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【計算式あり】付加価値生産性とは?目安と高め方も解説!

付加価値生産性

付加価値とは、生産によって新たに加えられた価値を示しており、売上高から原材料費などの諸費用を除いたものです。

また、生産性とは「労働者一人あたりが生み出した成果」とされており、企業がどれくらい効率的に価値を生み出せたかを評価するものです。

つまり、「付加価値生産性」が高ければ、市場に質の高いモノやサービスを提供していることになります。

本記事では、付加価値生産性の意味や高め方などを解説していきます。

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付加価値生産性とは?注目される背景も解説

生産性は「労働者一人あたりが生み出した成果」を意味しますが、付加価値生産性は下記の計算式で算出できます。

付加価値生産性=付加価値額÷労働量

つまり、付加価値労働生産性は「労働者一人あたりが生み出した付加価値」を表しており、値が高ければ高いほど優れた企業と言えます。

特に、日本では少子高齢化が進むに連れて労働人口が減ると考えられているので、付加価値生産性を高めることは非常に重要です。

日本生産性本部の調査によると、2020年の日本の就業者1人あたりが生みだす付加価値は、米国の55.6%にとどまっており、日本は「労働生産性が低い」という課題があります。

企業だけでなく、国力の衰退を防ぐためにも、優秀な人材が生産性の高い仕事に集中できるような環境を整えることが重要と言えるでしょう。

付加価値の算出法|控除法

控除法は「中小企業方式」とも呼ばれている、付加価値を算出するための計算方法です。

下記のように、売上高から原料の仕入れの価値を差し引くことによって付加価値を算出します。

付加価値=売上高-外部購入価値

なお、後述する加算法のほうが、一般的に広く使われています。

付加価値の算出法|加算法

加算法は「日銀方式」とも呼ばれる付加価値の算出法で、下記の計算式で算出します。

付加価値=経常利益+人件費+賃借料+減価償却費+金融費用+租税公課

控除法とは異なり、加算法では「付加価値は製造過程で積み上げられていく」と考えています。

商品の加工はもちろん、サービス提供などでも付加価値は伴っていることから、加算法を用いて付加価値を算出するのが一般的です。

関連記事:【簡単に】生産性とは?意味と定義、計算方法までをわかりやすく解説!

生産性の2つの指標

付加価値生産性は「生産性」の指標のうち、付加価値に着目した見方です。

ここでは、付加価値生産性と並ぶもう一つの指標として、生産量に着目した「物的生産性」も合わせて、それぞれの計算式を見ていきましょう。

物的生産性

物的生産性は、下記の4つの計算式で算出されます。

  • 労働生産性(1人当たり)=生産量÷労働者数
  • 労働生産性(1時間当たり)=生産量÷労働者数×労働時間
  • 資本生産性=生産量÷資本ストック量
  • 全要素生産性=生産量÷(労働+資本+原材料等)

いずれの数値も、値が高ければ高いほど「効率よく仕事ができている」ことを意味します。

生産物の価格は物価変動などの影響などで常に変動するので、純粋な生産効率を測る際には金額ではなく物量を単位として生産性を測定します。

生産能力や生産効率の推移を把握したいときも、物的生産性が利用されます。

付加価値生産性

付加価値生産性は、下記の4つの計算式で算出されます。

  • 労働生産性(1人当たり)=付加価値額÷労働者数
  • 労働生産性(1時間当たり)=付加価値額÷労働者数×労働時間
  • 資本生産性=付加価値額÷資本ストック量
  • 全要素生産性=付加価値額÷(労働+資本+原材料等)

