組織内には様々な会議体があるかと思いますが、参加者層はどうなっていますか?
例えば、部長・課長・メンバーの3者間でやっていたりと複数の役職者が混在していませんか?
なっていたとしてもおそらく様々な理由があってのことかと思います。
部下である課長が就任したばかりで不安だということもあれば、階層を分けて複数回やるよりも、一度の実施で済むので効率がいいとか、皆さん良かれと思って実施しているかと思います。
もちろん共有が目的の「総会」といったものは別ですが、日々の進捗を追いかける会議体においては2階層間での会議にしないといけません。
つまり例えば、部長と課長、課長とメンバーといったことです。
ではなぜ部長・課長・メンバーといった3階層になってはいけないのか。
今回はその弊害と2階層でやる効果についてご紹介致します。
目次
3階層以上で行う会議の弊害
では、なぜ会議は3階層以上で行ってはいけないのでしょうか。
その弊害の起点は“一つ飛ばし”と呼ばれる事象になります。
これは例えば部長が直部下の課長を飛ばしてその下のメンバーに直接指示を出してやり取りをする事象のことです。
これにより大きく次の3つの弊害が発生します。
まず1つ目は、飛ばされた課長が無責任な状態になってしまうことです。
自身を飛び越えて指示や報告がなされますので、飛ばされた課長は自身の存在意義を感じれなくなる、もしくは勝手にやってくれるから楽だなと思い始め、その会議に参加しているメンバーの一人という認識が薄くなる、
つまり自分事ではないと錯覚します。
こうなると本来課長として会議を進行させ部下を管理しないといけないのに、それをしなくなるので当然部下は育たないですよね。
2つ目は、メンバーが課長と同位だと錯覚します。
課長よりも地位のある部長から直接指示されているものですから、自分はもう課長と同じくらい認められていると勘違いを起こします。
こうなると直属の上司である課長の指示を聞かなくなります。
そして3つ目は、飛ばしを受けたメンバーにとって直属の上司が2人いるような状態になります。
これはどちらの指示に従えばいいのか迷ってしまうロスタイムもありますが、もっと最悪なのは自分の都合に合わせて上司を選び出すということです。
このように3階層以上の会議体にすることで、本来の上司・部下に与えられている組織上の機能に大きな弊害をもたらすのです。
よって会議は2階層(上記例で言うと、部長と課長、課長とメンバーに分ける)で行わなければいけません。
2階層間での会議を徹底する為のポイント
では、「2階層間での会議にすることは分かった。でも組織には様々な事情でそれが難しいこともあるはずだ。」と思われた方も少なくないかと思います。
もちろん原則は2階層にして下さい。ただ、次のような手法を取ることで例外をつくることは可能です。
例えば、部長・課長・メンバーの3階層があります。
この課長は就任したばかりで、経験も浅く部長からすると会議の進行に関して不安が拭えないといったケースの場合です。
この場合、部長はオブザーバーとして会議に参加することが認められます。
ただし、会議中は口を出さず、会議終了後に個別に課長に対して不足を指摘するといったやり方です。
ただ、いずれにせよ一人でやらせてみないと成長はしないので、早い段階で完全に一人でさせないといけません。
このように2階層に限定することは、会議を進行する上司側が管理職として正しく成長することに繋がるのです。
つまり、なぜ2階層に限定するのか、それは管理職を成長させていく為に必須の条件だからなのです。
よかれと思って上司の上司が会議に参加し言動を取ることは、逆に組織の成長を阻害する原因となっているのです。
まとめ
今回は進捗を管理する会議体においては2階層間に限定して実施する理由とその実施ポイントをご紹介しました。
- 3階層以上の会議を実施すると、組織内に様々な弊害が発生する。
- 常に会議は2階層間に限定する。上司側である管理者がもし着任したばかりなどで、一人では会議の進行が難しいのではと判断した場合は、その上司がオブザーバーとして参加することはOK。ただしその場での発言は控え、会議終了後に管理者である部下に個別で不足を指摘する。
2階層間に限定することは決して効率が悪いことではなく、成長という効果を生み出します。是非取り入れてみてください。