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社内公募とは?メリットとデメリット、運用の注意点を解説

社内公募とは?メリットとデメリット、運用の注意点を解説

突然ですが、このようなことを感じてはいませんか?

  • 「社内公募制度ってどんな制度だろう?」
  • 「社内公募制度のメリットやデメリットってなに?」
  • 「社内公募制度をうまく運用する際の注意点が知りたい」

近年、社内公募制度を導入する企業が増えてきており、注目度が高まりつつあります。

社内公募制度は、人材を求める部署が組織内で募集をして社員を採用する制度ですが、その詳細については、正確に理解している人はあまり多くありません。

外部から採用するわけではない点が特徴であり、そこには数々のメリットとデメリットがあることを把握しておく必要があります。

この記事では社内公募制度のメリット・デメリット、導入する際の注意点などを解説していきます。ぜひ社内公募を正しく理解することで、導入の参考にしてみてください。

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社内公募とは?

社内公募とは、人事異動制度の1つです。

社内公募制度では、組織内で人材が必要な部署が組織内で募集をして、応募してきた従業員のなかから人材を選びます。新卒や中途採用者など、社外からの人材を採用するときと同じように、面接や書類選考を行って採用する人材を決定します。

その役職に就きたいという意思がある従業員が集まるため、半ば強制的に行われる人事異動とは異なり、モチベーションが高い人材が集まることが特徴です。社内公募で集められる役職に決まった条件はなく、短期的なプロジェクトから、長期的なものまで様々なものがあります。

しかし、募集されるポジションによっては、持っている資格や勤続年数などが条件として加わることがあるうえに、面接や書類選考が行われるため、希望者全員が採用されるわけではありません。

社内公募と異動はどのように違うのか

「異動」という言葉は、社内公募と混同されがちですが、どのような点で異なっているのでしょうか? ここではこの2つの違いについて解説します。

簡単に言うと、両者の違いは「本人の意志によるかどうか」という点です。

一般的な人事異動では、上司や人事部門がポストの状況や社員の実績などを鑑みて、一方的な命令というかたちで、本人の意志に関係なくポジションが決まります。

しかし社内公募では、社員からの希望というかたちで行われ、本人の意欲が重視される仕組みになっているのです。したがって、希望していない業務に就いたり、今の部署で継続して働きたいのに強制的に異動させられる、ということはありません。

社内公募の注目が集まっている理由

今、社内公募が注目されている理由は、従業員の適材適所な人材活用ができることと、モチベーションの向上につながるためです。

従来までの一方的な人事異動では、本人の意志とは関係なく役職を押し付けることになるため、モチベーションの低下どころか、社員が会社を辞めてしまうことまでありました。

そのようなことを無くすためにも、いま社内公募を導入する企業が増えているのです。

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社内公募制度を導入することで得られるメリット

社内公募制度を導入することで、企業は具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか?

ここでは下記の5つに分けて解説していきます。

  • 従業員のモチベーション向上につながる
  • 優秀な人材の流出を防ぐことができる
  • 従業員の定着率が向上する
  • 社外から人材を募集するより採用コストを下げられる
  • 職場環境の改善につながり組織のパフォーマンスが上がる

従業員のモチベーション向上につながる

一般的な人事異動では本人に決定権はなく、会社が決めたポジションを一方的に与えられます。となると、自分で望んで異動したわけではないので、比較的受け身な姿勢で仕事に取り組むことになるでしょう。

しかし、社内公募制度で人材を募ることで、従業員は自らの意思をもってその役職に就くことになるので、「従業員が自分で勝ち取ったポジション」に就くことになります。その結果、その役職での仕事に意欲的に取り組むことができ、モチベーションの向上につながります。

また、優秀な従業員ほど、さまざまな仕事を経験できて自分が成長できる場を望む傾向があり、キャリアアップに前向きです。優秀な社員のモチベーションアップにつなげられるというメリットは、組織としてはかなり大きいのではないでしょうか。

優秀な人材の流出を防ぐことができる

優秀な人材は、自分のやりたい仕事や職種があり、それが自社でできないならやりたいことができる会社への転職を検討するのが一般的です。

しかし、社内公募をすることで、自分のしたい仕事がある従業員に対し、それを叶えられる環境を構築できます。

終身雇用制度がまだ機能していた時代ならまだしも、近年では正社員でも安心というわけではなくなってきています。そのなかで、キャリアアップのために転職する正社員は少なくありません。

このような環境において、従業員が希望するキャリアを築ける環境を提供することは、優秀な社員はもちろん、従業員全体の定着率向上につながります。これは企業のノウハウ蓄積とそれを活かした企業の成長にも重要な要素です。

社外から人材を募集するより採用コストを下げられる

社内公募は、社外から人材を募るよりも採用コストを下げられる点が魅力でもあります。

社外から新たに人材を採用するとなると、そこには求人広告をつくる費用や転職エージェントサービスの手数料など多くのコストがかかります。しかし、社内公募であればそのようなお金がほとんどかかりません。

また、企業文化や社風が共有できているため、採用後に「会社になじめなかった」という事態を避けられるため、即戦力として活躍が期待できます。

職場環境の改善につながり組織のパフォーマンスが上がる

社員が社内公募への応募を検討する際は、異動後にどのような業務をするのかを最も重要視しています。しかしこれ以外にも、移動先の部署ではどのような上司のもとで仕事をするのかや、管理職のマネジメントスキルはどの程度なのかといった視点でも検討します。

つまり、該当部署にいる上司の評判が悪かったり、マネジメント能力に不安がある部署からの社内公募は不人気になってしまいます。この結果、管理職は緊張感を持つようになり、職場環境の改善につながるのです。

