市場の動向に左右されやすい業界の一つが人材業界です。
特に、人材紹介や派遣、求人媒体などはその傾向が強いです。
そんな人材業界における生産性の高め方についてお伝えします。
人材業界において最も生産性を高めるべきポイントはコミュニケーションです。
企業側と求人側の双方が人であり、サービスプロセスにおいて多岐にわたるニーズを持ったコミュニケーションが必要になります。
重要なのは、そのコミュニケーションの質をどのようにして把握しているかということです。
コミュニケーションの質のよし悪しが把握できていなければ、打ち手やその結果が不透明なまま進めなければならなくなります。
「後10年くらいなんとかなればよい」と考えている経営者を除いて、高齢化社会を目前に「企業件数を伸ばせ!」や「とにかく求職者を集めてこい!」という時代は終わったと考えてよいでしょう。
人材業界のコミュニケーションは大きく三つあります。
一つ目は雇用ニーズを持つ企業とのコミュニケーション、二つ目は求職者とのコミュニケーション、三つ目は社内でのコミュニケーションです。
コミュニケーションがうまくいっているかどうかは、最終的にはマッチングの割合(数字)でしか判断することしかできません。
マッチング率を高める過程では、企業側、求職者側のいずれに対しても「どのようなニーズを持っているか」を正しくキャッチするコミュニケーションが必要ですし、相手のニーズそのものを変えるようなコミュニケーションが必要な場合もあります。
最後に、社内のコミュニケーションです。これは企業と求職者との橋渡しとしてのコミュニケーションです。
たとえ、対企業、対求職者とそれぞれのコミュニケーションがうまくいっていたとしても、自社を媒介する際にコミュニケーションの齟齬が起きることがあります。
例えば、求職者Aさんに適しているのはB社だと担当が思っても、Aさんが実際にB社と話をしてみたら全然イメージが違ったというようなことです。
このようなことが起きると、「この会社からはよい提案が受けられそうもない」と思われてしまいます。
コミュニケーションには必ず「基準」が必要になります。
今この文章が日本人向けに日本語で書かれているのもそうです。
コミュニケーションを取るだけでも時間を要しますが、そこにプラスアルファで双方の認識がずれていたら生産性は著しく悪化しますので、企業や求職者のニーズや位置づけなどについて明確な基準を設けることが必要です。
その意味において、企業情報と求職者情報を大量に集めてとにかく多くの情報をぶつけてマッチングさせるという手法は生産性が低いと言えます。
マッチング作業において人よりもAIが有効であれば、AIを活用することで生産性を高められるでしょう。
これからの時代はコミュニケーションこそが人の価値です。
その価値を高め続けられる仕組みを持つ企業が生き残れる企業です。