2019/11/29

話せるだけでは通用しない ビジネスパーソンに英語が必要な本当の理由とは

外資系企業のみならず、日系企業においても、今後、出世のためには英語がますます必要になっていくと考えられます。
その理由として、私たちをとりまく3つの変化が挙げられます。すなわち、人口構造、経済環境、労働環境の変化です。

 

人口構造の変化

 

1つ目は、人口構造の変化です。周知の事実ですが、少子高齢化により、日本の若者が減っています。
企業の永続的な発展のためには、優秀な人材を採用し続ける必要がありますが、その対象を日本人に限っていては、いずれ行き詰まってしまいます。そのため、海外の優秀な若者の獲得を進める企業が増加していくでしょう。

現時点では、日本語を話せる外国人のみを採用している会社も多くあります。しかし、このような制約の設定も、長くは続けられません。
欧米はもちろん、アジアやインドで勢いのあるテック企業などには、非常に高い条件を提示して採用活動を行っている企業もあります。給料が高く、英語が通じる企業があるならば、わざわざ日本語を話さなければならない企業を選ぶ必要がないからです。
日本は総人口が減っていることから、市場としての魅力も低下しています。海外の学生は、外国語学習において、日本語を学ぶ時間があるのなら、市場の大きな中国語の勉強を選択するほうが自然と言えます。

日本国内でも、英語を社内公用語する企業が増えているのは、人材獲得が大きな目的です。これらの会社では、新卒枠でも積極的に外国人を採用しています。
今後、自分の部下が外国人ばかりになる可能性もあります。外国人の部下をマネジメントできるかどうかも、今後のビジネスパーソンにとって求められるスキルになっていくでしょう。

 

経済環境の変化

 

2つ目は、経済環境の変化です。新たなテクノロジーの進展により、古くからのビジネスモデルが覆されつつあります。
UberやAirbnbといった、デジタル・ディスラプターと呼ばれる企業は、タクシーやホテルといった既存のビジネスにデジタルツールを取り入れることで、新たなCtoCのビジネスモデルを作り上げました。
日本でも、大手損害保険会社が介護事業を買収し、それまで保険業務に従事していた社員を介護事業に転籍させる大規模なリストラを行ったことで話題となりました。その背景には、自動運転技術の進展によって、自動車保険市場の縮小が見込まれるという、差し迫った脅威への危機感があります。
イギリスでの産業革命の際には、蒸気機関というテクノロジーの出現により、それまで手作業だった仕事が機械化されました。これにより、手工業職人が機械を壊す、打ち壊し運動が盛んに行われたといいます。
現在は、第四次産業革命と呼ばれる、AIやビッグデータなどの新技術の時代への変革期にあります。これらのテクノロジーを利用したサービスにより、企業活動や私たちの生活はより豊かになりつつあるため、身の回りのコンピュータを「打ち壊し」したところで、この流れは止められません。
この激動の時代を勝ち抜くために、多くの企業では、これまでの戦い方をゼロベースで考え直す必要があるでしょう。そして、既存事業の見直しや、新たなテクノロジーを活用した新規事業の立案においては、従前の考え方にとらわれずに発想し、革新的、独創的なアイデアが必要とされます。そのため、現在、外国人を含めたダイバーシティ採用が増加しつつあります。

実績のある外国人を幹部採用する例も増えています。上司が突然、外国人になるかもしれないということです。
外国人上司に対して、英語の原稿を暗記してプレゼンしたものの、その後の質疑応答でタジタジになってしまった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。ロジックと熱意が伝わる生きた英語の必要性を痛感します。

 

労働環境の変化

 

3つ目は、労働環境の変化です。
総務省の調査によると、日本の転職者数は8年連続で増加しています。雇用が流動化しつつあり、中には、プロジェクト単位で働き、数年ごとに会社を渡り歩く人もいます。
さらに、2020年4月の改正パートタイム・有期雇用法等の施行(中小企業への適用開始は2021年4月)により、雇用の流動化は一層加速すると考えられます。「同一労働同一賃金」が徹底されるためです。これは、同一企業における、無期雇用・フルタイムの正社員と、有期雇用・派遣・パートといった非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。同じ業務に従事するのであれば、正規・非正規にかかわらず同じ賃金が支払わられるようになるものです。
企業は、同じ賃金を支払うのであれば、無期雇用より、業績等に応じて柔軟に契約を切れる、有期雇用の労働者を採用したいと考えるのが合理的です。これにより正社員採用が減り、有期雇用の契約社員が増え、勤続年数の短期化が進む可能性があります。
これはもちろん、日本人の労働者のみならず、日本企業で働く外国人も対象となります。外国人の部下や上司と、短期間で深いコミュニケーションをとる必要性が増すこととなるでしょう。語学力の不足を、長年一緒にいることで生まれる「あうんの呼吸」で補うことはできないのです。

 

心を動かすコミュニケーション

 

筆者が、同僚の中国人・ベトナム人と日本語でミーティングをしていたときの話です。議論が紛糾し、同僚の声色が徐々に怒鳴り声の域に達するなど、会議室内は泥沼と化していました。終了時刻が迫り、平行線のまま終わってしまうのではないかと絶望しかけていました。
その時、私はふと、そのプロジェクトの目的と、それを一緒に実現したいという素直な思いを、シンプルな英語で話してみました。私の英語はお世辞にも上手とは言えないものでしたが、その言葉は同僚の腹の中にもすとんと落ちたようで、それまでとはうってかわって、落ち着いた議論を再開することができました。
日本語を母語としない外国人にとって、日本語は非常に難しいと言われています。この会議室での出来事は、世界の公用語である英語が持つ力を肌で感じる瞬間でした。
同時に、一緒に目標を達成したいという思いを伝えたことが、彼の心を動かしたのだとも思います。

ここまで、英語の必要性が増してきているビジネス環境についてご説明してきました。あわせて、上司や部下を動かすためには、最終的には、彼ら彼女らの心を動かす必要があるというシンプルな事実も見逃せません。
たとえば、優秀な外国人の部下に活躍してもらうためには、単純な業務指示だけではなく、ビジョンを描き、それが社会にも、会社にも、あなたにもメリットをもたらすのだとモチベートできる英語力が必要でしょう。
さらに、そもそもコミュニケーションの基礎は信頼関係です。多様な文化的背景を持つ外国人と心を通わせるためには、様々な違いを受け止め、歩み寄り、認めることで信頼を築いていけるような、人格の成熟が最も重要だと言えるでしょう。様々な国を訪れたり、本を読んだり、また、普段とは違うコミュニティを作るなどして様々な人と接したりすることで、見識を深め、人間の幅を広げていく必要性も高まっていると言えるかもしれません。
そうして醸成した人格と、それを表現するための英語力があれば、出世の道は自ずと開いていくかもしれません。

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