チームワーク力とは、チーム内のメンバーと信頼関係を築き、協力して業務を進めるために必要な能力です。
具体的には傾聴力や誠実さ、協調性、共感力などの要素が挙げられます。チームワーク力が高まればチーム全体の業務効率化につながり、生産性を向上させることが可能です。
本記事では、チームワーク力を高めるための5つのステップや具体策について詳しく解説します。
目次
チームワーク力とは?
チームワーク力とは、組織内のチームや部署、課などで他のメンバーと協力して業務やプロジェクトを遂行するために必要な能力や資質のことを指します。
チームワーク力の高い人材が集まれば、チームワーク全体の生産性が高まり、大きな成果をあげることが可能です。
どのような業種や立場においても、仕事に取り組む上で上司や同僚、部下との共同作業は必要です。
効率的に共同作業を進めるためには、自分の業務に責任感を持って取り組むだけでなく、周りの人の話に耳を傾けて理解を深めるなど、誠実に向き合うことで信頼関係を高めることが大切でしょう。
チームワークが良くなると生まれる効果
チームワークが向上すると、ビジネスにおいてさまざまな良い効果が生まれます。主な効果としては、以下に挙げる3つが挙げられます。それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
モチベーションが上がる
チームワークが良い組織ではメンバー同士が信頼関係で結ばれており、お互いが高いモチベーションや帰属意識を持って仕事に取り組めます。
メンバー間で仕事のミスをフォローし合い、悩みを打ち明けやすい関係を築けると、個人主義では成し得ることができない大きな成果をあげられます。
情報共有がスムーズになる
チームワークが機能している組織は、職務や立場が違う人でもそれぞれが責任を持って業務に取り組んでいます。メンバー間での情報共有もスムーズで「誰が、何を、どれだけ行えばいいのか」という役割や進捗状況が明確なため、業務を迷いなく進めやすいです。
業務が効率化する
チームワークの向上は業務効率化につながります。メンバーによって得意な業務やスキルはさまざまです。チームワークが機能していればメンバーごとのスキルや能力を活かした生産体制を組み立てられるため、業務を効率的に進められるでしょう。
また、負荷の多い業務や重要な業務を分担して行えるようになり、チームの生産性向上につながります。
チームワーク力向上に求められる4つの能力
チームワーク力を向上させるには、主に4つの能力が求められます。それぞれについて詳しく紹介します。
傾聴力
チームワーク力を高めるためには、チーム内のコミュニケーションが重要です。円滑なコミュニケーションには、メンバーそれぞれに他人の意見や考えにしっかり耳を傾けられる能力が必要でしょう。
相手の話に真剣に耳を傾けることができる人は、他のメンバーからの信頼を獲得しやすく、周りも積極的にコミュニケーションを交わすようになります。
そのため、情報共有がスムーズになるだけでなく、業務上での課題も見つけやすくなるといったメリットがあります。
また傾聴力を高めることで、重要な情報や新しい業務についての説明を聞きこぼすこともなくなるでしょう。
誠実さ
チームワークはメンバー同士がお互いを理解し、信頼し合うことで機能します。チームの一員として仕事に取り組む上で誠実な振る舞いができるかどうかは、スキルや能力と同様に重要なポイントです。
業務を期限内に終わらせる、スケジュール管理を徹底する、意見の異なるメンバーともきちんと話し合える、自分がミスをしたときは素直に認め、真摯に向き合えるなど、各メンバーが誠実かつ責任感を持って仕事に打ち込めれば、効率的に共同作業を進められます。
協調性
チームでの共同作業は、異なるスキルや能力、経験、立場のメンバーが連携し、一つの目標に向かって業務に取り組むことが求められます。
そのため、チーム内にいくら高いスキルや能力を持った経験豊富な人材がいたとしても、周りと協力しながら業務を行えなければチームワークは向上しません。
チームが高いパフォーマンスを発揮するためには、メンバーがそれぞれ自分の意見をしっかり持ちつつ他人の意見を尊重することが大切です。
共感力
共感力(エンパシー)とは、他人の視点から物事を捉えられる能力です。共感力が高い人は、他人が置かれている状況やその時の感情を理解することに長けているため、適切なコミュニケーションを取ることができます。
共感力はチームワークにおいても重要な能力です。他のメンバーの仕事の取り組み方や意図を正しく理解することは、お互いの信頼関係を深めてチームの生産性を高めます。
チームワーク力を高める5つのステップ
ビジネスにおいてチームワーク力は非常に重要です。ここからは、チームワーク力を高めるための方法を5つのステップに沿って紹介します。
1.チームの目標や価値観を共有する
チームワーク力を高めるためにまず行いたいのが、メンバーとチームの目標や価値観を共有することです。
