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パフォーマンスマネジメントとは?MBOの違いや導入手順を解説

パフォーマンスマネジメント

マネージャーなら誰もが知るMBO(目標管理制度)は、従業員の主体性を促すマネジメント手法として人気がありました。

しかしMBOは非常に古いマネジメント手法であるため、現代の変化の激しい時代に適応していないのも事実です。

そこで新しく注目を浴びているのが「パフォーマンスマネジメント」です。

パフォーマンスマネジメントは、変化の激しい社会でも効果の出やすいマネジメント手法となっています。

そこで本記事では管理職や人事担当者向けにパフォーマンスマネジメントとはなにか、その概要から導入方法までを解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

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パフォーマンスマネジメントとは?

パフォーマンスマネジメントは、従業員のパフォーマンスを向上させるために、部下に合わせた方法でモチベーションや能力を引き出すマネジメントのことを指します。

具体的には、高頻度でのフィードバックを実施することで、従業員の気付きを促し、行動変容へと導くものです。

パフォーマンスマネジメントとMBOの違い

パフォーマンスマネジメントに似た手法として、MBO(目標管理制度)が挙げられます。

MBOは、従業員が主体となって決めた目標の進捗度に合わせて、評価を下すマネジメント手法です。

従業員の主体性を促せるということで、長きにわたって活用され続けました。

しかしMBOは、半年から1年のサイクルで実施される手法です。

変化が激しい現代のスピード感に対して、半年から1年のサイクルだとあまりにも長すぎます。

一方、パフォーマンスマネジメントは1週間から1ヶ月に1回のペースで面談が実施されます。

フィードバックの頻度が高いので、現代にも対応できる手法なのです。

関連記事:MBOとは?目標管理制度のメリットや効果的な運用方法、OKRとの違いを解説

パフォーマンスマネジメントの特徴5選

パフォーマンスマネジメントの特徴は以下の5つです。

  • 目標を上司と部下が一緒に決める
  • フィードバックを高頻度で実施する
  • 結果だけでなくプロセスも重視する
  • 従業員の強みを重視する
  • 過去ではなく未来を見る

