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MBO(目標管理制度)で業績アップを目指す!メリット・デメリットと運用のポイントを解説

MBOとは

MBO(目標管理制度)とは、従業員が自主性を持って業務に取り組めるよう促す仕組みのことです。

近年大手企業を中心に注目が集まり、導入する企業が増えています。

この記事ではMBOの意味を解説し、MBO導入のメリット・デメリットと導入方法、運用のポイントについて紹介します。

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MBO(目標管理制度)とはマネジメント手法の1つ

目標管理制度(MBO)とは、経済学者のドラッガーが提唱したマネジメント手法です。

まずは目標管理制度(MBO)の意味と混同しやすいOKR、KPIとの違いを説明し、さらにMBOの特徴について解説します。

MBOの意味

MBOは「Management by Objectives」を略した言葉です。

日本語に訳すと、目標による管理という意味で、目標管理制度と呼ばれています。

MBOは、従業員が自主性を持って業務に取り組むよう促すのが目的です。

従業員は企業と方向性をすり合わせながら個人の目標を自主的に設定します。

そして、企業は従業員が目標を達成するまでの過程を管理して業績アップを目指します。

MBOとKPIの違い

KPIは英語の「Key Performance Indicator」の略で、日本語では重要業績評価指標のことです。

最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)を達成するためのプロセスを計測する中間指標で、KPIマネジメントではこのKPIを用います。

どちらも目標達成のためのマネジメント手法ですが、KPIはプロジェクトの目標を達成させること自体が目的、MBOは組織と個人の目標を共通化して目標管理を行うのが目的という点で異なります。

KPIマネジメントについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

関連記事:【KPI管理】KPIマネジメントとは?KPIマネジメントの設定手順やよくある失敗例などを徹底解説!

MBOとOKRの違い

OKRとは、「Objectives and Key Result」の略で、日本語に直訳すると、目標と主要な成果となります。

Intel社の元CEO・グローブ氏によって提唱されたもので、アメリカのシリコンバレーを中心にGoogleをはじめ数多くの企業で導入が進み、近年注目を集めています。

MBOとOKR、どちらも目標管理のためのフレームワークですが、MBOが長期的な視点で目標管理するのに対し、OKRは短期間で生産性向上や課題解決を目指すために高頻度で軌道修正を行いながら目標達成を目指す点が大きく異なっています。

OKRについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:目標設定でやる気を引き出す!OKRのメリットと活用方法を解説

MBOの特徴

MBOの特徴は、目標を従業員に設定してもらい達成まで上司が管理する点にあります。

ノルマ管理と似ていますが、MBOではあくまで上司はサポート役であり、従業員の進捗を確認して助言する役割を担う点が異なります。

MBOにおいて重要なのは自主性をはぐくむことであり、従業員が目標とその目標を達成するまでのプロセスや行動まで考えることで、具体的な道が見え、業務効率の向上が期待できるでしょう。

また、人事評価と深く結びついているのもポイント。

従業員本人に自分の目標を決めてもらい、その進捗や達成度合いによって人事評価を決める企業が多いようです。

MBOが注目されるようになった背景

MBOが日本で導入され始めたのは、1990年代。

バブル経済が崩壊し、多くの企業が人件費の削減に迫られて従来の年功序列制度や職能資格制度から成果主義へと移行を目指しました。

そこで目標に対する成果で人事評価や報酬の決定を行えるMBOが、人件費を抑えつつ業績を伸ばせる人事評価ツールとして浸透したのです。

さらに最近では、コロナ禍によるリモートワークの普及で、従業員の状況を把握しづらい、モチベーションの低下が見られるという課題を抱えた企業が、従業員の自律性を高めることを目的にMBOの導入を検討するケースが増えています。

