あなたの会社では、会議やミーティングにおいて良い意見を出すことができているでしょうか?
また、出てきた良い意見をまとめて整理し、行動に移すことはできているでしょうか?
もし、このような点に課題がある場合は、KJ法を活用すると良いでしょう。
KJ法とは、アイデアや情報をまとめて新たなアイデアを生み出したり、問題解決のきっかけを探る手法のことです。
そこで本記事ではKJ法について、
- 概要
- メリット・デメリット
- 方法
- 注意点
を解説していきます。
目次
KJ法とは
KJ法とは、文化人類学者の川喜田二郎が開発した、データやアイデア、さまざまな意見をまとめて新たなアイデアや問題解決法の糸口を探る手法です。
「川喜田二郎」のイニシャルをとって「KJ法」と呼ばれています。
KJ法では思いついたアイデアや考えをホワイトボードや付箋、紙などにまとめて、グループ化することで頭の中のアイデアを言語化していく手法をとります。
KJ法全体について理解する前に、まずアイデアをアウトプットしていく段階である「ブレインストーミング」について見ていきましょう。
ブレインストーミングとは
アイデアや情報を網羅的にアウトプットすることを可能にする思考法で、「ブレスト」や「BS」と呼ばれることもあります。
一般的に10人以下のグループで行われ、立場や考え方が異なるメンバーが多いほど、さまざまな観点からの意見やアイデアを集めることができます。
また、下記の4つのルールを厳守しながら進める必要があります。
ルール | 内容 |
絶対に批判をしないこと | 別の参加者が出したアイデアを批判してはいけない。
心理的安全性を高めることで、自由に発言できる環境を整える。 |
自由に発想すること | バカバカしいと思うようなアイデアでもどんどん出していく。 |
質よりもまずは量を重視 | 良いアイデアを出すことよりも、量を重視してアイデアを出し続ける。 |
連想し、結合させて、便乗すること | 他の参加者が出したアイデアから連想したり、自分のアイデアと結合させて新たなアイデアとして出す。 |
KJ法のメリットとは
ここからはKJ法のメリットを見ていきましょう。
抽象的なアイデアを具体的にできる
KJ法によって、頭のなかで漠然としている抽象的なアイデアを具体的に言語化することができます。
こうすることで、ふと思いついた発想やアイデアを形に残しておくことができ、後になって忘れることを避けられるでしょう。
また、メンバーのアイデアを言語化することで、チームで共有することもできます。
論理的思考によってアイデアをまとめられる
論理的思考とは、さまざまな要素が混在する問題を分解・整理して、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。
物事を論理的・客観的に捉えることができるため、誰にでもわかりやすく伝えられるメリットがあります。
したがって、アイデアを論理的思考でまとめることで、チームメンバーにも伝わりやすく、スムーズな意思疎通が可能になります。
関連記事:【企業向け】論理的思考とは?従業員の思考力を鍛えるメリットや方法、できない人の特徴を解説
KJ法のデメリットや課題、問題点とは
一方で、KJ法には下記のようなデメリットや課題もあるため、把握しておきましょう。
メンバーの関係性によってうまくいかないケースがある
KJ法はアイデアをまとめて分析するには優れた手法ですが、アイデアを出すメンバーの関係性によってはうまくいかないケースがあります。
例えば、あるメンバーが別のメンバーの顔色をうかがったり、忖度したアイデアを出したりすることや、少数派のアウトプットが少なくなる可能性があるのです。
したがって、作業を始める前にメンバー間のパワーバランスを整えておくことが望ましいでしょう。
多くの時間と工数がかかる
KJ法は、アイデアを出し合うだけでできるため、方法自体は簡単です。
しかし、最適なメンバーを集めて、出された意見をホワイトボードや付箋に書き出す作業や、それをまとめる作業には手間も時間もかかります。
したがって、迅速に問題解決をしなければならないシーンでは不向きな手法だといえるでしょう。
KJ法の方法・やり方
それでは、実際にKJ法のやり方を見ていきましょう。
用意するもの
KJ法に必要なものは、アイデアを書き出していく付箋やカードだけです。
パソコンで使用できるツールもありますが、ここでは付箋・カードを用いた方法を見ていきましょう。
付箋・カードを数十枚用意したら、あとはこの伏線にアイデアを書き出していきます。
ステップ①.アイデアを書き出す
まず、テーマに関係することで、思いついたアイデアを1枚ずつ書き出していきます。
書き出した付箋は机の上やホワイトボードに無造作に貼り付けていきましょう。
ステップ②.アイデアを分ける
ある程度アイデアが出てきたら、内容が似ているものや同じジャンルのものを分類していきます。
このとき、どのグループにも属さないアイデアは、グループから外しておきましょう。
ステップ③.タイトルをつける
グループ分けしたアイデアにタイトルをつけます。
タイトルは、グループの内容がわかるような要約にしましょう。
ステップ④.分類を視覚化する
続いては、グループ同士がどのような関係性にあるのかをわかりやすくするために、矢印や記号を用いて分類を視覚化します。
ステップ⑤.アイデアを文章化する
そして最後に、視覚化したアイデアを文章に落とし込みます。
まとめ
KJ法は考えをまとめたり、アイデアを創出するのに役立つものです。
ただしメンバーの関係性によっては有効に機能しないものもありますので、注意が必要です。
効果的にKJ法を活用しましょう。