「結果でのみ評価し、頑張りやプロセスは評価の対象としない」これが、表題の問いに対する結論です。
しかし、
「プロセスをみてあげないと、せっかく頑張っているのに結果がなかなか出ないような真面目な社員にとって不平等になり、結果、部下がやる気を失う」とお感じの方もいるでしょう。
しかし、これは完全に間違いです。
詳しく説明する前に、ここでいうプロセスは次のようなものです。
– 誰よりも頑張っている。
– 積極的に勉強している。
– 粘り強く最後までやり抜こうとしている。
事実というよりは、“誰よりも”“積極的に”“粘り強く”等のように感覚で捉え、基準が曖昧で、数値、もしくは○、×の評価ができない、結果が出るまでの過程と定義します。
こうしたプロセスを評価しようとすると、どうしても、個人的見解が入ってしまいます。
「頑張りを評価する」を実現するためには、上司は、自身の認識できる情報から、自身の感覚や感情的な基準に基づき、評価をすることになります。
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プロセス評価をするから不平等な評価となる。
例えば、営業部門で同階級の「いつも遅くまで頑張っているAさん」と「ほぼ定時で帰るBさん」がいたとします。プロセス評価を重視すると、例え、売上でBさんが勝っていたとしても、Aさんの評価が高くなるような事があります。
なぜなら、上司が、自身の認識している範囲内では、Aさんの方が頑張っているからです。
ところが、Bさんも、定時で帰った後、知人へ商品提案をしたり、ロープレに時間を費やしていたのかもしれません。
それを見ていないだけで、Aさんの方が頑張っているという不平等な結論を出すしかなくなるのです。
これがプロセス評価で平等な評価ができない理由です。むしろ、上司の感覚で評価されたBさんが不満を持つ要因となります。
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結果で評価をするから平等な評価となる。
結果だけを追い求めると会社の雰囲気が殺伐としてしまい、人間味がなくなってしまうのでは、と感じる方もいるでしょう。
しかしながら、これまで述べた通り、プロセスでは、個人的見解、感覚的な評価となるため、基準や○×を明確に付けられる結果でしか評価してはいけません。
どうしても頑張りを評価したいのであれば、それも結果で表現します。
頑張っている営業=「訪問件数○○件」「電話件数○○件」と評価項目に追加し、その基準をもとに頑張っているかどうかを評価するのです。
あくまでも、結果でみることにより、例えば「売り上げ目標○億円の90%だった」という結果に対して、客観的で明快な評価が可能となります。ここに「この部署のメンバーはよく頑張っていた」という評価者の主観が入ってしまうと、評価者の目線の範囲で頑張っていたように見えたかどうかが基準となってしまい、公平さが損なわれます。
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会社に対する評価基準も結果のみ
そもそも、社員一人ひとりの集合体である会社は、結果だけで評価されます。
社員が毎日深夜まで残って作り上げた製品を市場に出した時、「○○株式会社の社員の皆さんが深夜まで頑張っていたから商品を買おう」とはなりません。市場は会社を結果(商品が良いか悪いか)でしか評価しないのです。「社員は頑張っていた」というのは、会社に対する評価基準になり得ないのです。
会社に対する評価が結果だけで行われることを考えると、その構成員である社員の評価も結果だけで行われるべきです。なぜなら、会社が市場に出した結果は、社員1人1人の結果の集合体だからです。公平無私な市場で生き残りたいのであれば、社員にも同様の評価基準をもって評価する必要があります。
これを無視しているために、業績が下がるというケースも少なくありません。
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