チーム内で目標や価値観が共有されていないと、メンバー間で意見が食い違い、衝突が増えてしまいます。そうなると組織内のチームワークが乱れ、プロジェクトが上手くいかなくなってしまうでしょう。
まずはチームの方向性や価値観を明確にし、チームとして中長期的に目指すべきこと、達成すべきことを共有してください。価値観を共有したら、今度はその具体的な目標を設定します。
共有した価値観をベースに、チームとしての目標の他、メンバーごとにそれぞれの目標を設定しましょう。
目標を設定する際は、具体的(Specific)、計測可能(Measurable)、現実に達成できる(Achievable)、チームの価値観やビジョンに関連する(Related)、決まった期限(Time bound)の5つを意識しましょう。これをSMARTの法則といいます。
チームの目標や価値観が共有されれば、メンバーは同じビジョンで業務を行えるため、チーム内の生産性も高まります。
2.それぞれの役割を明確にする
チームで共同作業を進めていく上で、メンバーの役割を明確にすることは重要なポイントの一つです。役割分担を適切に設定し明確化すれば、それぞれの業務に集中して取り組めるようになるでしょう。
チーム内で無駄な動きがなくなり、合理的かつ効率的に業務を進められるようになり、チームの生産性も上がります。なお役割を分担したことでメンバー間の負担に差が出てしまった場合は、メンバー同士で声をかけあって協力することも大切です。
3.メンバー主体で動いてもらう
メンバーの自発性を高めることは、チームワーク力の向上にもつながります。自発性とは、他人の指示や影響などで動くことではなく、自分で物事を考え、自ら進んで行動することです。
チームワーク力を高めようとするあまり、価値観を押し付けたり過度なコミュニケーションを取ったりすることは、自発性を高める上で逆効果です。メンバーのモチベーションが低下し、チームワークが機能しなくなってしまいます。
チームワーク力はメンバーそれぞれがその重要性を理解し、意識することで向上していきます。時にはメンバーの裁量に任せて行動してもらうことで、個々の自発性を高められます。
4.それぞれの得意スキルを活かす
ビジネスにおけるチーム編成では、多くの場合さまざまなスキルを持つメンバーが集まります。それによってチームとしての総合力を高めたり、できることの幅を広げたりすることが可能です。
チーム内でのメンバーの役割分担を明確にする際は、得意なスキルを活かせる分野や業務を割り振りましょう。それぞれのメンバーが自分の能力を最大限に発揮できればチームの生産性も向上し、大きな成果をあげられます。
5.報・連・相のルールを決める
共同作業を円滑に進めていくためには、メンバー間の連絡を緊密に行い、情報共有を徹底することが大切です。チーム内での役割分担が明確化されている場合は、他メンバーが担当した業務の進捗状況への理解や、業務の連携が必要になるためです。
報・連・相のルールを決めて日常的なやりとりが活性化すれば、メンバー間に「情報共有は仕事に必要不可欠なもの」という認識が生まれます。連絡が密になることでチーム内での信頼関係も深まり、チームワーク力もおのずと高まってくるでしょう。
チームワーク力を高めるチームビルディング
チームビルディングとは、メンバー一人ひとりのスキルや経験を活かしながらチームワーク力を高め、目標を達成するためのチームを築き上げていく取り組みです。
メンバー間の信頼関係の向上に重点を置いたチームビルディング研修の他、次に紹介するような取り組みがあります。
チームビルディングに役立つゲームを実施
チームビルディングゲームとは、チーム内でのコミュニケーション活性化に効果的なビジネス系ゲームです。
チームビルディングゲームにはさまざまな種類があり、所要時間や難易度もそれぞれ異なります、初めて導入する際は、比較的短い時間でプレイできるもの、ルールが簡単ものを選ぶとよいでしょう。
ランチミーティングを実施
ランチミーティングは、メンバー同士が職場以外の場所で交流するのに適した取り組みです。ランチをしながらリラックスした状態で会話ができるため、チーム内のコミュニケーションを活発化させるのに効果的です。
ただし上司が頻繁にランチミーティングを提案したり、休日や業務時間外に招集をかけたりすることは控えましょう。プライベートの時間を割くことになるため、メンバーによってはストレスを感じてしまうこともあるためです。
チームワーク力を高めることはチームの生産性向上につながる
チームワーク力が高まれば、メンバーのモチベーションアップやコミュニケーションの活性化、業務の効率化などさまざまなメリットにつながります。
チームワーク力を高めるためはメンバーそれぞれの傾聴力や誠実さ、協調性、共感力を高める他、チーム内での目標や価値観の共有や役割の明確化、メンバーの自発性を高めるアクションが必要です。
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