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人事異動の理由とは?メリット・デメリットと優秀な社員の異動における注意点

人事異動というと、仕事ができる社員が昇進したり花形部署に移ったりするイメージがあるかもしれません。しかし人事異動には結果が出ない社員の人員配置やトラブルを起こした社員の左遷など前向きなものだけでなく、後ろ向きなものもあります。

会社都合の人事異動が多いと、優秀な人材の流出などにつながる可能性があるため、人事異動を行う際はメリット・デメリットを理解した上で判断することが大切です。

本記事では、人事異動の主な目的や、優秀な社員を異動させるときの注意点を解説します。

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人事異動は優秀な社員だけに集中する?

人事異動とは組織における人材の配置を見直し、社員の能力やスキルに合わせて最適化する取り組みです。

人事労務の分野では、仕事ができる社員をどんどん異動させ、積極的に経験を積ませるべきだという考え方もあります。そのため、企業によっては人材育成の一環として、社員の希望を募って人事異動を実施するケースもあります。

しかし、人事異動は前向きな理由で行われるとは限りません。人事異動には、ポジティブなものとネガティブなものの2種類があります。そのため、人事異動の回数が多いから仕事ができる社員であるとは限りません。

人事異動には、前向きなものと後ろ向きなものの2種類があることを知り、本当に人事異動させるべきか慎重に判断しましょう。前向きな人事異動と、後ろ向きな人事異動の具体例については、次の項目で詳しく解説します。

人事異動の前向きな理由

前向きな人事異動の例として挙げられるのは、以下の3つのケースです。

● 本人の希望による異動
● 人材育成のための異動
● 新規事業部の強化に向けた異動

本人の希望に基づく異動や、人材育成を目的とした異動は、社員にとってもメリットが大きく、受け入れられやすいのが特徴です。また、新規事業部の強化に向けた異動など、新たな挑戦を視野に入れた人事異動もポジティブな印象で受け取られます。

本人の希望

前向きな人事異動の一つが、本人の希望による配置転換です。

企業によっては、本人の希望を人事異動に反映させる自己申告制度や、各部署が人材を募集し、異動を希望した社員を採用する社内公募制度、社員がプロ野球選手のようにFA(フリーエージェント)を宣言するFA制度など、さまざまな人事制度があります。

こうした人事制度がある場合、本人の希望に沿って配置転換を行うことができるため、社員のスキルやキャリアアップ、モチベーションの向上につながるでしょう。

人材育成のため

人材育成を目的として、人事部門が主導して配置転換を行うケースもあります。

例えば、さまざまな仕事や立場を経験させるため、戦略的な配置転換を行うジョブローテーションなどの制度です。社員の能力開発やキャリアアップにつながるため、好意的に受け止められる傾向にあります。

新規事業部の強化

新しい事業を始めたり部署を新設したりなど、新規事業部の強化を目的とした配置転換を行うケースもあります。

新規事業にふさわしい知識やスキルを持った人材が優先されるため、優秀な社員が異動する可能性が高いです。新しい挑戦を求める社員や、成長意欲が高い社員にとってはポジティブな人事異動です。

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人事異動の後ろ向きな理由

一方、人事異動には以下のように後ろ向きな理由で行われるものもあります。

● 結果が出ない社員の異動
● トラブルを起こした社員の左遷
● 欠員を埋めるための異動

成績が伸び悩んでいる社員や人間関係のトラブルを起こした社員は、配置転換によって再スタートを図る場合があります。社員によっては、ペナルティとして左遷や降格が行われることもあり、ネガティブなイメージで受け取られがちです。

また、欠員を埋めるための異動など、会社都合の人事異動も社員からの不満の原因となります。

結果が出ない社員の異動

社員がなかなか結果を出せない場合、配置転換を行う場合があります。特に営業部門のように、売上などの成果が求められる直接部門で多いケースです。成績不振を理由に人事異動を命じるため、社員が不満やストレスを感じる可能性があります。

また、事務部門や経理部門のような間接部門であっても、社員のミスが多かったり勤務態度に改善が見られなかったりする場合は、他の部署への配置転換を検討する場合があります。

人事異動の結果、社員の意識が変化するケースもあるため、悪い側面だけではありません。

トラブルを起こした社員の左遷

人間関係のトラブルを起こした社員や、パワハラ・セクハラなどのハラスメントを行った社員に対しては、再起を促すために配置転換を命じる場合があります。

ペナルティの一環として人事異動を行う場合は、地方への配置転換や、閑職への左遷、職位の降格などを伴うケースもあり、本人の意欲低下につながる可能性が高いです。

欠員を埋めるため

退職や病気療養、産休・育休の取得など、他部署で欠員が生じた場合は、人員補充を目的として人事異動を行うケースがあります。いわゆる会社都合の人事異動の一つです。異動先の部署が本人の希望に沿わない場合、社員が不満を感じる可能性があります。

人事異動のメリット

人事異動のメリットは、以下の3つです。

● 組織が活性化する
● モチベーションが向上する場合がある
● 適材適所の人員配置ができる

高いスキルを持った人材を適材適所に配置すれば、組織の活性化や生産性向上につながります。また、社員の希望に沿った配置転換を行えば、やる気やモチベーションを向上させることが可能です。

組織が活性化する

人事異動によって職場環境を一新することで、社員同士の新しいつながりが生まれ、組織の活性化が期待できます。特にジョブローテーション制度など、定期的に配置転換を行う制度がある場合は、部署や部門の垣根を超えたコミュニケーションを促進できます。

また、定期的な人事異動を行えば、各部署が縄張り意識を持ち、お互いの足を引っ張り合うセクト主義(セクショナリズム)を防止することが可能です。

セクショナリズムが根付いた場合、組織内の対立の増加や、同調圧力による内部不正の蔓延、社員の意欲やモチベーションの低下につながる恐れがあるため、一定期間ごとに人事異動を行いましょう。