そして、環境が良くなればそこで働くメンバーもいきいきと仕事ができるようになるため、組織のパフォーマンスが底上げされるようになります。

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社内公募制度を導入することで生じるデメリット

社内公募にはさまざまなメリットがあることがわかりましたが、もちろんデメリットも存在します。

ここでは下記の4つに分けてデメリットを解説していきます。

  • 人間関係の悪化が懸念される
  • 不採用の際にモチベーションが下がる
  • 制度運用に負担やコストがかかる
  • 適材適所による弊害が生じる

人間関係の悪化が懸念される

社内公募では、本人の希望で人事異動が行われます。本人は自身の成長のために希望しているとしても、もともとの部署の上司からするとあまり良い気持ちはしません。なぜなら、上司の目からは、自分の部署から離れたがっているように映るからです。

これにより、社内公募を希望した社員と上司との関係が悪化する可能性があります。したがって、社内公募を行う際は、誰がどの部署へ異動を望んでいるかということは広く公開することはせず、社内公募情報の取り扱いには注意が必要です。

また、希望した社員が異動できなかった場合、上司とは以前のような関係に戻ることはないかもしれません。さらに、異動先の部署ともともといた部署間での対立や不和が生じる可能性もあります。

不採用の際にモチベーションが下がる

社内公募のメリットは、意欲の高い人材を採用できる点ですが、それは採用された場合のメリットです。

社内公募では一般的な人材の採用と同じように、面接や書類選考が行われるため、採用されない社員もでてきます。不採用になった社員にとってはやりたい仕事ができなかった失望感と、不採用により自信を持てなくなるかもしれません。

この結果、モチベーションが大きく下がってしまうというデメリットがあります。

制度運用に負担やコストがかかる

社内公募制度を運用するには、人事部にさまざまな負担やコストがかかります。

一般的な人事異動であれば、組織と各部署のトップと人事部がいれば決めることもできたため、それほど複雑なステップを踏まずに済んでいました。しかし、社内公募を実施するとなると、そうはいきません。

社内で人材の募集から選考を行うため、一般的な採用フローと同様の負担がかかります。また異動を希望する社員が多ければ、それだけ業務も増加します。

適材適所による弊害が生じる

社内公募では、社内でやりたい仕事がある社員と、その役職をマッチさせられるため適材適所な人材活用ができることがメリットです。しかし、これがかえって組織全体でみたときにデメリットとなることがあります。

なぜなら、本来なら人事異動は組織全体を俯瞰して、バランスを考慮して決めるべきだからです。

しかし、社内公募では組織内の一部分での適材適所はできても、組織全体としては全く不適格な異動になってしまうこともあります。

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社内公募制度を効果的に運用するためのポイント

社内公募制度を効果的に運用するためのポイントが下記の4つです。

  • 応募状況の扱いに気をつける
  • 応募条件を厳密に設定する
  • 異動後のフォローアップを欠かさない
  • 上司の意見もある程度聞き入れる

それでは1つずつ解説していきます。

応募状況の扱いに気をつける

「社内公募で生じるデメリット」で解説しましたが、社内公募にエントリーしていることが上司や部署に広く知れ渡ると、人間関係が悪化する可能性があります。このようなことにならないためにも、応募状況の扱いには気をつけなければなりません。

また、もし不採用になった場合もモチベーション低下につながることがあるため、周りに知られないようにする必要があります。

しかし、直属の上司には必ず知らせる必要があるため、注意しましょう。

応募条件を厳密に設定する

社内公募では社員のキャリアアップや、組織全体のパフォーマンスの向上であるため、応募条件が緩すぎる場合、これらに寄与することができません。

したがって、応募条件はある程度厳密に決める必要があります。社内公募は誰でもエントリーが可能なので、社員の成長につなげるためにも厳しくしておきましょう。

異動後のフォローアップを欠かさない

社内公募では異動が済めばそれで終わりというわけではありません。異動後に部署のメンバーと良好な人間関係を築けているかや、しっかり仕事がこなせているかなどを、本人や上司とのやり取りを通じてフォローアップを欠かさないようにしましょう。

異動した社員が部署でうまくやれないようなら、その原因を一緒に考えたり、解決に向けてアシストする必要があります。もしフォローアップがなければ、その後の社内公募にも悪影響があるため、十分な支援をするべきです。

上司の意見もある程度聞き入れる

社員が移動する際は、もともといた部署の上司が部署から人材が出ていくことに難色を示すことがあります。この際、こういったネガティブな反応を無視することは、避けるべきです。

ネガティブな反応に対しては無視するのではなく、ある程度受け入れておきましょう。しかし、受け入れすぎると社内公募制度に差し障りがあるため、ほどほどに意見を聞いておくことが重要です。

社内公募で採用が決まった後に、上司の意見のせいで異動が白紙になるという事態が頻発すれば、社内公募制度が形骸化してしまいます。そうならないためにも社内公募に関するルール作りを先にしておきましょう。明確なルールがあることで、社内公募が社内に定着するようになります。

社内公募を導入して企業のパフォーマンスを向上させよう

今回解説したように、社内公募はさまざまなメリットがあるため、近年注目されています。その一方でデメリットもあり、運用にはいくつかの注意点やポイントがあり、把握しておかなければなりません。

また、どのような企業でも社内公募をすればすぐに人材が集まるわけではなく、社員が意欲的に動く企業文化がなければ難しいでしょう。

しかし、適切に運用していくことができれば、採用のコストカットや社員のモチベーションアップなど、組織の成長につながる多くのメリットを享受できます。

社内公募のメリットとデメリット、そして運用の注意点への理解を深めた上で、自社への導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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