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識学の採用代行サービスから学んだノウハウで人材確保に成功

地方都市のショッピングセンターで精肉販売業を営む岡本商店は、従業員が定年や結婚・出産などで退職しても後任は採用難の状況にあった。

そこで、組織マネジメントのコンサルティングとして導入していた識学の採用代行サービスの存在を知り、導入。

一連のノウハウを移植し自力で4名の採用に成功するとともに、採用者の離職を防ぐべく組織運営ルールの徹底を図り、定着にも成功している。

会社名有限会社岡本商店
所在地山口県柳井市南町4-5-3  ゆめタウン柳井店内
代表者名岡本裕樹
事業内容精肉の販売
企業サイトhttps://okamoto-syouten.jbplt.jp/
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採用した4名が全員退職

――識学の採用代行サービスを導入するまでは、どういった採用状況にあったのでしょうか?

従業員は定着してはいたのですが、高齢や結婚・出産などで退職されると、その後任の採用に苦戦していたのです。

方法としては、主に地元の派遣会社が運営している求人サイトや大手求人サイトなど、目についたものや営業を受けたものを一通りやってみました。

また、待遇など求人条件の検討や応募者への対応なども、人事担当者がいるわけではないので、すべて私がやっていたのです。

しかしながら、地方の精肉店のせいか応募者数は非常に少なく、手間やコストをかけてもなかなか採用できない状況が続いていました。

求人サイトの担当者に相談すると「地方や規模などの条件的に仕方がないですね」などと言われて、心が折れる思いでした。

――識学の採用代行サービスを導入された経緯とは?

当社は2022年9月に組織マネジメントコンサルティングとして識学を導入していたのですが、導入企業経営者のオフラインセミナーの際に知り合った経営者から「識学の採用代行サービスはいい」と聞いて初めて知ったのです。

早速、担当のコンサルタントに聞いて採用代行サービスの担当者を紹介してもらい、説明を聞きました。

その結果、識学という共通の考え方で採用に取り組める話の速さと、識学的な組織風土にマッチした人材を採用できそうな点に魅力を感じて、以前からの求人サイトなどをキャンセルして識学に依頼することにしたという経緯です。

識学の採用代行サービスは、識学側がコンサルティングや採用活動の設計などまでを行い、実際の求人サイトへの出稿や面接日程調整などの実務は採用企業側が行うタイプと、一切合切を識学側が代行するサービスに大別されます。

私は中途半端に終わらせたくなかったので、まずは後者の一括代行を依頼しました。その意図として、3か月という契約期間内に識学が代行する採用業務のノウハウを吸収し、契約期間後は自社で行えるようにするという狙いがあったためです。まさしくそういったノウハウを得たいと思っていましたから。

――やや横道にそれますが、組織マネジメントコンサルティングとして識学をご導入いただいた理由をお話しください。

私は家業の岡本商店で一従業員として働いていましたが、2018年4月に代表者である父親が急逝したのです。

健在であった先々代の代表者である祖父と、その日のうちに今後どうするかを話し、自分が後を継ぐしかないと決心しました。

そんな状態で経営について何もわからないところからスタートしたわけです。徐々に学んではいきましたが、従業員は先輩社員や親族ばかりで、いくら私が代表であっても方針などを聞き容れてもらえず、ナーナーな関係性が続いていました。

最初の数年は当時流行っていたモチベーションマネジメントを手当たり次第取り入れましたが、自分の業務ばかりが膨大に増えていくのに成果が出ないことに焦りを感じました。

ある日、これまで取り組んできたことと対極的な識学の存在を知って「こっちのほうが納得できる!」と、即座に導入を決めました。

PDCAを徹底して回す

――採用の話に戻します。実際に採用代行サービスを実施してどういった結果となりましたか?

2023年9月から12月末までの契約でスタートし、初月に5名の応募があり1名を採用できました。その後、10月から11月末までに計3名の応募者から2名を採用しました。

また、2024年1月にも応募があった1名を採用しました。

そこまでは良かったのですが、2月末までに採用した4名全員に辞められてしまったのです。

――その理由はわかりますか?

