少子高齢化が進む現代社会では、ITツールを活用したDXが必要不可欠となっています。
もちろん、マネジメントも例外ではありません。ITツールの使い方次第で、生産性が何倍も違ってくるでしょう。
本記事では、マネージャーに有効なITツールであるLychee Redmineを紹介していきます。
関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や定義を簡単に解説!進め方や導入後に実現できることも紹介
目次
Lychee Redmineとは?
Lychee Redmine(ライチレッドマイン)は、オープンソフトウェアであるRedmineに、スケジュール管理やタスク管理機能を導入するためのプラグインです。
マウスだけで操作できるデザインなので、誰でも活用できるのが魅力となっています。
業種やチームの規模を問わず、7,000社以上が活用しているようです。
関連記事:【OSS】オープンソースソフトウェアとは?定義や注意点、有名なOSSをわかりやすく解説
Redmineとは?
Lychee Redmineは、あくまでもプラグインに過ぎません。
元々のソフトウェアはRedmineとなります。
Redmineは誰でも利用できるオープンソースで制作されたソフトウェアです。
そのため、世界中のあらゆるエンジニアが開発に参加しています。
Redmineの最大の特徴は、チケットでタスクを管理していることです。
マネージャーが部下にチケットを発行することで、タスクを割り振ることができます。
また、Redmineは全機能を無料で利用できる一方で、プログラミング言語・Ruby on Railsの機能を必要とします。
そこで、Lychee Redmineの出番です。
Lychee Redmineを導入することで、プログラミング知識がなくてもツールを利用できるようになります。
Lychee Redmineの主な10つの機能
Lychee Redmineの主な機能は以下の10つです。
- ガントチャート
- カンバン
- バックログ
- タイムマネジメント
- リソースマネジメント
- ダッシュボード
- EVM(出来高管理)
- コスト
- プロジェクトレポート
- CCPM
それぞれ詳しく解説していきます。
機能①:ガントチャート
Lychee Redmineにはガントチャート機能があります。
ガントチャートとは、時間を横軸に、作業内容を縦軸にした棒グラフ状の一覧表のことで、プロジェクト管理に用いられることが多いです。
Lychee Redmineのガントチャートの特徴は以下の通りです。
- ドラッグ&ドロップだけでガントバーを作成・変更
- 無限に階層化できる
- 期日にマイルストーンを設定できる
- ガントバーと工数が連携している
- 負荷状況とプロジェクト計画を元に自動スケジューリングしてくれる
また、後述するカンバンとの連携機能もあるので、マネージャーはガントチャートを見るだけでプロジェクトの進捗がわかるようになります。
機能②:カンバン
Lychee Redmineにはカンバンボードをデジタルで表示するカンバン機能が導入されています。
カンバンボードとは、プロジェクトやタスクの進捗を記載するボードのことです。
このカンバン機能では以下の動作を実行できます。
- タスクを優先度順に並べる
- 負荷状況を見える化する
- プロジェクトの進捗をグラフ化する
また、先ほど紹介したガントチャートと組み合わせることで、時間軸でプロジェクト管理できるようになります。
どこにいてもリアルタイムで進捗を把握できるので、リモートワークとの相性が良い機能だと言えます。
機能③:バックログ
バックログは、アジャイル開発におけるスクラムのスプリント計画を運用できる機能です。
アジャイル開発は一般的な手法に比べて小単位で実装とテストを繰り返す開発手法となっています。
そして、スクラムはアジャイル開発の一種であり、役割やタスクをメンバーに分散させるフレームワークです。
バックログでは、1週間から4週間ほどのタイムボックス(スプリント)を構築し、計画を策定できます。
短い期間で計画を立てることで、市場の変化に対応しやすいのが特徴です。
なお、バックログは、先ほど紹介したカンバンと連携できます。
バックログで作成した計画を、カンバンで進捗管理が可能です。
機能④:タイムマネジメント
Lychee Redmineには、チームメンバー向けのタイムマネジメント機能が搭載されています。
