組織のチームワークを向上させたいけれど、何をしたらよいのかわからず悩んでいませんか。
この記事ではチームワークが重要視される背景や高めるメリット、チームワークを向上させるためにするべき5つのことを紹介します。
最後までお読みいただき、組織のチームワーク強化に活かしましょう。
目次
チームワークとは「目標を共有した共同作業」のこと
チームワークとは組織に所属するメンバーが目標や目的を共有し、それを達成するためにおこなう共同作業です。
チームワークを高めることで、個人では達成できないような大きな目標を達成したり、重要な課題に立ち向かえます。
人はそれぞれ得意、不得意があり、スキルのバランスも異なります。
例えば黙々と作業することが得意な人もいれば、リーダーシップを発揮して人を引っ張っていくタイプの人もいるでしょう。
そのため、それぞれが自分の役割や能力を認識し、他者のそれを認め合い、チームのアウトプットを最大化する動きが重要となります。
企業でいうチームの例は、「部」や「課」、「プロジェクトチーム」です。
チームと似た言葉に「グループ」がありますが、グループとは単に複数の人が集まっている状態であり、チームが持つような共通の目標はありません。
チームワークが重要視される背景
チームワークが重要視される背景には、以下の2つがあります。
- グローバル化の進展やAIの登場などの変化
- ダイバーシティの推進
現代はグローバル化の進展やAIの登場と、変化が著しい時代であり、先の予想が立てづらくなっています。
困難な課題を解決するためには、個人の力だけでは限界があるため、個々の特性を認め、スキルや知識を結集して力を発揮してもらうことが欠かせません。
また労働人口の減少により、近年では組織にさまざまな価値観や背景を持つ人が参画しているため、多様性を認める「ダイバーシティ」の考え方が注目されています。
そのため、それぞれの価値観や考え方を尊重して活用するには、チームワークをよくして互いに認め合える環境づくりがこれまで以上に重要視されています。
チームワークを高める3つのメリット
ここからは、チームワークを高めるメリットを3つ紹介します。
1.高い成果を出せる
人にはそれぞれ得意・不得意なことがあり、それは一人として同じにはなりません。
チームワークを高め、互いに協力すると、得意な分野は得意な人に任せることも可能になります。
例えば何かイベントを開催する際に、準備するのが得意な人が物品を手配し、リーダーシップを発揮するのが得意な人が仕切ると、物事が滞りなく進むでしょう。
得意な人がおこなうアウトプットは当然質が高くなり、複数人が集まり協力することによって高い成果を出せます。
2.アイデアを創出できる
価値観や考え方、経験は人それぞれで異なるものです。
自分の考えを伝え、他者の意見を足すことにより意見がブラッシュアップされ、一人で考えていた際には考えつかなかったようなアイデアを生み出せます。
チームワークがよければコミュニケーションも活発になり、変化の速い時代にも使えるアイデアがスピーディに浮かぶような組織の基盤が作れます。
3.モチベーションが高まる
人は誰かに見られていたり感謝されたりすると、認められている気持ちになり、所属感が増します。
チームを組み共通の目標を追うと、コミュニケーションが活性化し、違いに切磋琢磨したり知識を共有したりと、よい刺激を与え合えるのもメリットです。
それだけでなく、チームに頑張る人がいると、それに感化されて自分も頑張ろうと思う気持ちが湧いてきます。
組織全体のモチベーションが高まり、個人の総和以上の力を発揮できるようになります。
チームワークが悪いことの3つのデメリット
続いて、チームワークが悪いことのデメリットを3つ紹介します。
1.情報が共有されない
組織が共通認識を持って仕事をするには、統一された情報を持っていることが重要です。
新しい情報があると、よいチームではすぐさま全従業員に伝達される一方、チームワークが悪いと情報の伝わる速度にムラが生じてしまいます。
情報周知の不徹底があると、「仲間から外された」と疑心暗鬼に陥ってしまう従業員が出てきてしまったり、認識の相違が生まれたりして足並みがそろわなくなってしまいます。
2.責任のなすりつけ合いが起きる
チームとして働く意識が薄く、個人で仕事している気持ちでいると、仕事の範囲を限定して考えてしまうケースがあります。
例えば問題が起きた際には「チームとしてのシステムが悪かった」と建設的に考えるのではなく、「〇〇さんが悪い」と責任をなすりつけてしまうときがあるでしょう。
すると各々が足を引っ張るような組織になってしまい、仕事以外のところで余計な力を使ってしまうことになります。
3.意見が対立してまとまらない
チームワークがよいと、意見が対立しても話し合いによって使える部分をピックアップしたり、さらに議論を重ねてブラッシュアップできます。
一方でチームワークが悪いと、意見を出してもよりよい方向性にまとめようとする意識が薄れてしまいます。
互いに歩み寄ろうとせず、正しさを競うような話し合いの場になってしまい、亀裂が埋まらないまま人間関係の悪さを引きずってしまうでしょう。
識学式:チームワーク向上のためにするべき5つのこと
チームワークを本質的に向上させるには、いくつか注意して取り組むべき点があります。
ここからは識学が提唱する、チームワーク向上のためにできることを5つ紹介します。
1.言語化されたルールをつくる
複数人が集まると考え方の違いにより、ときには人間関係がギスギスしてしまうことがあるでしょう。
そのような事態を避けて心理的安全性を上げるために、言語化されたルールをつくるようにします。
