今巷で「当たる」と話題の、MBTI性格診断をご存じでしょうか。
占いとも心理テストとも異なり、理論的に導き出される性格検査のひとつです。
簡単な問いに答えていくだけで個人の性格が分かるため、注目されています。
たとえば、組織で成果を上げるためには、チームで協力したりディスカッションを繰り返したりして目標へ近づく必要があります。
しかし、まとまりが必要になるチーム戦で性格の不一致が生じてしまうと、時にチームや組織全体に悪影響を与えてしまうかもしれません。
本記事では、MBTI診断の詳しい解説とビジネスシーンにおけるMBTI診断の活用方法を紹介します。
MBTI診断が組織活性化に役立つメソッドであることを知れば、今後のビジネス躍進につなげられるでしょう。
目次
MBTI診断とは
MBTI診断とは「Myers-Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)」の略です。
世界的に知られる性格検査メソッドで、特にアメリカでは現在もっともポピュラーな性格検査とされており、ほかにも50カ国以上に広まっています。
また日本では2000年に導入されて以降、おもに外資系企業で普及し始めました。
しかし、日本企業の間で実施している例は限られており、今後さらに浸透することが望まれます。
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MBTI診断の方法
MBTI診断の手順は、93の質問に「Yes」「No」形式で答えていくシンプルなものです。
正確に診断するために直感的な回答が推奨され、12分以内に全ての質問に答えることが望ましいとされています。
MBTI診断の質問はメンタルに関する質問から趣味、仕事の考え方など幅広く用意されています。
以下は、実際に検査で問われる質問の一例です。
- 大きなプレッシャーがあっても通常、冷静でいられる
- 自分の心より自分の頭に従うことが多い
- 一人でいるより、人と一緒にいる方が好き
全ての回答を終えると16種類の性格タイプの1つに分類され、回答者の性格分析結果が分かります。
MBTI診断結果のビジネス活用術
人の性格を16種類に分類して特徴や傾向の情報が得られるMBTI診断は、企業によっては仕事を円滑にするためにも活用されています。
MBTI診断のビジネス活用例は、以下のとおりです。
- 従業員を深く理解し組織を活性化
- 取引先のタイプに合わせた円滑な交流
従業員を深く理解し組織を活性化
株式会社リクルートでは、新卒採用の際に日本版にローカライズしたMBTI診断を適性検査として行っています。
従業員の性格が分かれば、コミュニケーション上発生する互いの価値観の違いも受け入れやすくなります。
互いの性格を共有して適切なコミュニケーションをとることは、組織全体の活性化に有効です。
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取引先のタイプに合わせた円滑な交流
MBTIは取引先とのコミュニケーションや、業界全体の分析にも役立つといわれています。
時に苦手な取引先と相対するとき、性格や価値観の不一致が原因でうまく話がまとまらない経験をされた方もいるのではないでしょうか。
しかし、分析によってタイプが少しでも把握できていれば、円滑なコミュニケーションの手助けとなるでしょう。
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MBTI診断16種類の性格から読み解くコミュニケーション術
MBTI診断で分かる16種類の性格によって、ビジネスシーンで適した立ち位置や関わる方法が変わってきます。
それぞれの性格を分析して、適切なコミュニケーション術を紐解いていきましょう。
- 建築家型(INTJ)
- 論理学者型(INTP)
- 指揮官型(ENTJ)
- 討論者型(ENTP)
- 提唱者型(INFJ)
- 仲介者型(INFP)
- 主人公型(ENFJ)
- 広報運動家型(ENFP)
- 管理者型(ISTJ)
- 擁護者型(ISFJ)
- 幹部型(ESTJ)
- 領事官型(ESFJ)
- 巨匠型(ISTP)
- 冒険家型(ISFP)
- 起業家型(ESTP)
- エンターテイナー型(ESFP)
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1.建築家型(INTJ)
MBTI診断の結果が建築家型(INTJ)の方は完璧主義者が多く、しばしば物事を解決するためにプロット(設計図)を用いるなどして建設的な計画を立てることがあります。
ただし締め切りを重視して結論を急ぐのもこのタイプで、時間にゆとりを与えることで慎重に業務へ取り組んでくれるでしょう。
2.論理学者型(INTP)
論理学者型(INTP)とMBTI診断で分類された方は倫理的に物事を考えることが得意です。
