コミュニケーション能力について、あなたはこのように感じてはいませんか?
- 「コミュニケーション能力を高めたい…」
- 「なぜ面接ではコミュニケーション能力が問われるの?」
- 「仕事で円滑に人と接するにはどうすればいい?」
このように、昔から現在に至るまで、コミュニケーション能力は様々な場面のなかで必要とされてきました。また、会社や社会からも常に求められるものであるため、悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、コミュニケーション能力について
- 大切な理由
- 上手な人が意識していること
- 能力を上げる方法
を解説していきますので、ぜひ、ビジネスにお役立てください。
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コミュニケーション能力とは?
コミュニケーション能力は、対人関係においてスムーズな意思疎通や情報共有ができる能力をいいます。
「コミュニケーション能力を上げたい、身につけたい」と考える人はたくさんいますが、そもそもコミュニケーションとはどのようなものなのかを理解していなければ、正しい能力は身につきません。
コミュニケーションの本質は双方向のやり取り
多くの人は、コミュニケーション能力のことを「上手に喋ることができる能力」と思いがちです。しかし、この認識だとコミュニケーションは「一方的」になってしまいます。本来は自分と相手との「双方向のやり取り」であることを忘れてはなりません。
したがって「喋るのが上手い人」は必ずしも能力が高い人とは限らないのです。例えば、喋るのが上手でも人の話をまったく聞かない人がいた場合、その人はコミュニケーション能力が高いのではなく「ただ喋るのが上手い人」ということになります。
コミュニケーションにおいては「自分の意見や考え、イメージなどの情報をうまく伝えられる能力」と「相手の情報をうまく的確に受け止められる能力」の双方が重要です。
人生を左右するコミュニケーション能力
このようなコミュニケーション能力は人生を左右する、というと言い過ぎだと感じるかもしれません。
しかし、私達は一日におよそ8時間以上も人との会話などのコミュニケーションに時間を使っていることがわかっています。一日に8時間眠るとして、残りの時間が16時間だとすると、その半分を人との交流に費やしていることになります。
さらにハーバードビジネススクールは、コミュニケーションが上手な人とそうではない人の年収を調べた結果、上手な人はそうではない人に比べておよそ2倍の年収を稼いでいたことが明らかになったのです。
このように聞くと「コミュニケーション能力は人生を左右する」と言っても過言ではない、そう感じませんか?
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2018年に日本経済団体連合会がおよそ600社にアンケートを実施した「新卒採用に関するアンケート調査」では、「選考にあたって特に重視した点」という項目で最も多かったのが「コミュニケーション能力」でした。さらに、この結果は16年連続変わっていないことも驚きです。
(参考:2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果)
このように、ビジネスの世界では常にコミュニケーション能力が高い人材が求められてきました。なぜ、ここまでこの能力が求められるでしょうか?