「モチベーションが向上する場合がある

本人の希望に沿った配置転換を行った場合、社員のやる気やモチベーションを向上させることができます。また、本人の希望にかかわらず社員の特性に合った部署へ異動させた場合も同様です。

社員のモチベーションを高めるには、やりがいのある仕事を任せられ、小さな成功体験を日々積み重ねる必要があります。社員の能力やスキルに関する情報を日頃から収集しておくと、異動先の部署を決めるときに役立ちます。

適材適所の人員配置ができる

人事異動は、既存の人員配置を見直して本人の能力やスキルに合わせて配置転換するチャンスです。社員を採用した時点では、人事部門が一人ひとりの能力やスキルを完全に把握できている訳ではありません。

定期的に配置転換を行い、社員の能力やスキルに合った部署に異動させることで、適材適所の人員配置を実現できます。

ただし、社員の希望に合わない強引な人事異動は、不満やストレスの原因となるため注意しましょう。

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人事異動のデメリット

一方、人事異動には以下のようなデメリットがあります。

● 生産性が一時的に低下するケースがある
● 注意しなければ優秀な人材が離職してしまう可能性がある

人事異動のメリットとデメリットを理解し、適材適所の配置転換を心掛けましょう。

生産性が一時的に低下するケースがある

人事異動を命じると、社員の働く環境が大きく変わります。しばらくの間、不慣れな状態で仕事をしなければならないため、生産性が一時的に低下する可能性があるでしょう。そのため、業務量が多い繁忙期の人事異動は避けることをおすすめします。

もちろん、新しい部署での業務フローや仕事の進め方を覚えれば、これまでどおりに働いてもらうことが可能です。また、人事異動に備えて引き継ぎ資料を作成しておくと、異動してきた社員がすぐに仕事を覚えることができます。

注意しなければ優秀な人材が離職してしまう可能性がある

冒頭で述べたとおり、人事異動はポジティブなものだけではありません。単なる人員不足を理由とした人事異動や、本人の希望に合わない人事異動を強行すると、社員の離職率が悪化する場合があります。

特に仕事ができる社員を無理やり異動させた場合、優秀な人材を失う可能性があるため、人事異動の判断は慎重に行いましょう。優秀な社員を異動させるときの注意点は、次の項目で詳しく解説します。

優秀な社員を会社都合で異動させる際の注意点

優秀な社員をやむを得ず会社都合で異動させる場合は、以下の3点に注意が必要です。

● なるべく本人の希望を尊重する
● できるだけキャリアの方向性などに合った人事異動にする
● ポジティブな人事異動である旨を必ず伝える

本人の希望に合わない人事異動を行うと、仕事ができる社員が離職してしまい、優秀な人材の流出につながる可能性があります。どうしても配置転換が必要な場合は、人事異動のポジティブな側面を強調し、社員の理解を得ることが大切です。

1. なるべく本人の希望を尊重する

優秀な社員を配置転換する場合は、なるべく本人の意見を聞き、希望やキャリアプランに合った部署に異動させましょう。人事異動を決定する前に、人事担当者や上長を交えた面談を実施し、本人の希望をヒアリングしておくとスムーズです。

また、自己申告制度や社内公募制度、FA制度など、本人の希望に沿って異動できる人事制度の導入もおすすめです。

社内の人事異動には、経営層の意向が強く反映されることもあります。どうしても配置転換が避けられない場合は、なるべく本人の希望に沿った形で異動を行うことで、社員の理解を得られるかもしれません。

普段から従業員の意向やキャリアプランに関する情報を収集しておくと、配属先の部署を決めるときに便利です。近年は、人事データの収集に役立つタレントマネジメントシステムが普及しつつあります。社内の状況に応じて導入を検討してみるのも一つの方法です。

2. できるだけキャリアの方向性などに合った人事異動にする

本人の希望だけでなく、能力やスキルに合った部署を選ぶことも大切です。社員の特性に合わない部署に異動させると、以前のようにパフォーマンスを発揮できず、戦力ダウンにつながる恐れがあります。

人事異動の内示は、正当な理由がない限り拒否できません。自身のキャリアの方向性に合わない部署への配置転換を命じられた場合、優秀な社員が離職を選ぶ可能性があります。優れた人材の流出を防ぐため、適材適所の人事異動を心掛けましょう。

3. ポジティブな人事異動である旨を必ず伝える

人事異動と聞くと、「自分の能力やスキルが評価されていないのではないか」「嫌がらせや見せしめのための異動ではないか」と感じる社員もいます。やむを得ず人事異動を命じる場合は、その背景の理由や意図をきちんと説明しましょう。

例えば、異動先の部署で期待される役割や、将来のキャリアパスについて説明すると、ポジティブな人事異動であることが相手に伝わるでしょう。同様に、優秀な社員がいなくなり、反発が予想される現場のフォローも大切です。

現場をしっかりと説得し、社員を気持ちよく送り出してもらうことで、前向きな気持ちを持って異動できます。

メリット・デメリットを理解して適切な人事異動を

人事異動には、前向きな理由に基づくものと、後ろ向きな理由に基づくものの2種類があります。社員の希望やキャリアプランに合わない異動や、会社の都合しか考えない異動を行うと、優秀な社員が不満を感じて離職を決断するかもしれません。

社員の配置転換を行うときは、人事異動のメリットやデメリットを比較し、本当に必要な異動かどうか慎重に検討することが大切です。

どうしても配置転換が必要な場合は、人事異動のポジティブな側面を直接説明して、本人の理解を得ましょう。

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