蛙化現象とは、好意を抱いていた相手に一瞬で冷めるというZ世代の恋愛あるあるを象徴する言葉です。動画サイトやSNSで話題となり、蛙化現象という言葉はZ世代が選ぶ2023年上半期の流行ワードとなりました。(※)
蛙化現象の詳細を知ることが、Z世代の考え方や心理を知る上での手掛かりとなるかもしれません。
本記事では蛙化現象の意味や由来、原因や対策方法を紹介します。
(※)参考:PR TIMES.「『Z世代が選ぶ2023年上半期トレンドランキング』をZ総研が発表!」
目次
蛙化現象(かえるかげんしょう)とは
蛙化現象(かえるかげんしょう)は、動画サイトやSNSで広く認知を得た言葉です。主に女性から男性を見るときに起こりやすい現象で、男性からは理不尽などの声も上がりました。蛙化現象とは何なのか、意味や由来を詳しく見ていきましょう。
好きな相手を突然嫌いになること
蛙化現象は、好きな相手を突然嫌いになるときに用いられる言葉です。蛙化現象は、元々心理学用語の一つです。
好きな相手に好意を返された途端、相手が嫌になってしまうことを指しますが、Z世代の流行語では、わずかなきっかけで好きな相手に対して冷めてしまうという意味として使われています。
「付き合っている男性が会計時に財布を出した姿を見て嫌いになった」「男性が小銭のおつりをもらって財布に入れたのを見て冷めた」など、一見理不尽な蛙化現象は、女性が男性を見るときに起こるケースがほとんどです。
名前の由来はグリム童話
本来の蛙化現象の名前の由来は、グリム童話『カエルの王子様』という物語です。物語のあらすじは次のとおりです。
とある国に住む美しい姫が、お気に入りの金のまりを泉に落としてしまいました。途方に暮れているとカエルが現われ、「朝から晩まで自分と一緒にいてくれたら、まりを取ってきてあげる」と言います。
姫は条件をのみカエルからまりを受け取るのですが、約束など守るつもりはありません。カエルを無視してお城に帰ってしまいました。
すると翌日お城にカエルが現われ、姫に約束を守るように言います。姫は嫌でたまりませんでしたが、王様に約束を守るよう命令されてしまいました。しぶしぶカエルと食事をし、夜は同じベッドで眠ることになってしまいます。
ついに姫はカエルに我慢できなくなり、カエルをつかんで壁にたたきつけました。その瞬間、魔法がとけてカエルは美しい王子となります。姫は王子と恋に落ち、結婚することとなりました。
姫のカエルに対する気持ちが一瞬にして大きく変わったことに着目し、好きな相手を嫌いになることを蛙化現象と呼ぶようになったとされます。
蛙化現象が起こる状況
蛙化現象が起こるのは、主に女性が男性の情けない一面やイメージと異なる一面を見てしまったときです。
蛙化現象について「王子様みたいに素敵だと思っていた人が、だんだんカエルに見えてくる現象」として話すインフルエンサーもいます。蛙化現象が起こりやすい状況は次のような場面が挙げられるでしょう。
- 相手が上司に怒られているとき
- 必死に走っていたとき
- 改札で引っかかっていたとき
反対語は蛇化現象(へびかげんしょう)
蛙化現象の反対語として蛇化現象(へびかげんしょう)という言葉があります。
蛇化現象とは、好きな人の冴えない姿を見てより一層好きになる現象を指します。蛇化現象にはこれといった起源はありません。蛙化現象の反意語という意味でカエルの天敵である蛇が使われたと推察されます。
蛙化現象が起こる原因
蛙化現象は、完璧主義や自己肯定感の低さから引き起こされるケースが多いとされています。蛙化現象が起こる原因を見ていきましょう。
相手を美化し過ぎているため
相手を美化し過ぎていると、ちょっとしたミスや情けない一面も許せなくなります。好きだった気持ちが逆に大きく振れて、一気に嫌いになってしまうため蛙化現象が起こってしまうのです。
どれほど完璧に見える人でも、失敗しない人はいません。頭の中で理想のイメージを作り上げてしまう人は要注意です。
手の届かない相手でいて欲しかったため
自分にとって手の届かない相手でいて欲しかったということもあるかもしれません。
相手のことを王子様のように考えている人は、両思いという事実に耐えられず、「自分なんかを選ぶなんて、それほど素敵な人ではないのかも」などと考えてしまい、相手のことを嫌になってしまいます。
このタイプの人は、自己肯定感の低さが蛙化現象の原因です。片思いしているときは楽しいのですが、好意を相手から返されると不安や嫌悪感の方が大きくなります。
蛙化現象への対処法
蛙化現象を起こしてばかりでは、いつまでたっても恋愛が上手くいきません。蛙化現象を克服するために、すべき対処法を見ていきましょう。
自己肯定感を高める
蛙化現象克服のために自己肯定感を高めることは有効でしょう。自己肯定感が低いと、「自分なんかを好きになるなんて、この人はおかしい」と思ってしまい、その気持ちが蛙化現象を引き起こしてしまいます。
自己肯定感を高める上で重要なのは、自分を否定しないことです。他人と比べるのをやめて、自分の良いところを探してください。日記を付けて、今日の良かった出来事、頑張ったことなどを記録していくのもおすすめです。
SNSから離れる
SNSから離れることも大切です。Z世代の若者は、SNSの影響を受け過ぎています。蛙化現象に悩む人は、まずSNSとは距離を置いてみましょう。SNSでキラキラしている人ばかりを見ると、他人と自分を比較する癖が付きます。
SNSの意見に流されて自分を見失うケースもあるので、精神的に悪影響となることもあります。蛙化現象が起きていると自覚したら、一度SNSから離れる時間を取り、自分をしっかり見つめ直すことが大切です。
他人とゆっくり関係を築く
他人とゆっくり関係を築くことも大切です。LINEやSNSを使いこなすZ世代の若者は、気に入らない相手・合わない相手との縁をすぐに切ってしまう傾向があります。ゆっくりと関係を育てるのが苦手なことも、蛙化現象を引き起こす原因かもしれません。
蛙化現象がきっかけですぐに別れてしまう人は、安易に付き合うのを控えましょう。まずは友人として仲良くし、お互いの長所や欠点を理解し合うことが必要です。
マッチングアプリなどで恋人を探している人はいったん利用を休止してみて、友人の紹介や習い事を通じて、リアルなつながりから相手を探すことをおすすめします。
蛙化現象は現代の若者ならではの現象
蛙化現象は本来心理学用語ですが、Z世代の若者間ではわずかなきっかけで付き合っていた相手を嫌いになる現象として使われるケースが多いようです。蛙化現象が起こるのは、自己肯定感の低さや相手への理想が高すぎることが原因と考えられます。
現状を改善したいなら、SNSから離れたり日記を書くなどして自己肯定感を高めたりすることが大切です。他人とゆっくり関係を築く過程を楽しみましょう。