気が不足しているため目標達成に至らないのだとしています。

勇気づけによってエネルギーが補われると、自分の考え方や行動が変わり、困難を克服するために再度歩き出して、目標達成や悩み解決につながるという思想です。

さらに勇気づけは、自分だけでなく他者に対しても適用できます。

勇気づけによって相手をありのままに受け止めて、他者が自分自身の力で生きていけるよう力を与えることも可能です。

劣等感

自分と他者を比較して相手より劣っていると感じるのが、劣等感です。

アドラーの心理学では、劣等感は悪ではないとします。

人は誰でも劣等感を持っていますが、これは目標があってこそ生まれる感情です。

劣等感を克服するために自分を変えようとする原動力になります。

アドラー心理学では、劣等感を理想の自分に近づくために利用するものと提唱しています。

課題の分離

課題の分離とは、対等な関係にある他者が持っている課題と自分の課題とを分離させることを指します。

他者と自分の課題を分離させることで、他者の課題に介入しすぎないようになります。

他者の課題はコントロールできないと割り切れば、相手がどう感じるか考えすぎて自分を抑えるストレスも減るでしょう。

共同体感覚

共同体感覚とは、自分は周囲とつながっている状態であることを主観的に感じる思想です。

自分が家庭や学校、職場などのコミュニティに属しているという所属感と、周囲にいる人に対する無条件の信頼感、他人の役に立つ行いをしたいと思う貢献感が重要な要素となります。

アドラーは、人間は常に誰かとつながっていたいと切望する存在で、共同体感覚を持ちながら他人を尊重し幸せにすることが、自分の価値に気づけると唱えています。

アドラーの心理学がビジネスにもたらす効果

昨今、ビジネスに心理学の考え方や理論を取り入れる企業も増えています。

なかでもアドラーの心理学はビジネスとの親和性が高いといわれていて、取り入れる企業も多いようです。

アドラーの心理学がビジネスにもたらす効果を紹介します。

主体的に仕事に取り組む人材を育成できる

アドラーの心理学をビジネスに用いると、目の前の課題に当事者意識を持ち、解決策を考えて能動的に行動できる自走力のある人材を育成できます。

例えば、過去に大きな商談で重大なミスを犯し、それ以降、過去の失敗に捕らわれて仕事の成績も低迷気味の社員がいたケースをアドラーの心理学で考えてみましょう。

アドラーの心理学を踏まえれば、過去の大きなミスという劣等感を自己実現のために利用することになります。

さらに劣等感を克服するために有効な勇気づけを考えて、目的達成に向けて行動できるようになるはずです。

アドラーの心理学によって自分の課題を自分の意志で解決し自分で人生を決めていると実感できるようになれば、当事者意識を持って主体的に考え行動する人材が育成できる効果を期待できます。

相手の意見を尊重し多角的に物事を見られるようになる

アドラーの心理学の認知論を理解すれば、物事の捉え方は自分と相手で大きく異なると認識できるようになります。

自分と異なる意見があっても、自分の意見が正しいと思い込むことなく、相手を尊重しながら意見に耳を傾けられるようになって傾聴力がアップするでしょう。

さらに人の言動には目的があることも理解しておくと、相手を批判せず異なる意見を素直に受け入れることができるようになります。

人間関係のストレスが軽減されコミュニケーションが活性化する

課題の分離を用いると、必要以上に他人に介入しなくなるためストレスが軽減できます。

例えば、いつも機嫌の悪い上司がいても、上司の機嫌は上司の課題であって自分の課題ではないと割り切れば、ストレスを抱えません。

また認知論を用いると、自分と相手の意見の相違は相手が自分を嫌っていることが原因ではなく、互いに自分の立場で物事を主観的に捉えているからだと考えられます。

さらに共同体感覚の概念に則って互いの意見を尊重しあえば、職場やチームのコミュニケーションが円滑になり活性化する効果も期待できます。

アドラーの心理学をビジネスに取り入れる際の注意点

アドラーの心理学はビジネスシーンに活用すればさまざまなメリットがありますが、注意したい点も。

例えば、課題の分離の思想を基に部下の悩みを「自分で克服するべき問題」と簡単に切り捨てれば、放任主義だと思われかねません。

しっかり周囲とコミュニケーションを取りながら、アドラーの心理学をうまく取り入れることが大切です。

アドラーの心理学を理解して活用しよう

アドラーの心理学とは、人が幸せに生きるための考え方を提唱した心理学です。

アドラーの心理学を学ぶことで新たな気づきを発見し、自分の生き方はもちろん、仕事や人間関係の考え方を見直すきっかけになります。

日常生活はもちろん、ビジネスの場でも人材育成や職場の活性化にも役立ちます。アドラーの心理学を理解して、さまざまなシーンで活用してみましょう。

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