ルールを設定してルールどおりに動けば、過度に忖度したり人間関係の問題を考えたりせずに、業務を遂行できます。
主語をあいまいにせず、「誰が」「いつまでに」やるのかを決めると、チームとしてスピード感を持って業務を進められるでしょう。
2.あくまでも成果で評価する
チームを組む目的は、共通の目標を達成するためにあります。チームワークをよくすることは目標達成のためであり、あくまで手段なのです。
そのため、四半期や年ごとに目標への達成具合を数字で表し、評価するようにしましょう。
仮に「〇〇さんは結果が出なかったけれど、頑張ったから」とプロセスを評価していては特別扱いされているような人が出てしまいます。
そうするとメンバーに不満を抱かせてしまう結果、チームや企業への不信感がつのってしまうでしょう。
あくまでも結果で評価すると、行動が目標達成の軌道に乗り、「目標に向かう集団」としてのチームが機能します。
3.目標を共有・理解する
チームとは、共通の目標を持った集団です。
仮に目標が共有されていなければ、単なるグループとなってしまいます。
すると行動の目的がバラバラになってしまい、効率よく目標達成へと向かえなくなってしまいます。
そのような事態を避けるため、目標を誰が聞いてもわかるように、定量的な数字で表すことが大切です。
ゴールがわかればチームとして向かう先が決まるため、より効果を生む行動を互いに検討できます。
4.情報を言葉で伝える
日本には「察する」という奥ゆかしい文化がありますが、組織において「行間や空気を読むこと」を周囲に求めるのはやめましょう。
なぜなら、この多様性の時代において、すべての人の感覚が自分と同じとは限らないからです。
「わかるだろう」と思わずにきちんと言葉にして伝えると、価値観をすり合わせられます。
すると誰かが我慢し続けてしまうことが解消され、各々にとって仕事をするうえでパフォーマンスを発揮しやすいチームになります。
5.属人化を解消する
組織はついつい属人化を放置してしまうケースがあります。
しかし人が率先してやらないような仕事を、いつも引き受けてくれる人はいるものです。
そのような人は「自分が損している」と感じると、その組織への帰属意識が薄れてしまいます。
いつも同じ人がしているような仕事があれば、業務責任を分散させるようにしましょう。
すると、誰か一人に負担が集まってしまうような事態が解消され、従業員が等しくチームへの帰属意識を高められるでしょう。
チームワークを高める方法
ここからはチームワークを高めるための具体的な方法を、4つ紹介します。
1on1
1on1とは、マネジメントのいち手法であり、上司と部下がマンツーマンでおこなうミーティングです。
30分程度の時間を設定し、月1〜2回程度の頻度で定期的におこないます。
通常は上司から部下に指示が出されますが、1on1は部下から「仕事やプライベートの悩みや不安」「キャリア形成の悩み」を聞き出し、サポートする取り組みです。
ここで、上司は部下の言う内容を決して否定してはいけません。
なぜなら、「意見を言うと否定される」と感じると、対話に対して否定的にとらえてしまうからです。
定期的な1on1を通して部下が心理的安全性を確保し、上司と部下とで信頼関係が構築される結果、チームの結束が高まります。
メンター制度
メンター制度とは、職場の先輩社員(メンター)と新入社員(メンティー)とがペアになり、仕事における信頼関係を築きながらサポートする制度です。
不安や悩みを打ち明けやすいように、メンターは通常、他部署や別の支店に所属している年齢が近い社員が選ばれるケースがほとんどです。
具体的には、以下のような悩みをサポートします。
- 仕事や対人関係の悩み
- キャリア形成やスキルアップの悩み
- 仕事とプライベートとのバランスに関する悩み
メンター制度を導入すると、部署を超えてチームワークが醸成される風土を作り出せます。
フリーアドレス制度
フリーアドレスとは、従業員が固定された自分の席を持たず、業務によってオフィス内で仕事する場所を選択できる制度です。
企業によってはコミュニケーションスペースと集中スペースをわけたり、カフェスペースを作ったりするケースもあります。
この制度により、取り組んでいる仕事に知見を持つ従業員の隣に座ったり、普段あまり話さない人の近くに座り会話からアイデアを創出したりすることが可能です。
フリーアドレス制度を導入するとコミュニケーションが活性化され、所属意識を高めたり、新しい視点を持って組織を別の角度からとらえたりできるでしょう。
その他アクティビティ
その他、オフィス内でできる効果的なアクティビティもあります。
例えば各自一週間のうちにあったよいニュースの発表や、チームで簡単な創作をして他チームと競うゲームなどです。
仕事とは直接関係のないワークを実施すると、従業員の普段見せない一面を知れるため、相互理解が深まります。
その他、役に立つアクティビティを知りたい方は以下をお読みください。
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チームワークを高めて組織の生産性を上げよう
多様性の時代により、オフィスにあらゆる価値観を持った人が増えました。
それと同時に市場の移り変わりも激しい現在、組織力がより重要視されるようになっています。
チームワークが悪くなってしまうと、仕事以外の部分で目標の達成を鈍化させてしまう動きが起こり、効率性を欠いてしまうでしょう。
そのような事態を避け、アイデアを創出したり成果を突出させたりするためにチームワークを高め、組織の生産性を上げることを目指すことが重要です。