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【簡単解説】育児休職と育児休業は違う?知っておくべき仕組み&給付金

育児休職と育児休業

本記事では育児休職と育児休業について解説していきます。

どちらも同じような言葉ですが、意味はまったく異なるので、その違いをきちんと認識しておくことが大切です。

また、育児休業の際の手続きの流れもあわせて紹介していきます。

労務管理者には必見の内容なので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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育児休職とは?

育児休職とは、労働者が育児のために業務への従事を停止することを指します。

育児休職は法律で何かが定められているわけではありません。

休職制度は企業の就業規則や労働契約で定められるので、労働契約の際は注意が必要です。

ちなみに休職制度では、休職期間の長さ、休職期間中の取り扱いについて定められていることがほとんどです。

関連記事:育児休暇とは?育児休業との違いや企業が取るべき対応を解説

育児休職と育児休業の最大かつ一番重要な違いは?

育児休職と同じような言葉として育児休業と呼ばれるものがあります。

一見すると同じような言葉だと思うでしょう。しかし、両者の意味はまったく異なるため、その扱いも違います。

育児休業と育児休職の最大の違いを挙げるなら、給付金の有無です。

育児休職と育児休業の給料・給付金・税金の違い

最初に紹介した育児休職の場合、法律の適用範囲外にあるため、権利の保障や給付制度は存在しません。

あくまでも企業の定めの下で取得できるものです。

一方、育児休業は法律の適用範囲内にあるため、さまざまな権利が国によって保障されており、収入減に対する給付制度も存在します。

育児休職中の賃金や給付金などの制度は、その有無も含めて、企業によって異なるでしょう。

しかし育児休業は法律でしっかり定められており、休業開始時の手取り賃金の最大8割が給付されます。

関連記事:育児・介護休業法とは?改正のポイントや取得率向上のメリット・デメリットを解説

育休制度の対象者・要件

育児休業制度は誰でも利用できるわけではありません。

ここでは育児休業制度の対象者・要件を解説していきます。

育休制度は男性でも利用できる?対象外は?

育児休業制度は女性はもちろんのこと、男性でも取得が可能です。

また、配偶者が専業主婦(夫)であっても可能となっています。

一般的な条件は以下の通りです。

  • 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている
  • 子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約(更新される場合は、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでない

これらの条件が満たされているのであれば、アルバイトやパートなどの非正規雇用労働者も取得できます。

逆に言うと、正規雇用労働者でも雇用された期間が1年未満の労働者や、育児休業が終了した後に雇用される見込みがない労働者は対象外です。

もちろん、日雇いで働いている人も対象外になるでしょう。

育休制度の取得要件は?

