社員が高いパフォーマンスを発揮するには評価制度が必要です。
何を基準に評価されるかが理解できていない環境に置かれた社員は、高いパフォーマンスを発揮することはできません。
それだけ大事なわけですから、自前で評価制度を構築することはできるものの、人事評価のコンサルティングを利用するのも選択肢です。
ここでは一般的な人事評価のコンサルティングが何をしてくれるのかという話と併せて、評価制度の効果と構築上の注意点を説明します。
目次
人事コンサルティングは何をしてくれるのか
一般的に、人事評価のコンサルティングは評価制度の構築と運用の支援をしてくれます。
構築については評価項目、評価基準、査定方法の決定に対する支援、運用については本運用に至るまでのテスト運用や制度変更に関するアドバイスの他、運用開始後の支援も必要に応じて行ってくれます。
人事評価は、組織で働く社員に対して自分たちの生きる糧を得るために集中して取り組むべきことを表現する制度であるので、制度設計は極めて重要です。
より効果的な評価制度を構築するためにはその道のプロでもある人事評価のコンサルティングを活用することも検討するとよいでしょう。
なぜ評価制度が必要なのか。その効果は
社員は何のために働いているかといえば、生きる糧を得るためです。
それゆえ、評価制度の効果を一言で言うと、社員が生きる糧を得るための正しい行動を認識しやすい環境を構築できること。
会社に評価制度がないということは、社員にとって何をもって評価されるのかが分からない状態です。
学生であればテスト範囲が不明な状態でテストを受けるようなものであり、適切な対策が取れないでしょう。
自分が正しいと思ってした行動が成果につながらない状況が続くと、社員は迷うことが増えます。
そのような状況では集中して仕事に取り組むことはできませんし、当然ながら高いパフォーマンスを発揮することもできません。
適正な評価制度のある組織では、社員が生きる糧を得るために取り組むべきことが明確になります。
そのような環境になることで集中力が高まり、社員の高いパフォーマンスにつながります。
評価制度はいわば、社員が集中して仕事に取り組み成果を最大化するための環境づくりであり、会社側の重要な仕事なのです。
社員にとって自分が取るべき行動に迷う環境になっているとすれば、それは会社の責任であり、社員に高いパフォーマンスを発揮してもらいたければ評価制度は必須なのです。
評価制度を構築する以前に必要なことは
実は、評価制度を構築する以前に重要なことがあります。
それは組織図による組織のフォーメーションの決定に応じた役割の明確化です。
いかに立派な評価制度があっても、これが抜け落ちていると評価制度を機能させることはできません。
役割とは評価制度上の評価項目となる重要な決定事項なので、組織の成果の最大化につながる設定が欠かせません。
最初に組織としての成果を最大化するためのフォーメーションを決めることで、組織に必要なポジションが決定します。
次に、ポジションが決まることで組織のために何をするべきかという役割、つまり評価項目が初めて決まります。
そうすることでポジションごとの役割が明確になり、それぞれの役割に応じた責任と権限を明確にすることで社員は高いパフォーマンスを発揮することができるのです。
つまり、組織にとって必要なポジションを考えることなく役割を決めても、その役割は組織にとって不要な役割となってしまう危険があるということです。
人事評価のコンサルティングによってはこの考えが抜け落ちた評価制度を構築する場合があるので注意が必要です。
評価制度以前に、評価項目にもなる組織にとって必要な役割の検討と決定がなければ、個人と組織のパフォーマンスの最大化はあり得ません。
関連記事:社員への人事評価制度の問題点は?導入・見直し方法を解説!
評価制度は完成して終わりではない
評価制度は完成したら終わりではなく、組織のパフォーマンスを高めるために正しく運用していかなければいけません。
評価項目が多過ぎたり、査定方法のロジックが不明確・複雑であったりする評価制度は形骸化する危険性があります。
評価項目が多い評価制度は社員が評価項目を覚えられず、評価の期限間近に評価シートを確認するような状態になりがちです。
評価項目は絞り込み、常に役割を意識できる状態でなければ、集中もできずパフォーマンスは上がりません。
また、評価の達成基準も〇か×が明確に判断できる状態が望ましいです。
上司と部下で達成か未達成かの判断がつきにくい評価基準では評価に対する不満も出やすくなります。
さらには評価項目や評価基準の他に、査定方法のロジックも明確でなければいけません。
生きる糧である給与を得るために自分の行った行動がどのように給与に反映されるかを理解できず、社長や上司のさじ加減で給与や賞与、昇級が決まるようなブラックボックス化した評価制度では、やはり社員が高い集中力を発揮することはできないでしょう。
また、複雑であったり曖昧であったりする評価制度であれば、独自の運用ノウハウを持ち合わせる人事評価のコンサルティングによる支援を受け続ける状態になりがちです。
評価や査定方法がシンプルな評価制度は、いつまでもコンサルに頼り続ける必要性はなくなり、自力で運用できる状態に早く到達できるメリットがあると言えるでしょう。
関連記事:人事評価制度の作り方!失敗してしまう人事評価が生まれてしまう背景を解説
識学の評価制度はシンプルさが特徴
評価制度は社員と会社にとっても、できるだけシンプルで理解しやすい制度設計になっていることが望ましいです。
識学がコンサルティングを行う評価制度の構築は評価項目を絞り込みます。
評価基準や査定方法のロジックも明確で、上司と部下とで認識のずれない評価制度を構築します。
また、組織図による組織のフォーメーションの決定を行い、組織に必要な機能としての役割(=評価項目)の明確化から支援しています。
評価制度の構築支援を通じて、社員が生きる糧を得るために迷わず、集中できる環境をつくり、社員のパフォーマンスを最大化することで、組織のパフォーマンスも最大化できる組織づくりを支援しています。
必要に応じて運用開始後のサポートも行いますが、自走していただくことを目的にしていますので、シンプルな制度設計で運用しやすい評価制度構築を支援します。
最後に評価制度を構築する上での注意点をまとめます。
- 組織図から組織に必要な役割として評価項目を検討する
- 評価項目が絞り込まれている
- 評価基準が明確で上司と部下で達成・未達成の判断にズレがない
- 評価基準や査定方法が明確であり、運用しやすい
人事評価のコンサルティングを検討する場合は上記の4つポイントを選定の基準をするとよいでしょう。