アジャイル開発を進めるチームにとって、チームのメンバーの作業状況を把握することは大切です。
他にも大切なことは多々あります。
しかし、ひとつのプロジェクトを一元的に管理できるのであれば、チーム間の連携や作業の優先順位付けなどもしやすくなるのではないでしょうか。
本記事では以下、プロジェクト管理ソフトウェアのJira SoftWareについて分かりやすく解説していきます。
- Jira SoftWareとは何か
- 主な機能
- 導入によってできるようになること
- 価格
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目次
Jira Softwareとは課題&プロジェクト管理ソフトウェア
Jira Softwareとは、アトラシアン社が提供するプロジェクト管理ソフトウェアです。
Jira Softwareを導入すると、プロジェクトの課題や進捗を柔軟に管理できます。
プロジェクトを一元的に管理できるようになるため、プロジェクト全体の状況や進捗の把握、優先順位付けが可能です。
他にも、課題のカスタマイズやスクラムボードやバックログ、スプリントなどの機能が豊富なので、アジャイル開発チームにぴったりです。
また、チームメンバーや他のアトラシアン製品、外部ツールとも連携できます。
連携によって、チーム内や社外とのコミュニケーションやコラボレーションを効率化できます。
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Jira Softwareで何ができる?Jira Softwareの機能
Jiraの主な機能として、以下の5つを解説します。
- ロードマップ
- スクラムボード
- カンバンボード
- レポートとインサイト
- 自動化
以上のようなジャイル開発のために用意された機能を利用することで、アジャイルなプロジェクト運営を可能にします。
Jiraの場合、使える機能はプランによって異なります。
本記事では、価格についても解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
1.ロードマップ
出典:Jira Software ロードマップ機能 | Atlassian
Jiraの基本的なロードマップは、プロジェクトの全体像を簡単に作成できる機能です。
タスクや目標をドラッグ&ドロップで配置し、期間や依存関係を設定できます。
また、チームメンバーや社外とも共有して、進捗状況や課題の確認もできます。
ロードマップ機能には「基本」と「Advanced」のバージョンがあり、基本のロードマップ機能はクラウド版のみで利用可能です。
Jiraのロードマップは、スクラムやカンバンのプロジェクトに適しています。
次章以降でJiraのスクラムボード・カンバンボードについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.スクラムボード
Jiraのスクラムボードは、アジャイル開発のための機能です。
スクラムボードでは、チームが一定量の作業を完了させる際の短く区切られた期間(スプリント)に分割し、タスクをカード(課題)として視覚的に管理できます。
Jiraのスクラムボードには、以下のような特徴があります。
- バックログ:スクラムでは、バックログはプロダクト所有者が所有します。
- スプリント:現在進行中のスプリントを表示する画面です。
- レポート:スプリントの成果やチームのパフォーマンスを分析できるグラフやチャートです。
Jiraのプロダクトバックログには、機能・欠陥・追加機能・行うべき試験が含まれます。
各項目には説明・ランク・規模の見積もり・価値があります。
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3.カンバンボード
Jiraのカンバンボードは、プロジェクトのワークフローを可視化し、進捗状況を視覚的に把握できる便利な機能です。
チームがサイクル期間を継続的に改善して、効率を高められるように設計されています。
カンバンボードには、以下のような特徴があります。
- 進行中の作業(WIP)の制限:同時に行えるタスクの数を制限することで、作業の効率や品質を向上させます。
- ワークフローの最適化:さまざまな段階での作業を視覚的に示せます。
- 継続的な改善:リアルタイムで指標が視覚化。累積フロー図やコントロールチャートなどがあります。
4.レポートとインサイト
レポートとインサイトは、Jiraのカンバンボードで利用できる機能です。
レポートとインサイトでは、プロジェクトの成果やチームのパフォーマンスを分析できるグラフやチャートを表示できます。
レポートとインサイトには、以下のような特徴があります。
- 累積フロー図:ワークフローの各段階にあるタスクの数を時間とともに追跡できる図。
- コントロールチャート:タスクがワークフローを通過するのにかかった時間(サイクルタイム)を時間とともに追跡できる図。
- リードタイムチャート:タスクが注力ポイントから達成ポイントまでにかかった時間(リードタイム)を時間とともに追跡できる図。
5.自動化
自動化はクラウド版で提供されている機能です。
自動化では、繰り返し発生するタスクやプロセスを自動化するルールを作成できます。
Jiraの自動化には、以下のような特徴があります。
- シンプルなインターフェース
- パワフルなトリガー
- スマートなアクション
Jiraは、ドラッグ&ドロップやポイント&クリックでルールを作成できるシンプルなインターフェースです。
コーディングやスクリプトは必要ありません。
Jiraのイベントやスケジュール、Webフックなどをトリガーとしてルールを実行できます。
他のAtlassian製品や外部サービスとの連携も可能です。
さらに、ルールの実行時には、課題の更新やコメントの追加、通知の送信などのアクションをスマートに実行できます。
Jira SoftWareでできること