育児休業制度の取得要件は「1歳に満たない子を養育する労働者」です。

また、父母ともに、または交替で育児休業を取得する場合は、育児休業取得可能期間が2カ月延長されます。

例えば「母親が1歳まで育児休業を取得した後に、1歳2カ月になるまでの2ヶ月を父親が育児休業する」ということが可能です。

その際は、父母それぞれが1年を超えない範囲内で取得する必要があります。

さらに、配偶者の出産後8週間の期間内に父親が育児休業を取得・終了した場合は、特例として育児休業を再度取得することが可能です。

例えば母親が産休の間に父親も育児休業を取得し、その後に父親が再度育児休業をすることができます。

育休制度を利用した際の給料

育児休業期間中は、賃金が支払われないなどの一定の要件を満たす場合に育児休業支給金が支給されます。

金額は休業開始時賃金の67%です。

また、休業開始から6ヶ月が経過した場合は、休業開始時賃金の50%が支給されます。

育児休業期間中における企業からの給料は就業規則で定められているため、企業によって異なるでしょう。しっかり確認してみてください。

育休制度を利用した際の税金

育児休業支援金が支給されるといっても、税金を取られるのではないかと心配になりますよね。

しかし、問題ありません。育児休業期間中に支給される育児休業支給金は非課税だからです。

所得税はかかりませんし、翌年度の住民税算定額にも含まれません。

育休制度を利用した際の保険料

育児休業期間中は社会保険料が労使ともに免除されます。また、給与所得がない限り、雇用保険料も発生しません。

そのため、税金免除と合わせて考慮すると、休業前の手取り賃金の最大8割が支給されることになります。

育休制度を利用した際の給付金

ここからは育児休業制度を利用した際の給付金について、詳しく解説していきます。

育児休業給付金給付の条件

育児休業給付金の給付条件は以下の通りです。

  • 育児休業期間中の1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
  • 就業している日数が各支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)ごとに10日(10日を超える場合は就業していると認められる時間が80時間)以下であること

育児休業給付金は男性でももらえるのか?

育児休業給付金は男性でも支給されます。

それに加え、夫婦で育児休業を取得する場合、どちらにも育児休業給付金が支給されます。

育児休業給付金の申請先

育児休業給付金の申請先は公共職業安定所(ハローワーク)です。

詳しくは公共職業安定所のリーフレット「育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて」をご確認ください。

育児休業給付金の給付額

育児休業給付金の具体的な給付額は「休業開始時賃金月額(休業開始時賃金日額 × 支給日数) × 67%(支給日数が181日以降は50%)」です。

ただしこれは、賃金が支払われていない場合となっています。

育児休業期間中でも企業から賃金が支払われている場合の給付額は以下の通りです。

  • 賃金が賃金月額の13%(30%)以下:賃金月額の67%(50%)相当額が支給
  • 賃金が賃金月額の13%(30%)を超えて80%未満:賃金月額の80%相当額と事業主から支給される賃金の差額を支給
  • 賃金が賃金月額の80%以上:支給されない

かっこ内の数字は支給日数が181日以降から適用される数字です。

上記を見て分かる通り、育児休業給付金の金額は、休業開始時賃金の最大8割になるように設定されています。

育児休業給付金が支給されるタイミング

育児休業支給金は、決定通知書に記載されている交付の日から、おおむね1週間以内に入金されます。

ここで一旦、書類提出の流れを見てみましょう。

  1. 育児休業開始後2ヶ月(2ヶ月未満の育児休業の場合はその期間経過後)を経過した日以降、事業所がハローワークに支給申請書を提出
  2. ハローワークが支給申請処理を行い、決定通知書を事業所へ送付
  3. 決定通知書に記載されている交付の日から、おおむね1週間以内に指定された口座に入金
  4. 次回2回目以降は、事業所が2ヶ月ごとにハローワークに申請

事業所がハローワークに支給申請書を提出する際の方法は3通りあります。

電子申請であれば申請後2週間、郵送であれば2〜3週間、来所であれば1週間で指定口座に支払われるそうです。

つまり、育児休業の開始時点で支給されるわけではなく、最低でも2ヶ月以上の期間が空いてから振り込まれるので、注意が必要です。

育休制度を利用する際に必要な書類と手続き

ここでは育児休業制度を利用する際の必要な書類や手続きを、利用する人と企業の2つの目線から解説していきます。

育休制度を利用する人が必要な書類と手続き

育休制度を利用したい場合は、育児休業取得予定日の1ヶ月前までに、育児休業届を企業に提出する必要があります。

育児休業届は厚生労働省がテンプレートを用意しているので、そちらを利用するのがいいでしょう。

ただし、会社で規定されたフォーマットがある場合は、そちらを利用するべきです。

基本的に、育休制度を利用する人が提出する書類や手続きは育児休業届のみとなっています。

育児休業届を提出した後は、企業から育児休業取扱通知書で確認事項が伝えられるので、それをしっかり確認しましょう。

企業がやるべき手続き

企業がやるべき手続きの大まかな流れは以下の通りです。

  1. 従業員から育児休業届を提出してもらったら、育児休業取扱通知書で必要事項を通知する
  2. 従業員の社会保険の免除の手続きをする
  3. 育児休業給付金を申請する