MBO導入が企業にもたらすメリット

今、さまざまなメリットが得られるとして、MBOを導入する企業は増加傾向にあります。

ここでは、MBO導入が企業にもたらすメリットについて詳しく見ていきましょう。

統一感のある組織運営が目指せる

MBOで設定する目標は、企業全体の目標や方向性をベースとします。

個人の目標は企業のビジョンや目標とリンクしているため、双方の目指す方向が同じになり組織運営に統一感が生まれる点がメリットです。

従業員が目標達成に向けて努力するほど企業の目標達成にも近づき、結果的に事業が安定したり、成長にもつながったりするでしょう。

従業員の主体性を伸ばしスキルアップを図れる

MBOでは、従業員自らが目標を設定して達成に向けて行動します。

目標達成に向けて自分の役割を再確認したり、足りないものを補う努力をしたりするため、従業員の主体性や自律性を養える点はメリットといえるでしょう。

必要な知識や能力の取得に積極的になり、自然とスキルアップを図れます。

さらに上司から定期的にフィードバックがもらえるため、安心して苦手な業務にも取り組めるはずです。

人事評価に活用できる

MBOでは、達成すべき目標や期限が明確に定められているため、目標達成率や進捗、プロセスを数値化することで評価が可能になります。

具体的な数値によって評価でき、透明性が高く客観的な評価を行いやすいでしょう。

加えて評価基準となる目標は社員自らが設定している指標であるため、社員の納得感が得やすい点もメリットです。

MBO導入のデメリット

MBO導入にはメリットがある反面、管理者の負担が増えたり、従業員のモチベーション低下を招いたりなどデメリットもあります。

デメリットを理解した上で、MBO導入を検討してください。

管理職の負担増

MBOでは、上司による部下の目標達成率やプロセスについての定期的なフィードバックが必要です。

つまり、管理職は進捗チェックや面談などの手間が増えることになります。

また、目標管理の運用が煩雑になると、管理自体が目的化してしまう恐れも。

フィードバックのプロセスを簡潔にして、手段が目的化しないように注意しましょう。

モチベーションを低下させてしまうことがある

目標は個人で異なるため、評価判断基準も人によって異なります。

管理職の評価スキルが伴っていないと、適正な判断を下すのは難しいため、部下が評価に納得できない、自分の評価は妥当でないとネガティブに感じてしまうかもしれません。

また、MBOは目標が達成できたかどうかを測定して評価につなげるため、結果にばかり注目してしまいがちです。

これらがモチベーションの低下につながるリスクを秘めていることを理解しておきましょう。

企業は評価者である管理職に対して、フィードバックや評価スキルが身につくような研修や教育を施すことが重要です。

MBOを運用するための4STEP

実際にMBO導入をする場合には、4つのSTEPを段階的に進めていく必要があります。

MBOの運用方法について紹介します。

1.組織全体の目標を決めて各部署に共有する

MBOの目的は組織の目標達成であるため、まずは組織全体の目標を決定します。

組織目標は、個人目標の方向性を定める重要な指針となるものです。

決定した企業目標は経営層が各管理職に共有しましょう。

管理職は部下に組織目標の内容や意図を伝え理解を得た上で、個人目標を決める際の指標にしてもらいます。

2.従業員に目標と具体的な行動プランを立ててもらう

個人目標は必ず上司と部下で話し合い、双方が納得できる目標にします。上

司は企業理念に沿った目標になっているか、実現可能で成長できる目標になっているかを確認してください。

さらに内容が具体的であるか、定量的なものであるか、客観的な評価を下せるかどうかも考慮します。

目標を達成するための具体的な行動も一緒に決めて、本人が取り組みやすいように支援するのがポイントです。

3.上司は進捗を管理しサポートを行う

目標決定後は、上司は進捗を管理して、従業員が目標達成に向けて困っていることがあれば、適宜相談に乗ります。

もし目標の軌道修正が必要であれば、そのサポートも必要です。

定期的に上司が面談とフィードバックを行うことで、従業員の意欲を持続させることが可能となるでしょう。

4.評価を行いフィードバックする

評価期間を迎えたら、達成状況についての振り返りを行うことも大切です。

