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「やりたいこと」を優先する20代ほど、自分の可能性を狭めている!?

情報があふれる現代、「これだけは誰にも負けない専門性を磨け」「早くやりたいことを見つけろ」キャリアアップを目指せ」といった“こうあるべき”論に触れる機会は少なくありません。

しかし、世の中の“しさに引っ張られるほど、かえって身動きが取りづらくなったり、自分の可能性を自分で狭めてしまったりすることもあります。

本記事では、視聴者から寄せられたお悩み相談を起点に、「可能性を狭めない考え方」と「まず、やれと言われたことをやり切る」という姿勢について解説します。

就職・キャリア・成長といった言葉に振り回されそうなとき、意思決定をシンプルにするヒントとしてご覧ください。

20代にあえて伝えるなら:「やりたい」より先に“やれと言われたことをやる”

ー 今回のテーマは「20代のうちに経験しておいた方がいいことって、何なのでしょうか?」です。

よく本などで、「これだけは誰にも負けない」という核となる専門スキルや知識を、一つ徹底的に磨き上げることが大事だという記述を見かけます。

これについてはどう思われますか?

吉原:別に磨きたければ磨けばいいと思います。

ただ、そのスキルを磨いたからといって自分のやりたいことがまた変わるかもしれませんよね。

ー そうなんですよね。

吉原:「これが自分は得意なんだ」といった今の思い込みに、逆に囚われてしまっても意味がありません。

可能性というのは無限にあるわけですから、あまり決めつけないで進むことはとても大事だと思うんです。

20代の皆様にあえてお伝えするならば、少し誤解を恐れずに言いますが、「自分はこれをやりたい」という気持ちも大切ですが、「やりたい。やりたくない。」以前に「やれと言われたことを徹底的にやる」という姿勢を忘れないでほしいんです。

「これは本当は自分がやりたいことではなかったのに」といった感覚に、引っ張られないでほしいということが一つ。

さらに誤解を恐れずに言うならば、最初から大したことなんてできないわけですよ。

ー 学生生活で色々なことを経験していたとしても、社会人としての経験はまた別物ですからね。

吉原:こう言うと、「学生で起業している人もいるじゃないか」という意見もあるでしょう。

その人は自分で物事を進めるという強い思いを持っていたのでしょうし、それはそれで良いと思うんです。

ただ、すべての方に「起業家マインドを持て」と言うのは大きなお節介です。

あえて言うなら、まずは「やれと言われたことをやり切る」。

そうすることで、自分の可能性を狭めないでほしいんです。

ー なるほど。「可能性を狭めない」というのは、非常に気になる言葉ですね。

吉原:「自分は本当はこれがやりたいんだ」という思いが強すぎると、寄り好みをしてしまい、結果としてすごく仕事がしづらくなってしまいます。

まずは、やれと言われたことも何かのご縁だと捉えてみてください。

「えっ、これですか? 分かりました!」と引き受けて、一気にその仕事に集中すること。これをまずおすすめしたいですね。

そうして集中して取り組んでいくと、次第に「自分はこういうことが結構好きなんだな」とか「これは面白そうだ」「いや、これは自分にはずっと続けていけないな」といった感覚が生まれてきます。

