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プレイングマネージャーは「マネージャー」である

世にある組織には所謂「プレイングマネージャー」と呼ばれる管理職が多く存在しています。

このプレイングマネージャーの役割ですが、名称のごとくプレイヤー機能とマネジメント機能を兼ねているのは事実です。
しかし、実際プレイヤーとしての仕事に偏ってしまい、マネジメントが疎かになっていたりはしませんか?
はたまた自身がプレイヤーとして部下の誰よりも優秀でないといけないと思っていたりはしませんか?

今回はプレイングマネージャーの組織内における正しい役割の考え方についてお伝えします。

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尺度は関係ない

まずは「尺度」という言葉のついて触れておきましょう。

尺度とは人と人との見えない位置関係(※人と人との見えない意識上の優劣の関係)を決めるバロメーターのことであり、その時々でやり取りするテーマにおける知識と経験の総量です。これが大きい方が上位置、小さい方が下位置と意識上なり、会話が続いていくことになるのですが、実は組織内においてはこの尺度は関係ないという話です。
少し具体的な例に切り替えますと、上司と部下の関係は尺度に左右されるものではないということです。

課長とその部下のAさんという人がいた場合、その組織における課長とAさんの位置関係(上下関係)は最初から与えられた役割によって決まっています。
それにも関わらず、Aさんが「営業面に関しては既に課長の実績を抜いているので、課長からとやかく言われる筋合いはもうない」と尺度で上下関係を決めようとするといったケースです。
もしこの尺度で組織内の上下の位置関係が決まるのであれば、社長は全ての従業員の全てのテーマにおいて勝っていないといけませんが、そんなスーパーマンのような社長は絶対いませんよね。

このように組織内の位置関係は役割で決まっており尺度は関係ないのですが、実はこの尺度を持ち出すプレイングマネージャーが多く見受けられるのです。

プレイングマネージャーの錯覚

では、多くのプレイングマネージャーに見受けられる尺度を持ち出す錯覚とは何かについて説明します。

まずプレイングマネージャーは多かれ少なかれ自身がプレイヤー層の際の成績が優秀であったことが認められ、今の役職に昇格しています。
その為、自身がプレイヤーとして優秀であり続ける必要があると錯覚しがちなのです。
この錯覚に陥ると、部下の誰よりもプレイヤーとして勝っていないと降格させられると勘違いし、自身の地位の保守の為にプレイヤーとしての職務を最優先に考えてしまうのです。

そしてこの錯覚の最も恐ろしい結末が、自身の成績を追い抜こうとするくらいの成長を見せてきた部下を脅威のライバルと見なし、その成長の邪魔をする行動に走るといったあるまじきことをしてしまう可能性があるのです。

役割定義の明確化

では、どうすればこの最悪なシナリオの根源となる錯覚をプレイングマネージャーに起こさないように出来るのか、それは組織側がプレイングマネージャーに役割を正しく認識させることです。
つまり個人の能力の問題ではなく、組織側が役割定義を明確にできているかが問題だということです。

プレイングマネージャーは管理職である以上、本来求められる機能はマネージャー機能、つまり部下を管理して自身のチームを勝利に導くことが最大の使命です。極端に言えば、自身個人の成績は仮にゼロでも、チームが勝利すればOKなのです。
自分よりもプレイヤーとして優秀な部下を育て、その力をフルに活用することがマネージャーの役割なのです。

よって、プレイングマネージャーの上司つまり組織側がプレイングマネージャーに求める役割定義をまず明確に作成しそれを伝え認識させます。
加えてプレイングマネージャーに対する評価は自身個人の成績は加味しないといった内容にするとより明確になります。

まとめ

今回はプレイングマネージャーの正しい機能について錯覚要因と対処法についてご紹介しました。

  • 組織内における位置関係は役割で決まっている為、各テーマにおける尺度でその関係が変わることはない。
  • プレイングマネージャーはマネージャー、つまり部下を育てて自信よりもプレイヤーとして優秀に育てる管理を行い、チームを勝利に導くことが本来の役割である。
  • 組織側が役割定義を明確にそして正しく作成しプレイングマネージャーに認識させる。その際にチーム全体の成績だけで評価するなどの評価制度を加味するとより明確になる。

このタイミングでしっかりとプレイングマネージャーに求める役割を正しく理解し、本来の機能が果たせるよう取り組んでみてください。

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