振り返りを行うことはMBOの効果を高める要素とされているため、これは重要なステップになります。

部下と上司で目標達成に至るまでの成果とプロセスを共有し、部下は自己評価を、上司は客観的評価とフィードバックを行います。

上司は部下が評価に納得し、前向きに次の行動に踏み出せるよう、評価の理由についても丁寧に説明してください。

また、今後期待する組織内での役割などについて話すと良いでしょう。

効果的なMBO運用のポイント

MBOを導入し効果的な運営を行うためには、目標設定や評価の仕方で押さえておきたいポイントがあります。

効果的なMBO運用に向けて、3つのポイントを確認しましょう。

従業員の自主性を尊重した目標設定を行う

目標設定の際に一番大切なのは、組織やチームの意見を押しつけず従業員の自主性を尊重した目標を設定することです。

上から押しつけられた目標はノルマであり、MBOによる目標とはいえません。

上司の役割は、あくまで組織の目標を伝えたり軌道修正を促したりすること。

企業側も従業員が自主性を持って目標設定できるように、目標設定のワークショップを開催したり、目標設定に関する勉強会を開催したりするなどはたらきかけを行いましょう。

頑張れば実現できる目標を設定する

MBOで設定する目標は、モチベーションを維持できるものでなければなりません。

頑張れば達成できそうな、その人のスキルや能力にあった適切な難易度の目標が適切です。

難易度が高すぎる目標はモチベーションの維持が難しいですし、だからといって低すぎる目標では社員のモチベーションが上がらず、成長も期待できないでしょう。

無理せずチャレンジを要する目標を設定し達成することは従業員の自信にもつながり、よりレベルの高い目標の達成も期待できます。

成果だけでなくプロセスも評価する

MBOの評価対象は、成果だけでなくプロセスも含みます。

成果のみの評価では、従業員が個人プレーに走ってしまいチームワークが低下する恐れも。

従業員の成長はMBOの重要な目的の1つであるため、プロセスの評価も大切です。

目標達成に向けた行動を評価することによって、今後の成長が期待できます。

もしプロセスが人事評価につながらなかった場合は、その理由を丁寧に説明することが重要です。

フィードバックの際にはプロセスを褒め、従業員がモチベーションを維持できるように、親身なフィードバックを心がけてください。

MBOを導入した企業事例

MBOを導入し、独自の運用を行っている企業はたくさんあります。

最後に、MBOの導入に成功している企業事例を紹介します。

SCSK株式会社:マネジメントツールとしてMBOを活用

ITサービス事業を展開しているSCSK株式会社では、正社員の評価のうち、行動評価と貢献度評価についてMBOシートを使って運用しています。

とはいえ、完全に評価と連動させているわけではなく、どちらかというとMBOのマネジメントツールとしての側面を活用しているのが特徴です。

MBOシートの内容は人事評価において考慮要素にとどめ、最終的な評価は上司による総合判断としています。

これは現場における上司の部下への指導や育成にウェイトを置いているからです。

MBOを独自の使い方でうまく活用している事例といえます。

グリー株式会社:1on1を重視したMBO運用

ソーシャルメディア事業を中核としているグリー株式会社では、目標達成基準を5段階の指標で明確化するのに加え、従業員との1on1面談も実施しています。

1on1面談によって上司と部下との信頼関係を構築でき、さらにMBOと人事評価の結びつきを緩めることで数値化できる項目だけでなく、行動など定性的な面もしっかりフォローできる体制作りに成功しました。

実際、社内アンケートでも7割の社員が1on1に満足しているという結果が出ています。

MBO(目標管理制度)を上手に運用して企業の成長を目指そう

MBOとは、従業員が自主性を持って目標を設定し、自律性を促して業績アップを目指す手法のことです。

歴史の古いマネジメント手法ですが、近年のリモートワーク普及により再注目されています。

人事評価にも有効で、成果ばかりでなくプロセスにも着目することでより従業員の成長を促せるでしょう。

MBOを上手に活用して、企業成長や人材育成に活かしてください。

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