「部下が育たなくて困るよ。言われたことしかやらないからね。俺がいないとダメなのさ。」
管理職の皆さん、こんな愚痴をこぼしていませんか。皆さんは、プレイヤー時代に成果を残して管理職になったのだと思います。
だからこそ余計に「なぜ部下はできないんだ」といら立ってしまうのではないでしょうか。そうなんです。そう思ってしまうものなのです。
そして、その考えが多くの管理職をダメな上司へと変えてしまう原因だと言えます。
本記事ではダメな上司の特徴と、どうすれば良い上司になれるのかを解説します。
関連記事:なぜ部下が育たないのか?部下の育成のポイントや、上司としての心構えを徹底解説!
目次
ダメな上司の特徴とは?
ダメな上司と聞いてどんな人を想像しますか。
私は「部下を成長させられない人」と「チームの成果を残せない人」がダメな上司であるとお伝えしています。
面倒見がよい、優しい、相談しやすいことが良い上司の条件だと言われますが、部下を成長させ、チームの成果を残さなければ上司としての役割を果たしているとは言えません。
つまり、部下から人気がある(評価の高い)人が、必ずしも良い上司ではないということです。
上司は、会社から与えられた役割があり、それを果たすことで評価を受けます。
部下から評価が高くても役割を果たしていなければ評価は落ちてしまうのに、部下から嫌われないよう迎合してしまっていませんか。
部下には好かれるかもしれませんが、会社から見ると部下に迎合し、厳しいことも言えず部下を成長させられない上司が評価されるでしょうか。
もちろん、評価されません。皆さんも、ダメな上司にならないよう注意しましょう。
また、手取り足取り教えてしまい過ぎるのもダメ上司の特徴です。
よく、部下の仕事がうまく進んでいるか気になって横から上司が口出ししているケースがあります。
当然、上司の方が経験豊富ですので、上司の言われた通りにやった方が成果につながる可能性は高いかもしれません。
ただ、口出しされた部下はどう思うでしょうか。
きっと、「この上司に聞けばいつでも助けてくれる。答えを教えてくれる」と自分で考えることを放棄してしまうようになります。
また、上司の言われた通り行動しますので、それでうまくいかない場合、責任は自分にあると捉えられるでしょうか。
多くは、「上司の言われた通りにやったのだから自分は悪くない」と思うはずです。
それに、指示待ちの部下が増えてしまうと、上司のマネジメントコストも増す一方です。
関連記事:上司が成長できる環境を作らない限り部下は成長しない
ダメな上司の口癖3選
ここからは、ダメな上司が、つい言ってしまう口癖を3つ紹介します。
まず、1つ目は「気合が足りない」です。
1回は言ってしまったことがあるという人も多いのではないでしょうか。
何も、気合自体を否定しているわけではありません。ただ、気合を出せば成果が出るものでもないということです。
成果が出ていない部下からすると、どうすればよいのか迷っているときに、さらに追い打ちをかけるかのように、「気合だ、根性だ」と言われては余計に迷うだけです。
そして、部下は怒られないように上司の顔色を見ながら仕事をするようになります。
二つ目は、「社長が言っているからさぁ」です。
このとき、この上司は「部下に嫌われないために、自分は言いたくないんだけれど」と免責しています。
これでは、組織として取り組むべき仕事を現場がいやいや進めることになり、思うようなパフォーマンスは出ません。
上司は仕方なく言うのではなく、自分が責任者として部下に指示を言い切ることが重要です。
やるかやらないかの選択権を部下側に与えてしまっては、立場が逆転しかねないので注意してください。
三つ目は、「A君とB君で協力してやって」です。
これの何がダメなのでしょうか。一見、「協力しましょう、連携しましょう」といったワードは双方の関係が強固になりそうな印象です。
しかし、何か問題が発生した際に、依頼された側の思考はどうでしょうか。
「俺は悪くない、あいつが悪い」と相手に責任を押し付けようとするはずです。
こういうときは、「責任者はA君、現場はB君」と任命しましょう。
責任者に任命されたA君は自分の責任が明確になり、現場を円滑に進めるためにB君に指示を出す流れになります。
良い上司になるためには?
良い上司とは、どんな上司でしょうか。
私は、コンサルティングを担当する会社の従業員に、よくこの質問をしますが、当然ながら人によって回答がばらばらです。
部下から見た良い上司とは、優しい、怒らない、助けてくれるなど、どちらかいうと部下側にとって都合がよいのが一般的です。
では、社長から見た良い上司はどうでしょうか。
当然、与えられた責任を果たしてくれる、つまり、部下を成長させ、チームの業績を上げられる人が良い上司です。
そのためには、上司は自ら馴れ合いになるのではなく、上司としての役割を認識し、部下と一定の距離を保つことが重要になります。
嫌われたくないからという理由で優しく甘やかし過ぎると、部下は成長しないまま年齢を重ねていくことになり、会社にとって不要な人材になってしまうのです。
部下をそんな人材にさせないためには、厳しいことも指摘する必要があります。
部下から嫌われることもあるでしょう。ただ、一喜一憂してはいけません。
たとえ、今は部下からすると厳しくて嫌な上司かもしれませんが、自分が成長した未来では、感謝として返ってくるはずです。
オリンピック選手が金メダルを取ったときのインタビューで、「監督の練習は厳しかったけど、そのおかげで金メダルを取れることができました」と聞くことがありますよね。
まさにこれです。感謝は時間差で返ってくるのです。
今回は、ダメな上司について解説しました。よかれと思ってやっている言動が実は部下の成長を阻害する原因になります。
上司としてのあるべき姿は部下の成長、チームの成果を最大化することですので、ぜひ今から成長にフォーカスした良い上司を目指してください。