その理由は、ビジネスとは人と人とが協力したり、取引を行って進めていくものだからです。人と全く関わらずに完結する仕事はこの世に存在しません。
協力して仕事を進めるべき相手の言っていることがよくわからなかったり、信用できなければまともに仕事を進めることはできません。また、大きなお金が動く取引においても、最終的には「相手が信用できるか?」といったことが重要になるため、取引先との信頼関係を構築することが求められます。
そうなると、必然的にコミュニケーション能力はなくてはならない素質となるでしょう。このような理由から、企業が人を採用するときはこの能力を求めているのです。
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コミュニケーション能力が高い人が意識していること
コミュニケーションがうまい人は、具体的にどのようなことを意識しているのでしょうか? ここでは下記の3つを紹介します。
- 人に対して興味関心を持って接している
- 相手の気持ちを読み取る努力をしている
- 相手の話を聴くことに集中している
それでは1つずつ解説していきます。
人に対して興味関心を持って接している
まず、コミュニケーションがうまい人は、人への興味関心が人一倍強いという特徴があります。また、興味がなくても興味を持つように心がけて人と接するようにしています。
一方で、能力が乏しい人は興味の範囲が狭く、誰かと話しても相手には興味を持たず自分の興味があることについて話そうとしてしまいます。
人は自分を理解してくれる人や、自分の考えや意見をわかってくれる人に対して良い印象を抱くため、信頼関係を構築しやすくなるのです。だからこそ、能力が高い人は相手について知ろうという気持ちをもって接しています。
相手の気持ちを読み取る努力をしている
コミュニケーションが上手な人は、言語情報以外からも相手の考えや心理状態を読み取ろうとしています。一方で能力が低い人は、相手が言った言葉のみを参考に相手の考えを読み取ろうとします。
この違いは、「人との交流を可能にする道具は言葉だけではない」ということを教えてくれます。つまり、コミュニケーションには言葉という言語情報と、表情や視線といった非言語表現の2種類があり、能力が高い人はどちらの表現からも相手を分析しているのです。
例えば一緒に仕事をしている人が「疲れてないよ」と言ったとします。この時、言語情報だけを鵜呑みにすると「この人はまだ疲れていないんだな」と判断することになりますよね。しかし、声に元気がなかったり、表情が疲れている場合はその非言語情報を読み取ることで、「この人は無理をしているんだな」と判断することができます。
このように相手の状態を正しく読み取ることで、その後に相手のためになる対応ができるのです。また、相手の状態を読み取るには相手に興味を持っていなければできないため、やはり相手への興味関心は最も基本的なことだといえます。
相手の話を聴くことに集中している
多くの人は「コミュニケーション能力を上げる=上手に話せるようになる」という認識をしています。しかし、繰り返しになりますが、コミュニケーションはお互いのやり取りによって成立するものです。
したがって能力が高い人は、意識的に相手の話を聴くことに集中しています。このように話を聴くことは、心理学やカウンセリングの世界では「傾聴」というスキルとして一般的に用いられています。
能力を高めるには、次から次へと話せるようになる必要はありません。それよりも大切なのは相手が話したいことを察知して、それを気持ちよく話してもらい、集中して聴くことです。
その後は相手が言ったことをオウム返しをするように返してあげることで、さらに相手は自分の話を聞いてくれていると感じて、あなたのことを信用するようになります。このようなオウム返しをするテクニックをラポールの世界では「バックトラッキング」といいます。
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ラポールとは?「ビジネスの成果につながる信頼関係」を作るテクニックを解説2種類あるコミュニケーションを理解する
先程も軽く説明しましたが、コミュニケーションには下記の2種類があり、この2つを正しく理解しておくことが能力を高める上では重要になります。
- バーバル・コミュニケーション
- ノンバーバル・コミュニケーション
それでは1つずつ解説していきます。
バーバル・コミュニケーション…言語情報
バーバル・コミュニケーションとは言語情報を用いたものを指しています。
言語情報とは私たちが普段使っている言葉のことで、言葉を使った会話やこの記事のような文章もバーバル・コミュニケーションに該当します。
コミュニケーション能力が低い人は言語情報のみを頼りに人と接することが多く、相手が発した言葉の裏にどのような真意や意図があるのかを察せないため、信頼関係をうまく構築できません。
ノンバーバル・コミュニケーション…非言語情報
一方で、ノンバーバル・コミュニケーションは、言語情報以外の下記のような情報を用いたものを指しています。
- 視線
- 表情
- 声色
- ジェスチャー
コミュニケーションが上手な人は、こういった非言語情報を読み取ることを意識しています。なぜなら、人は言葉のうえではウソや真意を隠すことができても、表情や姿勢といった非言語情報では本当の気持ちが表出してしまうからです。
また、自分から何か意見を伝える際も、非言語情報を駆使して伝えます。言語情報のみでは伝えたいことのすべてを伝えることは難しいからです。実際、人はどのように人のメッセージから影響を受けるかを研究したメラビアンの法則では、言語情報から受ける影響の割合ははたったの7%しかないことがわかっています。
対して目から入る視覚情報から受ける影響の割合は50%以上もあるのです。つまり、目線や身振り手振り、服装など目で見てわかる情報の方が、言葉よりも影響力が強いということです。
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コミュニケーションを円滑にする方法を徹底解説!ビジネスで役立つコミュニケーション能力を高める方法
コミュニケーション能力は、ビジネスに限らず日常生活でも求められる能力です。しかし、誰しもがその能力を持っているわけではありません。
そこで、ここからは今からでも能力を向上させられる方法を解説していきます。ここで紹介するのは下記の3つの方法です。
- ピンポンルールを使う
- 結論から先に話す
- ホウレンソウを徹底する
それでは1つずつ解説していきます。
ピンポンルールを使う
良いコミュニケーションの必須条件は、お互いに喋る時間と話を聴く時間が同じくらいであることです。一方が話しすぎても良くないし、かといって話さずに相手の話を聴くだけでもコミュニケーションは成り立ちません。
では、話す時間と聴く時間はどのくらいの割合が良いのでしょうか?