それぞれ詳しく解説していきます。

特徴①:目標を上司と部下が一緒に決める

パフォーマンスマネジメントは、上司と部下が一緒になって目標を決定します。

一般的なマネジメントであれば、上司が一方的に目標を決定することがほとんどです。

しかし、それでは部下に主体性を持たせることができません。

「自分で決めた目標じゃないし……」というように責任感が持てないのです。

そこで部下と一緒に目標を決めることで、主体性と責任感を持たせます。

この特徴に関してはパフォーマンスマネジメントに限らず、MBOでも同じことが言えます。

特徴②:フィードバックを高頻度で実施する

MBOと明らかに異なる点は、フィードバックの頻度です。

MBOは、1年に1回や半年に1回のペースでフィードバックが実施されます。

しかしパフォーマンスマネジメントでは、1週間に1度のペースで実施されることが珍しくありません。

MBOは目標の進捗度に重きを置いているのに対し、パフォーマンスマネジメントはプロセスに重きを置いています。

そのため、高頻度でフィードバックを実施することにより、その都度で業務プロセスを改善していきます。

関連記事:部下への正しいフィードバック方法とは?手順やポイント、注意点を解説

特徴③:結果だけでなくプロセスも重視する

先ほども述べた通り、パフォーマンスマネジメントでは結果だけでなくプロセスを重視します。

従業員の主体性を促すためには、結果だけ重視するのは得策ではありません。

なぜなら、もし結果を重視してしまうと、従業員は失敗を恐れて上司の言いなり、指示待ち人間になってしまうからです。

パフォーマンスマネジメントは、部下の主体性を促すことでパフォーマンスを向上させます。

そのために、まずは失敗の呪縛から解き放つ必要があるのです。

失敗を許容する環境を構築するには、やはり結果だけではなく、プロセスも重視した方がいいでしょう。

「失敗しても改善すればいい」というマインドを作り出せるのが、パフォーマンスマネジメントの特徴です。

特徴④:従業員の強みを重視する

パフォーマンスマネジメントで実施される面談では、従業員の強みが重視されます。

実のところ、従業員の多くが自分の強みを客観的に理解していません。

だからこそ、まずは自身の強みを認識させる必要があります。そのためには、上司のコーチングが必要不可欠です。

そして高頻度でフィードバックを実施し、その記録を管理しておくことで、従業員の成長を自覚させることができます。

パフォーマンスマネジメントはプロセスを重視します。つまり「改善」が重視されるのです。

単純に結果を重視するのではなく、従業員の強みをどれだけ発揮させられるかに重みを置くのが、パフォーマンスマネジメントの特徴です。

特徴⑤:過去ではなく未来を見る

パフォーマンスマネジメントは、未来志向の人材管理手法です。

そのため、フィードバックでありがちな以下のような会話がほとんどありません。

  • あのときのプレゼン、なんであんな感じの説明にしたの?
  • 営業のやり方が非効率的だったから営業成績が良くならなかった……

パフォーマンスマネジメントは未来志向なので、以下のような会話になります。

  • 次のプレゼンはスライドに文字を詰め込みすぎず、もっとシンプルにしよう!
  • 先輩社員に営業のコツを聞いて、営業プロセスを改善させよう!

このように未来志向でフィードバックを実施できれば、常に「改善」が意識されるようになります。

これもパフォーマンスマネジメントの特徴の1つです。

パフォーマンスマネジメントのメリット4選

パフォーマンスマネジメントのメリットは以下の4つです。

  • 良好な人間関係を構築できる
  • 思考がポジティブになる
  • 従業員の主体性が高まる
  • 生産性が高まる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット①:良好な人間関係を構築できる

パフォーマンスマネジメントは高頻度でフィードバックが実施されるので、必然的に、組織内でのコミュニケーションが生まれます。

また、結果に重きを置かないため、競争意識も薄れ、組織内がギスギスしないのも特徴です。

そのため、数あるマネジメント手法の中でも良好な人間関係を構築しやすいと言えます。

これにより、何かトラブルがあった時でも、気軽に相談しやすい環境が構築されます。

それに加えて未来志向なので、組織全体が「改善」の方向に向かいやすいのもメリットです。

関連記事:人間関係もマネジメント職の重要課題!問題の原因と解決法を伝授

メリット②:思考がポジティブになる

パフォーマンスマネジメントでは、従業員のポテンシャルを引き出す雰囲気が構築されるので、思考がポジティブになりやすいです。

自分が組織に受け入れられている感覚を得やすく、前を向いて行動を起こせます。

また、フィードバックの際も失敗を追求することはほとんどなく、未来志向で改善案を検討することが多いです。

これも思考がポジティブになる要因の1つだと考えられます。

思考がポジティブになれば、従業員がどんどん行動するようになり、仮に失敗しても、また改善して行動に移せます。

このような好循環を回せるのが、パフォーマンスマネジメントのメリットです。

メリット③:従業員の主体性が高まる

パフォーマンスマネジメントは従業員の主体性を促すマネジメント手法です。

上司と部下が一緒になって目標を設定するため、部下は自分自身の目標に責任感を持つようになります。

それに伴い、組織内の自分の役割を認識し、周囲で発生した課題に対しても当事者意識を持つようになるでしょう。

組織全体でパフォーマンスを向上させるには、1人1人の従業員の当事者意識・主体性が必要不可欠です。

そして、それらを高めるツールとして、パフォーマンスマネジメントは非常に有効と言えるでしょう。

関連記事:主体性とは?自主性との違いや高めるトレーニング方法の紹介!