物的生産性では生産量を計算の対象としているのに対し、付加価値生産性では付加価値を軸に計算をしています。

一般的に、企業は原材料などを加工したり販売する過程で付加価値を生み出しています。

付加価値は、人件費として労働に分配されたり、利益や配当などの形で資本にも分配されることから、生産性を測定する上で付加価値生産性も重要な指標です。

関連記事:生産性向上の本質とは?メリットや施策、注意するべきポイントを解説

付加価値生産性を高める5つの方法

当然のことながら、企業としては付加価値生産性を高めた方が収益が高まります。

付加価値生産性を高めるための方法を紹介していきますので、参考にしてください。

業務内容・時間の可視化

個人の業務内容と業務の時間を可視化することで、付加価値生産性を高められます。

個人の業務内容を可視化し、業務の優先順位を確認したり、必要に応じて業務改善を行うことで業務効率性が高まるためです。

また、時間(タイムマネジメント)を可視化し、業務達成までの目標時間を設定することで生産性向上が期待できます。

振り返りの際に無駄を見つけることができるので、業務の質や正確性もアップするでしょう。

業務の平準化

同じ業務や作業であっても、担当者レベルでクオリティや早さは異なります。

特に、仕事のルールやマニュアルが定まっていない場合は、工数や品質に大きく差が出てしまいます。

そのため、業務を平準化し「誰がやってもクオリティは変わらない」ようにすることで、業務生産性は高まるでしょう。

具体的には、効率的な手法をルールやマニュアルに落とし込むことで、業務が平準化できるようになります。

業務の自動化・効率化

単純作業を自動化するなど、IT化を進めることも有効な手段となります。

製造関係の設備投資を行うだけでなく、勤怠管理なども自動化できれば、マンパワーを有効活用できるようになるでしょう。

AIやロボットを導入することで業務生産性が高まる効果が期待できるため、最新技術の動向にも注意を払いましょう。

個人のスキルアップ

社員個人がスキルアップをすることも、生産性向上に繋がります。

一日の労働時間の中でパフォーマンスを高めるためには、効率よく仕事を進めるためのスキルが欠かせません。

例えば、パソコン業務を主としている社員であれば、ブラインドタッチやプログラミングを習得することが挙げられます。

実務的なスキルの他にも、自分の意志を正確に伝えるコミュニケーションスキルも立派なスキルです。

生産性向上のためのスキルは部署によって異なる上に多岐に渡るので、研修を実施するなどして社員のスキルアップを進めていきましょう。

DX化の推進

DXとは、デジタルトランスフォーメーションのことです。

DXには、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに合致した製品やサービスを生み出す意味があります。

他にも、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するという意味も含んでいます。

DX化を進めて、既存ビジネスにデジタルを組み込むことで企業競争力の向上に繋がります。

また、アナログな作業からデジタル技術を導入した作業に置き替えることで業務効率化ができ、生産性が向上するでしょう。

関連記事:【簡単に】DX(デジタルトランスフォーメーション)化とは?わかりやすく解説!なぜ今DXを推進するのか?

付加価値生産性の活用方法

付加価値生産性を分析をすることで、企業が抱えている生産性の問題を把握できます。  

つまり、効率化できていない部分を発見でき、的確な改善方法を図れるようになるわけです。

企業には、ヒト・モノ・カネという限られた経営資産がありますが、各資源を効率的に使用することで、企業収益が高まり企業価値の上昇にも繋がります。

例えば、モノ(設備)の場合を見てみると、行った投資投資に見合うだけの生産性が確保できているかを把握でき、ヒト(社員)の場合で見てみると、パフォーマンスの低い社員を把握できるようになります。

上記のような課題を把握し、適切な改善方法を施すといったことに、付加価値生産性分析は大きく寄与するでしょう。

コストカットをすることも重要ですが、限られた資源を活用できるようにするためにも、付加価値生産性の分析は欠かせません。

[まとめ]今後の日本企業には必須

公益財団法人日本生産性本部の調査によると、2017年の日本の付加価値生産性はOECD加盟国36ヵ国中20位という結果でした。

また、主要先進7ヵ国の中では最下位という状態が続いており、日本の労働生産性の向上は喫緊の課題と言えます。

さらに、今後日本では少子高齢化が進み、労働人口が減少していきます。

そのため、今後の日本企業は付加価値生産性を見直し、必要に応じて改善することが重要となります。

市場から淘汰されない企業になるためにも、生産性を高めることは非常に重要なので、様々な面から生産性の見直しを実施してみてください。

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