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メルクマールとは?ビジネスシーンでの使い方と設定方法を紹介!

メルクマールとは

メルクマールはビジネスシーンにおいては「中間目標」や「指標」という意味を持つ用語です。

本記事では、ビジネスにおけるメルクマールの使い方を解説していきます。

また、メルクマールを設定するメリットや注意点も紹介しているので、マネージャーの方はぜひ最後まで読んでみてください。

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メルクマールとは?【中間目標】

メルクマール(Merkmal)は「目標を達成するための道のり、中間目標、ゴール」という意味のドイツ語が語源です。

ビジネスシーンでも同様に「目標を達成するまでの中間目標」という意味で用いられます。

また「判断基準」や「指標」という意味で用いられることもあるそうです。

その場合、例えば「この案件を受けるかどうかのメルクマールは報酬次第だ」という使い方が想定されます。

マイルストーンとの違い

メルクマールに似た言葉として、マイルストーンがあります。

マイルストーンは、最終目標に向かうための通過点を指す言葉です。

元々、マイルストーンは道路標識を指す言葉で「あと〇〇kmで到達するか」を表すものでした。

一方のメルクマールは「中間目標」という意味があるので、マイルストーンとはニュアンスが異なるように思えます。

しいて言えば、メルクマールは「達成」、マイルストーンは「到達」です。

ただし、基本的にはどちらも同様の意味の言葉として用いても問題ないでしょう。

KPIとの違い

メルクマールに似た言葉として、KPIも挙げられます。

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」のことで、簡単に言うと、目標達成までの定量的な達成度を示す指標です。

「中間目標」という意味では、KPIとメルクマールはほとんど同じ言葉だと言えます。

ただしメルクマールよりもKPIの方が、目標達成のための管理に重きを置いている印象があります。

ビジネスでのメルクマールの使い方

メルクマールは「中間目標」や「判断基準」を示す言葉です。

例えば「最終的に売上1億円を突破したい場合、その最終目標に対する「メルクマール」として、成約数100件を設定する」というように用いられます。

また「判断基準」という意味合いでは「〇〇さんをプロジェクトに配置できるかどうかがメルクマールになるから、もし配置できなかったらこのプロジェクトはやめよう」というように用いられます。

ただし一般的には、マイルストーンやKPIを同じ感覚で「中間目標」として用いられるのが多いようです。

法律におけるメルクマールの使い方は?

ビジネスシーン以外では、法律の世界でもメルクマールが用いられるそうです。

ただしビジネスシーンとは異なり、基本的には「判断基準」の意味合いで用いられます。

例えば、裁判で判決が下されたり、上告を検討したりする際の判断材料が「メルクマール」に該当します。

医療におけるメルクマールの使い方は?

また、医療において「治療における評価指標」の意味合いでメルクマールが用いられるようです。

具体的には、手術後の経過観察や、検査結果の数値で投薬による効果が出ているかどうかを判断する際の評価指標としてメルクマールが用いられます。

メルクマールを設定する3つのメリット

ビジネスにおいて、メルクマールを設定するメリットは以下の3つです。

  • 課題が明確になる
  • 人事評価しやすくなる
  • モチベーション向上につながる

それぞれ詳しく解説していきます。

メリット①:課題が明確になる

メルクマールを設定するメリットとして、課題が明確になることが挙げられます。

メルクマールは、最終目標に対して中間目標を設定します。

そのため、仮に最終目標のスケールが大きかったとしても、中間目標をイメージすることで、課題を明確にしやすくなる効果があるのです。

最終目標のスケールが大きすぎて課題が曖昧になりがちな時は、メルクマールを設定するのがいいでしょう。

メリット②:人事評価しやすくなる

メルクマールを設定するメリットとして、人事評価がしやすくなることが挙げられます。

メルクマールはKPIと同じように使い方ができるため、目標の達成度に応じて評価する「目標管理制度(MBO)」との相性が抜群です。

定量性の高いメルクマールを設定できれば、正確な人事評価を実施できるようになります。

人事評価をスムーズにしたいのであれば、メルクマールを設定するのがいいでしょう。

メリット③:モチベーション向上につながる

メルクマールはモチベーション向上に繋がるのもメリットです。

具体的には、最終目標に対してメルクマールを小刻みに設定します。

そうすることで、従業員はゲーム感覚で、メルクマールを少しずつ達成するようになるのです。

「千里の道も一歩から」で従業員のモチベーションを向上させられるのが、メルクマールの魅力です。

メルクマールの3つの注意点

メルクマールの注意点は以下の3つです。

  • 途中で軌道修正しづらくなる
  • 徹底的に定量化する必要がある
  • 確率をメルクマールに設定してしまう

それぞれ詳しく解説していきます。

注意点①:途中で軌道修正しづらくなる

メルクマールを設定することで、途中で軌道修正しづらくなる可能性があります。

例えば「売上1億円」という最終目標に対して「成約数100件」という中間目標を設定したとしましょう。

しかし、このように中間目標を設定してしまうと「営業による成約」に縛られてしまい「広告」などの他の手段に軌道修正しづらくなる恐れがあります。

現代社会は、1年の中で情勢が目まぐるしく変化する時代です。

メルクマールを柔軟に変更できるシステムを構築する必要があるでしょう。

注意点②:徹底的に定量化する必要がある

メルクマールを設定する際は、徹底的に定量化する必要があります。

なぜなら定性的なメルクマールを設定してしまうと、はたしてどれだけ最終目標に近づいているのかがわかりづらくなるからです。

メルクマールを設定する際は、徹底的に定量化する必要があります。

そのためには、最終目標にも数字を用いて、可能な限り具体化することが必要です。

注意点③:メルクマールを「確率」で設定してしまう

メルクマールを「確率」で設定する際は注意が必要です。

なぜなら、メルクマールを確率で設定することで、従業員の行動力が落ちてしまう可能性があるからです。

例えば「成約率50%以上」をメルクマールに含めるとしましょう。

そうなると従業員は、確実に成約が取れる既存顧客などにしかアプローチしなくなってしまいます。

何よりも、確率をメルクマールに設定することで、従業員が挑戦しなくなるのが大きなデメリットです。

識学では、以上のような現象を「確率のワナ」として可能な限り避けることを推奨しており、その代わりに「行動量(母数)」をメルクマールとして設定することをおすすめしています。