メリット④:生産性が高まる

以上のメリットから、パフォーマンスマネジメントを実施することで、組織全体の生産性が高まります。

結果的に大きな利益を生むようになるでしょう。

また、パフォーマンスマネジメントによる生産性向上は、従業員の主体性から生まれたものです。

そのため、上司のマネジメント業務の負担も、少しずつ減少していきます。

仮に良い結果が出なかったとしても、従業員は失敗を受け入れて、またすぐに改善策を検討し、生産性を向上させるでしょう。

パフォーマンスマネジメントは、最も素晴らしいプロセスでの生産性向上が期待できます。

パフォーマンスマネジメントのデメリット3選

パフォーマンスマネジメントのデメリットは以下の3つです。

  • コストが発生する
  • 成果主義とマッチしづらい
  • コーチングスキルが必要

それぞれ詳しく解説していきます。

デメリット①:コストが発生する

パフォーマンスマネジメントは高頻度でフィードバックを実施する必要があるため、それなりの時間がコストとして発生します。

事実上、人件費が発生しているだけの状態です。

その分のパフォーマンス向上が発揮できればいいのですが、必ずしも結果が出るわけではありません。

その場合「ただ人件費を無駄にしてしまった」ということにもなるでしょう。

フィードバックを高頻度で実施する際は、可能な限り面談時間を短くするのがおすすめです。

デメリット②:成果主義とマッチしづらい

パフォーマンスマネジメントは成果主義とマッチしづらいと言えます。

なぜなら、結果よりもプロセスを重視するマネジメント手法だからです。

「結果さえ出せればプロセスは気にしない」という成果主義とはかみ合わない部分も多々あります。

特に近年は、生産性向上のために成果主義を導入する企業が増えています。

また、変化の激しい現代に適応するためにも、結果に厳しくなっている風潮が見られます。

このような企業とパフォーマンスマネジメントは、相性が悪いと言わざるを得ません。

成果主義の企業にパフォーマンスマネジメントを導入する際は、相当の工夫が必要でしょう。

デメリット③:コーチングスキルが必要

パフォーマンスマネジメントを実施するには、上司のコーチングスキルが必要不可欠です。

当然のことながら、全ての上司がコーチングに関する知識を身につけているわけではありません。

そのため、パフォーマンスマネジメントを導入する際は、コーチング研修を実施する必要があると考えられます。

また、パフォーマンスマネジメントは、MBOに比べると知名度の低い管理手法であるため、上司や管理職が混乱してしまう可能性も否めません。

導入する際は、事前にしっかり説明することが大切です。

関連記事:【簡単に】コーチングとは?ビジネスでの意味や方法、メリット・デメリットについて解説

パフォーマンスマネジメントの導入手順

パフォーマンスマネジメントの導入手順は以下の通りです。

  1. 導入目的を決定・共有する
  2. コーチングの研修を実施する
  3. 1on1ミーティングを実施する
  4. ツールを導入する

それぞれの手順を詳しく解説していきます。

手順①:導入目的を決定・共有する

まずはパフォーマンスマネジメントを導入する目的を決定します。

先ほど述べた4つのメリットが、パフォーマンスマネジメントを導入する目的に該当するでしょう。

そして導入目的を決定した後は、組織内で共有します。この際、上司だけでなく部下にもしっかり共有することが大切です。

なぜパフォーマンスマネジメントを実施するのかを理解しているかそうでないかで、効果が大きく変わります。

特にパフォーマンスマネジメントはMBOに比べて知名度が低いので、そもそも「パフォーマンスマネジメントがどのようなものなのか」を説明する必要があるでしょう。

手順②:コーチングの研修を実施する

パフォーマンスマネジメントの概要を組織内で共有した後は、上司に対するコーチングの研修を実施します。

一般的なマネジメント手法に比べて、パフォーマンスマネジメントでは高度なコミュニケーション能力が求められます。

研修に多くの時間をかけるのが良いでしょう。

特に、現在管理職として勤務している40代以上の方々は、まだコミュニケーションの重要性について理解していないまま社会に参加していると考えられます。

コミュニケーションや未来志向の重要性まで、研修内容に組み込むようにするといいでしょう。

手順③:1on1ミーティングを実施する

実際にパフォーマンスマネジメントが開始されたら、短期間のサイクルで1on1ミーティングを実施するようにします。

基本的にパフォーマンスマネジメントの業務内容は、1on1ミーティングだけです。あとは部下の主体的な行動に任せます。

1on1ミーティングで重要なのは、やはり上司のリスニングスキルです。

パフォーマンスマネジメントの根幹は部下の主体性にあるので、部下の主体性を促すようなコミュニケーションを心がける必要があります。

手順④:ツールを導入する

実際にパフォーマンスマネジメントを実施してみて、効率が悪いと思ったら、ツールの導入も検討しましょう。

特に面談実施までのプロセスは、可能な限り簡略化した方がいいです。日程調整ツールの導入を検討しましょう。

また、過去の成長を可視化するために、フィードバック内容を確認できるメモツールの導入もおすすめです。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

  • パフォーマンスマネジメントは従業員のパフォーマンスを向上させるためのマネジメント手法
  • フィードバックを高頻度で実施する点、未来志向である点がMBOと異なる
  • パフォーマンスマネジメントは上司のコーチングスキルが必要不可欠

パフォーマンスマネジメントはMBOに比べて現代に適応しやすいマネジメント手法だと言えます。

その代わり、上司のコーチングスキルが必要なので、導入の際にやや手間がかかるのがデメリットです。

そのうえ、効果が出る保証もありません。

パフォーマンスマネジメントの導入を検討する際は、本当に自社にマッチしたマネジメント手法なのかをしっかり議論するようにしましょう。

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