実は、すでにコミュニケーション能力が高い人を対象にした研究で、その答えが明らかになっています。それが「ピンポンルール」と呼ばれるものです。
このルールでは、一対一の会話では「会話は6~4割でお互いに話すと会話が盛り上がる」としています。
具体的にはあなたが6分喋ったら、次は4分黙って相手の話を聴く、というようにするということ。こうすることで、お互いに丁度いい量を話して聴くことができるため、コミュニケーションがうまくとれるのです。
しかし、話す量が6割以上になってしまったら、相手は「この人は自分の話を聞いていない」と感じてしまい、会話が弾みません。したがって、最大でも6割、少なくとも4割話して、残りは傾聴する時間としましょう。
結論から先に話す
何かを説明する際は、まずは結論から伝えるようにしましょう。
コミュニケーション能力を上げるには傾聴できる能力が重要ですが、それだけでなく、こちらから情報をわかりやすく相手に伝えるスキルも求められます。
例えば、ビジネスで取引先になにか説明をしなければならない場合、わかりやすく話すことができなければ相手からも「この人は大丈夫だろうか」と不信感を持たれてしまいます。
多くの場合、物事をわかりやすく説明できない人は、自分が理解した順から話そうとしてしまうものです。その結果、結論が一番最後に来てしまい、聞いている人は最後まで聞かなければ何の話か理解できず、回りくどい説明になってしまいます。
取引先の貴重な時間を奪わないようにするためにも、結論を一番最初に伝えて、次に理由、そして最後に根拠という順に説明することで、わかりやすく簡潔に説明することができます。
ホウレンソウを徹底する
ビジネスにおいてコミュニケーションの基本中の基本といえば「報告、連絡、相談」をまとめた「ホウレンソウ」です。
もし職場におけるコミュニケーションがうまくいかないのであれば、このホウレンソウを徹底することから始めましょう。しかし、毎回何かあるたびにホウレンソウをしていては、上司の時間を奪うことになってしまいます。
したがって、まず上司に伝える前に下記の5W1Hを使って、伝える内容を簡潔にまとめておきましょう。
- Who?(誰が?)
- What?(なにを?)
- When?(いつ?)
- Where?(どこで?)
- Wht?(何故?)
- How?(どのように?)
このように日常的にホウレンソウをしていくで、少しずつ物事の要点をわかりやすく伝えるコツがつかめてきます。
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まとめ コミュニケーション能力について
「コミュニケーション能力を高めたい」と焦る気持ちもわかりますが、そのまえにまずはコミュニケーションの本質を理解しておきましょう。コミュニケーションとは相手と自分の双方向のやり取りによって意思疎通を円滑に行うことです。
ただ喋るのがうまい人や、外交的な人のことをコミュニケーション能力が高いというわけではありません。
また、言語情報のみならず、非言語情報を読み取ったり活用することで、今よりもさらに人と上手に関わりを持つことができます。
そして、最も重要なことは相手に興味をもち、どうすれば相手のためになるかを考えて接することです。
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