マネージャーによって割り振られたタスクに対して、作業者自らが工数を見積もるため、無理のないスケジュール管理が可能です。
早い段階での計画見直しにも貢献するでしょう。
また、表形式とカレンダー形式の2つの形式が利用可能です。
表形式は時間帯を気にせずにプロジェクト全体の工数管理ができるため、2つの形式を組み合わせて使うのが良いでしょう。
なお、現在はOutlookとの連携に対応。
また、Googleカレンダーとの連携も予定されているようです。
関連記事:タイムマネジメントは生産性向上に効果的!メリットや方法、注意点などを解説
機能⑤:リソースマネジメント
Lychee Redmineにはリソースマネジメントの機能が搭載されているため、プロジェクト稼働中でも、リアルタイムで進捗データを取得できます。
また、目標時間に対する進捗を可視化できるため、達成度の算出も可能。
稼働率も確認できるため、リソースの再割り当てが実施しやすくなっています。
それに応じて、生産性の可視化も可能です。
見積もりの精度向上や、従業員のモチベーション向上が見込めます。
タイムマネジメントやガントチャートと連携でき、そのうえ、オートスケジュール機能にも応用できます。
マネージャーの業務効率向上に大きく寄与するでしょう。
機能⑥:ダッシュボード
ここまでで様々な機能を紹介してきましたが、これだと様々な機能を行ったり来たりしなければなりません。
そこで導入されているのが、ダッシュボード機能です。
ダッシュボードでは、進捗状況が一目でわかるようにデザインされているため、作業遅れを事前に検知しやすくなっています。
また、先ほどまで紹介してきた機能から自動でデータを取得しているため、人為的なミスもほとんどありません。
作業漏れも防げるでしょう。
機能⑦:EVM(出来高管理)
Lychee RedmineではEVM(出来高管理)機能が搭載されています。
一般的にプロジェクトは「時間」で管理されることが多いです。
しかしマネージャーは納期やスケジュールだけでなく、人件費や原価のように「お金」ベースで進捗を管理する必要があると言えます。
そこでEVM機能の出番です。
EVMではチケットに登録した期日や工数を元に、コストの観点から進捗を管理できます。
これにより、現在の開発ペースから、完成時コストを推測することが可能です。
機能⑧:コスト
Lychee Redmineではコスト管理のための機能も搭載されています。
毎日の業務で蓄積された工数に基づいてコストが算出され、収支が可視化されるのです。
また、以下の機能も搭載されています。
- 予算設定
- 単価設定
- 経費の登録
なお、経費の登録では「交通費」や「外注費」のように、プロジェクトに係る経費を登録できるので、プロジェクト全体の実質的なコストを管理できます。
機能⑨:プロジェクトレポート
プロジェクトレポートは、進捗・品質・コストの分析や評価が一目でわかるようになる機能です。
個別のプロジェクトに対する情報が網羅的にまとめられており、目的に応じて、パネルをカスタマイズすることもできます。
レイアウトは複数のパターンを保存することができるため、用途に合わせた定例報告書も一発で作成できるのが魅力的です。
また、プロジェクトレポートでは、複数のプロジェクトの状況を一覧で確認できる機能が搭載されています。
チーム内で様々なプロジェクトを回しているマネージャーのPJ管理に役立つかもしれません。
機能⑩:CCPM
Lychee RedmineではCCPMを簡単に導入できます。
CCPMは「クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント」の略称で、それぞれのタスクにバッファ(隙間時間)を持たせる管理手法のことです。
まず前提として、プロジェクトが計画通りに進むことはほとんどありません。
従業員の病気やクライアントの急な要望などで、不確実性が高い状況にあると言えます。
その結果、予想以上にギリギリの進捗管理になってしまうのです。
そこで、あらかじめバッファを設けてあげることで、不測の事態に備えるようにしておくというわけです。
Lychee Redmineでは、ガントチャートを活用することでバッファを調整することができます。
また、バッファの消費率をグラフで表示させる機能が非常に便利です。
これにより、プロジェクトが順調に進んでいるかどうかを、あらかじめ測定できます。
Lychee Redmineのプランと料金