Jiraはスクラムチームが「ソフトウェア開発」「マーケティング」「業務・人事」が容易に実行できるような包括的なアジャイル機能が豊富です。
本章では、アジャイル機能が豊富なJiraを導入するとできるようになることを5つ紹介します。
- 柔軟なプロジェクト管理
- タスク管理ツール「Confluence」との連携
- クラウドアプリの開発
- DevOpsの実現
- ガンチャートの作成
1.柔軟なプロジェクト管理
Jira Softwareを導入すると柔軟なプロジェクト管理ができるようになります。
前章の主な機能のようにJiraはアジャイルチームに便利な機能が豊富です。
また、以下の特徴からJiraは柔軟なプロジェクト管理ができるツールと言えます。
- チーム管理対象プロジェクトおよび企業管理対象プロジェクトの両方に対応
- チームの成長に応じてカスタマイズ可能なワークフロー
- 3,000以上のアプリと統合で機能を拡張できる
2.「Confluence」や「Bitbucket」との連携
Jira Softwareを提供するATLASSIAN(アトラシアン)のソリューションに「Confluence」や「Bitbucket」があります。
Confluenceは、コンテンツを共有するためのバーチャル上のリモートワークスペースです。
Bitbucketは、Jira を使用するチームのために開発されたコードおよび CI/CDのことです。
Jira Softwareを「Confluence」や「Bitbucket」などど連携することで、開発の全工程を管理できるようになります。
3.クラウドアプリの開発
ATLASSIAN(アトラシアン)のクラウドアプリ開発プラットフォーム「Forge」を活用することで、クラウドアプリを簡単に開発および実行できます。
開発・実行できるクラウドアプリは、Forge上でアトラシアン製品と連携するアプリです。
開発されたアプリの例には以下のようなものがあります。
- Jira用課題翻訳アプリ
- ConfluenceとJiraの連携するフィードバックアプリ
完成したアプリは自社だけで使用したり、マーケットプレイスで公開したりできます。
マーケットプレイスとは、Jira に追加機能を提供するアプリのワンストップショップです。
Forgeプラットフォームのセキュリティやコンピュート、ストレージはアトラシアンが運用管理してくれるため、自社で運用・保守する必要はありません。
4.DevOpsの実現
アトラシアン製品を組み合わせることにより、DevOpsを実現できます。
DevOpsとは、開発と運用が一体となって顧客に価値を提供するための方法論です。
アトラシアンの「OpenDevOps」なら、Jira Softwareを中心に、以下のアトラシアン製品、パートナーツールをワンクリックで追加できます。
アトラシアン
- Confluence
- Bitbucket
- Opsgenie など
パートナー
- GitHub
- GitLab
- Datadog など
OPENDevOpsでは、チームが好きなツールを選んで使えるだけでなくJira Softwareが全ての作業を追跡してくれるため、効率的にプロジェクトを進められます。
5.ガンチャートの作成
ガントチャートは、ロードマップ機能で作成できます。
正確には作成できるというわけではなく、Jiraにおいてのロードマップ機能がガントチャートとなると言えます。
Jira Softwareのロードマップ機能は2つあります。
- Roadmaps(ロードマップ):プロジェクトのタスクを階層構造で管理し、タイムラインに沿ってスケジュールバーで表示できる機能
- Advanced Roadmaps:タスク間の依存関係やリソース管理、クリティカルパスやベースラインなどの機能を使って、プロジェクトのスケジュールを作成・変更・確認できる
Advanced Roadmapsは、無料では利用できないためより高度なガントチャートを作成する場合はデータセンター版かプレミアムプランを使用する必要があります。
Jiraの価格
現在、JiraSoftWareにはクラウド版とデータセンター版(オンプレミス)があります。
Jiraのクラウド版には無料プランと3つの有料プランがあり、データセンター版は500ユーザー以上で利用できます。
また、クラウド版の有料プランは支払いの支払いの頻度を月額か年間選ぶことができ、月額プランではアクティブ ユーザー数による柔軟な対応が可能です。
使用した分だけライセンス料金を支払うことになるので、ライセンス数によって合計の費用が変動します。
導入を検討している方はJira SoftWareのホームページでシミュレーションしてみることよいでしょう。
Jiraの個人利用
Jira SoftWareは、個人でも利用可能です。
無料プランは、最大10人のユーザーで2GBのファイルストレージを利用できるので、個人でも利用できると言えます。
また、Jiraはクラウドなので自前のサーバーを用意する必要もなく、スマホやタブレットなどマルチデバイスに対応しているのでどこからでも利用可能です。
アトラシアン独自の優れたUI機能や、アトラシアン製品との連携によりプロジェクトに関する情報や成果物を一元的に管理できます。
プロジェクト管理を効率化できる
本記事では、JiraSoftwareの主な機能と導入するとできること、価格について解説しました。
JiraSoftwareはアトラシアン社製であり、アジャイル開発のためのJiraSoftware以外の製品も豊富です。
他の製品や外部ツールと組み合わせても利用できるので、業務が効率化できます。
また、Jira Softwareは、以下のような方に向いていると言えます。
- プロジェクト管理を効率化したい方
- アジャイル開発の手法を取り入れたい方
- エンジニアや開発者と協力して仕事をしたい方
ぜひ本記事を参考にJiraSoftwareの導入を検討してみてはいかがでしょうか。