まずは従業員から提出された育児休業届を受け取ります。その際、育児休業届の受け取りを拒否することはできません。

育児休業は「育児・介護休業法」に基づく労働者の権利なので、法律で定められている通りに認める必要があるのです。

また、育児休業によって解雇したり減給したりするのも禁じられています。

そして育児休業届を受理したら、育児休業取扱通知書で以下の事柄を通知します。

  • 育児休業期間
  • 休業中の給与の取り扱い
  • 復職時の労働条件

また、従業員が期日(休業開始日の1ヶ月前)に遅れて提出した場合、育児休業開始予定日から1ヶ月を経過する日までの間で開始日を企業側が指定できます。

例えば育児休業開始予定日が6月20日なのに、従業員が6月1日に育児休業届を提出した場合、企業は6月20日から7月1日の間までで開始日を決定できます。

育児休業に入ったら、社会保険の免除の手続きを行いましょう。

「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構(年金事務所または事務センター)に提出します。

その後、従業員が育児休業を開始してから2ヶ月が経過したタイミングで、育児休業給付の受給資格確認手続きと、育児休業給付金の初回支給申請手続を行います。

支給申請手続は被保険者が行うことも可能ですが、育児で忙しいのと事務作業の効率化のため、企業で行うことが推奨されているようです。

この際に企業は以下の書類をハローワークに提出します。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認表・(初回)育児休業給付金支給申請書

これで受給資格があると判定された場合、「育児休業給付金支給決定通知書」と「(次回)育児休業給付金支給決定書」が交付されるので、これらを被保険者に提出します。

また、これ以降は2ヶ月に一度のペースで「育児休業給付金支給申請書」を提出し続けることになります。

以上が、育児休業の際に企業がやらなければいけない手続きの大まかな内容です。

育児休業を延長した際の対処状

育児休業制度は原則として子が1歳に達するまで利用できます。

しかし、子を保育所に入れない場合に限り、子が1歳6カ月になるまで育児休業期間を延長可能となっており、さらに再度申し出することで、最長で2歳まで延長可能となりました。

延長する際は再度「育児休業給付金支給申請書」を提出する必要があります。

育休制度の現状

厚生労働省の2020年度「雇用均等基本調査」によると、女性の育児休暇取得率は81.6%ですが、男性は12.7%にとどまっています。

ちなみに2021年度の育児休暇取得率を見ると、女性は87.8%、男性は2.6%となっており、前年度より減少が見られます。

厚生労働省は2025年までに男性の育児休暇取得率を30%まで引き上げる政府目標を立てていますが、達成できそうにはない状況です。

また、厚生労働省の2018年度「雇用均等基本調査」によると、育児休業終了後の復職者の割合は、女性は89.5%、男性は95.0%となっており、ほとんどの場合でで復職できていることがわかります。

関連記事:女性社員にどう活躍してもらう?採用とマネジメントのコツ

育休制度のFAQ

ここからはFAQ形式で育児休業制度を解説していきます。

育児休業の申し出を拒否した場合、何か罰則はある?

育児休業の申し出を拒否しても、原則として罰則はありません。

ただし、申し出を拒否した場合は明確な法令違反となるので、各都道府県労働局雇用環境・均等部が調査に入り、行政指導が行われます。

育児休業を分割して取得することは可能?

原則として1人の子につき1回のみの取得です。また、双子以上の子であっても1人として扱われます。

ただし、会社の制度が法律を上回る措置として分割取得を認めていれば可能です。

また、子の出生後8週間以内の期間内に育児休業を取得・完了した場合は、特別な事情がなくとも再度の取得が可能となっています。

なお、育児・介護休業法の改正により、2022年10月1日以降は分割して2回取得することが可能となります。

企業に対する助成金が存在するって本当?

男性の育児休業等の取得推進に取り組む企業が活用できる「両立支援等助成金」があります。

中小企業向けの助成金なので、該当者は確認してみてください。

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