Lychee Redmineは①フリー、②スタンダード、③プレミアム、④ビジネスの4つのプランが用意されています。
それぞれのプランの違いは以下の通りです。
プラン名 | フリー | スタンダード | プレミアム | ビジネス |
月額料金(クラウド版) | 0円 | 900円 | 1,400円 | 2,100円 |
月額料金(オンプレミス版) | – | 800円 | 1,500円 | 2,300円 |
機能 | カンバンのみ | ガントチャート、カンバン、バックログ、ダッシュボードが利用可能 | プロジェクトレポート以外のほとんどの機能が利用可能 | 全機能利用可能 |
また、有料オプションで、プレミアムサポート機能や研修サービスも利用できます。
基本的にはプレミアムプラン。カスタマイズ性を高めたい場合にビジネスプランを用いられることが多いようです。
また、クラウド版はその名の通りクラウドでのサービス提供となっています。
一方、オンプレミス版は、自社でインフラを保有している際に利用できるバージョンです。
特にこだわりがないのであれば、どこからでもサービスにアクセスできるクラウド版を利用するのがいいでしょう。
なお、全ての有料プランで、30日間の無料お試しが利用できます。
興味がある方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
マネージャーがLychee Redmineを利用するメリット3選
マネージャーがLychee Redmineを利用するメリットは以下の3つです。
- 進捗をビジュアライズできる
- メンバーの負荷状況を把握できる
- 複数のプロジェクトを管理できる
それぞれ解説していきます。
進捗をビジュアライズできる
Lychee Redmineを利用するメリットとして挙げられるのは、進捗のビジュアライズです。
プロジェクトを容易に可視化するだけでも、Lychee Redmineを利用する価値があると言えます。
それに加えて、Lychee Redmineはプロジェクトの遅延もビジュアライズしてくれるので、大事になる前に早急にトラブルを発見することもできます。
また、他社のサービスに比べて、デザインが落ち着いているのも特徴です。
スタイリッシュ過ぎないので、40代以上の方でも扱いやすいと言えます。
メンバーの負荷状況を把握できる
Lychee Redmineでは、工数と稼働率の2つのデータを基準に、メンバーの負荷状況を確認することができます。
従来であれば、チーム内の作業の偏りを見つけるのは非常に難しかったと言えます。
なぜならメンバーは基本的に、ディスプレイの中や、営業先など、マネージャの目の届かない場所で仕事を進めているからです。
一方で、Lychee Redmineでは、稼働状況を正確に判断できる機能が搭載されています。
従来に比べて、作業の偏りを早急に発見することができるようになるでしょう。
複数のプロジェクトを管理できる
Lychee Redmineでは、複数のプロジェクトを一発で把握できるプロジェクトレポートが搭載されています。
実のところ、1つのプロジェクトに集中できることなど、滅多にありません。
大抵の場合、複数のプロジェクトやタスクを同時並行で進めていることがほとんどのはずです。
そしてマネージャーは、メンバーごとのプロジェクトやタスクの進捗を管理する必要があります。
そこで役立つのがプロジェクトレポートです。
プロジェクトレポートは、複数のプロジェクトの進捗状況を一発で確認できるデザインになっているため、リスクを発見することが容易になっています。
複数のプロジェクトの管理に苦しんでいるのであれば、ツールの使用を検討してみてもよいかもしれません。
まとめ
それでは本記事をまとめていきます。
- Lychee Redmineは、オープンソフトウェア・Redmineの機能拡張プラグイン
- Lychee Redmineはプロジェクト管理のための10つの機能が搭載されている
- Lychee Redmineを活用することでプロジェクト管理を効率化できる
Lychee Redmineは日清食品やワコムのような大規模企業でも採用されているプロジェクト管理ツールです。
それだけ、複雑なプロジェクト管理を簡易化するための機能が、搭載されているということでしょう。
30日間の無料期間を利用して、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。