まずはやってみることで生まれる「感覚」を、ぜひ積み重ねていってほしいんです。

自分の核となる思いや方向性は、そうしているうちになんとなく分かってくるものです。

最初から正解を見つけようとすると、頭でっかちになって行動がどんどん制限されてしまいます。

しかし、与えられた役割に集中すれば、強制的に経験が積み上がっていきます。

自分のやりたいことを決めるのは、その後でいいんです。

経験が積み重なった後に、自分のやりたいことや方向性、取るべきリスクをひっくるめて、改めて意思決定をしていく。

これが二つ目のポイントですね。

「上を目指さない」という生き方の尊重

ー 以前の動画でもお話しいただきましたが、「他者に評価(マルバツ)をつけてもらう」ことで、自分の中の何かが磨かれていく。

そういうプロセスが大切なのですね。

ところで、話題は変わりますが、私も社会人になりたての頃を思い出すと、上司から「リーダーになりたいです」と言うように促されるような雰囲気がありました。

「人の上に立つべきだ」といった空気感がありますが、全員がリーダーを目指したら大変なことになりますよね。

吉原:そうですね。起業家マインドを持つべきだ、といった話もそうです。

ー 志自体は素晴らしいと思いますが、全員がそこを目指さなくてもいいのではないかと。

吉原:私もそう思います。

「仕事をするならキャリアアップを目指すべきだ」「やりたいことを仕事にすべきだ」という意見もありますが、「放っておいてくれ」という感じですよね。

そういった周囲の声に振り回されて、「今の自分の働き方は良くないのではないか」と思い悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。

識学的な視点でお伝えするならば、もちろん「成長すること」からは目を背けないでほしい。

ただ、成長の「幅」や「度合い」は人それぞれなわけです。

「社長になろう」とか「管理職になるマインドを持て」といったことは、人それぞれの価値観によります。

誰かに強要されるものではありません。

吉原:私の知人のお父様の話ですが、その方は大きな会社に勤めていながら、ほとんど昇進することなく現場のまま定年退職を迎えられました。

その方はキャリアアップや、仕事で大きな責任を負って上に行くという感覚を持っていませんでした。

そういう考え方は僕はしないんだよ」とおっしゃっていたんですね。

では、何を大切にしていたかというと、与えられた仕事には全力で集中して取り組み、そしてほとんど毎日、定時で帰宅していました。

なぜなら、家族と一緒にご飯を食べたかったからです。

土日は必ずお子さんたちを連れて遊びに行っていました。

家族との時間を最優先にしたいから、仕事でのキャリアアップへの関心は薄かった。

私は個人的に、その方の生き方は素晴らしいなと思ったんです。

ー それぞれの価値観、ということですね。

吉原:そういうことです。

今は仕事に没頭してすべてを捧げたいと思っていても、年齢や生活環境の変化とともに、考え方が変わることもあります。

それを画一的に「上を目指さなければならない」といった価値観でまとめるような話はしたくないですね。

ー アイドルからママタレントになられた方のように、時間の経過とともにやりたいことが変化していく。

そういうことに近いかと思います。

吉原:置かれている環境や優先順位、そして識学的に言えば、所属するコミュニティ(家族、知人など)のどれを優先するかも、時間の流れとともに変わります。

その判断によって、行動もガラリと変わるはずです。

「こうあるべきだ」というプロパガンダのような大きな価値観で周囲を縛ろうとすることが、窮屈さを感じる一つの要因なのだと思います。

吉原さんは20代の頃、どんな会社員だった?

ー 最後の質問ですが、吉原さんご自身は20代の頃、どのような会社員だったのでしょうか?

吉原:私は大学卒業時の就職活動、1995年頃ですね。

ネットもようやく出始めたような時期で、今とは全く違う時代でした。

就職活動といえば、ハガキを200枚くらい書いて、企業説明会の申し込みを送るようなやり方だったんです。

ー ハガキ、ですか……。

吉原:ハ・ガ・キです!ハガキ!(笑)。わかりますか? 

ー 分かります!分かります!