同業種でより職場が近いなどの条件が良いところに引き抜きがあったことや、給料の高いところに移られたことがあります。それと識学による「姿勢のルール」が不徹底であったことが考えられました。

面接の際にそういったルールで運営していると説明し、そこに一定の魅力を感じて入社してもらえた可能性があるのですが、実際に入社してみると従業員がルールを守らなくても咎められていないといった実態があったのです。

識学の採用コンサルタントからは「組織の底に穴が開いている状態。これではいくら入社をしても、早期離職が発生してしまいます」と指摘されました。識学を導入して丸一年が経ち、採用代行の結果も順調だったことで、気が緩んでいたのだと思います。

――そこからどのように手を打ったのでしょうか?

採用代行の契約をもう3か月延長し、やり直すことにしました。それとともに、姿勢のルールの再徹底などの修正を図りました。

しかしながら、おそらく時期や待遇の問題が大きかったと思いますが、その3か月間は目標の数字には届きませんでした。

識学の採用ノウハウは、何か特別なものがあるわけではなく、一定のスパンで応募者数などのKPIを設定し、求人メディアや職安など母集団をつくる様々なチャネルを活用し、KPIが未達ならその要因を分析して修正し、再度求人チャネルを活用するといったPDCAを回すというものです。

例えば、周辺の小売業の求人条件を調べ、給与金額がより低ければ負けないように改善するといったことです。

これをいかに徹底的に行うかが成否を分けるという、組織マネジメントにも共通する識学的な考え方を半年間で改めて学びました。

その結果、識学の採用代行の契約期間が切れた2024年4月に5~6名の応募者があり、その中から4名を採用できたのです。

採用ノウハウを移植できた安心感

――その要因として考えられることはありますか?

明確なことはわかりませんが、人が動く時期的な要因もあったのだろうと思っています。

しかしながら、それまでの3か月で識学の採用代行でも応募者がなかったのは、当社の条件に問題があったと考えるべきだと受け止めました。

そこで、私の報酬金額を見直して原資を捻出し、従業員の給与金額をベースアップして募集条件に反映させたのです。

一方、現場が緩んでいた要因として考えられた部長一人体制を見直しました。具体的には部長を課長に降格すると共に、メンバーを一名課長に昇格させて競争環境となるように組織図を再編しました。

苦しい決断でしたが、「組織の底の穴」は責任者であるトップの私にしか塞ぐことはできません。とにかく自責で捉えることから始めて、募集条件も社内環境も識学の原理原則に立ち返って取り組みました。

――採用した4名の働きぶりはいかがでしょうか?

成長速度には個人差がありますから、想定以上によく働いてくれている人も、環境に慣れるのに時間がかかる人もいます。こればかりは実際に働いてもらわなければわかりませんが、少なくとも全員8か月は辞めずに続けてくれているので、これからいくらでも成長してもらえると思っています。

また、万一退職されても、移植できた識学の採用ノウハウを実践すればいいだけだと思えているのでさほど心配はしていません。

――最後に、識学の採用代行サービスはどういった企業にマッチしていると思いますか?

当社のように採用に苦労している地方の零細企業には最適ではないかと思います。

ブランドも予算もなく最も採用が困難な存在として、大手の人材サービスには見向きもされないようなこうした企業にとって、最後に頼れる先、ではないでしょうか。

先述とおり、識学に頼るのは基本3か月間は(※当時の期間)で、その間にノウハウを吸収し、後は自立した採用ができることが最も大きいと思っています。

会社プロフィール
JR柳井駅近くのショッピングセンター「ゆめタウン柳井店」1階の食品売り場に店舗を構える精肉店「肉のおかもと」を経営。周辺には低価格・大量販売を行うディスカウント店が多い中、地元ブランド牛「高森牛」を牧場から直接仕入れるほか、全国の黒毛和牛など高品質な高級品を揃えるところが特徴的。2024年12月現在、正社員5名のほか4~5名のアルバイト・パートを雇用している。

インタビューイープロフィール
代表 岡本裕樹氏
2009年、家業である有限会社岡本商店に入社。一従業員として、バックヤードでの精肉加工や販売業務に従事。2018年4月、代表者である父親が急逝したことを受け、曾祖父が戦後に創業し、祖父が設立した同社の代表を承継。

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