その反面、チームで共有したり話し合ったりが苦手なタイプともいえます。
考えを共有するシステムを構築し、行動を管理する仕組み化が大切です。
3.指揮官型(ENTJ)
MBTI診断結果が指揮官型(ENTJ)の方はカリスマ性があり、時に大きな決断を下すこともいとわないタイプです。
ただし細かな部分を見落としがちな傾向があり、抜けやすい点は周囲が補助する必要があります。
4.討論者型(ENTP)
討論者型(ENTP)であるとMBTI診断結果が出た方は、ディベート(討論)全般が得意な知識人が多い傾向にあります。
人を引き付けるカリスマ性があり、プレゼンテーションの場では最大限に能力を発揮します。
5.提唱者型(INFJ)
MBTI診断結果が提唱者型(INFJ)である場合、表舞台よりも裏方で静かに力を発揮するタイプで、直感的に物事の本質を捉えることに長けています。
人の性格を直感的に判断できる方が多く、採用に関わる人事の業務で特に力を発揮するでしょう。
6.仲介者型(INFP)
仲介者型(INFP)とMBTI診断結果が出た方は、考えや価値観を前面に押し出しがちで、反対されると不満を募らせる傾向にあります。
定期的にポジティブな評価を与え、モチベーションを維持してもらえるように働きかければ、大きな戦力になるタイプです。
7.主人公型(ENFJ)
MBTI診断結果が主人公型(ENFJ)の方は、直感的に行動して周囲を巻き込む、リーダーの素質を持っています。
指導的立場や、ディスカッションの場で主導させる役割を持たせると円滑に物事を進めてくれるタイプです。
8.広報運動家型(ENFP)
MBTI診断結果が広報運動家型(ENFP)の方は、献身的で人が喜ぶことを進んで行なうタイプです。
プロジェクトの方向性を定めて先陣を切るスターターや、最後をまとめる役割を担うフィニッシャーよりも、バランスよく周囲に溶け込んで業務をこなす人が多いでしょう。
9.管理者型(ISTJ)
MBTI診断の結果管理者型(ISTJ)タイプと出た方は、チームにおいて主戦力として機能することが多く、計画的で整理が得意な傾向にあります。
管理側の細かなマネジメントは不要で、担った業務を確実にこなしてもらうことでチームの戦力を底上げしてくれるでしょう。
10.擁護者型(ISFJ)
擁護者型(ISFJ)であるとMBTI診断結果が出た方の多くは、協調性があり、人の気持ちに敏感な面があります。
そのためマネジメント業務ではチームを気づかい、それぞれに配慮した割り振りが得意なタイプです。
11.幹部型(ESTJ)
MBTI診断結果が幹部型(ESTJ)と分類される方は、勤勉で協調性のあるキャプテンタイプに多くみられます。
メンバーの士気を高めてまとめることが得意で、チームに貢献し自己モチベーションを維持する、生粋のリーダー気質です。
12.領事官型(ESFJ)
MBTI診断結果が領事官型(ESFJ)の方は、社交的で人と付き合うことを好み、周囲に気を配れるタイプです。
プロジェクトマネージャーとして、チームのまとめ役になれば遺憾なく力を発揮してくれるでしょう。
13.巨匠型(ISTP)
巨匠型(ISTP)であるとMBTI診断結果が出た方は、自発的に何事も取り組む一方で、次の動きが読みにくいタイプです。
密接なコミュニケーションを好むため、日常のミーティングや何気ない会話を絶やさなければモチベーションを維持してくれます。
14.冒険家型(ISFP)
MBTI診断結果が冒険家型(ISFP)の場合、創造力に富んだ行動派で、時に大胆に挑戦することも恐れない傾向にあります。
業務に熱中しやすい反面、燃え尽きてしまうリスクもあるため、個別ミーティングやヒアリングを行うなど、定期的なマネジメントが大切です。
15.起業家型(ESTP)
MBTI診断結果が起業家型(ESTP)の方は、短期集中で業務をこなすスピードタイプが多く、長期的なプロジェクトよりも単発案件に向いています。
ただし個人戦になりがちで、組織やチームのルール順守が苦手なため、日頃のコミュニケーションでサポートする体制整備が重要です。
16.エンターテイナー型(ESFP)
エンターテイナー型(ESFP)とMBTI診断結果が出た方は、クリエイティブな業務を好み、注目されることでモチベーションを維持する傾向にあります。
具体的にはプレゼンテーションの場や名前が公になる業務など、スポットライトを当てることで最高のパフォーマンスを見せてくれるでしょう。
まとめ|MBTI診断をビジネスシーンでも取り入れてみては
MBTI性格診断は、ビジネスシーンでうまく活用すれば社内全体やチームの活性化や、取引先との円滑なコミュニケーションに大きく貢献できるメソッドです。
ただしビジネスに取り入れるにも、会社全体で検査を受けることは時間と労力がかかるため、現実的に難しいかもしれません。
まずはひとつのプロジェクトが始まる前にチームのメンバーに受けてもらうなど、組織の中の小さな枠から試してみるとよいでしょう。