吉原:先月まで金髪だった学生が、急に髪を黒く染めてハガキを書き始める。

当時はそれが当たり前でしたが、私はそれが手につかなくなってしまったんです。

自分が何をしたいのかも全く分からなかった。

学生のままでいれば言い訳ができますが、就職してしまったら言い訳ができません。

当時はまだ終身雇用のイメージが強く、転職も一般的ではありませんでした。

「ここで就職を決めてしまったら、自分の人生がどうなるか分かってしまう」という怖さを感じて、ハガキを書きながら「うわ、もうダメだ!」と、就職活動ができなくなってしまったんです。

ー そうだったのですね。

吉原:それが大学4年生の3月や4月のことでした。

今の感覚からすると、かなり遅いスタートですよね。

僕は今51歳ですが、これまでの人生で一番きつかった時期を聞かれたら、迷わず大学4年生の3月・4月頃から7月ぐらいまでの、「迷っていた期間」を挙げます。

本当に迷っちゃって……あそこが一番きつかったなと今でも思います。

それでどうしたかというと、「アメリカの大学院に行きたい」と考え、日本で1年間だけ留学浪人をしました。

「合格したら行く、ダメだったらアルバイトでも何でもして生きる」という覚悟でした。

結果、合格してアメリカに渡り、向こうで就職もしました。しかし28歳のときに9.11のテロが起き、ビザの関係で日本に帰国せざるを得なくなりました。

帰国後に日本で入ったのは教育系の会社でしたが、そこで待っていたのはやりたくもない電話営業などのゴリゴリの仕事でした。

「こんなことをするためにアメリカに行ったんじゃない」という葛藤もありましたね。

ー かなり泥臭い現場だったのですね。

吉原:でも、あるきっかけでその仕事と真剣に向き合うようになり、成績が出るようになりました。

すると、当時はあんなに嫌っていた「営業」というスキルが、その後の私の人生を助けてくれることになったんです。

「営業といえば吉原さん」と言われるまでになり、営業が得意になったことは自分にとって大きな財産になりました。

スタートラインは人より少し遅れてしまいましたが、今となってはそれも経験です。

— 少し一般的ではないスタートを切ったとしても、長い社会人生活の中でどういうふうに転ぶのか進むのか、本当に分からないっていうとこですね。

吉原:アメリカの大学院に行きたいと思った当時の私のTOEICスコアは、なんと230点でした。

適当にマークシートを埋めても取れるような点数です。

英語やアメリカに憧れはありましたが、それまで全く勉強をしていなかったんです。

だから周囲からは「あいつはバカなんじゃないの?」「就職から逃げているんじゃないの?」とも言われました。

留学予備校のカウンセラーさんからも「悪いこと言わないからやめたほうがいい」と止められるほど英語力が低かったのですが、「チャレンジしたい」と初めて本気で思ったことだったので、1年間だけ必死に勉強しました。

その時の私の意思決定ですが、「このままどこかに就職して、なんとなく管理職になってうまくいっている30歳の自分」と、「留学を目指した結果、すべてがうまくいかずにフリーターになっている30歳の自分」を天秤にかけてみたんです。

結果、「後者(プー太郎)になってもいいや」と思えました。言い訳ができないくらいコミットして勉強し、それでダメなら仕方がない。

でも、そこにチャレンジした経験があれば、その後の人生でもっと物事と向き合えるはずだ、と。

親にも頭を下げて経済的なサポートをお願いしました。後でしっかり返しましたが、それくらい必死でした。

ー ありがとうございます。…「ハガキ」が一番印象的でした。

吉原:そこかよ!(笑)

「新卒カード」よりも、物事を継続させること

ー スタートを切るとき、大学生の皆さんは「新卒カード」をとても大切にされていますし、もちろんそれは大事なことです。

ただ、これから何十年と働くわけですから、スタート地点ですべてが決まるわけではないかもしれないですね。

吉原:全然、何もないと思います。

ー ああ!すごく心強いお言葉です。

吉原:スタートがどうであれ、その後の物事をどう継続して動かしていくか。

結局、そこが最も重要なのではないかと思います。

まとめ

20代で無理に「正解」を見つける必要はありません。

むしろ、目の前の「やれと言われたこと」をやり切る経験の積み重ねが、進むべき道を示してくれます。

どこで始めたかではなく、始めた場所でどう物事を継続し、動かし続けるか。そのシンプルな思考こそが、可能性を広げる鍵となります。

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