効果的なメルクマールの設定方法

効果的なメルクマールの設定方法は以下の通りです。

  1. 最終目標を設定する
  2. 逆算してメルクマールを設定する
  3. さらに分割して行動目標を設定する

それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。

手順①:最終目標を設定する

メルクマールを設定する前に、まず最終目標を設定します。

この際、SMARTの法則などを用いて、最終目標を可能な限り具体的なものにするのがおすすめです。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Assignable(割り当てられる)
  • Realstic(現実的)
  • Time-related(期限のある)

可能な限り具体的な最終目標を設定することで、メルクマールを設定しやすくなります。

手順②:逆算してメルクマールを設定する

メルクマールは、最終目標から逆算する形でメルクマールを設定するのがポイントです。

例えば「1年後に売上1億円」が最終目標なのであれば「3ヶ月後に3,000万円」「半年後に6,000万円」というようにメルクマールを設定するのです。

このように小刻みにメルクマールを設定することで、従業員は目先の「3ヶ月後に3,000万円」という目標のために仕事し、少しずつ最終目標に近づいていけるようになります。

手順③:さらに分割して行動目標を設定する

メルクマールを設定した後は、そこからさらに分割して行動目標を設定します。

例えば「3ヶ月後に3,000万円」というメルクマールに対して「電話のアポ100件」というように行動目標を設定するのです。

この際、先ほども述べた「確率のワナ」には注意が必要です。

行動量をベースにした行動目標を設定するようにしましょう。

メルクマールを正しく運用する3つのコツ

メルクマールを正しく運用するコツは以下の3つです。

  • 可能な限り具体的なメルクマールを設定する
  • 導入前にメンバーにしっかり説明する
  • ITツールや貼り紙などを用いてメルクマールを常に意識させる

それぞれ詳しく解説していきます。

コツ①:可能な限り具体的なメルクマールを設定する

まずは可能な限り具体的なメルクマールを設定することが欠かせません。

具体的なメルクマールを設定することで、従業員がしっかり取り組めるだけでなく、マネージャーが目標の達成度に応じてプロジェクトを管理しやすくなります。

メルクマールを設定する際は、どんな従業員でも明確にイメージできるぐらい具体的に設定しましょう。

コツ②:導入前にメンバーにしっかり説明する

メルクマールを導入する前に、メンバーにしっかり説明することが大切です。

メルクマールがどのような効果を及ぼし、どのようなデメリットがあるのかを従業員に共有します。

この際、メンバーからアイデアを抽出して、メルクマールの運用に役立てられれば尚良しです。

コツ③:ITツールや貼り紙などを用いてメルクマールを常に意識させる

メルクマールを常に意識させるために、ITツールや貼り紙を用いるのもポイントです。

チャットやプロジェクト管理ツールで常にメルクマールが表示されるようにしておきます。

デスクトップの壁紙にメルクマールを表示させるのもいいでしょう。

そしてディスプレイの中だけでなく、現実空間にもメルクマールを表示させておくことで、従業員にメルクマールを意識させます。

メルクマールを意識させることで、従業員はメルクマールを達成するための仕事に集中するようになるので、結果的に、最終目標の達成確率が高まります。

メルクマールの導入事例

ここではメルクマールの導入事例を紹介していきます。

事例①:ソフトバンク

ソフトバンクではSDGsを実現させるために、以下の6つのマテリアリティ(重要課題)に対して設定したメルクマールを紹介しています。

  • DXによる社会・産業の構築
  • 人・情報をつなぎ新しい感動を創出
  • オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出
  • テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献
  • 質の高い社会ネットワークの構築
  • レジリエントな経営基盤の発展

さらに、それらに対して「件数」をベースにした行動量が設定されている点に注目です。

事例②:楽天

楽天は元々KPIを重視してきた企業ということもあり、様々な領域におけるKPIを公開しています。

しかし2015年からは、KPIに代わる「NPS」を全社に導入しました。NPSは顧客満足度を数値化した指標です。

楽天が、定量的な要素だと言える顧客満足度をあえて数値化していることから、何事も数字で把握することが非常に重要であることがよくわかります。

事例③:メルカリ

メルカリでは「納得感のあるKPI」を重視しており、その設定のために、経営幹部も含めた1泊2日の合宿を実施したそうです。

筆者が個人的に注目したポイントが「取締役が発案した」という点です。

経営幹部から積極的にアプローチすることで、KPIに対して深く考える時間を容易に確保することが可能になっているのがわかります。

KPIやメルクマールについては、やはり現場の従業員よりマネージャー、もっと言えば経営層が改善を推し進める必要があるのでしょう。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

  • メルクマールは目標を達成するまでの中間目標のこと
  • メルクマールを設定することで課題が明確になったり人事評価しやすくなったりするメリットがある
  • メルクマールを設定することで途中で軌道修正しづらくなる点に注意が必要

メルクマールは、目標管理において非常に重要な要素で、マネージャーならば押さえておきたい言葉です。

メルクマールを活用することで、何年もの時間を要する大規模プロジェクトでも、確実に前に進んでいる感覚が得られるようになります。

企業理念やビジョンを達成するために、メルクマールを活用していくのがいいでしょう。

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