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病院の生産性向上について

病院の生産性向上について

病院は医師、看護師、薬剤師、理学療法士、放射線技師など専門的な知識や技術を持った個人の集まりであるがゆえ、一般的な企業と比べて意思決定が複雑になり、組織運営の難易度も高いという特徴があります。

今回は、私のこれまでの経験から病院の生産性を高めるための取り組みについてお伝えしていきます。

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ルールの必要性

特に病院で働いている人たちは、「医療とはこうあるべき」という思いが強く、学生時代から知識と技術の習得に多大な時間を費やしてきているでしょう。

そのため、医療に対する理想を抱き、努力していくなかで「私だったらこうする」という自分ルールが強い傾向にあります。

人は所属してきたコミュニティや経験から自分独自のルールを形成します。

人との接し方、整理整頓、仕事の進め方など、自分ルールが違う個人が一つの集団に所属をしたときに、それぞれのルール間で齟齬が生じるのです。

例えば、「病院では相手の立場に立って考えよう」や「皆が気持ちよく協力して運営しよう」とよく言われているでしょう。

これにどのような問題があるでしょうか。

まず、お互いの考えを共有し、都度コミュニケーションを取りながら仕事を進めていかなければならず、すり合わせに膨大な時間が必要となります。

それに、お互いのルールにずれが生じて解決できない場合、人間関係が悪化することがあります。

「あの人の言い方がきつい」
「患者さまのためにやったのに批判された」
「後で片づけようと思っていたのに注意された」

など、誰かが間に入って解決しないと仕事に支障が出ることさえあります。

識学では「コミュニケーションは最後の組織内作業」として、まずは組織ルールを明確化するようにお伝えしています。

例えば、言葉遣いのルール、依頼時のルール、整理整頓のルールなどをはっきりと定めてみましょう。

全て明確化するのは現実的に難しいと思うかもしれませんが、まずは言葉使いのNGワードを決めてルール化する、依頼時には「〇時までにお願いします」と必ず期限も伝えるなど、できることから始めてもよいです。

それぞれの考え方が違うのは仕方がないですが、人が集まって組織として同じ方向に進むためには、明確なルールを設定し、組織のメンバーがそれを守れる状態にすることが生産性を上げる第一歩となります。

ルールの作り方

ルールは曖昧なものではいけません。ルールは「完全結果」で設定しましょう。

完全結果とは期限と状態が明確で、誤解が生まれないものを指します。

例えば、「10㎞を60分以内で走りましょう」という表現は完全結果ですが、「10㎞を頑張って走りましょう」は駄目です。

それぞれの「頑張った」が異なるので、誤解が生じる可能性があります。

方針として「相手を思いやって」「誠実な対応をする」などはあってもよいですが、方針を明確に実行できる最低基準としてルールを設定しましょう。

下記に完全結果のルールをいくつか示しておきます。

  • 帰宅時には机の上には何もない状態にする。
  • 共有スペースの部屋は、使い終わって部屋を出る際には掲示されている写真の状態に戻す。
  • 人格否定、容姿否定になるような言葉は使わない。例:使えない、頭悪い、暗いなど。※業務に支障に出るような事実がある場合は、主観を交えずに上司に事実報告する。
  • 依頼時には〇時までにお願いします(お願いできますか?)と期限を明確にする。

指揮命令関係の明確化

医療を遂行するにあたり、医師、看護師、薬剤師など多くの人が関わります。

また、所属部署の上司部下の関係もあり、看護師であれば医師からも指示され、上司である師長からも指示され、事務局長から指示され、時には先輩職員からも指示される。

その状況のなかで迷いが生じ、忖度しなければいけない状況も生まれます。これが生産性を下げる要因になっていることがあります。

指揮命令系統を明確化するというのが組織運営の原則ですが、そうはいっても「ケースバイケースなので」と明確にできない悩みを持つ病院も少なくありません。

この場合は、迷った際に誰に確認すべきなのかを明確にしておくとよいです。

「複数の人から指示があり、どの指示を優先すべきか迷ったら上司である看護師長に確認をする」というのをベースにして、「患者さまの対応によって特例があるのであれば、医師の指示を確認した上で内容を看護師長に共有しておく」というような、指揮命令系統+ルール設定の組み合わせを明確に設定することをお勧めします。

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会議の進め方

これまで私が見てきた100以上の組織の大半が、生産性の低い会議をしていました。

特に病院は定例会議やプロジェクト会議など、会議の数が多い傾向にあります。

無駄な会議が多い、会議の時間が長い、会議をした結果どんな効果が得られたか分からないなどは病院の生産性を大きく低下させます。

識学では会議を「約束の場」とお伝えしています。

その時間で何を約束したのかを明らかにし、次の会議には約束が果たされたかを報告させる。

できていないのであれば、必ず改善策をセットで報告するというルールにします。

そして、会議をすることでいつまでに(期限)どんな状態(結果)になれば成功したと言えるのかの定義をはっきりさせて進められるようにしましょう。

病院という組織は社会にとって不可欠な組織です。

しかし、一人でも多くの患者を治療し、健康な状態に近づけていくために、従事している人には精神的にも肉体的にも大きな負荷がかかってしまいます。

社会的存在意義が大きな組織だからこそ、職員の生産性を上げるために病院のトップやリーダーが負荷を軽減し、効果的な医療を実現するためのルール作りや指揮命令系統の明確化、会議の進め方に至るまでを改善していくことが求められます。

今回の記事が病院の生産性向上への参考になれば幸いです。

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